社民党 保坂展人・池田一慶 両候補者の秋葉原街頭演説

※註:本記事には追記事項あり(8月2日及び8月4日)

 小生は暑さに睡眠障害でへたばっている今日この頃ですが、よんどころない必要ある買い物などの事情で、何とか午後から重い体を引きずって秋葉原に行ってきました。一応ものは見つかりましたが、問題は財布にそれだけのお金が入っていなかったということです。

 そのような個人的事情はともかく、本日夕刻、秋葉原で社民党の保坂展人議員の演説会がありました。それを見に行ったわけではなかったのですが、保坂議員といえば「オタク」にも理解があり、いわゆる「児童ポルノ」法の不当な改正に反対しておられる方として知られています。ですので、無下に通り過ぎるわけにはいかず暫く演説を拝聴し、またたまたま持っていたカメラで幾枚かの写真を撮影しました。なおこの問題については、ネット上で情報がいろいろ氾濫しておりますが、基本的な問題構造についてはこちらでも参照して下さい。手短で読みやすいです。
 今回の演説会は、ちょうど総武線のガードと中央通りが交差するあたりで車を停めて行われました。上でああ書きましたが、本来は来る衆院選に立候補する派遣労働者の労組を結成した新人の池田一慶氏の演説で、保坂氏はそれを応援に来たというもののようです。更にゲストで、物まねのザ・ニューズペーパーが場所柄麻生首相のいでたちで加わっておりました。
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秋葉原街頭で演説する保坂展人氏(車上左)と池田一慶氏(車上右)

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場所柄こんなプラカードを掲げた支援者も

 小生は途中から演説の一部を拝聴しただけですので、詳細は何でも動画がニコニコ動画にアップされるということですし(社民党も随分くだけた広報を行うようになったものです)、他にもきちんと報道されているであろうサイトなどもあることでしょうし(例えば、この演説会を紹介しているカマヤン先生のブログの、コメント欄とか)、また表現規制に関する保坂議員の所説は同議員のブログに詳しく紹介されています。あとで記事を見つけたら(タレコミ大歓迎)、随時リンクを追加します。
 で、そのあくまで聞いた断片的内容ですが、かいつまんでご紹介。本ブログ記事は、メモを取っておりませんので記憶に頼っていますから、正確さはあまり保証できません。詳細はニコニコ動画でも見て下さい。実況中継する予定だったのが、それは機材の都合だ何だで失敗したそうですが、多分後刻アップされるものと思います(現状ではまだアップされていないようです)。

※追記(2009.8.2.)
 youtube に動画があがっていました。


 ニコニコ動画もありますが、時間は youtube より短いようです。

 ブログ記事はこちらがあがっております。
・池田一慶ブログ「今日、秋葉原でニセ麻生首相と社民党が対決しました」
・「反ヲタク国会議員リスト」メモ「保坂展人氏、アキバ降臨」
・表現規制について少しだけ考えてみる(仮)「保坂候補の秋葉原街頭演説」
・月影郷「保坂展人さん、アキバに立つ!」
追記ここまで
※更に追記(2009.8.4.)
 保坂氏のブログに、本演説の草稿などが紹介されております。
・保坂展人のどこどこ日記「8月1日、アキバ街宣の動画・草稿を同時公開」

 他にもブログ記事がありましたのでご紹介。
・向こう岸「保坂展人前議員の街頭演説を聞きに行く」
 
 ところで謎なのが、現在検索したところでは「アキバblog」はじめ秋葉原の情報に詳しいとされる有名サイトがどこも保坂氏のこの演説を紹介していないことです。麻生太郞の演説はさんざん紹介していたのに。首相(候補)と弱小野党議員の差を考えても、不思議です。保坂氏は米やんが推薦した人だよ!
 ネット上ではしばしば「マスコミは偏向している」と批難し、ネットニュースこそが真実であるように唱える人が見られますが、偏向のパターンがずれているだけで、それほど本質的な差異があるわけではありません。それはそもそも、何かを伝えるということ自体につきまとう問題でしょう。
 もちろん、当ブログもまたその弊を免れるものではありません(おまけに作成者が面倒がりだしね・・・)。
追記ここまで

 小生は途中からしか聞いておりませんが、表現規制の話題の前に、本来の趣旨である池田氏の演説や紹介を行っていたようです。派遣労働の問題点を現場の経験から指摘され、その解決を訴えておられたかと思います。保坂氏は池田氏を、小泉元首相の後継者とされる次男と対比させ(年齢が同じくらいらしい)、普通に働いている人が議員になれるのが社民党の自民党との違いなのだと強調しておられたかと思います。
 本題の? 表現規制関連については、「児童ポルノ」法とはあくまでも実在する児童の人権を守ることが問題なのであって、去る国会で自民党の葉梨議員は宮沢りえの写真集『サンタフェ』を持っているだけでも罪とするようなことを主張していましたが、そんな法律を作ることは何ら問題解決にならず、ただ万人の、内心の自由という重要な自由を規制することにしかならないと保坂氏は説かれていました。定義の曖昧さによる冤罪の危険性や、このような大雑把な規制による表現の萎縮などの問題点も指摘しておられました。近くは先月17日の保坂氏のブログなどご参照下さい。

 で、このような内容は、表現規制問題にご関心のある方なら耳慣れたことと思いますが、そのような内容を要領よく説明されると同時に、議員ならではのお話も幾つかされてました。一つには、去る国会で「児童ポルノ法」について与野党案が対立した後、自民党と民主党が修正協議を行って妥協に達したとの報道がありまして(これは「飛ばし」=予測で書いた記事とも言われました)、これが国会解散で吹っ飛んだわけですが、この修正協議の場に保坂氏は「うるさそうだから」呼ばれなかったらしいです。
 そして保坂氏は、後期高齢者医療法案が国会の解散で流れたものの、小泉旋風で勝利した与党が国会開会後すぐに通してしまったことを例に挙げ、今回の解散で「児童ポルノ」法が流れたとはいえ、安心してはならない、今後も注目すべきであることを指摘しておられました。

 保坂氏は社民党の議員として結構長いキャリアをお持ちで、十年前に「児童ポルノ」法が最初に制定された際の協議にも加わっておられた由です。その立場から、あくまで実在児童の人権擁護に資するためにこの法律はあるのであって、決して表現規制の手段ではない、と主張されていました。むしろこれは、ネットのダウンロード規制など、他の表現への規制強化と連繋したものであり、これを断固打破しなければならないことを仰っていたかと思います。その際には、ネットの力が重要であると強調されていました。
 保坂氏はまた、このような規制強化がコンテンツ産業を衰退に追いこむ危険性に触れ、そしてコミックマーケットを視察した経験に触れます。保坂氏は以前、コミケの故・米澤代表に推薦人になってもらった縁もある由。で、保坂氏はコミケが自主的な表現の交流の場として盛大に機能していることを讃え、あれだけ市場原理主義であった小泉改革的な新自由主義者諸氏が、コミケという自主的に形成された表現の市場の発展をよろこばず、むしろ規制側に傾くことが多いことを批判されました。これはなるほど、頷かされます。

 ああでも、一箇所ちょっと暴走しちゃったっぽいところもあったかな。保坂氏はこのような表現規制の流れを、戦前の表現取締になぞらえて、「大正デモクラシーから昭和の軍国主義に至る過程で、まず最初にエログロが弾圧された」とか仰っていたように思いますが、これはどうかな。やはり治安維持法に代表されるように、表現弾圧は社会主義・共産主義など「アカ」に対するものが第一で、アカに走られるよりはマシだと昭和初期なんかはエログロの取締が比較的緩く、さてこそ円本時代に対する「艶本時代」なんて言葉も後世作られたくらいです。
 実は昭和初期のエロ本の世界には、左翼崩れの人なんかも結構いたことは有名で(戦後のエロマンガの世界もそういうところありそうですね)、梅原北明がその代表格・・・てな話は当ブログで前に書いた気もしますので省略します。詳しくは城市郎氏の著作などによって熟知すべし。で、アカが狩られたらピンクもやられ、仕舞にはファシストの中野正剛が割腹して憤死を遂げるに至るわけです。

 細かい話で済みません。長々と文章を連ねるのも何なので、以下には如何にも「アキバらしい」この演説会の状況を伝える画像を掲げます。演説会はこのような場所で行われていました。
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涼宮ハルヒの総選挙 演説してるのはザ・ニューズペーパー
(この写真はクリックすると意味なく拡大表示します)

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保坂展人・池田一慶と『プリンセスラバー』その他
(この写真はクリックすると意味なく拡大表示します)

 これらの写真でお分かりと思いますが、車を停めた側の歩道に十分なスペースがないため、反対側の歩道(そこは丁度旧ロケット跡地で、現在更地になりケバブ屋などの車が止まるスペースになっています)の聴衆に向かって語りかける形になっています。そのため中央通りの車通りが多いと、演説が聴き取りにくくなるのが難点でした。高架を行く電車はほとんど邪魔にならなかったと思うのですが。
 ですが、中央通りが演者と聴衆の間にあるということは、時として以下のような珍景を現出せしめることともなりました。
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『機動戦艦ナデシコ』のルリルリと演説する保坂氏

 なんでもこれまでパチンコ化されたそうです。
 さらにこんなのも。
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宣伝をいろいろ載せたトラックと社民党の車輌
(この写真はクリックすると意味なく拡大表示します)

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アイマス・なのは・保坂展人
(この写真はクリックすると意味なく拡大表示します)

 小生の周辺の「オタク」趣味者の間では、高町なのは嬢の些か押しつけがましい正義感からして、彼女は創価学会員(のような新宗教、生長の家とか)という説が提唱されております。公明党(自民党)に負けるな保坂展人。
 それはともかく、このようにあまり演説に向いているとは思われない場所でせざるを得なかったのは遺憾です。まだ選挙期間も長いことですし、また秋葉原でも場所を改めて演説会をされればと思います。コミケ明けが狙い目か。聴衆の数もそれなりにはいましたが、周囲を埋め尽くすという程ではなく、もうちょっと事前の広報があればと悔やまれます。それにしても、歩道で社民党のビラを配るおばちゃんと、「メイド」喫茶や新商品のビラを配るお姉ちゃんとが混在しているカオス感が面白かったです。

 さて、秋葉原で演説なぞするのでしたら、駅からUDXビルへ続く、ダイビル前の広場なんかは適当そうなスペースです。どうも保坂氏も最初はそちらを予定していた節があるようです。しかし、当日その場所が使えなかったのは、同時刻にその場所で、打ち水関係のイベントをやっていたからでした。

 ・うち水っ娘大集合!2009
 ・アキバ経済新聞 ・まんたんウェブ
 で、小生、保坂氏と池田氏の演説を聴く前に、このイベントの出陣式をUDX・ダイビル前の広場で行っているところを通りかかり、好奇心から少し見物しておりました。そこで気がついたことは、無慮一箇小隊の「メイド」喫茶ウェイトレスが集結していながら、袴を除いてロングスカートの「メイド」が二人しかいなかった・・・という個人的感興はどうでも良く、実はこのイベントは二つの団体がごっちゃに同居しているということでした。

 これら報道でも最後に触れていますが、主に取り上げられている、NPOリコリタ主催の打ち水イベントとは別に、千代田区が行っていた打ち水イベントがありまして、これまで両者は別の日程で行っていたのが、今回は同じ日に行うことになったそうです。で、リコリタが動員したのが「メイド」喫茶のウェイトレスさんたち約50人で、千代田区側は区内の大学生(上智と法政の浴衣姿の女子大生、野郎も若干)だとか丸ノ内のOLだとかを動員していました。しかし、ことネット上のメディアでは、「メイド」喫茶女給陣に話題を奪われてしまったのは致し方ないでしょう。
 ところで、上に引用した報道を見ると、「うち水っ娘大集合!2009」は開始時刻を17時40分とし、アキバ経済新聞は17時45分としています。5分くらい違ってもどうでもいいといえばいいのですが、実はどっちが正しいということもなかったようです。実は「打ち水」イベント全体は17時開始なのです。
 で、最初に千代田区のイベントをやり、その後リコリタのイベントをぶっ続けでやっていて、その切り替え時間が17時40~45分頃ということだったようです。今回、同じ日にやるということで二つの打ち水イベントが融合したかと思いきや、やはりなかなかその中の調整がすんなりいったわけではないようで、その齟齬が報道にも反映されたと思われます。
 打ち水イベントの最初は千代田区主催のイベントだったので、区長が挨拶をしておりました。区長は打ち水とは江戸時代の良き伝統であり、「江戸」は「エコ」とも読めるなどと些かこじつけめいた訓話をしていましたが、あんまりそういう方向で江戸時代を讃えるのはどうかと思います。

※追記(2009.8.2.)
 打ち水イベントのレポです。「メイド喫茶」のウェイトレス勢揃いの動画は壮観。
・秋葉原マップ「うち水っ娘大集合!2009 の様子 【動画あり】」
追記ここまで

 ところで、この日打ち水イベントの更に前には、今年6月に発足したという「アキバ21」という、秋葉原周辺の町内会の連合体(地域連携部会というらしい)が、「安全、安心」な街づくりのためにパトロールのデモンストレーションなど行っていたようです。それもUDX前に集合して。兎角問題が指摘されていた歩行者天国の突発的廃止から一年、治安上の問題はどのような展開を辿っているのか詳しくは知りませんが、どのような活動の方向を目指しているのでしょうか。
 ちなみにここでも千代田区長が挨拶に立ったほか、万世橋警察署の署長も挨拶をした由。この辺はたまたま出会った知人に教わりました。

 まとめると、この日の秋葉原とは、江戸時代からの伝統を強調したがる町内会連合体が警察と組んでパトロールしていた(彼らの視点からすれば、「オタク」は必ずしも歓迎される客ではない公算が大きい)その直後に、千代田区とNPOが同床異夢に女子大生・OLと「メイド喫茶」の店員をそれぞれ集めて打ち水を行い、その出陣式の百メートル先で保坂展人氏は表現と内心の自由の重要さを高唱していたのでありました。
 同じ街を愛しているようでいて、みんな考えていることは違っていて、その間の交流が実は案外稀薄であるという、それが秋葉原なんだなあと、振り返って思う次第です。ある意味現代社会の縮図ともいえましょうか。
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by bokukoui | 2009-08-01 21:46 | 出来事