統一協会が秋葉原でデモ行進 「児童ポルノ規制強化」を訴える

 書きかけの記事も完成していないのですが(※追記:今は完成しています)、緊急の話題なので急ぎアップします。
※追記:補足情報あり→「『統一協会が秋葉原でデモ行進』の補足情報」

 本日正午頃、秋葉原でデモ隊に遭遇しました。デモの詳しい経路は分かりませんが、山手線のガードをくぐり、ダイビルとUDXビルの間を通って、ソフマップのビルの横の交差点で中央通りに出た模様です。3年前の「アキハバラ解放デモ」のルートの逆コースでしょうか。
 そのデモ隊は百名以上と思われます。揃いの紙のサンバイザーみたいのをかぶり、手書きではない印刷による幟およびプラカードを所持していることから、相当に組織化され、資金的裏付けもあるデモ隊と思われます。
 小生は写真を取り損ねましたが、同道した友人が撮影したものを以下に掲げます。なにぶん突然のことでしたので、デモ隊の先頭の横断幕を写真に収めることが出来ませんでしたが、掲げている幟やプラカードと同様の趣旨であったことは確かです。写真はクリックすると拡大表示しますが、後刻、より大きな写真に差し替えます※追記:大きめのサイズの写真に差し替えました。

 以下の写真をご覧下さい。

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 これらの写真から読み取れる、プラカードや幟の文言を列挙します。

「純潔教育の推進!! 過激な性教育の追放!!」
「世界の平和は家庭から 家族の絆を大切にしよう」
「エイズ防止は純潔教育から 性のモラルを確立しよう」
「純潔と貞操を守ろう」
「夫婦別姓法案反対」
「援助交際反対!」
「出会い系サイト 有害サイトを廃止しよう」
「児童ポルノの規制を強化しよう」
「不倫はやめよう」
「有害情報から青少年を守ろう」


 「純潔教育」という言葉ですぐにピンと来ました。彼らは明らかに統一協会です。
 同じサンバイザーをつけて、沿道でビラを配っている人々がいます。そのビラは以下の通りです。
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 この写真はクリックすると拡大表示します。同じビラを2枚貰い、表と裏を並べて撮影してあります。一部読みにくいところがありますがそこの文言は「日常の会話を通して心のふれ合い、親子の絆を確認し合っているか、子供から慕われ尊敬される親になっているか」です。
 これに類似したビラは、統一協会の推進する「純潔教育」の宣伝として、過去にも撒かれており、小生も見た記憶があります。

 デモの文言、ビラの内容から彼らが統一協会関係であることを確信した小生ですが、だめ押しにビラを撒いていた、気の弱そうな若い男性に、真っ向から聞いてみました。

「あなたがたは統一協会ですか?」
「はいそうです」


 我ながらこう聞く方も聞く方と思いますが、答える方も大概です。

 その後多少のやりとりをしました。下っ端のビラ撒き要員の発言であってこの団体の公式見解でもないでしょうが、少なくともこの統一協会中枢部が、下っ端にどのようにこの運動を説明しているのか、ということは窺い知れるかと思います。
 で、彼らは「純潔教育」を推し進めているわけですが、何故に秋葉原でこんな活動を今日行ったのか、その事情を聞いてみました。皮肉な言い方をすれば、秋葉原に集うオタクな人々ほど、ある意味「純潔」や「貞操」を守っている人々はいなさそうですから――それこそ、魔法が使えてしまいそうなほど。それは貞操を守るというより、放擲する機会に恵まれなかっただけかもしれませんが。

 やや要領を得ないところもありましたが、彼の返答は「秋葉原という街は、性的に問題ある表現が多いから」ということのようでした。小生は上に書いたように、秋葉原の性的な表現の受容者は概して「純潔」「貞操」についての問題と縁遠い人々ではないか、ということを指摘しましたが、彼は小生の言わんとすることが分かっていなかったようです。
 記憶に頼って書くので正確さは保証しかねますが、小生のツッコミに対し彼は、「え、その、この街の文化が悪いのではなくて、問題のある人が集まってくるので」のようなことを言い出しました。
 論点がずれてる上に理屈も破綻しているので、とりあえず小生はこう畳みかけました。「それはおかしい。この街の文化に親和性のある人が集まってくるのだから、両者は分けられないでしょう?」これに対する彼の反応は、小生の想像を超えたものでした。

「シン・・・ワ・・・セイ?」

 彼は親和性という言葉を知らなかったのです。
 ここで小生は、彼が統一協会関係者であるということからして、韓国から動員されたのではないか? と想像せざるを得ませんでした。多少やりとりに引っかかりを感じなくもありませんでしたし、またこれはデモ隊のシュプレヒコールを聞いていた友人たちの意見ですが、どうもシュプレヒコールの調子に微妙な違和感を感じたということもあります。これは実証のしようもありませんが。もちろん彼が、語彙に乏しい人だっただけかも知れませんし。
※追記:彼らは主に足立区・荒川区から来たそうです(補足情報記事参照)。韓国からというのは気の回しすぎかと自己批判して補足しておきます。

 小生はついで、何故今日デモをしたのか、ということを聞いてみました。それは、多くの方が既にご存じでしょうが、東京都が「青少年健全育成」のためと称して、マンガなどの中で18歳以下に見えるようなキャラクターの性的表現のみならず暴力的表現などを取り締まるという、「非実在青少年」規制問題というのが持ち上がっているからです。これは知れ渡るにつれて反対運動が盛り上がり、昨日の都議会の委員会で「継続審議」とされ、とりあえず先送りとなって決まりはしませんでしたが、依然として危機的な状況にあります(リンク先は統一協会のオタク攻撃に詳しいエロ漫画家・カマヤン先生のブログです)
 この問題については、情報を集積した「東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト」があり、またこれは『エロマンガ・スタディーズ』の著者永山薫さんツイッター経由で知ったのですが、有名サイトGIGAZINEにわかりやすく情報量も多い解説「『非実在青少年』問題とは何なのか、そしてどこがどのように問題なのか?」あります。
 このように先月から今月にかけて、秋葉原的な表現の世界への圧力が目に見えて高まっていただけに、そんな中で統一協会が秋葉原に乗り込んできたとなれば、両者の間に何らかの関連性を疑わないわけにはいきません。この東京都青少年健全育成条例改正問題については、その推進勢力にキリスト教系の婦人団体が存在しておりますが(例えばこちら参照)、思想的傾向からいえば統一協会も相乗りすること自体は、ありそうなことです。
 で、いろいろ問いただしてみましたが、要領は得ませんでした。デモは「一月くらい」前から予定されていたそうです。ただ、この統一協会のビラ撒き氏も、この青少年健全育成条例改正の件自体は知っていました。

※追記:都条例改正関係の話題は以下もご参照下さい。
「どうする!? どうなる? 都条例 非実在青少年とケータイ規制を考える」
「それでも、オタク達は『自民党』を選んだ」

 むしろ聞き捨てならないのは、条例の話に続いて彼が口にしたことでした。何でも、このような「純潔教育」を訴える街頭行動は今回が初めてではなく、昨年10月に渋谷でも行っていたそうです。これは初耳でした。しかも彼曰く、「渋谷では警察と地元の皆さんにも趣旨に賛同していただいて、そういう活動をしました」との由。
 渋谷の街作り的なことと統一協会については、NPO「ガーディアン・エンジェルス」が渋谷で活発に活動しており、彼らと統一協会の関係が疑われていることは、渋谷駅頭の東急デハ5001号改造設置(という名の産業遺産破壊)が「民間交番」の名目で行われた件と絡めて、当ブログでも以前お伝えしました。もしそのような「腐れ縁」があるのなら、渋谷で「純潔教育」宣伝活動を行ったことは符牒が合います。
 そしてビラ撒き氏は言葉を続け、「秋葉原でも警察のご協力を得て、今回の活動をしています」と発言しました。そりゃまあ、どんな阿呆なデモでも、手続きに則って申請すれば警察は受け付けてデモ警備や交通整理をしてくれることは、法の原則からいって当然ですし、"阿呆"なデモを少なからず経験した小生自身も見てきたところです。この発言に、それ以上の含意があるのかどうかは不明です。

 ただビラ撒き氏も、秋葉原について「地元の協力」は口にしませんでした。実はこの日、秋葉原では、来月からの監視カメラ導入もあり、地元の方々によるパトロール(普段もある程度やっていますが、年度末ということもあって大規模なのだそうです)が行われたそうで、小生はそれに関わっておられる地元の防犯協会のある方に、直接デモを見た足でお話を伺いました。以下は全く小生の文責ですが(これまでの箇所もそうですが)、秋葉原の地元では今日のデモについて全く何も知らず、聞いていないということでした。そんな連中を関わらせる訳ないだろう、という感じでした(当たり前ですが)。
 とすれば、渋谷の「地元」も、どこまで実態が伴っていたのか、怪しいところかも知れません。

 以上総括しまして、このデモから見てとれる、ある程度確実性のありそうなことは、

・統一協会が「東京都青少年健全育成条例」問題に関わっている / 関わろうとしている
・統一協会は秋葉原を「性的に問題がある」存在で、攻撃の標的と見なしている


 となりましょう。
 ただ、昨日条例が継続審議になったので、ちょっと一息ついたオタク連中をビビらせてやろうと、統一協会が今日デモをした・・・ということはなかろうと思います。デモ申請はデモの72時間前までに行わねばならず、大体統一協会だって昨日の今日で160人(と、ビラ撒き氏は言ってました)と必要機材を動員するのは難しそうですし。

 継続審議になったとはいえ、状況が危機的であることには変わりありません。本条例の問題点はあまりに多く、ちょっと考えても、実際の児童虐待とは直接的関係が考えにくい表現規制をすることは頓珍漢ですし(最近話題となったいくつかの幼児虐待死事件は、この条例によって防げるでしょうか? 児童相談所の予算人員を増やす方が遙かに直接の効果が見込めるのではないでしょうか)、そもそも表現を都が一方的に決めつけて裁断することが不当ですし(かつてソ連時代、ノーベル賞作家ソルジェニーツィンは、「文学に無知な人々が文学に対し恣に権力を振るうことは不当である」と、検閲制度の廃止を訴えましたが、国外追放されました)、何より「青少年健全育成」の名の下に、人が頭の中で妄想すること自体を法で規制するという、表現の自由以前に思想信条の自由を平然と踏みにじるものです。

 この条例は、6月に再度審議されるそうです。危機的ですが、多少の時間は与えられました。今回のデモを通じて、統一協会という難物が規制推進側としてはっきり名乗りを上げたことは、反対運動の厳しさを痛感せずにはいられません。しかし一方、統一協会は「カルト集団」として、いわばパブリック・エネミーとしての認知も相当されています。このような問題については、賛成推進派も反対派も、派自体は人口の中で多数を占めているわけではなく、多くは無関心だったり「どっちでも」くらいです。この場合、統一協会というカルト集団が、規制推進に絡んでいることを指摘することにより、多数を占める中間派を、「性的な表現が野放しなのがいいとも思えないが、統一協会の主張はもっとヤバい」と思わせられれば、反対運動には有利でしょう。
 しかしまた、「人を呪わば穴二つ」とも申しますように、ネガティヴ・キャンペーンは諸刃の剣です(昨年の自民党惨敗のように)。もしこれで、「統一協会」という敵を得たために、反対運動が変に暴走する結果になっては逆効果です。既に、外国人参政権反対運動を行っていた人々が暴走した事例もあるようですし。本来、敵を攻撃するより味方を増やすことが重要で、ネガティブ・キャンペーンも叩くのはあくまで手段に過ぎません。そこは慎重にならねばなりません。

 えらく長くなってしまいましたが、とりあえず以上で一区切りとします。

※追記:補足情報あり→「『統一協会が秋葉原でデモ行進』の補足情報」

※さらに追記:本記事への非公開コメントを以下の記事で公開しています。
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by bokukoui | 2010-03-20 18:05 | 出来事