鍋焼うどんの探求(11) まつや@須田町

 すっかり間が空いているうちに気候も暑くなってきて、時季を過ぎてしまったこの企画ですが、4月中に取材したネタがまだ残っておりますので、お蔵入りも何なので放出しておきます。あんまりブログが鍋焼うどんで埋まるのもなあ、と思って先送りにしているうちに、「非実在青少年」の都条例改正問題など時事的話題に更新時間を取られ、今になってしまった次第です。

 というわけで、シーズン終了の記事くらいは名の知れた名店を取り上げようと、今回は蕎麦の名店・神田須田町のまつやを訪れ、しかし蕎麦ではなく「鍋焼うどん」(1000円)を誂えます。
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 相変わらず写真の腕が下手で旨そうに見えにくいのはご寛恕ください。



 「まつや」といえば「藪そば」と並ぶ神田の名店として知られています。で、小生は折々秋葉原に行く際、定期券の都合から丸の内線の淡路町駅で下車し、旧交通博物館の前を通って(なので「さよなら交通博物館」の記事を思い立ったのです)行くことが多いのですが、その際ちょうど「まつや」の前を通ることになります。ので、麺類好きとしては一度は入ってみたいと思っていたのですが、名店の名に何となく気後れして、あと混んでいるのが嫌なので、これまで行ったことがありませんでした。
 ですが鍋焼うどん研究のためには、やはり名の通ったお店も行かねばなるまい、と思い立って、某日、交通博物館跡の写真を撮影した後、中途半端な時間帯だから空いているだろうと入店しました。ですがやっぱ混んでて相席となります。店内は薄暗いですが、昔の造りを守っているともいえますし、お客で賑わっているので暗い雰囲気ではありません。
 お品書きを見れば、名店の割にはもりかけ600円からと高くない価格設定です。鍋焼うどんも1000円ポッキリと、これまでの本企画で廻ったお店の中でもごく普通のお値段でした。何かで読んだのですが、「まつや」は歴史こそ戦前からあれど昭和30年代頃までは普通の「街のそば屋さん」で、一番の人気メニューがカツ丼だったのが、一念発起して手打ちのお店にしたんだそうです。その「街のそば屋さん」だった精神を忘れていない、気取りすぎない価格設定なところが好感が持てます(隣の通りの某店を批判している訳ではありません。だいたい値段に怖じ気づいて行ってないし・・・)。もっとも天ぷらは1900円となかなかなお値段ですが、他のお客さんのところに来たのを見れば、丼からはみ出す勢いの巨大なえび天が2本載ってましたので、決してボッタクリ価格ではなさそうです。

 前置きが長くなりました。早速鍋焼うどんの内容の検討に入りましょう。具は以下の通りです。

 ・えび天(2本)
 ・鶏肉(小片1)
 ・椎茸
 ・麩
 ・筍
 ・かまぼこ(飾り切りにしたもの2枚)
 ・なると
 ・ほうれん草
 ・長ネギ

 天ぷらはやや小振りですが、2本入っているのは豪勢です。ちょっとですが鶏も入っているし、このお値段でこの内容はまことに結構です。もっとも卵は入っていません。
 特徴としては、これまで探訪したお店と異なり、鍋が鉄鍋だということです。土鍋の方が温かさを保つには良さそうですが、調理に時間がかかりそうなので、忙しいお店は鉄鍋がいいのでしょうか? 鍋焼うどんに関する文献をいくつか小生が読んだ限りでは(別稿参照)、もともと鍋焼うどんは屋台で鉄鍋に入れて始まったらしいので、鉄鍋の方が伝統の形式を守っていることになります。やはり古いお店だから鉄鍋、ということなのかも知れません。
 麺は割と細く、そして結構長いのが特徴といえそうです。麺は柔らかめで、するすると喉を通ります。長さや食感を蕎麦に合わせているのでしょうか。卵が入っていませんが、麺の柔らかさが、だしと麺との一体感をそれなりに出しており、うどんの麺はコシと歯ごたえばかりに価値があるのではないと実感しました。讃岐うどんはうまいけど、そればかりがうどんのあり方じゃない、ってことですね。

 面白いのは、鍋焼うどんの客にも、「湯桶です」と蕎麦湯が出てきたことです。これも初めてのこと。だしの色がそんなに濃い感じはしないのですが、だしの味は結構辛めで、これが江戸の伝統なのかとも思いましたが、それに対応してのサービスなのでしょうか。最初、この組み合わせはどうなのかいと驚きましたが、入れてみれば割と良い感じでした。

 というわけで、旨くて高くない、そば屋のよき伝統を引き継いだお店に、混雑ぶりも納得です。今度はつまみで一杯・・・とでもすれば恰好良さげですが、生憎と小生は日本酒が飲めないのでした(苦笑)。
 最後に、特徴あるお店の外見と場所を紹介しておきます。
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by bokukoui | 2010-06-19 22:28 | [特設]鍋焼うどん探求 | Trackback | Comments(0)

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