ここ一月の身辺雑彙

 思えばあっという間の気もします。被災地の一刻も早い復興を願わずにはいられませんが、自分の無力さもよく承知しておりますので、精々できることをやることにします。で、ここ一月の身辺で起こった話から、ふと思ったことを。ただの愚痴ですから読む意味はあまりありません。




 ここ一月、小生周辺の人々がやったことといいますと、例えばさる友人(それまで「男の娘萌え」「四肢切断萌え」とかいってた人でした)が、震災後突如女装に乗り出し、ひらひらスカートと縞ニーソの半身をツイッターに掲載してみたり、小生のさる旧友(東大理系で博士号取得)の、白金かどっかに住むハイソな一族が、放射能を恐れ芦屋の別宅に疎開してみたり(青い血は放射能に敏感なのか?)、ちなみにその一族の経営する会社の関連会社は原発に部品を相当納めていたとか、アキバのホコ天で悪名を馳せた「アキバ四天王」の一人、こちらの記事でいう「コルセット」氏、@Im_Weltkriege 氏がかつて記した記事中の「マッキー」氏が、地震直後に福島原発の危機が伝えられた時友人に電話して、「自分が突入して原発を止める。一日100キロ歩けば二日で着く。飛行機でもトラックででも突っ込む」などと演説した後、今日に至るまで消息不明だとか(どなたか情報ないですか)、@Im_Weltkriege = Study Hard = 労働収容所組合氏、福島原発の日当3万円バイトに申し込むだとか、様々などうもいい大事なことが起こっておりました。不謹慎なネタと思われる方もおられるかも知れませんが、上の話は困ったことにどれも実話だったりします。

 やはりこれは、大震災と原発事故という一代椿事に、皆が一種の躁状態になっているのだろうと思われます。無論小生とて例外ではなく、「日本の『計画停電』の歴史を振り返る~真の『無計画停電』とは」及び「電気代と市場経済~計画停電の歴史・続篇」なんて記事を書いたり、ツイッターで電気事業史の話をしたり(憑かれた大学隠棲氏がまとめてくれました)したのもその現れといえるかもしれません。
 で、多少なりとも不安定になっている心を支えるために、人はそのような反応を示すのでしょうが、その際にはやはり、人は自分が今まで信じていたものをより強固に信じることによって、自分を支えるのだろうと思います。ネット上のちょっとした感触では、原発問題や政府の対応などを巡って、以前よりもより険悪な衝突が起こっているというか、以前ならスルーできたところがいがみ合いになっているような印象はあります。それもまた、「強固に信じる」ことがもたらしたことなのでしょうが、そのような世相が強まることは、少なくとも小生のようなもののとらえ方や考え方をする者にとっては、懸念されることです。

 さて、人の話ばかりしていないで、本当に個人的に「うーん・・・」と思ったことを。
 小生は一応歴史をやっている院生ですが、そんなわけで同じような専攻の人何人かと地震後ちょっと話をする機会がありました。そこでいささか「うーん・・・」と思ったのは、案外と彼らが怪しい2ch情報や、海外メディア情報を信じていたりすることでした。人間、何か「特ダネ」的なものに飛びつきたくなる心理はあるにしても、そういう情報ほど裏付けや公式発表とのすり合わせによる検討が必要だと思うのですが。
 研究でもよくあるのが、細かい文書の細かい情報に振り回されるよりも、官庁統計をしっかり読んだ方が、事態の全容を見失わないで把握できたりするもので、そうした方が細かい情報もより意味が分かってくるものなのです。といって、彼らの研究上の能力が小生に劣るとは全く思えませんので(むしろ逆)、これはやはり、今の自分のことについては、自分の普段信じているようなことをより強固に信じるバイアスが出てしまったのかなあとも思われたのです。

 と思ったところで、小生はある矛盾に思い至りました。どうも個人的印象の域を出ないのですが、普段世相を憂い世をよくしようと発言しておられるような方々が、今回原発に関しては日本が滅亡しかねないくらいの感じで悲観的で、しかもそのように思っておられる方は決して少なくないもののようです。電車の中で見かける週刊誌や夕刊紙の見出しは、極めて危機をあおるようなものばかりです。
 一方小生の友人のような、世をすねいつでも自爆テロが出来るように散弾銃を買い込むような連中ほど、「キノコ雲の一つも立ってないのに何を怖がってるんだ」と平然としています。これは普段信じていることをより強固に信ずる、というモデルで説明できるのかそうではないのか。
 何だかよく分かりませんが、案外世界の終末願望というのは普遍的に多くの人が持っているものなのか、と、電車の中で中吊り広告を見上げてぼんやり思ったものでした。 

 あと、斯様に漠然とした思い以外で今回分かったことは、「日本の『計画停電』の歴史を振り返る」「電気代と市場経済」発送電分離話を書いてみて、反響を結構いただけたのは嬉しかったのですが、反面経済史とか経営史なんてマイナーなんだなあということも痛感しました。もともと鉄道から入ったので、余りそう思うことはなかったのですが、やはり鉄道の経営史は全国百万の鉄道趣味者のお陰で、他の産業に比べ圧倒的な知名度を誇っているもののようです。
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by bokukoui | 2011-04-12 23:58 | 身辺些事 | Trackback | Comments(1)

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Commented at 2011-04-13 19:31 x
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