家常豆腐と豆油肉【アジト向け料理レシピ案】

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家常豆腐(右)と豆油肉(左)

 先日、革命的非モテ同盟の拠点でもある岩本町の通称アジトに立ち寄ったのですが、ここでは以前当ブログにしばしばコメントを寄せて下さった労働収容所組合こと @Im_Weltkriege 氏が、いろいろと事情ある人々の共同生活の、中心となって活動されていますが、その一環として氏はアジトにおける生活合理化のため自炊に取り組んでおり、立ち寄った際に氏の手になる麻婆豆腐をご馳走になりました。なかなか結構な味で感服しましたので、氏の自炊事業のご参考にでも供すべく、表題の件について一筆しておきます。

 で、先月のことですが、小生の家族が台湾食べ廻りツアー的な何かに出かけるとのことで、一人家に残っていた折、台湾ツアーに対抗して今まで作ったことのない中華料理に取り組みました。それなりに成果も得ましたので、備忘もかねてレシピなどを。



 まず家常豆腐について。これは名前からも分かるように、中国の定番家庭料理だそうですが、日本では麻婆豆腐に比べ知名度は低いですし、一般的な中華料理店ではあまり置いていないと思います。わりと本場そのままの店ではだいたいあって、昨年「鳩の切り売り・量り売り」のとびさんと犬を食そうとして果たさなかった折にも、とびさんが注文されていました(「あれば必ず頼む」と仰っていたように思います)。
 で、この料理は、揚げた豆腐を肉や野菜と炒め煮にしたもの、という感じなのですが、なにせ家庭料理なので、作り方は千差万別なようです。小生も何箇所かで食して気に入ったので、一つ作ってみようと思い立ったのですが、ネットで調べてもレシピがみんな違います。肉が挽肉だったり薄切りだったり、炒めたのにあんかけするのだったり煮込むのだったり、同じ名前で内容がバラバラでした。

 そんなわけで、ネット上の幾つかのレシピを参照し、自分が食べた記憶も呼び起こし、大体以下の要領で作ってみました。

 ●材料(2~4人分くらい)
  ・厚揚げ 1枚
  ・豚肉(バラ薄切り) 100グラムくらい
  ・ネギ 1本
  ・椎茸 2枚くらい
  ・人参 1/3本くらい
  (・タケノコ水煮 1/3本くらい?)
  ・ピーマン 1つ
  ・生姜 1片
  ・にんにく 1片
  ・とうがらし 1~2本
  ・豆板醤 小さじ1~2
  ・スープ 300cc
  ・しょうゆ 大さじ2くらい
  ・酒 大さじ1
  ・砂糖 小さじ1/2くらい
  ・化学調味料 少々
  ・油 適当
  ・片栗粉 適当

 ●作り方
  1.人参、ピーマンを好みの大きさに切り、湯通ししておく
  2.厚揚げ、豚肉、椎茸、タケノコも好みで切る
  3.生姜、にんにく、ネギをみじん切りにし、とうがらしは種を取って輪切りにする
  4.中華鍋に油を熱し、3.と豆板醤を炒める
  5.4.が炒められたところで、豚肉を入れて炒める
  6.肉の色が変わった頃に、人参、椎茸、タケノコなどを入れる
  7.続いて厚揚げを入れ、スープ、しょうゆ、酒、砂糖も入れて煮込む
  8.味を見つつ化学調味料などを追加し、4~5分くらい煮込む
  9.最後にピーマンを加え、水溶き片栗粉でとろみを付けて完成

 こんな感じで作ってみました。7.の時には、スープに調味料をあらかじめ混ぜておいた方がいいと思います。
 なお、写真に挙げた例では、タケノコは手持ちがなかったので省略しています。椎茸も干し椎茸が良かったのですが、これも手持ちがなく生のを使っています。豚肉はバラとかの脂が多いところの方が、「味がまるくなります」ということで、実際ある程度脂があった方が美味しいと思います。
 味付けは、小生の好みで辛めにしてみましたが、そこまで辛いのが好きではない場合、とうがらしは省略すればいいでしょう。またいっそ、豆板醤をやめて甜麺醤とかを使い、しょうゆと砂糖を増量すれば、子供にも向いた甘辛風味になるだろうと思います。また、ネギはみじん切りでなく、大きく切って野菜の具材のようにするのもありかと。他に野菜類を足してもいいでしょうね。
 ネット上のレシピでは、豆腐を油で揚げて、野菜類も油通しするとしているのが多い気がします。それだけ手をかければ美味しいだろうと思いますが、そんな面倒なことはしなくても、厚揚げを使い湯通しで代えても十分おかずになると考えます。
 というわけで、厚揚げに味がしみこんで、ご飯にも酒にも合う料理でした。適当に作った割には結構いけましたので、ここで記録しておく次第です。

 あともう一品、豆油肉についても簡単に。
 これは、檀一雄『檀流クッキング』や邱永漢『食は広州にあり』で存在を知ったので、台湾の簡単おでんみたいなもので、中国での常備菜になっているそうです。作り方は両書で多少の相違がありますが、簡単に言えば、豚バラ肉の塊を適当な大きさに切り、太ネギはそのままか適当な長さに切って、鍋に入れてしょうゆ・水・酒を入れ、好みで砂糖も入れ(八角とかもよし)、あとは弱火で煮る(ほっとく)だけです。肉500グラムにネギ3本くらいの比率でしょうか。ある程度煮えたところで、ゆで卵やこんにゃく、豆腐など様々な具を入れるのもいいとのこと。

 これもネット上で実践している例が多々ありますが、これまた煮汁の配分は人それぞれで、小生はしょうゆ・水・酒を1:1:1にし、多少砂糖を入れました。結果としてはちょっと塩辛かったかなあという感じです。とはいえこの煮えたネギをご飯にかけて食べれば、大幅にご飯が進むので、アジトのような場合ではいいかもしれません。
 味付けについて、今回は全体の三分の一をしょうゆにしたわけですが、4分の1くらいでもいいかもしれませんし、砂糖はそれなりに入れた方がいいかもしれません。なお、ゆで卵を入れて煮たあと、火を止めて一晩放っておいたら、黄身の真ん中まで塩味が沁みていて、結構な煮卵になっていました。またこんにゃくを1~2時間くらい煮たものもいい感じでした。

 この料理は常備菜として、具を食べてしまったらネギや肉を補充して煮直すことで、味が良くなっていくそうです。汁が煮詰まったらまたしょうゆや水を足せばよいわけです。一方、煮詰まった汁で炒め物の味付けなどに使うのも良いそうで、小生は炒飯の味付けに使ってみたり、鶏ガラスープ(といっても中華スープの素を湯に溶いただけ)で割ってラーメンのスープを作ってみたりしましたが、これはけっこういい感じでした。
 というわけで、まだ改良の余地はありますが、簡単でご飯が進む常備菜として、アジト的環境には向いているんじゃないかと考える次第です。反省点としては、煮汁がちょっと多かったかなというところで、鍋のいい形のがなかったためもあったのですが、次はもっとひたひたにしてみたいと思います。

 と、家人台湾旅行中に、比較的簡単な中華料理を作って食べておりましたが、帰国後聞いたら家常豆腐らしき料理は毎日のように出、煮卵を入れたおでん(関東煮)のようなものも各地で売っていたそうです。奇しくも日台で煮たようなものを食していたわけで。
 とまれ、麻婆豆腐に飽いたら、家常豆腐を作ってみてはいかがでしょうか。手間は大して変わらないし、野菜も多く摂れます。

 と、食欲があるうちはいいんですけどね・・・まあ、気分転換にも料理はいいと思います、多分。

※参考にしたサイトの一部
 ・家庭で出来る本格家庭中華料理
 ・レシピサイトぷちぐる
 ・家常豆腐(中国語教室)
 ・豆油肉(タウユウバア)を食べ続ける(かのろぐ)
 ・豆油肉と鹹菜湯(儒学者の遠島日誌)
 ・【超肉】豆油肉【超簡単】(GAGAZINE)
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by bokukoui | 2012-03-03 23:59 | 食物 | Trackback | Comments(3)

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Commented by とび at 2012-03-06 20:01 x
なかなか美味そうですが、
ご学友のリアクションがないようなので私から。

「知音食堂」の家常豆腐は私がそれまで
どこで食べたものより香りが良かったです。
私は実際どこででも家常豆腐を食べており、
実に千差万別な料理を味わっていますが、
辛くない家常豆腐は香りもあまり強くない
場合が多く、そういう意味では辛い方が
面白みのある味にまとめられるのでしょう。

豆油肉という言葉は初めて見ましたが、
似たものは、ご紹介いただいている
「家庭で出来る本格家庭中華料理」の中でも
「中華汁(滷水)」という名前で紹介されています。
トップページの「基礎編・加工」の下に
あります。ページのURLは以下のとおり。
http://www.ohtaya.com/k00/k017.htm
汁を作っておいて、あらゆる食材を煮込む、
という趣向のようです。
Commented at 2012-03-07 18:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bokukoui at 2012-03-07 23:52
コメントありがとうございます。
いろいろとご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした。

知音の家常豆腐は美味しかったですね。
家庭料理だけに、店で出す場合は一工夫したのでしょうか。
日本の家庭でもそれなりにできそうなので、機会がありましたらお試し下さい。

「中華汁(滷水)」のご教示ありがとうございます。
もとよりこのサイト自体、とびさんのブログ経由で知ったのですが、内容が豊富で目が届いていませんでした。
ところでこの作り方ですと、邱永漢のそれと比べ、醤油の分量が少なく、砂糖がものすごくいっぱいですね。
このブログに書いたとおり、邱永漢そのままですと塩辛すぎのようです。砂糖は適宜使った方がやはりよさそうですね。
また機会を見て実験してみます。
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