鍋焼うどんの探求(35) 大むら@国府台(千葉県市川市) これはカツ丼ではありません

 精神的に鬱々と一週間ほど引きこもり、ただモツとか肉じゃがとか人参と山芋を煮たり、ポークピカタやスペアリブや鶏肉を焼いたり、菜飯やレタス炒飯やドライカレーを作ったり、家常豆腐を炒め煮たりアサリを蒸したりしておりましたが、ようやっと精神的暗黒から抜け出せそうな今日この頃です。
 で、多少部屋や手持ちのデータの整理を試みたところ、本「鍋焼うどんの探求」シリーズの昨シーズンのデータが出土しました。気がつけば鍋が恋しくなる季節になりつつあり、諸事の滞貨を一掃すべく、とりあえず昨年取材のデータをアップしておこうと思います。

 で、これはちょっとした都合で昨年千葉方面に出向いた際、市川市国府台に寄り道しまして(その際の目的についてはまた機会があれば書きたいと思います)、その折りに昼食を摂るならついでにこのシリーズのネタ集めもするかと、何の気なしに駅のそばにあった蕎麦屋に入りました。ところがそこで、驚くべき出会いがあり、鍋焼道(?)奥深さを思い知らされる結果となりました。
 というわけで、この時は京成の国府台駅すぐ北の生そば 大むらにて「なべ焼」(890円)をいただきました。

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 上の写真をご覧戴ければ、このお店の鍋焼うどんの特徴は一目瞭然でしょう。卵でとじられ、グリーンピースが散らされているその見た目は、カツ丼そっくりです。でもやはりこれは鍋焼うどんなのでして、鍋焼の卵についてはこれまで、卵を落として煮たもの(これが一番多い)、生の卵を最後に入れたのであろうもの、生卵を別に添えてきたもの、卵焼きが入っているもの、ゆで卵が入っているもの、目玉焼きが入っているもの、そもそも卵が入っていないもの、入れるか入れるか選べるもの、と数々のバリエーションがありましたが、今またここに新種・卵とじ使用というのが現れたのでした。
 もっとも、うどんやそばのメニューで「卵とじ」」というの自体は普通ですので、その存在自体は納得できます。このお店でも「卵とじ」「かき玉」が存在していました。ただ、「卵とじ」は「月見」に比べると、置いていないお店も結構あるように思います。どっちかというと、そばよりはうどんに向いたメニューでしょうか。あるいは家庭でうどんとかを食べる場合のやり方とかの方が多いかも知れません。
 余談ですが、小生の母は関西出身ですが、半世紀前の思い出話に、家のそばの駄菓子屋でうどんを15円で売っていて、卵とじにすると25円だか30円になるところを、自宅から卵を持参すると20円でやってくれた、と細かい数字はうろ覚えですが、そんな話を以前していました。ちなみに当時、うどん玉は5円だったけれど卵は10円とかしたそうで、つくづく卵の「物価の優等生」ぶりが感じられます。ついでに、当時新発売だった日清食品の「チキンラーメン」が一つ35円だったそうで、チキンラーメンに卵を落とすという今なら貧乏っぽい食事も、その頃はむしろ未来的(?)で格好いい食生活だったのかも知れません。

 話が逸れました。本シリーズの中心的課題である、具の検討に話を戻します。
 で、とじられた卵以下、この鍋焼うどんは以下のような具で構成されていました。

 ・卵とじ
 ・えび天(衣がでかい)
 ・かまぼこ×3 (半月形1つと飾り切りにしたの2つ)
 ・なると
 ・グリーンピース
 ・さやいんげん
 ・のり
 ・鶏肉(大きい)
 ・麩
 ・薬味のネギ(別添)

 なかなか豊富かつ個性的な顔ぶれです。カツ丼と見まごう卵とじとグリーンピースに加え、のりが入っているというのがこれまでにない例です。一方で、定番の椎茸や長ネギ(鍋で一緒に煮るもの)などはなく、青味はさやいんげんが入っています。卵でとじた上に鶏肉が入って、全体に一体感があって良かったような印象があります。
 えび天は煮て卵でとじているので、衣がやや剥がれやすかったのが残念ですが、火傷しそうなほど熱々だったのは上出来でした。煮直したのではここまで熱くはならないと思うので、注文を受けて揚げたのでしょう。もっともこの形式なら、揚げ置きしておいても良さそうな気がしますが。揚げたての天ぷらなら煮て卵とじにするのはもったいないという向きもあるでしょう(小生も比較的同感です)が、蕎麦屋の中には「天とじ」と、この鍋焼のように天ぷらそばをわざわざ卵とじにしたメニューを置いている店もあるので、このようなやり方自体は良くあるものと思われます。
 麺は細めで、軟らかく煮られていました。つゆは少し甘めな感じがしましたが、全体にあっさりめだったとメモにはあります。

 メニューに注目すると、もりかけ480円にはじまって、天ぷら790円、上天ぷら1000円、上天ざる1150円、一番高くて上天丼1260円(ただの天丼は1050円)と、全般にお手頃な印象です。ちなみになべ焼と同価格で「すき焼」なんてのもあります。
 そして鍋焼を卵とじにしたくらいで、このお店は「~とじ」系のメニューが結構多く、「卵とじ」630円、「かき玉」660円、「親子とじ」790円、「天とじ」890円と、やたらと充実しています(「親子とじ」は今まで見た覚えがありません)。店主、どれだけ卵とじが好きなんで!?

 概して鍋焼うどんの具は、「月見」「おかめ」「天ぷら」をとりまぜたようなものが多く、経営上共通化するのは全く合理的ですが、それならまあ「天とじ」を鍋に入れても、それはそれで有りだと思います。ただ、グリーンピースはさすがに驚きました(笑)。グリーンピースは、そば屋の他のメニューでもカツ丼(このお店では790円)以外にまず使い道が思いつかないので、もったいないと思われたのでしょうか?
 でもこんな風に、
ノミ学者 @AH_BANG_AH
カツ丼に色合いのためか時折グリンピースが添えられている状態をみかける。この点について私は、グリンピースを排撃する意志を持つものではないが、カツ丼とグリンピースは共存することは難しいのではないかと思っている。それゆえに私はグリンピースのないカツ丼を至高とみている。
2012年5月27日 - 20:31
カツ丼にグリーンピースは不要という声もありまして、正直小生も、鍋焼うどんはもとより、カツ丼にもグリーンピースはなくて良いだろう(やはりネギか三つ葉が、香りもあって良いでしょう)とは思います(苦笑)

 このお店は二十数席くらいの規模で、真新しい十数階建てマンションの1階にありました。例によって、記事の末尾に場所と外観を揚げておきます。
 見かけによらず個性的で、面白かったなあと小生はお店を後にしましたが、この次の探訪でも更なる衝撃の体験をすることとなりました。刮目して次回を待て!? 「鍋焼うどんの探求(36) 小ざわ家@大井町 嗚呼昭和遺産」
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by bokukoui | 2012-10-23 23:59 | [特設]鍋焼うどん探求 | Trackback | Comments(0)

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