池袋など東京の中華料理店での白酒(中国焼酎)の種類とお値段

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高級白酒・国窖1573を前に御満悦の @Im_Weltkriege (労働収容所組合)猊下
千代田区小川町の四川料理店・川菜館にて

 当ブログでは過去に、池袋西口を中心とした狗肉料理の店の話や、中国焼酎について、あるいは中国のビールについての記事をいくつも書いて参りましたが、その続きのような小ネタです。何となく東アジア諸国と関係の深い話題が当ブログで続いておりますが(「檀一雄とユッケとチヂミ・パジョンについての雑談 ついでに参鶏湯と補身湯も少し」「『「在日企業」の産業経済史』の著者・韓載香さんのことばにつらつら思う」)、まあ多少思うところもありまして。あと諸事情によりアップの日付を少しいじってあります。
 とりあえず、関連する過去の記事を挙げておきます。

 ・池袋の「中華街」で白酒(中国焼酎)を呑み犬を食う話など
 ・爆発!? する中国製「燕京ビール」を池袋で愛飲してた話
 ・池袋で犬を食い白酒を呑んだ話・つづき 白酒飲み比べ談
 ・池袋で犬を食いそびれて餅を食った話
 ・羊串狗肉 東京で犬を食う話・続き~楽々屋@池袋、故郷味@御徒町

 今回は、小生が好むものの、体調の都合などで近年あまり呑むわけにはいかない、白酒(パイチュウ)と呼ばれる中国の焼酎のお話しを少し。



 日本酒やワインについては、ブランドごとの味の違いを云々する人も多くおられますが、白酒はそもそも存在自体日本ではほとんど知られていないように思います。中華料理に合わせた中国の酒、といえば、紹興酒に青島ビールがせいぜいの所ではないでしょうか。
 しかし、ごく近年はともかく、中国で一番広く飲まれているお酒は白酒でありました(最近はビールの消費量がたいへんに伸びているそうですが)。紹興酒のような、黄酒と呼ばれる醸造酒は中国の南方で主に飲まれていたそうですが、量としては高粱などから作られた蒸留酒である白酒が圧倒していたようです。当ブログでも何度かネタ本にした石毛直道『鉄の胃袋中国漫遊』には、「中国における酒類生産量の80パーセントが白酒によって占められ、名前も知られていない地酒の白酒が民衆の酒なのである」とありましす。とはいえこれは30年前なので、今ではだいぶ状況も変わっているのかも知れません。
 それでもやはり、羊だとか、モツだとか、唐辛子をたっぷり使ったような中華料理に対しては、白酒の方がよく合うと思います。しかし、白酒は蒸留酒の中でも特にアルコール度数が高く、だいたい40度~60度くらいはあり、日本人にはきつすぎる場合が多そうで、日本ではあまり置いている店がありません。

 そんな中、池袋などの中華料理店はいろいろ置いている店もありますが、店によって品揃えや値段がまちまちのようなので、どの店にどんな白酒がどんな値段であるのか、時々小生はメモを取っていました。それが発掘されましたので、以下に同好の士のご参考にもなろうかと掲げておきます。
 なお、メモの古いものは2年くらい前のも混じってますので、今とは違っている可能性もあります。特に、中国の経済成長を反映してか、近年は高級酒の値上がり傾向があるようです。

 それでは以下に、池袋を中心とした中華料理店での、白酒の品揃えと値段を挙げていきます。
・知音食堂
二鍋頭:1000円
孔府家酒:1500円
金六福:2800円
五粮醇:2800円
剣南春:4800円
五粮液:10800円
茅台:10800円
 池袋西北に数多く分布する中華料理店の中でも、特にその名が高いお店。当ブログでも以前、とびさん会食した折などのことを記しましたが、この店の名を高からしめているのは料理の辛さとともに、酒の種類の豊富さと安さであります。例の燕京ビールを安く売っているのもここで、期間限定セールのように看板に出していた燕京ビール280円は、遂に最近では定価となってしまったようです(笑)
 白酒についてももちろん、池袋でも多分一番の安さでしょう。しかし数年前は、高級品として名高い五粮液が4200円だった、という情報もありましたが、小生が最初に行った頃は既に確か八千円台で、しかもそれからもじわじわ上がっており、中国で増えている富裕層が高級酒を買い漁っているのだろうかと案じられます。
 ちなみに、知音の料理は酒ほどは安くはないので、その辺を考慮してはしごすると良いかと思います。

・永利
二鍋頭:2300円
茅台:13600円
 このお店も結構有名なようで、小生が友人に連れられて池袋中華巡りをするようになった最初が、このお店でした。料理は池袋のこの種のお店としては比較的一般向けの味で、入りやすい感じです。池袋の中華料理店は実は、麺ものにあまり見るものがない場合が多いのですが、ここの焼きそばはなかなかのもので、麺好きの小生としては時折、立教大学に用事があったりすると行き帰りに一人立ち寄ったりします。
 ですが、白酒については種類も少ないし割高で、あまり見るものはありません。あまり呑まない人とや、ランチ向きのお店と言えるでしょうか。

・大宝池袋北口店
二鍋頭:1800円(グラス500円)
孔府家酒:2300円
金六福:3800円
五粮液:9800円
 小生が初めて犬と出会った記念すべき店。当ブログでも何回か取り上げています。同名の店がもう一軒あり、多分メニューや値段は同じようなものだと思います(実はメモがない)。
 白酒の値段と品揃えについては、まず池袋標準というところでしょうか。白酒のグラスがあるのがちょっと特徴ですが、なぜか二鍋頭にしかありません。

・中南海
二鍋頭:1500円
孔府家酒:1600円
五粮液:11800円
 ちょっと駅から離れたお店なので、一度しか行っていません。小生の印象では、全体として悪くはなかったと思いますが、かなり前のことなので記憶が曖昧です。
 五粮液は最初、メニューに6800円と書いてあったので安いなと思ったら、実は値段が変わっていたというオチでした(苦笑)。それだけ中国の経済情勢の変化が激しいのでしょうか。

・四川火鍋城
老龍口:1680円
二鍋頭:2000円(グラス550円、小瓶380円)
孔府家酒:2400円
五粮醇:3800円
金六福:4880円
剣南酒:6090円
貴州茅台酒:9800円
 食べ放題の火鍋が売りのお店。満腹したいならお勧めで、羊肉のしゃぶしゃぶを満喫できます。最近は渋谷なんかでも同じような火鍋食べ放題のお店がありますが、池袋はさすがに安いですね。また、火鍋以外のメニューも結構充実してますので、鍋向きでない季節も楽しめます。
 で、ここは白酒の酒類も結構多いのですが、値段はちょっと高めですね。品揃えは結構いいですが(「剣南酒」というのは剣南春のことでしょうか?)。一つ謎なのが、二鍋頭の「小瓶」です。この小瓶、以前当ブログの白酒飲み比べ企画でも登場したもののことですが、この小瓶は100ml 入りです。一方、普通の白酒の瓶は500ml 入りです。・・・あれ? 普通のボトル頼むより、小瓶を5本注文した方が割が良いような?
 確かメニューに、小瓶はいかにも後付け、という感じにシールで張って表示されていましたので、もしかするとどこかで安いのを大量に仕入れたのか・・・最近行っていないので、腹の調子が許せばまた確かめに行きたいところです。

・楽々屋
老龍口:1600円
二鍋頭:1800円(グラス400円)
瀘州老窖:1800円
孔府家酒:2200円
金六福:2800円
五粮醇:2800円
茅台迎賓:2800円
五粮液:13800円
茅台:15800円
 しばらく前の当ブログ記事で紹介したお店です。犬料理のみならず、白酒の品揃えも結構豊富ですね。お値段は大きく廉価なものと高価なものに別れ、前者は知音に迫る安さですが、後者はまたえらく高いですね。
 なお、同じ瀘州老窖というブランドでも、飲み比べで登場した高級版のと、このお店が出しているのとは、メーカーが同じでも別のグレードの品と思われます。高級品の五粮液のメーカーが、廉価版の五粮醇を出しているような例でしょうね。毛沢東の故事で有名な高級酒・茅台と、このお店が置いている茅台迎賓も同様の関係です。

・四季香 池袋北口店
老龍口:1800円(グラス400円)
二鍋頭:1800円(グラス400円)
孔府家酒:2100円(グラス480円)
五粮醇:2500円(グラス520円)
金六福:2800円(グラス600円)
茅台:11500円(グラス1000円)
 割と最近に行ったお店で、ここも狗肉料理があります。狗鍋があり、是非何人かで連れ立って行ってみたいと思いますので、ご関心のある方は名乗りを上げて戴けると嬉しいです。ここに行った時はカメラの充電を忘れていたので、ブログの記事は書かなかった次第です。
 このお店の特徴は、なんといっても全種類の白酒にグラスがあることです。これは、きつくてたくさん呑めない白酒を少人数でも楽しめる点で、結構なことと思います。お値段も手頃でいい感じですね。ただ、さすがに茅台は高いですね。また、他の白酒がボトルとグラスの価格比が5倍弱なのに対し、これだけはボトルがグラスの10倍以上します。他の白酒はグラス一杯なのに対し、茅台はちょびっとなんでしょうね。

・故郷味
二鍋頭:1800円(グラス600円)
孔府家酒:3000円
五粮液:16000円
茅台:18000円(グラス1800円)
 最後は池袋以外のお店も一つ、ということで、これも当ブログで以前紹介した、御徒町の故郷味のラインナップをご紹介。ビールはピッチャーで頼んだら割と安かったような記憶のある同店ですが、白酒については池袋と比べやや割高で、種類も多いとは言えないようです。料理はいいので、その辺は使い分けですね。
 池袋と場所が違っていると、やはり相場も異なっているようですが、@Im_Weltkriege 猊下によれば、近所のアメ横あたりのお店で、白酒自体は安く売られている土地柄ではあるそうです。

 ちなみに、トップの写真に掲げた、小川町の川菜館での「國窖1573」ですが、このお店は本格四川料理で旨かったものの、白酒はこの國窖1573しかなく、確か1万3000円くらいしたように思います。ただこの時は人数が多く、いろいろ料理も注文していたので、店の方が「このお酒を注文してくれたら、全部の値段を1割引にします」ということで、猊下のお陰様もありまして、滅多にない高級酒をいただくことができました。それはもう美味しかったですよ、はい。

 とりあえず手元にあったメモは以上です。新たなお店を開拓してデータが増えたら、また続篇を編むこともあるかも知れません。もっとも、白酒を呑めるくらいまで心身の快復を図ることが優先ではありますが。

 さて、以上のデータに多少の補足をしておきます。
 上掲リストに登場した個別のお酒の特徴については、小生とてさほど詳しいわけではないので、こちらのページなどご参照いただければとおもいます。まあ、大体値段の並びで品質は想像できますよね(笑)。
 ただちょっと触れておきたいのは、アルコール度数の問題です。このリスト中、「金六福」というお酒が結構あっちこっちのお店にあり、しかも値段も判で押したように2800円ですが、大宝は3800円、四川火鍋城は4880円です。これはボッタクっているのでしょうか? 実は大宝・四川火鍋城の金六福と、楽々屋・四季香の金六福は、アルコール度数が違うのです。前者は52度ありますが、後者は38度なのです。
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「酒精度52%」とある金六福の箱(大宝池袋北口店にて)

 白酒のメニューにはしばしば度数が書いてありますが、こういった同一ブランド内の度数の違いに注意を喚起するためと思われます。ここまで挙げた酒について店のメニューにあった度数を記せば、二鍋頭=56度、孔府家酒=38ないし39度、五粮醇=45度、老龍口=42度、瀘州老窖=53度、五粮液=52度、茅台=53度、国窖1573=52度です(剣南春は分かりません。知音食堂は度数を書いていないのです)。

 で、40度以下の白酒は低度酒、50度以上は高度酒というらしいですが、もともと白酒は50度越え上等な飲み物だったようです。
 この中で孔府家酒というのは40度以下で、池袋の中華屋で店員さんに「白酒はどれがお勧め?」と聞くと、これを指してくれたことがあります。度数が低い方が日本人向きだろうと思われたのかも知れませんが、確かに孔府家酒の香りは爽やかで特徴があって、悪くないとは思います。ただ、いろいろ飲み比べた小生の感想では、39度ではちょっと度数が低いのか、白酒の香りが呑んだときにべたつくような印象がちょっとあります。そのため、何杯か呑んでいるとちょっと飽きが来るような感じもするのです(←そんなに呑むなということかも知れませんが)。孔府家酒は著名ブランドで、中国ではちゃんと50度クラスの酒も作っていて、その方がやはりうまいという感想を書いた方もおられます。
 というわけで、金六福が安いように見えたのは、度数が低いからなのでしょう。・・・まさか52度を水で薄めて38度にしている訳ではないと思いますが(値段を見るとまさにそんな感じなのですが・・・)、味の違いについては機会があれば試してみようかと思います。また、知音食堂の金六福の度数も確かめておきたいですね。
 やはり白酒は本来そうであったように、度数が50度以上は欲しい、せめて40度以上はないと、と思うのですが、それが何でこうなっているのか、その辺の話はもうこの記事が長すぎるので、この辺で切って次の記事に回します。

※追記:この記事の続きは以下の通り。
 ・白酒(中国焼酎)の話つづき・「低度化」と「健康志向」と白酒の将来
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by bokukoui | 2012-11-26 23:59 | 食物