ナヲコ先生のサイン本を購う

 「情」「理」の議論ばかり続くのも重いので(書く方が)、ちょっと今日は小休止させていただきます。
 代わって、これは実は昨日の話ですが、表題の件について一筆。まあ要は自慢話ですが。

 昨5月18日付で、ナヲコ先生の新作『voiceful』が発売になりました。ナヲコ先生のリニューアルしたサイトで書かれていてはじめて知ったのですが、今高田馬場にあるまんがの森本店で『百合姫』関連のフェアをやっており、その一環でこの日単行本発売の『百合姫』掲載作品の著者サイン本を販売するなどのイベントを行っていたのです。
 正直なところ「百合」に関心も造詣もない小生ですが、ナヲコ先生の実に七年ぶりの単行本となれば話は別。折角の情報でしたので、大学の研究会が終わってからバイトに行くまでの間隙を縫って高田馬場に赴きました。18日午後2時ごろだったかと思いますが、まだ数冊の在庫があり、無事サイン本を手にすることが出来ました。
 ちなみに『百合姫』フェアとしてはむっちりむうにいという作家さんの方がメインらしく、原画展も行っていて、サイン本も一番目立つ位置に二列並んで積んでありました。ナヲコ先生の本はその陰に隠れるように一山だけ積んでました。
 なお、ミクシーでの情報によれば、この日の閉店時刻までにはナヲコ先生のサイン本は完売していたらしく、このとき積んであった山がもしかすると在庫のすべてだったのかもしれません。
 というわけで入手できた一冊、ナヲコ先生のサインを拝見あれ。 
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 表紙の画像はナヲコ先生のサイトやアマゾンで見られるので、ここでは裏表紙(帯付き)をお目にかけましょう。 
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 裏表紙もこれだけ魅力的なら、買いたくなった人も多いでしょう。サイン本はないけれど、今からでも本は手に入るから書店へ走るのだ。
 ・・・と、この帯、よく見たらなんか変だな・・・拡大写真はこちら。 
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 一瞬、「代表作」なのかと思いましたが、これは「表題作」の誤変換がそのまま残ってしまったんでしょうね。

 え? 写真はいいから内容の紹介や書評でもしろって? しかし、ここでまさに一昨日及び昨日の記事で述べたような問題に突き当たってしまうのです。漫画の感想というのは大部分個人の感興なわけで、とりあえず「いいよね~」と言っておけば同意してくれる人は決して少なくはないでしょうけれど、ではどこがいいのかを説明しようとしたならば、途端に壁に当たらざるを得ませんし、たとえ詳細に定義づけして検討してみても、個人の思い入れ以上の何かを表現できるかは難しいところです。それが自在に出来る人のことを、「評論家」という肩書きで呼ぶわけですから。ことに、問題点の批判をするのはまだ比較的容易なのですが、好きなものを何故好きか、いいと思ったものがなぜいいのか、説明するのは相当に骨が折れます。

 言い訳めいたことばかり書き連ねるのも流石に芸がないので、何とか一筆してみましょう。
 帯に「少女同士の絆にスポットをあてた」とありますが、実のところこの作品については「絆」が重要であって、「少女同士」というのは副次的なものに過ぎないのではないかと思います。つまり「絆」を描くにあたってたまたま少女同士を選んだのであり、少女である必然性が(おそらく)薄めであろうということで、これは「百合」を求めて雑誌を買った人には不満の原因となる可能性がありますが、小生のような「百合」に関心のない読者でも作品世界に入り込みやすいという利点があるでしょう。
 ナヲコ先生はロリもショタも百合も描かれている訳ですけれど、どの場合も(実はショタは碌に読んでいないんですが)その世界でなければならないという必然性はあまり濃くないのではないかと思います。だから一面では分野にとらわれず様々な人を惹きつける作品を描けるのでしょうけれど、しかし嗜好別に細分化された昨今の漫画界ではかえって作家としての位置を定めにくくしているのかもしれません。
 そんなことを思いつつ本書の表代作表題作「voiceful」を読み返すと、ネット上でしか歌を発表してこなかった歌姫ヒナが、引きこもり少女かなえとの出会いを通じて、「自分の声がどこへ向かってるのか意識するようになったんです」といって人の前で歌えるようになる、というそのヒナの姿を、つい作者のナヲコ先生に重ねて見てしまいたくなりもするのです。
 一方、ヒナの歌が好きで応援しているヒッキー少女かなえが、応援することとは相手のためではなく畢竟自分の幸せを祈っていることなのだと悟る姿は、読者である小生はつい自分の方にひきつけて考えてしまい、結局ある作品を評論するという行為も馬鹿ポエム並に自分語りなのだなあと身につまされるのでした。
 結局この評論も、当ブログの過去の記事と結びつけてしまっていることからも明らかなように、小生の個人的感興に拠る所が大きく、やはり評論家への道は遠いようです。

 最後はまたマニア談義に戻って、こちらの写真で締めることと致しましょう。 
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 左が『voiceful』の、右がナヲコ先生が挿絵を描いた、エロラノベ最高峰との呼び声も高いJ・さいろー氏著『SWEET SWEET SISTER』のサインです。えっへん。これは何の予備知識もなく某日渋谷の今は亡きまんがの森に入ったら、全く偶然に置いてあったという一品です。ナヲコ作品との運命的なめぐりあわせを感じますね(笑)。いつかイベントに『DIFFERENT VIEW』を持参して、ナヲコ先生にサインしていただくのが密かな野望です。
 ちなみに、アマゾンの『SWEET SWEET SISTER』のページにある古書としての出品状況を見ると、本日現在では3960円が最安値で3点並び(後から出した古本屋が前のと同じ値段をつけたんでしょう)、もう一点が4300円で出ているという状況です。しかし、先日小生が中野のまんだらけに行ったところ、なんと630円で売っていたのを発見しました。
 興味関心のある方はこの週末へ中野ブロードウェイへ急ぐべし。

※追記:『SSS』は復刊されました。こちらの記事参照。
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by bokukoui | 2006-05-19 23:59 | 漫画 | Trackback | Comments(2)

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Commented by 労働収容所 at 2006-05-22 01:37 x
畜生、自慢しやがって。ということでよろしいか。
Commented by bokukoui at 2006-05-22 02:03
うむ、宜しい。

でもSSSの情報は有用だと思ったけどね。
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