今日の東急デハ5001号の状況(71)

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 一年休止していた当ブログの再開第一弾には、やはりこの企画をもってくることにしました。一年の間にどのような変化があったのか久しぶりに見ておきたいということもありますが、先日東急の車両技術者だった宮田道一氏の訃報に接し、思うところもありまして。小生も『東急電車物語』なんかは愛読しており、その名前は存じ上げていました。残念ながらお会いしたことはない――いや実は一度だけ、東急の車内で乗り合わせたご老人が、大きな封筒を開けて中の書類を読んでいたのですが、その封筒の宛先に「宮田道一様」と書いてあったので、もしやあの方が・・・と思うのですが。そして当ブログの過去の記事「5001保存全史」に登場する幹部社員M氏というのも、おそらくは。
 そしてもう一つ、ここ数年というか今年急に喧伝されるようになったイベントという感のあるハロウィンですが、ワールドカップ騒ぎ以来この手の群集騒動は渋谷でやるものと相場が決まったのか、渋谷では大変な盛り上がりというか騒ぎになっていたようです。その模様を伝えるこんなツイートをたまたま目にしまして。 これでデハ5001がさらに傷つかないか、小生はそれが気になりました。
 そのような次第でこの日、小生は所用の合間を縫って渋谷の駅頭に立ち寄ったのでした。



 正午ごろでしたが、やはり諸国の人々が大勢通り過ぎます。上の写真に掲げたように、昨年同様窓はNHKの宣伝関係でデコレーションされています。ただし、そのデザインは変わっているようです。
 車体を側面から見るとこんな感じです。
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ハチ公の位置から車体側面を見る

 それでは例によって、前から順番に見ていきましょう。
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車体前面と行先表示板

 レプリカの行先表示板は、昨年の調査時には割れていましたが、今回は直っていました。これまでは、文字もプラスチックの切り張りで立体的だったのが、プラ板に文字を描くスタイルに簡略化されていますが、もともとレプリカなのでどうということはありません。正面窓のHゴムの下に大き目の傷がありますが、これは去年から変わっていないようです。

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運転台扉周辺

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運転台扉手すり周り

 運転台扉の窓枠の下辺にある傷は、どうも去年より酷くなっているように見受けられます。手すりの剥がれ具合もそうですね。

 ついで、入口とされている、運転台寄りのドア周辺を見てみましょう。
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「入口」の「口」の一片が欠けた表示

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痛みの激しいドア周り

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同じく傷んでいるドア周り 緩衝ゴムもボロボロ

 もともと傷みの激しいところでしたが、やはり少しづつ酷くなっているようです。
 ついで、このドアの戸袋窓周辺を。ここらも窓枠の傷みが酷かったところです。
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悪戯描きされている戸袋窓のイラスト

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錆の流れ出している戸袋窓周辺

 戸袋窓周辺にはいくつも大きな傷があります。ただ、昨年の画像と比べると、それほどはっきりと酷くなったとは見えません。

 引き続いて窓周りを見ていきます。
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錆が流れ出している窓周り

 前から2番目の側面窓です。ここの傷は以前から酷かったのですが、右手の大きな傷は去年とさほど変わってないようです。しかし錆の流れ出しはかなり悪化しており、左手の傷は大きくなっています。
 ここら辺を一歩引いてみると、以下のような感じです。
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車体側面を見る
赤で印をつけたあたりが、一枚前の写真で写した場所

 遠目にも歪んでいるように見えます。

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NHKの番宣が張られた窓の間に、雨だれの痕跡がくっきり

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前の写真の下の車体 汚れが酷い

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前から4枚目の窓の下の車体 錆の流れが酷い


 今度は、出口となっている車端部寄りのドア周りを見てみましょう。
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やはり傷みの激しいドア周り

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ドア周りの傷が車体側面にも伸びている

 ドア周りの傷の酷さは前からですが、傷がより車体の側面の方面まで延びているように見えます。

 車端部のドアの戸袋周りに移ります。
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車端部戸袋窓の窓枠下辺

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同じく戸袋窓の窓枠の隅

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上の窓の下の車体にある大きな傷

 この辺の傷はそれほど変わっていないのではないか、と思うのですが・・・。
 で、その下のところを見てみますと。
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壊れたフットライトとケース

 デハ5001の車体を載せる台には、いくつもこういったライトがつけられていたのですが、すぐに壊れてしまっていました。正面を写した写真でもその様子は分かろうかと思います。で、ここのライトも前から壊れていたのですが、どういうわけかケースの枠?カバー?のようなものが今回は転がっていました。

 次いで、車端部を見てみましょう。
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車端部の全景

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車端部の傷 外板の断面が見えている


 最後に、地下への階段とに挟まれた裏手を覗き込むと、こうなっていました。
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デハ5001の裏側 旗竿の台らしき機材置き場でもあるようだが、ゴミ捨て場と化している

 ちなみにこの裏手を、地下への階段のところから見ると、こんな感じです。
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地下の東急(地下鉄)渋谷駅へ降りる階段からデハ5001号の裏側(?)を望む

 車内の様子も記録しておきます。昨年同様、NHKの番組宣伝やスタジオ案内などの展示と、観光案内ブースとが同居している状態です。NHKの展示内容は昨年と変わっていますが、この間ずっとNHKが展示し続けていたのか、秋になると毎年NHKということなのかは調べていません。これからはもうちょっとまめに見に来る必要があると反省させられました。ただ、記事にはしていませんが、立ち寄ったことはこの一年間でも何度かありまして、その際のうろ覚えではやはりだいたいNHK関係の展示だった気はします。渋谷の町の歴史や東急や5000系についての展示は、隅っこにアリバイのようにあるだけでした。
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デハ5001号車内を埋めるNHKの宣伝 ディスプレイも複数持ち込まれている
奥に座っているのは渋谷区関係の人(シルバー公社?)

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デハ5001の車内に設けられた観光案内ブース

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観光案内ブースが外国人観光客に案内をしている様子

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案内ブースの周りだけ、かろうじて残されているような、ハチ公や渋谷の街の歴史の写真展示

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何だかよく分からない萌えキャラを使った、原宿の観光案内所の宣伝

 一応は、広告媒体や観光案内所として「有効活用」されているというべきでしょうか。しかし、当初の計画とははるか隔たってしまいまして、このデハ5001を切り刻んでまですることだったのかと思わずにはいられません。観光案内所としては、渋谷は外国人観光客も多いので有意義といえばいえますが、このデハ5001は雨天閉鎖ですし、夜には閉まります。デハ5001の保全としては望ましいことですが、観光案内所の意義としては問題ありです。いわゆる「まちづくり」なる発想が、往々迷走してユーザーの志向と背馳してしまっている、そんな一つの例にも思えてきます。
 ともあれ今後とも、時々は様子を見に来ようと思います。
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by bokukoui | 2015-11-04 23:59 | [特設]東急デハ5001号問題 | Trackback | Comments(0)

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