ルネサンスとマキャヴェリとガンスリ

 世界史夏期講習一日目終了。えらく疲労。
 一応目標の百年戦争~ルネサンスは終了したので良しとしましょう。品性を疑われるので「ジャンヌ・ダルクを正しく火あぶりにする法」はしませんでしたが、代わりにフス派の強さを説明したり、いろいろ手持ちのネタを放り込んでみましたが、反応はよく分かりません。

 ところでルネサンスの話をしたので、イタリアの地図を描いて「ここがフィレンツェで、ここがヴェネツィアで・・・」などとやっていると、先日買ってきて読んだ『GUNSLINGER GIRL』の7巻のことなどがついつい頭をよぎったりもするのですが、それにしてもあれに出てくる「敵」側のテロ組織「五共和国派(パダーニャ、現実のパダーニャとは設定が異なるらしい)」の「五共和国」とはどこのことなんだろうなあ、と思ってしまいます。
 同じようなことを考えた人はいっぱいいるようで、2ちゃんで話題になった時の過去ログによると、ヴェネツィア・フィレンツェ・ミラノ・ジェノヴァ・ローマとか、フィレンツェとローマ外してトリノとボローニャを入れるとか、諸説入り乱れて確定していないようです。まあローマは「北部」じゃなくて教皇のお膝元だし、多分はずした方がいいような気がしますが。その伝で言えばボローニャだって教皇領なので、違いそうな気もしますけど。
 ルネサンスの当時で言えば、北部の五共和国といえばヴェネツィア・ジェノヴァ・フィレンツェ・シエナ・ルッカというところですが、これは多分違うだろうな(ミラノ・サヴォイ・マントヴァ・フェラーラ・モンフェラート等他の諸国は公/侯国)。あ、あとサンマリノ共和国があった(今もイタリアじゃないって)。詳細な地図はこちら
 ちなみにシエナ共和国はフィレンツェに吸収されて滅んでしまいますが、その経緯は以下のようだそうです。シエナの指導者は大砲に負けない立派な要塞で都市を守ろうとし、膨大な予算をかけてその計画を実行に移しました。ところが建設中にフィレンツェが攻めてきました。シエナは軍資金を全額要塞に注ぎ込んでいたので、防衛のため傭兵を雇う予算もありません。でも要塞は未完成で役に立ちません。かくしてシエナ滅亡。

 話が逸れてきましたが、『ガンスリ』7巻の感想としては、ますます話がどうなって行きたいのか分からないと言う感じです。新キャラを前面に押し出してヘンリエッタとかを引っ込めていますが、それでなんだか「テロに屈さず戦う」的な方向に話を持って行くつもりなのか、でも社会福祉公社側はまごうかたなき「白色テロル」以外の何者でもないわけで、その辺の屈託があまり感じられないのに少々戸惑ってしまいます(え? 目的のために手段を問わないマキャヴェリの国だからいいじゃないかって)。
 『GUNSLINGER GIRL』の話の設定、つまり少女を薬漬けにして政府のために戦わせる話自体をとって倫理性云々と難癖をつけるのは詰らないことだと思います。それを敢えて描いて、それで何がしかの作品全体の世界観を示せるのならばいいのです。そう期待して、4巻ぐらいまではかなり熱心に本作を読んでいたのですが、どうもそれは小生の見当違い(過大な期待)だったという感がそれ以降してきて、いささか読む熱意が衰えてきていますし、7巻でも同じような感想を抱いてしまいました。
 結局女の子が戦うという、そういう細部の話が描ければ良かったのかな? それならそれでいいけれど、ならば全体の世界観を考えて首をひねらせることのないよう、もっと上手に読者を「騙して」欲しいように思います。『BLACK LAGOON』とかはその辺、騙し方が上手いように小生には感じられます。 

 イタリアの話題が続きますが、マキャヴェリも今日の授業で登場した訳ですけれど、ずばり『マキャヴェリ』という名前のボードゲームがあります。アメリカの名門アヴァロンヒル社が出していたゲーム(追記:最初はバトルライン社という会社が出していたそうですが、同社が倒産してアヴァロンヒル社が引き取ったそうです)で、ちょうどルネサンス前後の諸国分立状態のイタリアを舞台に、外交交渉を中心に勢力を拡張するゲームです。よく似たものにWW1前夜の世界を舞台にした『ディプロマシー』というのがあります。『マキャヴェリ』を対戦した結果を報告したサイトがあるので、ルールなどはそちらを参照してください。
 このゲームは外交交渉がメインで、軍隊のコマの強さは基本的にどれも同じです。決着は戦力の多寡で決まりますが、一つのエリアに置ける戦力は決まっているので、他のプレイヤーの協力を取り付けないと大体引き分けに終わってしまいます。といって、協力してばかりでは勝てません。どこで裏切るかがポイントです(笑)。小生も昔は戦史研で何度かやりました。裏切るのがポイントなので「サークルクラッシャー」の異名を取るゲームですが、とても面白いゲームです。
 なお、偶然の要素が全くない『ディプロマシー』に対し、『マキャヴェリ』は疫病が流行って軍隊のコマが吹っ飛ぶ、なんてイベントが起こるので、その点流動的で面白いと言えば面白いです(余計な要素が入っている、ともいえますが)。戦史研で聞いた過去のプレイ例で、こんな話がありました。
 新入生の国と先輩の国が隣同士。ある夏、疫病で先輩の国が大打撃。
先輩「ここは協力してやっていきましょう。お互いいつ災害に遭うか分からないんだから」
新入生「うーん、それもそうですね。では疫病の際は助け合うということで約束を」
先輩「うむ、そうしましょう」
 というわけで新入生は先輩の国を攻めませんでした。
 翌年、今度は新入生の国に疫病が。
新入生「先輩、今度はこっちが災害です。宜しくお願いします」
先輩「チャーーーーーーーーンス!!」
 その新入生は二度と戦史研に来ることはなかったとか、なんとか。

 「ゲーム脳」ってのは、こういう発想をしたがる人間にこそ、奉るべき敬称だと思います。

※公開後情報を戴いたので、一部修正加筆してあります。情報提供いただいたF氏に感謝致します。(8.1.)
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by bokukoui | 2006-07-31 23:59 | 歴史雑談