一昨日の続き

f0030574_2354588.jpg 教育の話の続きを書こうと思いつつも、なかなか重いテーマなので、先にこちらの話題の続きを書かせていただきます。歴史教育問題は明日こそ(←もう何日言ってるんだ)

 で、一昨日書いた記事には随分と多くの反響を戴きまして、まことに有難いことでございます。特に緒方氏がこちらで小生の疑問にお応えくださっているのは欣快の至りであります。
 にしても、何となく自分が『げんしけん』のハラグーロみたいな、えらそうなこと言いたがりの人間のようにも思われてくるのであります。自戒の意を込めて『げんしけん』1巻より左の引用をば。

 さて、上掲緒方氏のご説を、乱暴ではありますが小生が要約させていただきますと、軍事というものに馴染みがないから、ちょっとでも軍事的な要素があるとすぐ「軍オタ」というレッテルを張ってしまう、だから「軍オタ」が多く見えるだけではないか、そのようなことと思われます。
 これは納得できるご指摘で、「一般的」な趣味様の事柄と比べると、ちょっとでも詳しいように見えただけですぐ「軍オタ」認定されてしまうとは言えそうですね。宮崎アニメを全部見たからといって「アニメオタク」「映画マニア」と認定されることはありません。でも、空を飛ぶ飛行機のシルエットを見て「あ、P3C」とでも呟けばかなりの可能性で「軍オタ」認定されるような。

 蛇足を承知で若干の補足を試みます。「アニメオタク」の人々にとって、見慣れたアニメ世界に見慣れない「軍事」という要素が入ってきた時、この見慣れない要素を排除するのではなく、それに彼らが惹かれ、結果として木尾士目をして斑目のごときキャラクター造形(軍事オタクっぽい言動をしたがるガンダムオタク)をするに至らしめたのか、その点はちょっと検討に値するかと思います。
 やはり何か、軍事的なものに彼らを惹きつける要素があったのでしょう。それはある意味、「遠い世界」のものであったが故に、彼らの憧れをそそってしまったのではないか、そう考えられるのではないかと思います。だから、現在の世界を構成している政治的・地政学的・歴史的要素と関連付けて軍事を考える人々とは、そもそも軍事へのアプローチへのスタンスが全く異なってしまっているのでしょう。
 一つ比喩を使っての説明を試みます。ガンダムを一皿の料理に例えると、軍事はそれにかけられたスパイスのようなものだったのでしょう。ちょうど中世ヨーロッパ人にとってスパイスが見知らぬ東洋世界の象徴であったがために高い価値がつけられたように、ガンダムオタクも見知らぬ不思議な要素である軍事に憧れ、それにコミットすることで満足感を得ていたのではないでしょうか。
 そこへインド人(緒方氏)がやってきて、自分が毎日主食にしているカレーのスパイスを、変な具合に崇めたてて、珍妙な(インド人から見て)料理をこしらえているのを見れば、海原雄山の如く「人の食うものではない!」と怒り呆れるという自体も生じるのではないかと思います。
 でもガンダムオタクの方が人数が多かったもので、カレーはいつの間にかイギリス式の方がメインになってしまったのでした。

 かえって分かりにくくなったみたいですみません。
 続きを、一昨日の記事へのコメントの返信も含め、次回の記事で書きますので、しばしお待ちを。

 余談。
 小生のさっきの食事:インド人が経営する食堂でマトンカレー+ナンを食す
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by bokukoui | 2006-08-24 23:59 | 思い付き | Trackback | Comments(10)

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Commented by 任意労働収容所 at 2006-08-25 01:53 x
良く論を練っていないので電波にしておきました。平にご容赦を。
もしまともなものを書けというのであればしばし時間を下さい。
Commented by spade16 at 2006-08-26 00:53 x
そして言うなれば、「軍事」という政治的な要素を物語の重要な背景として過大に評価することで、ある一定以上の年齢になってもロボットアニメから離れないでいられることに対する言い訳となったのである。つまり、ロボットと怪獣が戦う子供向け番組ではなく、自分たちがみているものは一段上の「(政治的な)ドラマ」である、として持ち上げたわけだ。そしてまた、「軍事」「戦争」といったものが例えば「恋愛」などに比べてやや現実味が薄く、この国においてはタブー視されるものであることも、「自分たちは高尚なものを鑑賞している」という言い訳と表裏一体の自尊心の確立に緩やかな追い風となったのであろう。
Commented by 檸檬児 at 2006-08-26 01:55 x
>カレーはいつの間にかイギリス式の方がメインになってしまったのでした。

 でも、そのおかげでビーフカレーを楽しむことが出来るようになったことはイギリス人に感謝! です。
(すみません。ますます話があっち向いてホイになってしまいました)
Commented by 某後輩 at 2006-08-26 04:59 x
ガンダムではありませんが、アニメ版銀英伝を見ていた弟が「いい年して何でアニメなど見ているのか」と問うてきた親に対し口にした答えが「これはアニメだけど政治とか哲学とかが触れられていて深いんだよ」というものでした。自称政治オタの私としては脱力せずにはおられませんでした。

PS インド人経営の食堂とは赤門向かいのあの店でしょうか。
Commented by インド人 at 2006-08-26 16:09 x
まあ何にせよ軍事に興味を持ってくれればそれで良いです。最近はそう思います。
Commented by bokukoui at 2006-08-29 01:39
>緒方藩王陛下
いえ、非常に面白かったです。もし機会があって「まともなもの」を書かれるのでしたら、大変楽しみです。
興味を持ってくれることは、くれないことより確かに評価すべきなのでしょう。そこで拘ってしまう小生の心理の方に問題を見出すべきなのでしょうね。

>spade16氏
「「自分たちは高尚なものを鑑賞している」という言い訳と表裏一体の自尊心の確立」というご指摘、大変得心が行きました。言い訳を必要としないだけの「強さ」のようなものを持つのはやはりなかなか難しいのでしょうか。自尊心の確立には世間的な「高尚」の価値観をなぞるよりも、分からん奴には分からんで結構、という選民思想的行き方もあったのかもしれないともふと思います。
Commented by bokukoui at 2006-08-29 01:39
>檸檬児様
話があっち向いてホイになるのは当ブログの仕様なのでご安心を(笑)
ところでヒンドゥー教徒は牛を食わないにしても、ムスリムはハラールさえすればビーフカレーを食しても構わないはずなのですが・・・牛は耕作用であまり食べなかったのでしょうか。

>某後輩氏
ああ、銀英伝もガンダムと同様の効果を発揮しそうですね。狭い世界で言えば「感動系」エロゲープレイヤーも「これは愛について触れていて深いんだよ」とか言いそうな(←偏見)それはともかく、作品が触れているかどうかではなく、作品から「自分が」どう読み取るかの方が重要だと思います。
ところでその弟君はどちらの次弟・末弟のどちらの方だったのでしょう?
(なおカレー屋は全然別の店です)
Commented by 某後輩 at 2006-08-29 03:28 x
私自身は銀英伝を直接見たり読んだりしたことがある訳ではないので正確に評せる立場にはないのですが、弟が視聴していたのを脇から覗き見した限りでは原作者の露骨なまでの貴族趣味、とりわけプロイセン貴族趣味が鼻について仕方ありませんでした。デモクラシーの復元性だとか老練な議会政治家といったものが織り込まれていない世界観はどうしても陳腐な英雄譚にしか見えなくなってしまいます。(もっとも、タイトルからして「英雄伝説」なのでないものねだりなのでしょうが。)

ちなみに見ていたのは次弟の方です。ガンダムは次弟・末弟ともに好きとのことですが。
Commented by 檸檬児 at 2006-08-29 23:05 x
>ムスリムはハラールさえすればビーフカレーを食しても構わないはずなのですが

 しまった。タージーマハルはイスラム教徒の王様が作ったのでした。丸っきり忘れていました。(仏教徒はさらに眼中になし)
Commented by bokukoui at 2006-08-31 18:59
>某後輩氏
ご意見に関し30日付記事で触れましたのでそちらをご覧いただければ幸いです。貴重な経験談を寄せていただきありがとうございました。
『銀英伝』的なもろもろについて言えば、弟君のような恰好つけた自己正当化の段階を超えて、「陳腐な英雄譚」が物語の骨子であっても、それはそれで楽しめるような度量の広さが持てればいいですね。

>檸檬児様
さらにインドはシク教徒とかジャイナ教徒もいたりするので奥が深いですね。

環境決定論的にいえば、モンスーンアジアは稲作で多大な人口を養っているので、土地当りの人口涵養力で考えるときわめて低効率な肉牛飼育をしなかった、ということになるのでしょうか。
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