訃報と若干更新

 MaIDERiA出版局の「よりぬき『筆不精者の雑彙』」に8月分を追加しました。

 それはともかく、沼津で洋上ホテルとして使われていた北欧の客船・スカンジナビア号(本来の名前はステラ・ポラリス)が沈没したというニュースに驚き、かつ残念に思います。
 この船は1927年スウェーデン製の5056総トン・全長130.4mのクルーズ客船で、ヨーロッパ王侯貴族のロイヤルヨットの系譜を受け継ぐ、世界的にみても貴重な保存船であったそうです。その後日本で浮かぶホテルとなったものの、先年廃業してしまいました。この事態に保存運動が少なからず盛り上がりを見せました(こちら参照)。この運動には小生の知人の方も関っておられましたので、多少の関心も持っておりましたが、おそらく日本の状況では保存は難しいのではないかと思い、どこかよい引き取り先を見つけて解体されずに船が残れば、それでまず良しとせざるを得ないのでは、というように思いました。
 で、事態は大体そのように進んで、出身地であるスウェーデンが引き取るとのことになってまずまずの結果だと思っていたのですが・・・

 沈没の原因は、座礁したり衝突したわけではないようで、結局老朽化で浸水したようです。80年物の老朽船を移動させるのに、単に曳船で引っ張るというのがよかったのか、今となっては繰言ですが・・・。浮きドックに入れて運ぶとか、予算の都合で出来なかったのでしょうか。
 結局のところ、日本ではこういった船のような近代の遺産に関する関心が薄いという、文化的な状況に大元の原因があるのであろうと思います。残念ながら。
 歴史を大事にするというのでしたら、是非こういった「もの」の保存に資金を投入すべきです。

 そんな国が、世界で一二を争う造船国だったり、世界で一番早い電車を作ったり、世界で二番目に多く自動車を作ったりしているのが、不思議といえば不思議ですが。
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by bokukoui | 2006-09-02 23:57 | 時事漫言