ファミレス馬車道の思い出~嗚呼店長の美技

 今回のコスカで知った情報でいささか驚いたのが、制服で有名なファミレス・馬車道のシステムが変わって、ドリンクバーが導入されたということでした。ということは、お代わりのコーヒーをウェイトレスさんが注ぎに来てくれなくなってしまうのでしょうか。・・・むむ、残念。
 残念というのは、馬車道のコーヒーは結構美味しかったのでそれが楽しみでもあったからです。正式な商品名は忘れましたが、ちょっとお高い目のコーヒーを注文し、お代わりは普通の(これも結構いい)をもらう、という形で、質量共に楽しめたからです。人件費節減のためなのでしょうが、何とも・・・。とはいえ実見はしていませんので、何はともあれどこかの店舗に行ってみる必要があるわけですが。

 以上の話とはあまり関係なく、以前馬車道に行った時のことを思い出したので一筆。



 某日、馬車道某店で某氏と食事を楽しんでおりましたところ、小生は壁際の席に坐っていたのですが、その壁に体長2センチ足らずの、小さな一匹の昆虫がゆっくり這っているのを発見しました。小生は子供の頃、鉄道図鑑の次に昆虫図鑑を愛読していた(父が昆虫好きだったので)ものですから、直ちに種の同定が出来ました。

 チャバネゴキブリです。(リンク先画像あり)

 別に馬車道某店を批判しようというのではありません。某店でこれまで清掃等の点で不満に思ったことはありませんし、大体どんなに努力しても、ある程度の期間飲食物に関する営業をすれば、こやつらの存在は避けられないからです。ですからチャバネちゃんに出会った同店にも機会があればまたぜひ行きたいと思います。本当にヤバい店の実例は、新書館の雑誌『ウンポコ』に連載されていた菅野彰・立花実枝子「あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します」というエッセイに凄いのが載っていますのでご参照下さい。まあこの手ので言えばやはり「アジアコーヒ」ですか、原点は。
※追記:単行本化された『あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します』の感想はこちら。

 話を戻して、ではこのチャバネちゃんに対し如何に対処すべきか、我々はしばし検討しました。
 もっとも悪辣な対処方法は、騒ぎ立てて慰謝料をせしめる作戦ですが、勿論我々はすみれ女史を涙させるようなことは出来ません。ちなみに昔、あらかじめ捕らえておいたゴキブリの死体を懐に旅館に投宿し、呑めや歌えの騒ぎをした挙句、料理にこっそりとゴキブリの死体を投じ、料金をタダにさせた上金一封までせしめたヤクザがいたそうです。このように話に伝わっているということは、このヤクザは結局発覚して詐欺罪でお縄になったということですが。
 で、勿論放っておく訳にも行かないので、粛々と店側に告知するのが良からんということになりました。そこでウェイトレスの女の子に伝えて反応を見る、という悪趣味企画を全く考えなかったかどうかは読者の皆様のご想像にお任せするより他にありませんが、とにかく、我々はおそらく店長かそれに近い地位であろうと思われる中年男性が附近を通りかかった折、冷静かつ簡潔に事態を告げたのでした。

 これに対し、店長氏は手短に詫びを述べた後、卓上の紙ナプキンを一枚取り、そっとチャバネちゃんに近づき、素早く真上から取り押さえました。これを見て我々が感心したのは、素人がやりがちなように、力ずくで上から叩き潰さなかった、ということです。叩き潰してしまうと、粉砕された死体の破片や体液が、周囲に飛び散ったり壁紙にしみを残したりする恐れがあります。これはレストランとして好ましい事態ではありません。そこで店長氏は、素早い動きで知られるゴキブリを、掬い取るようにして捕獲したのです。そのため壁には全く痕跡が残りませんでした。
 我々は、店長氏の手つきにいささか感服し、気持ちよく店を後にしました。

 最近日経新聞でやっていた過労の問題の実例として、外食産業の店長クラスの人の場合が紹介されていましたが、営業時間が長く人手を使うこの手の事業の店長はそもそも結構大変な仕事な上、最近の外食産業の激しい競争のしわ寄せを事業の本社から押し付けられて、ますます過労になりやすい傾向にあるようです。昔小生がコスカに参加するたびに楽しみにしていた、しかし最近はとんと音沙汰がなくて心配な、「安全衛生博覧会」さんの馬車道本でも、楽しい作品の中に店長の大変さをしのばせるものが時にあってうーんと思ったものですが、おまけにゴキブリ捕獲技術まで求められるとは。

 とまあ、最後は一応同人ネタで。「安全衛生博覧会」さんのような作風は、コスカの規模が大きくなったはずなのに、かえって減っているようにすら感じます。
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by bokukoui | 2006-11-06 23:58 | 制服・メイド | Trackback | Comments(2)

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Commented by 檸檬児 at 2006-11-07 00:44 x
 何かトラブルが起こった時に(客のズボンにお盆からこぼれた水をぶっかけた、レジで客がサイフを忘れてきたことに気付いた)そのサービス業の実力が見せられ、改めてその店のファンになったりしますね。
 あ、上のトラブル2例はむろん私が主人公になってしまった実話です。

 それはともかく。
 女中の菊ちゃんは良かったなあ。シャーリーと同じくらい良かったです。
 無論、菊ちゃんはシャーリーの代用品なんかじゃありません。(笑)
 先日にシャーリーも復活したことだし、菊ちゃんも復活してくれないかしらん。(誰にともなくおねだり)
Commented by bokukoui at 2006-11-10 00:48
仰るとおりですね。禍転じて何とやら、というところでしょうか。

女中の菊ちゃんシリーズなんかは、大富豪ものでもなく、押しかけ女房的なものでもない、全く独自の「メイドもの」の可能性を開きうる作品だっただけに、続きがもう出ないとすれば残念なことです。壁にさりげなく満鉄のあじあ号のポスターが張ってあったり、味わいのある作品でした。
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