今日こそは短く

 忙しいはずなのに昨日は長々と書いてしまい大後悔。
 今日はほんとに手短に。

 昨日紹介した「教育再生 有識者からの提言」とは、「日本教育再生機構」という、やっている「民間タウンミーティング」「民間教育再生会議」というお題からして、要するに「教育再生会議」別働隊的役割を果たしていると考えるのが妥当と思われる団体のコンテンツでした。「提言」からトップページに行けない不親切設計だったので、小生は昨日これら「提言」記事の性格を深く考えずに記事を書いてしまいました。
 で、先ほど「日本教育再生機構」のトップを見ていたところ、「教育再生への提言はこちらから」なんて掲示板みたいな書き込みをするところがあるし、「提言」の個々の記事にはこれまた掲示板の書き込みのように時刻が載っているし、そのURLをみると cgi なんて文字も入っているので(小生はコンピュータにちっとも詳しくないので正確なところは分かりませんが)、これは「提言はこちらから」から書き込んだ内容をそのままアップする掲示板みたいな性格のものなのでしょうか。
 もっともそれにしては面子がやはりある方向の人びとがかなり集まっており、しかもそれなりに名が通っていて忙しそうな人びとですから、自由意志でここまで集まるとも考えにくく、おそらくこの団体の事務局が依頼して、会員や賛同者の人たちに書き込んでもらっている/貰ったコメントを誰かが代打ちしている、というあたりかなと推測します。

 で、掲示板の書き込みに近いものなので、皆長さはごく短く、たいした濃さや深さを持ってはいないものばかりですが、流石に数が多いので、小生が適当にピックアップして斜め読みしたものの中でも、少なくとも部分的には、意味ある箇所も見出せます。しかしまあ、やはり長さの制約が大きいのでしょうが、大体のものはどこかで見たことがあるような、お約束のテンプレートを思い起させるものにとどまっているのは否めないところです。
 しかし、そんなこの「提言」の中から一つ素晴らしく個性的なものを見つけました。もっともこの場合の「個性的」というのは、あまりにも酷いので忘れられないという意味ですが。

 それは、「教育再生」に向けた提言/島田洋一(福井県立大学教授、拉致被害者を「救う会」副会長)です。
 大して長くもないので、以下に全文をコピペしておきます。
 新政権誕生から4日目の9月29日、首相官邸において、安倍晋三首相、塩崎恭久官房長官はじめ政府「拉致問題対策本部」関係者と拉致被害者「家族会」、「救う会」役員による懇談会が行われた。終了後、横田早紀江さんが記者団に対し、首相が思わず涙した場面が大変印象的だったと語っていた。
 実は私もその場にいて、強い衝撃を感じた一人である。私の記憶では、あれは出席者が一渡り発言し、司会役の中山恭子補佐官が首相に再度コメントを求めた時だった。いつも通り話し出した安倍氏が、「五人の被害者の方がタラップを降りてきた時の喜びを、他の皆さんにも味わわせねばならない、今は私がその責任をもつ立場にあります」という段になって突然声を詰まらせた。すぐ持ち直したものの、テーブルを囲んでいた約20名のみならず、壁際に椅子を並べメモを取っていた多くの政府関係者にも、首相の決意と責任感がこの上なく明確に伝わったはずだ。
 官邸から帰る道すがら、全く対照的な場面が脳裏に甦ってきた。5,6年前、後輩の結婚披露宴直前の控え室でのことである。話が拉致問題になり、五百旗頭眞氏(現・防衛大学校長)が興味なさげに次のように語った。「拉致なんて取り上げるのは日本外交として恥ずかしいよ。あんな小さな問題をね。こっちは、はるかに多くの人間を強制連行しているのに」。
 私が「救う会」に関わっているのを知る何人かが、一瞬身を堅くするのが分かった。反駁しようかと思ったが、場が場だけにグッと押さえた。それだけに一層不快な記憶として残っているのだろう。その後五百旗頭氏が認識を改めたことを望むが、次代の国防を担う若者たちが、「拉致なんてあんな小さな」という空気のもとで教育されてはならないと思う。
 安倍首相を突き上げた思いが、できるだけ広く深く教育の場に浸透していくよう願っている。
DATE: 2006-10-26T11:04+0900
 これは凄いです。
 この「提言」、その内容の出来不出来はあっても、とにかく「教育」に関する何がしかの言説を集めたものではありました。しかしこの島田氏の提言は凄いですね。なにせとってつけたような最後の2行以外教育と何の関係も無いんだもの。「教育」の代わりに、「憲法改正」とかでも全く同じ様に文章をでっち上げられるでしょう。いくら「救う会」副会長だからって。「再生機構」の他の人はこれをどう思っているのでしょう。
 しかも、末尾以外の本文にしたところで、実はこれ拉致問題についても何も語っていませんね。要約すれば「安倍首相は素晴らしい、五百籏頭眞はケシカラン」ってだけです。ゴマすりと個人攻撃以外の何をも読み取ることは出来ません。拉致問題がただの私怨に摩り替わっています。「救う会」の他の人はどう思うのでしょう。

 こういったある種「人間らしい」欲望が露骨に表れている裏には、きっと何か個人的で「人間らしい」理由があるのでしょう。小生は政治学には全く疎いですが、それでも五百旗頭眞氏の名前ぐらいは知っています・・・って、ご子息の五百籏頭薫氏が日本政治史の研究者だからですが(笑)。より大物の学者(でしょう、著作とかざっと調べましたが)に拉致問題を振りかざして噛み付くその姿は、一体拉致問題をどう考えているのかと思わざるを得ません。島田氏は北朝鮮問題でよくテレビに出てくる伊豆見元氏にも拉致を振りかざして噛み付いておられるようです。これが島田氏の芸風なのでしょう。
※参考リンク:「世に倦む日日」より「謀略の解読」「安明進証言と蓮池薫証言の矛盾」これもこれで謀略論ですが、しかし島田氏のような「救う会」関係者の行動からすれば、このように見られても仕方ない面はあるでしょう。

 島田氏がこういった行動をとる背景には、何がしか学会での勢力争いや人間関係、学閥のようなことが影響しているのかもしれません。島田氏は八木秀次氏と親しいらしいので、このような「提言」の趣旨と外れた頓珍漢な文章も、ボツにすることが出来なかったのでしょうか。
 小生は一応大学院生で、こういった類の業界の一つの末席に連なっているはずなのですが、このような人間関係に自分でも変だと思えるほど情報収集の意欲が無いので(どころか、一般的な自分の周囲の人間にもかなり無関心です。そういう意味では「非モテ」的かもしれません)、もうこれ以上どうでもいいですが。

 以上だらだらと書いたことは、結局「日本教育再生機構」のサイトの「顧問」で、「伊藤隆」という名前を見つけてしまったやるせなさをやつあたりしてごまかしているだけであるということは、重々自覚しております。
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by bokukoui | 2006-12-27 23:59 | 時事漫言