安藤百福氏没す

 麺類大好き人間にとっては感ずるところの少なくないニュースが、新年早々飛び込んできました。

日清食品創業者会長の安藤百福さん死去 即席めんを開発
「食足世平」信念に、即席めんで一時代 安藤百福氏死去
[訃報]安藤百福さん 飢えからの解放決意…破産乗り越え

 インスタントラーメンの発明者であり、かつまたそれを世界に広めた企業家でもある安藤百福氏が逝去されました。享年96。大往生とはいえそうですが、前日まで社員に訓示をするくらいには健康で、かつまたチキンラーメンも召し上がっていたとの由。「健康に良くない」印象のあるインスタント食品の、そのまた代表選手であるインスタントラーメンを毎日食べていて96歳まで元気だったのですから、実はインスタントラーメンは健康にいいのかもしれません(笑)。簡単にそこそこ栄養を取れる食品があった方が、人々の健康全体増進の上ではきっといいのだろうと、これは真面目に小生も思いますし、またおそらく安藤氏の開発理念もそうだったのではないでしょうか。
 いつぞや書いた鍋焼きうどんの記事からも読者の皆様にはお察しが就くかと思いますが、小生は麺類大好き人間で(除冷やし中華)、かつまた安藤氏の関係した出版事業の会社が出した麺類関係の本を愛読しております。それだけに、今回の訃報には思うところ少なからざるものがありました。

 安藤氏の業績の偉大さは既に様々な記事が触れていますから、ここで小生がいちいち繰り返す必要はないでしょうが、しかしこれほど世界に広くしかも深く影響を与える、生活に密着した新たな文化を創造した偉大さは後世にまで語り継がれるでしょう。しかもこの商品の興味深いところは、これだけ世界中で大々的に消費される工業商品であるにもかかわらず、例えば自動車やコンピュータのように、世界中を席巻する多国籍大企業が大規模な生産・販売活動を行っているのではなく、国ごと、というか食文化ごとに様々なバリエーションを生んで浸透して行き、様々な企業が各国ごとに個性を競っているのが、興味深いところです。
 比較的小規模な企業が乱立しているという点では、アパレルなんかもそんな感じがしますが、しかし服飾業界には国際的に通用するブランドというものがあり、それは世界のどこかにトレンドの中心があるということを意味します。しかしインスタントラーメンにはあまりそういったことはないでしょう。それだけ世界中で生活に、そして人々の食文化に密着しているということなのではないかと思います。(国ごとにばらばらという企業形態としては出版業がちょっと似ている?)
 昨日の話に強引に結びつければ、まさに安藤氏は「日本発祥であることを世界中の人々が忘れてしまうほど」の、食生活の一環をなす商品を創造したのだというところに、その偉大さがあるように思います。

 ついでに、日本近代で世界にこれほどの影響を与えた偉人としては、安藤氏以外の大物として池田菊苗・鈴木三郎助の名前を挙げたいと思います。グルタミン酸ナトリウムの効用と製造法を発明した化学者と、それを商品化した企業家です。アジア中の人間の舌を味の素漬けにして麻痺させた功績は大きい(笑)。日本軍の侵略よりも皇民化教育よりも甚大な影響かもしれません。
 ただやはり、だしの旨みはアジア以外の地域ではあまり好まれないようなので、世界展開という点ではインスタントラーメンの方が上かも。

 ま、小難しい理屈はひとまず置いて、安藤氏の業績を顕彰し、その冥福を祈る個人的イベントを開催しました。
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 すぐおいしい、すごくおいしい。
 ごちそうさまでした。
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by bokukoui | 2007-01-06 23:38 | 食物 | Trackback | Comments(0)

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