きっと売れる同人誌構想~魔法少女・白衣とチャイナドレス・委員長

 このところ、そして向こう数日バイトで早朝から出かけねばならず、他にも事情があってなかなか忙しくなっており、ブログの更新・コメント返信も思うに任せません(の割には長々と書いているような・・・)。ただバイトで出かけているせいで、車内で本を読む時間が増えたので、ここ数日積読本の山を適当に崩して色々と読んでいます。
 で、何を読んだかといえば、昨日は森島恒雄『魔女狩り』(岩波新書)を読み、今日はクルト・バッシュビッツ(川端豊彦・坂井洲二訳)『魔女と魔女裁判』(法政大学出版局・りぶらりあ選書)を読み始め、まだ途中ですがなかなか面白いです。まあ何しろ、死刑の話などに偏った興味を抱いている小生ですので、これらの本を古書店のセールで見かけてつい手が出た次第。魔女狩りと異端審問の連続性と相違点、魔女と魔術師の違い、魔術師としての史実のファウスト博士、異端弾圧史におけるアルビジョワ十字軍の位置、色々と勉強になります。

 さて。
 いつぞや『魔法少女リリカルなのは』なるアニメについて当ブログで駄文を書いた覚えがありますが(あまりにクダラナイのでリンクは張りません)、それの第3シリーズが始まるというので、本日未明tvkでやっていた第一話を一応見ておきました。
 これは小生の個人的な偏見である可能性が大ですが、どうもこのアニメ、ミリオタの気がある連中に受けが良いような感じがします。小生のごく限られた周辺での観察ですので一般性は怪しいんですけど(注:これは戦史研になのはオタが多いということでは絶対にありません)。ただ、今日稼いだバイト代全部賭けてこれは断言しますが、『魔法少女リリカルなのは』の最新シリーズの表題が『魔法少女リリカルなのはStrikerS』、略して『SS』っつーんですから、来る夏コミでは絶対に、このアニメのキャラクターをナチス親衛隊とくっつけた同人誌を作るサークルが出るでしょう。メカミリ分野で。
 このアニメの魔法関係グッズの使い方が視覚的に派手なので、兵器オタクにも受けが良いのかなあ、なんて思うのですが、今回『魔法少女リリカルなのはStrikerS』第1話を視聴してつくづく思うのは、そのような皮相的兵器オタ的なものの見方では、大事なことが色々見落とされてしまうのではないかということです。(n-dprj氏、読んでる?)
 そも話を遡れば、『なのは』は第1作こそ基本的に一対一の魔法少女同士の戦いを描いていたのに、第2作になるとキャラクターがゴマンと増え、あまつさえ第2作のオチは「出てきたキャラクターがみんな公務員(「時空管理局」)になってハッピーエンド」というものだったので、小生はこれは小泉改革(当時)をおちょくったものなのかと考え込まざるを得ませんでした。そして最新の第3シリーズはもはや完全に軍隊的組織モノと化しているようで、世界の運命を背負わされた少女が悩みつつも健気に戦う魔法少女というより、権力の暴力装置の一環として正統性を付与されてしまっている所になんだかなあと思ったりもするのです。この少女個人→組織の変化に比べれば諸君、なのはの年齢が十や二十上がったところでそれが何だというのだ。

 つまり何が言いたいかというと、今クールのアニメでは「大企業(リバース社)=悪」の構図を明快に貫いている『Saint October』を強くプッシュしたいということです(もう後半だけど)。今年は十月革命90周年の節目の年でもありますしね。世界を萌えさせた十日間。

 ところで魔法少女が成長したら魔法女=魔女になるんでしょうかね。まあ「少女」は「女」の下位分類だから(違ってるような気もするが・苦笑)、理屈の上ではそうじゃないかと思うんですが。
 で、昔から読んでいる本の傾向が偏っていて、魔法使いと聞けば「宗教裁判! 火あぶり!」と直ちに連想する(注:正確には異端審問と魔女裁判は、繋がりはありますが、全然別物です。詳しくは上に挙げた書物参照)小生、魔法少女ものを題材に一つ通人に受ける一歩進んだ同人誌を作れないかと前から構想を持っておりまして。
 そも、「萌え」の流行によって、様々なフェティシズムの要素は「萌え」の一語のもとに特異な性癖から一般的な消費対象へと馴化されていくことがどんどん進んでいるわけで、「メイド」なんてその典型じゃないかと思います。『なのは』周辺を見ても、ミリタリーなんかにも「萌え」の触手はズンドコ伸びているわけですし。
 となれば、これからどんどんグロなものも「萌え」の範疇へと取り込まれていくのではないか、というかそれぐらいやるんでなきゃ「萌え」なんてつまんなくなって先がなくなるよな、と小生は心中密かに期するところがあり、将来的には拷問・処刑・虐殺も「萌え」対象となってゆくのではないかと考えております。一部では既に「ダルマ萌え」などもあるようですし。
※追記:その後、実際にこんなことになりました。

 というわけで小生が何を考えたかは、賢明なもうお分かりかと思いますが、つまり古今の魔法少女を片っ端から集めて魔女裁判に付し、拷問にかけて一同に焚刑に処す、ここら辺のモデルはスペイン名物・異端審問による大量処刑アウトダフェ Auto de fe に求められようかと思います(最後のeにはアクセント記号がつくらしい)。そういう同人誌を作ったら売れるんじゃないかなあと構想を温めているのですが、生憎と絵師の当てがないので進んでおりません。どなたか描きたいという奇特な方はおられないでしょうか。資料提供と経費のリスクはこっちで持ちます。
 この同人誌のオチは、奥付のページにこう書いておくことで完成させるつもりです。

「本同人誌の売上の一部は、アムネスティー・インターナショナルに寄付され、死刑廃止運動のために使用されます」

 タイトルはもう決めてるんですよ。魔女狩りのもっとも強力なテキストとなった書物、バッシュビッツ『魔女と魔女裁判』の表現を借りれば「世界じゅうの書物のなかでもっとも恐ろしい書物」(p.100)である、『魔女への鉄槌』(森島著では『魔女の槌』とシンプルに、バッシュビッツの訳書は丁寧に『魔女に与える鉄槌』となっていますが、この邦題が一番できが良いと思います。詳細はこことかこことか参照)を戴いて、

 『魔法少女への鉄槌』

 グーグル様にお伺いを立てたところ、このタイトルを使った同人誌はまだないようなので、是非第一号として名乗りを上げたいところです。

 最近は『どきどき魔女裁判』というゲームが出るという情報を聞きつけ、これは調教ゲームあたりから拷問の要素を発展させ、『逆転裁判』あたりから魔女裁判のシステムを編み出したのかと思って大いに期待したら全然違うじゃないですか。大体魔女が実際にいて、魔女を見つけ出そうという発想自体が根本から間違っています。存在なんてするはずがないものを、偏狭な価値観と巧妙な詭弁と残酷な拷問とによってでっち上げることこそ魔女裁判の醍醐味。分かってないなあ。
 「萌え」と魔女裁判をくっつけるという発想はそこそこ良い線を突いていると思うだけに残念です。しかしこの方向性が進めば、いつかは『魔法少女への鉄槌』の時代が来ることでしょう。

 「萌え」のとめどない増殖に関しては、特に軍事方面では近年目に余るものがあり、
近年は左のような雑誌まで出ている有様で、その志の低さは見ていて物悲しくなります。いやはや。目次を一瞥しても読んでみたいなんて記事なんか一つも・・・いや、速水螺旋人氏のロシア愛の記事はちょっと読みたいかも。
 しかし、発想が単調でいまいち色彩に乏しい感は否めませんね。軍艦とか飛行機とか戦車とか、兵器を擬人化するばっかりで。あ、軍人や政治家も美少女化しているみたいですが、ハルゼーとかヒトラーとか有名どころばっかりですね。もうちょっと発想に捻りが欲しい。
 で、実は小生に腹案がありまして。
 そう、ここはかの石井四郎軍医中将を美少女キャラ化するのです。もうコテコテのマッドサイエンティストキャラでいけるじゃないですか。白衣のめがねっこ。
 で、犠牲者は李紅蘭とかのような系統のキャラクターを募れば宜しい。
 題して『萌え萌え731部隊』
 中国で731部隊の告発映画を作ったら、妙な方向に凝ってしまって、傍目には「『モンド映画』や『ナチ収容所映画』『食人映画』と同列のキワモノ」になってしまったという実例もある由ですし、方向性としてはあると思うんですよね(ここで言う「ナチ収容所映画」とは、グラマー美人がボディコン仕様のナチ制服に身を包んで女囚を拷問する類の映画のことで、まかり間違っても『ショアー』など連想してはいけない)。
 如何でしょう、『MC☆あくしず』編集部様。雑誌は潰れるかもしれませんが、名前は永遠に残ります。ちなみにグーグル様にお伺いを立てたところ、「萌え萌え731部隊」という企画はこれまでにはなかったようです。
 収益の一部は、満洲に旧日本軍が放置してきた化学兵器の処分費用にでも寄付されては如何でしょう。
 雑誌企画が無理でも、これも絵師さえ目処がつけば同人誌にならんかなあ。

 実を言えば、小生はアニメを見ている時や漫画を呼んでいる時は、脳味噌の半分くらいはこんなネタばかり考えております。これでも労働収容所組合氏に比べれば全然大したことがなくて恥ずかしい限りですが。
 他に最近思いついたことといえば、以前『レモネードBOOKS』を読んでなかなか面白かったもので、同じく山名沢湖作品『委員長お手をどうぞ』を購入してこれもまたふわふわ楽しい作品であったなあ、と気持ちよく読了したのですが、おとなしく余韻に浸ってれば良いのに、またむらむらと同人誌のネタが湧きあがって来たのでした。

 『委員長お手をどうぞ』は舞台が学校なので、出てくる委員は当然学校のものばかりです。ここを広げればまた色々とネタは出てくるよなあ、というわけで、何せ小生HNが「墨東公安委員会」なもので、公安委員会ネタで出来ないかとまず考えました。しかし公安委員会にするなら、いっそフランス革命の公安委員会にして『ベルばら』風味を加えると、より受けが良いかななんて余計なことを考え始めました。
 で、委員長は女の子。これは基本。無理やりお話を作ると、貴族の屋敷のメイドさんがお屋敷で奥様に掃除が手抜きと叱られた時、折からの革命騒ぎに乗じて逆ギレ、箒を振り回して貴族を追放、一躍街の英雄に。彼女はその街の公安委員会に迎えられ、ノリと勢いで委員長に。そして彼女は自分に仇なした連中を次々と断頭台に送り込みます。自分を振った男、自分をこき使ったお嬢様(偉ぶってツンだったお嬢様が、ギロチンの前でデレに転ずるところが中盤の山場か)。しかしテルミドール反動で情勢は一変、今度は元公安委員長の彼女が断頭台に登ります。彼女に処刑吏が最後にかけた言葉、それは

「委員長首をどうぞ」

 そこ、「フランス革命は市民革命といわれるが、この『市民』から女性は排除されているのが、この革命の特徴ではないか」とか、歴史学的に正しいツッコミは野暮というもの。
 この「委員長〇〇をどうぞ」は続篇も考え付きました。第二弾は「反革命・サボタージュ取締り全ロシア非常委員会」、いわゆるチェーカー。帝政ロシアの秘密警察オフラナの後身、のちのGPU、更に後のKGB、ロシアの栄えある暗黒の伝統を担う機関です。
 で、これの表題は「委員長胸をどうぞ」かなあ。エジョフもベリヤも銃殺だし。
 さらにシリーズ第三弾は非米活動委員会で・・・え、もういいですか?

 話が悪趣味に各方面へ拡散しましたので、最後のまとめ。
 魔女の話が最後委員長になってしまいましたが、何でもバッシュビッツ『魔女と魔女裁判』によると、魔女狩りがもっとも盛んだったドイツでは、魔女委員というのがいたそうです。「魔女っ子委員長」だと、ファンタジー系のアニメやマンガやゲームの萌えキャラにいかにもありそうですが、この魔女委員というのは「専門家ということで裁判官に付き添わせるわけだが、じっさいには彼らは裁判官をおどしつけ、彼らに命令する権力を握っている」(pp.308-309)恐ろしい存在でした。時として彼らは魔女裁判を利用して私腹を肥やしており、彼らの傲慢で残酷な上そもそも違法な裁判のやり方に異を唱えるものがあると、まずかれらを焼き殺すという、まことおぞましい存在であったそうです。
 おそましいんですが、ドイツ語の「魔女委員」の呼び方も何かおどろおどろしげな語感がありそうです。
 Hexenkommisar というのだそうです。
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by bokukoui | 2007-04-07 23:58 | 思い付き