表題通り、雑多な思い付きを適当にかき集める(筈だが筆不精なのでそうなるかは不明)という趣旨です。
by bokukoui
ご案内
よりぬき「筆不精者の雑彙」
このブログの過去の主要な記事の一覧です。初めてご来訪の方は、是非ご覧ください。

MaIDERiA出版局
このブログの元サイトです。

MaIDERiA
さらに大元のサイトです。

管理者
墨東公安委員会
(墨公委=bokukoui)
連絡先:rshima*nk.rim.or.jp
(*にアットマークを入れて下さい)

あわせて読みたいブログパーツ
カテゴリ
全体
鉄道(歴史方面)
鉄道(現況実見)
鉄道(時事関係)
鉄道(その他)
[特設]東急デハ5001号問題
書物
漫画
歴史雑談
出来事
身辺些事
思い付き
時事漫言
食物
制服・メイド
タグ
(85)
(58)
(50)
(32)
(23)
(19)
(13)
最新の記事
鍋焼うどんの探求(1) キン..
at 2010-02-09 23:57
さよなら交通博物館 建物の解..
at 2010-02-07 21:27
血痰を吐く
at 2010-02-03 22:14
今日の東急デハ5001号の状..
at 2010-01-25 23:59
秋葉原通り魔事件の公判の傍聴..
at 2010-01-28 09:34
秋葉原の「安全・安心パレード..
at 2010-01-22 23:59
オタクとクリスチャンとミリタ..
at 2010-01-13 23:36
最新のコメント
>pointscale ..
by bokukoui at 22:01
ども、三峯先生の記事のア..
by マサシロウ at 13:05
傍聴希望者は意外と少なか..
by pointscale at 00:59
サブカル大好きという点で..
by bokukoui at 21:09
義政だの徽宗も最上級ヲタ..
by 無名 at 09:52
是非、このお題について氏..
by bokukoui at 23:57
>ラーゲリ猊下 先日は..
by bokukoui at 23:55
職場のK君もカトリックで..
by 無名 at 12:50
とろろ芋先生の在り方は、..
by 労働収容所組合 at 07:52
>北夙川不可止さま コ..
by bokukoui at 21:30
最新のトラックバック
ここは酷い東京都道路公社..
from 障害報告@webry
クリスマス歓迎デモを行い..
from 登校拒否への道(とうこうきょ..
ここは酷い撃ち放題ですね
from 障害報告@webry
ここは酷い特急は明大前に..
from 障害報告@webry
ここは酷い死刑執行人ですね
from 障害報告@webry
検索
以前の記事
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
ネームカード
XML | ATOM

skin by excite


『空間のイギリス史』より・お屋敷とメイドとナショナルトラスト
 引き続き頗る忙しいのですが、なんだかむしろそっちの方が何か書きたくてたまらないような、そんな妙な意欲が突発的に沸いてきて、何かトランス状態的な今日この頃です。しかし実際忙しくて時間がないのもまた事実なので、昨日同様引用を多めにすることで内容に代えさせていただきます。
 今日は久々にメイド方面に関係した話題です。

 という口上で紹介するのは、ずっと前から積んでおいて、暫く前に読んだこの本です。

川北稔・藤川隆男編
  『空間のイギリス史』
(山川出版社)

 歴史上の「メイド」に関心のある向きでしたら、川北稔先生のお名前は皆さんご存知のことと思います。『路地裏の大英帝国』の編者として名を連ねておられる方ですね・・・って、同じことを前にも書いた覚えがありますね。川北稔編・綾部恒雄監修『結社の世界史4 結社のイギリス史 クラブから帝国まで』についてこのブログで以前取り上げました時のことでした。で、この書物もやはり川北稔先生の名前に釣られて買ったようなものでした。
 本書は川北教授退官記念で出されたものらしく、『結社のイギリス史』と似て、300ページ足らずの本に20本の論文がひしめいています。それだけ一本一本は短いもので、実証というより問題提起の性格の強いものとなっています。そういう点で読み手を選びそうというのは『結社~』と類似してます。ただ、本書の場合は一応「空間」というテーマが設定されているものの、「結社」ほどその性格が決めやすいものではないですから、バラバラ感がより一層強くなってしまっているのは否めず、従ってやや印象が薄くなってしまいました。

 そんな中で、以下にご紹介する内容は、これまた『結社のイギリス史』の時に触れた、ナショナルトラスト運動についての箇所です。お屋敷、つまりカントリー・ハウスと、メイドさん、つまりサーヴァントが話の中に出てきますので、以下に引用しておきます。
 国民の遺産となるべき空間を保存するというトラストの目的は、創設以来変わっていないが、何を遺産として定義するかは時代によって変化してきた。第一次大戦後、三人のトラスト創設者や彼らを支えてきた中心メンバーが亡くなると、トラストの体質は保守化し、広く国民の参加を呼びかけるアピールは希薄となった。1930年代から50年代にかけて、トラストの主たる関心は、カントリー・ハウスというイギリスの伝統的支配階級の富と権力を表象する建物の保存に向けられた。もはや維持できなくなった地主貴族の邸宅を相続税の免除など優遇措置をとってトラストの資産とし、地主は一定期間、邸宅を一般公開することを条件にそのまま住むことを許された。こうした地主貴族の遺産を国民の遺産とするトラストの価値観は、近代以前の地主が支配した伝統的な農村社会を理想化する反動的なものという批判を受けた。また、同じ時期に労働者階級に広がったハイキングの流行など、大衆のルーラリズムとは乖離していた。
 しかし、トラストは、1965年にネプチューン計画と名づけられた海岸線の保護活動を皮切りに、一般への積極的なアピールを再開し、活発な国民の取込みを始めた。会員数は1970年頃からかつてないペースで急激に伸びはじめた。これは、自然環境保護への関心とリテッジ・ツーリズムの人気に支えられた結果だといえるだろう。国民の遺産は拡大され、ふたたび自然景観や、カントリー・ハウス以外の歴史的建築物の保存に積極的に乗り出した。カントリー・ハウスの獲得数は1960年代から次第に減少していき、逆に民衆の社会や文化を表象する建物の獲得や、既に取得していた資産の一般公開に努めるようになった。こうした資産のなかには、救貧院や農業労働者の住まい、セミ・ディタッチド・ハウス(大戦間期に中産階級や労働者階級上層部に普及した二世帯の共有住宅)などがあるが、それ以外にも、カントリー・ハウスで働いたサーヴァントの居住空間を再現し、カントリー・ハウスの所有者ばかりでなく、そこで働いた人びとの生活にも焦点をあてるという試みが始められている。
 こうした方向転換がなされたのは、時代遅れのエリート主義というトラスト内外からの批判が、「国民」の遺産を守るというトラストの存在意義を揺るがしはじめたからである。たしかにトラストは、遺産を定義することにより、特定の対象を国民の意識に刻み込むのに貢献してきたが、国民の側も、自分自身の興味や価値観をフィードバックし、トラストに影響を与えている。なぜなら、トラストは、国民の遺産を保存する団体としての正当性を維持するために国民全体のニーズに応える必要があり、さらに、会員数や訪問者の数が急激に増加するにつれ、会費や募金による収入が、財源の大きな割合を占めるようになってきたからである。トラストにとって、国民が信じたいと願う過去のあり方を創出することは、自己の存続にとって必要な条件であった。(pp.171-173)
 この後に、トラストによる過去へのまなざしは進歩の栄光という性格のものであったこと、こういった過去への嗜好が「イギリス病」の元凶と批判する声もあったが、イギリスの景気が良くなるとむしろこういった過去への嗜好が広く受け入れられるようになったこと、それがいわばイギリス自体をテーマパークにしているようなものではないかという批判もあること、などなど、なかなか興味深い話題があります。
 「国民が信じたいと願う過去のあり方を創出する」というのは、歴史の遺産を受け継ぐということの難しさを感じます。まあ日本はそれ以前の問題が大きいとは思いますが。また以前の記事でも書いたことですが、このように創られた「イギリス人の信じたい過去」に対し、日本人がどのような反応を示したのかという例として、メイドさんをめぐる話題は興味深いものであろうかと思います。

by bokukoui | 2007-08-03 23:57 | 制服・メイド | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://bokukoui.exblog.jp/tb/6044561
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前 :
URL :
非公開コメント
削除用パスワード設定 :
< 前のページ 次のページ >