|
ご案内
よりぬき「筆不精者の雑彙」
このブログの過去の主要な記事の一覧です。初めてご来訪の方は、是非ご覧ください。 MaIDERiA出版局 このブログの元サイトです。 MaIDERiA さらに大元のサイトです。 管理者 墨東公安委員会 (墨公委=bokukoui) 連絡先:rshima*nk.rim.or.jp (*にアットマークを入れて下さい) カテゴリ
全体鉄道(歴史方面) 鉄道(現況実見) 鉄道(時事関係) 鉄道(その他) [特設]東急デハ5001号問題 書物 漫画 歴史雑談 出来事 身辺些事 思い付き 時事漫言 食物 制服・メイド タグ
書籍・漫画等感想(85)イベント・展示会等見学記(58) 革非同・古澤克大(フルカツ=furukatsu)書記長観察記(50) 旅行記(32) ナヲコ(23) 『月刊COMICリュウ』関係(19) 「秋葉原通り魔事件」関係(13) 最新の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
以前の記事
2010年 02月2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 ネームカード
|
『空間のイギリス史』より・お屋敷とメイドとナショナルトラスト
引き続き頗る忙しいのですが、なんだかむしろそっちの方が何か書きたくてたまらないような、そんな妙な意欲が突発的に沸いてきて、何かトランス状態的な今日この頃です。しかし実際忙しくて時間がないのもまた事実なので、昨日同様引用を多めにすることで内容に代えさせていただきます。
今日は久々にメイド方面に関係した話題です。 という口上で紹介するのは、ずっと前から積んでおいて、暫く前に読んだこの本です。 川北稔・藤川隆男編『空間のイギリス史』(山川出版社) 歴史上の「メイド」に関心のある向きでしたら、川北稔先生のお名前は皆さんご存知のことと思います。『路地裏の大英帝国』の編者として名を連ねておられる方ですね・・・って、同じことを前にも書いた覚えがありますね。川北稔編・綾部恒雄監修『結社の世界史4 結社のイギリス史 クラブから帝国まで』についてこのブログで以前取り上げました時のことでした。で、この書物もやはり川北稔先生の名前に釣られて買ったようなものでした。 本書は川北教授退官記念で出されたものらしく、『結社のイギリス史』と似て、300ページ足らずの本に20本の論文がひしめいています。それだけ一本一本は短いもので、実証というより問題提起の性格の強いものとなっています。そういう点で読み手を選びそうというのは『結社~』と類似してます。ただ、本書の場合は一応「空間」というテーマが設定されているものの、「結社」ほどその性格が決めやすいものではないですから、バラバラ感がより一層強くなってしまっているのは否めず、従ってやや印象が薄くなってしまいました。 そんな中で、以下にご紹介する内容は、これまた『結社のイギリス史』の時に触れた、ナショナルトラスト運動についての箇所です。お屋敷、つまりカントリー・ハウスと、メイドさん、つまりサーヴァントが話の中に出てきますので、以下に引用しておきます。 国民の遺産となるべき空間を保存するというトラストの目的は、創設以来変わっていないが、何を遺産として定義するかは時代によって変化してきた。第一次大戦後、三人のトラスト創設者や彼らを支えてきた中心メンバーが亡くなると、トラストの体質は保守化し、広く国民の参加を呼びかけるアピールは希薄となった。1930年代から50年代にかけて、トラストの主たる関心は、カントリー・ハウスというイギリスの伝統的支配階級の富と権力を表象する建物の保存に向けられた。もはや維持できなくなった地主貴族の邸宅を相続税の免除など優遇措置をとってトラストの資産とし、地主は一定期間、邸宅を一般公開することを条件にそのまま住むことを許された。こうした地主貴族の遺産を国民の遺産とするトラストの価値観は、近代以前の地主が支配した伝統的な農村社会を理想化する反動的なものという批判を受けた。また、同じ時期に労働者階級に広がったハイキングの流行など、大衆のルーラリズムとは乖離していた。この後に、トラストによる過去へのまなざしは進歩の栄光という性格のものであったこと、こういった過去への嗜好が「イギリス病」の元凶と批判する声もあったが、イギリスの景気が良くなるとむしろこういった過去への嗜好が広く受け入れられるようになったこと、それがいわばイギリス自体をテーマパークにしているようなものではないかという批判もあること、などなど、なかなか興味深い話題があります。 「国民が信じたいと願う過去のあり方を創出する」というのは、歴史の遺産を受け継ぐということの難しさを感じます。まあ日本はそれ以前の問題が大きいとは思いますが。また以前の記事でも書いたことですが、このように創られた「イギリス人の信じたい過去」に対し、日本人がどのような反応を示したのかという例として、メイドさんをめぐる話題は興味深いものであろうかと思います。 Tags:書籍・漫画等感想
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


