『阪神電気鉄道百年史』を読む

 昨日入手した『阪神電気鉄道百年史』ですが、第3章まで(戦前部分)読了。

 何はともあれ大きくて立派です。外箱の大きさはミリで測って273×203×63くらいですか。
 記念撮影。
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 コンピュータ(DELL製品)の上に載っけてみました。背景は気にしない方針で。
 ついでに大学から借りてきた『八十年史』と並べて撮影。
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 相当に厚くなっています(627ページ→918ページ)。でも筆者の研究対象である戦前についてのページ数は減っているという罠。

 で、戦前の部分をざっと読みました。
 今回の『百年史』は関連事業を含めた阪神グループ全体像を描き出すことに力点を置いたそうです。戦前に関していえば、不動産業についての叙述が充実していたように思います。阪急に先駆けた経営構想を持っていた、ということを強調しているのかな。特に甲子園開発(球場だけではなく、住宅などを含めた開発全体)については地図も詳しく読み応えがありました。ただその分、稼ぎでは不動産業を大きく上回っていた最大の兼業部門である電灯電力業についての叙述は、やや少な目のように感じました。
 阪神電鉄創業時、技師長の三崎省三がアメリカに渡って、技術や経営に関する調査を行っているのですが、百年史ではこれに関する記述がかなり詳しかったのが嬉しいところでした。日本の電鉄を知るためにはアメリカの電鉄を知らねばならない、と最近考えている筆者としては心強い限りです。でも三崎が視察した「シカゴ・ミルウォーキー電気鉄道」(29ページ)って所謂ノースショア・ライン(Chicago North Shore & Milwaukee Railway)のことなのかな? できれば原史料が読みたいです。ノースショア・ラインはじめアメリカのインタアーバンについて日本語で一番詳しいサイトはこちらなので皆熟読するように。
 前作に引き続き、経営史としての分析が中心になっており(そのため技術的な面がやや等閑に付されている憾みがありますが)、部門別収益の評価などは筆者が修論でやったこととかぶるため、今後も精読して参考にしていきたいと思います。資料編も充実していて大変便利。

 書こうとすればいくらでも長くなってしまうので、この辺でひとまず筆を措きます。
 ネット検索すると、一部マスコミが「阪神の百年史には村上ファンドが出てこない」ということばかりネタにしていることが分かりますが、そんな目で見るばかりではもったいなさ過ぎる話です。まあ、社史の存在が世に知れ渡ったという点ではいいのかな。
 でも阪神に手紙を出すとき、「貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます」という定型文を書いてみて、少し心が疼いたのは事実ですが。
 とはいえ、もはや村上ファンドの阪神になっている以上、この手紙は村上ファンド宛でもあるのだろうかと、「法人」というものの意味にもまた少し悩んでみたりもしたのでした。
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by bokukoui | 2006-02-04 21:18 | 鉄道(歴史方面)