秋葉原通り魔事件から一ヶ月

 秋葉原の通り魔事件が6月8日に起こって丁度一ヶ月になります。

 小生は本日アルバイトで帰宅が遅くなったもので、また自宅の新聞が限られているため報道の状況は存じませんが、今ネットのニュースをざっと見たところでは、あまり話題になっていないようです(NHKのニュースではやっていたと家人が言っておりましたが)。まあサミットや「くいだおれ」閉店など他にもいろいろニュースがあるわけで、それもまたそんなものかと思います。
 一つ見つけたNHKのニュースを以下に引用(ニュースのログはすぐに消えるので)しておきます。



 先月8日、東京・秋葉原で7人が死亡、10人が重軽傷を負った通り魔事件では、ナイフで刺された43歳の会社員の男性と53歳の警察官の2人が、事件から1か月がたった今も病院に入院して手当てを受けています。
 7人を殺害したとして再逮捕された静岡県の派遣社員、加藤智大容疑者(25)は、これまでの警視庁の調べに対し「携帯電話のサイトに書き込みをしていたが無視された。現実の世界で大きな事件を起こせばネットの世界の人を見返してやれると思った」と供述していることがわかりました。加藤容疑者は、犯行が計画的で具体的な供述をしていることから、責任能力に問題はないとみられていますが、事件当時の詳しい精神状態を調べるため、7日夜、こう留されていた万世橋警察署から警視庁の別の施設に身柄を移されました。
 警視庁は、加藤容疑者の幼い頃から派遣社員として働いていた事件の直前までの状況について、幅広く関係者から話を聞くとともに、3か月間の精神鑑定が終わり次第、取り調べを再開し、犯行状況の裏付けや動機の解明をさらに進めることにしています。
 負傷された方の一日も早いご快復を祈念いたします。

 他に、手許にある新聞では、日経新聞の本日付朝刊・夕刊に記事が。
 朝刊の記事は社会面の1/3程度を割いたかなりのもので、「秋葉原殺傷1ヶ月『ネットでも無視、見返す』」と題して、加藤容疑者のネット(携帯電話サイト)への執着振りを中心に報じています。もっとも記事の末尾では捜査幹部の発言として「・・・遠く離れた秋葉原であれだけの事件を起こす動機になるのかと考えると、まだ飛躍がありすぎる」としており、またこの件関連記事全体の1/3を占める囲み欄では、「動機とネット依存の関連 専門家、慎重な見方も」として精神科医の発言を紹介しており、ネットの影響についてはかなり留保をつけて報じています。
 夕刊の記事では「秋葉原歩行者天国 再開なお遠く 『事件は理不尽』やりきれなさ関係者ら今も」と、事件の被害者の関係者の思いと、秋葉原の街の状況とを主に伝えています。小生自身、前にこの事件について思うところを書いた中で、歩行者天国は再開すべきであると書いておりましたので、それに関連した箇所を紹介しておきます。数字は横書きで読みやすいように直しました。
 歩行者天国は35年の歴史を持ち、若者らの路上パフォーマンスで街の象徴ともなっていた。電気街振興会の小野一志会長は「間もなく、書き入れ時の夏休みを迎える。商売に街のにぎわいは欠かせない」と早期再開を訴える。
 しかし再開への道のりは険しそうだ。中止を警察に申し入れた地元・千代田区は「四十九日の法要が明けるまで再開は難しい」(石川雅己区長)との認識。商店街などと協議する日程も白紙で、「結論が出るのに時間がかかる」(区都市計画課)見通しだ。

 先月、友人ともども秋葉原で事件の場に居合わせ群集と共に逃げるという経験をして以来、熱心にメディアを追った・・・訳ではなくて、どうも情報の海に溺れて自分の経験を見失うような不快感が多分そのような活動をする気になれない要因だったのだろうと思います。
 前にこの事件について思うところを書きました。つまり、確かに大きな事件ではあるけれども、しかし下手に大きな扱いはかえって犯人の意思をある意味実現することになってしまうのではないか、犯人の身勝手な自己顕示に付き合ってやるべきではない、そういうことです。(だからこそ歩行者天国も復活しなければならないのです。犯人の影に今更怯えるのは、妥当なリスク判断とも考えられません)
 また、事件後間もない頃の情報や言葉の氾濫の中では、かえって事態が見通せず、第一印象で感じた感情のまま、それは事件について語っているようでいて自分の感情を吐露しているに過ぎない、そんな言説が多くまかり通る(しかもそれが事態の性格を社会に印象付ける場合もある)危険性もあります。管見の範囲でもっとも醜悪に感じた実例にリンクしておきますが、防犯器具製造企業の社長がこの事件にかこつけて不寛容な規制強化を唱えるのは、死体の上でダンスを踊っているようにしか見えません。まさに藤田省三の言う「不快の源を根こそぎにしようとする強い動機」そのものです。

 だからこそ、犯人の残した傷痕を拭い去りつつ、しかしまた同時に事件を風化させない、そんな方策を、事件から少し時間の経った今こそ、少し冷静になって考えるべきときではないかと思うのです(あ、でもこの松村社長の記事、一月近く経ってから書いてるんだよね。とほほ・・・)。
 おまじないを唱えるように、何か「不快」と感じるものに責任を擦り付けて「お祓い」するのではない、別な何かを。

 そういうわけで、手探りですが、この事件と秋葉原の街については時々忘れないように、何かきっかけがあれば書くようにしたいと思います。
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by bokukoui | 2008-07-08 23:58 | 時事漫言 | Comments(1)

Commented at 2008-07-09 17:03 x
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