ナヲコ先生単行本2冊同時発売記念企画 なずなのぱんつ考

 世相の話などすれば暗澹たる思いになり、趣味的な話をすれば繰言になり、身辺の話をすればただ沈黙よりなく、とかく人の世は住みにくい感ばかりする今日この頃ですが、時にはいいこともあるのだということで、表題の如くナヲコ先生の新刊に寄せる期待と『月刊COMICリュウ』の話などしたいと思います。

 というわけで、ネットでも書影が公開された様子なので、以下にご紹介。


『なずなのねいろ(1)』
 『月刊COMICリュウ』連載作品を単行本化。三味線を奏でる少女・なずなと出会った高校生・伊賀君が三味線部を作ろうと・・・というお話。でもやはりナヲコ作品にとってしばしば重要テーマである「きょうだい」が、boy meets girl 的な話にとどまらない厚みを作品に与えている(と、個人的に思います)。


『からだのきもち』
 単行本未収録のかつての作品をまとめたもの・・・とはつまり、復刊ドットコムのリスト(はてなダイアリーのキーワードにも同じのが)に明らかなように、本来は成年向けだった作品集。

 『月刊COMICリュウ』でナヲコ先生の連載が始まったということ自体結構驚いてそして嬉しかったものですが、順調に連載が続いているからには単行本化、という流れは順当なところです。
 しかし、しかし、まさかかつての作品集まで出るとは・・・最初、先月発売の本誌の広告ではタイトルしか載っていなかったので「?」だったのですが、驚き喜び、かつ『リュウ』編集部の素晴らしいセンスと英断に感動して、思わず当ブログに新しいカテゴリ[特設]『COMICリュウ』関係まで作ってしまいました。一応「漫画」の下位分類ということで[特設]とした次第。「関係」なのはコミックスも扱う予定なので。
※追記:閲覧・記事作成双方の利便性を考え、カテゴリをやめてタグにしました

 確かに、『リュウコミックス』はベテラン作家の旧作の再版も結構やっているようですので、それだけならまあそういうこともあるのかな、とは思えなくもありません。が、曲がりなりにも「成年コミック」の類として当初発表されたものを、普通のレーベルで黄色い楕円マークもなしに出してしまうというのはやはり驚きました。
 ナヲコ先生ご自身からして
わたしの未収録ってことは、マーク付きなんじゃ!?

と思いきや、マークなしなのです………………………
工工エエエエ(゚д゚;)エエエエ工工工工エエエエ(゚д゚;)エエエエ工工
しかもノンジャンルなんです!!!!
工工エエエエ(゚д゚;)エエエエ工工工工エエエエ(゚д゚;)エエエエ工工
(といってもぼーいず系のえちいのは避けました)


思い切りすぎじゃね!?徳間書店さん!?
 と仰るほどですので。
 しかしマークをつけないどころか、編集部は『なずなのねいろ』とセット売りする気満々ですね。帯を見れば一目瞭然で。あと、ネット上で当初伝えられた書名は『連立H方程式』だったらしいですが、書名を変えたのも『なずな』と揃えるためのような気がしてなりません(笑)。商売としてはもちろん至極妥当なことと思います。
 で、ナヲコ作品の年来の読者ならば、Hシーンがどうこうとかマークがうんたらという皮相的なことで、ナヲコ作品を語るのは愚かだと分かっているからいいんですけど、このご時世それで大丈夫なのでしょうか。いや大丈夫であるべきなんだけど。むしろ編集部にはこのまま突っ走って欲しいと心から思うのですが。

 と、ここでふと冷静になって考えてみるに、『リュウ』編集部はえっちな漫画を出してみたかったんじゃないかと思うに至りました。ここ10ヶ月ばかりの新参者の読者ではありますが、そう思った経緯を以下に述べてみたいと思います。というわけで、今回かかる表題をつけた次第なのでした(別にパンツの話という訳ではないです)。



 『なずなのねいろ』連載が始まった、とはすなわち小生が始めて『COMICリュウ』を買った、2007年11月号の巻末の投稿欄に、こんな投書と編集部のコメントがありました。
◆リュウのエロ化希望! もっとエロエロな作品を♪(愛知県/日吉丸)
 ジャンル別の希望でいちばん多いのが、実は「エロ」だったりします。みなさんはリュウでどんな「エロ」を読んでみたいですか? 御意見募集!
 というわけで、創刊一周年当時の読者希望は「エロ」が多かったらしいです。
 ちなみにこの号で連載が始まった『ねずなのねいろ』では、なずなは登場した最初のシーンで、いちごぱんつを見せて爆睡しておりました。お蔭で単行本の帯にまで「イチゴパンツの・・・」と書かれていますが、この後いちごぱんつのシーンは(今のところ)ありません。
 で、その次の2007年12月号の投書欄では。
 最後に「リュウのエロ化希望」という御意見への反響を3通。
◆エロ化に賛成。全体的におとなしい印象があるので、何本かHな作品があったほうが個人的に強い購入動機になるかも。(和歌山県/シバサキ)
◆リュウのエロ化に反対! 私のような女性読者が購入しづらくなると思う。今のままのリュウでいてほしい・・・。(千葉県/白鷺)
◆「微エロ化」なら賛成。完全なエロオンリーという作品はリュウには不要。作品中での意味のあるエロとか、不快感のないサービス程度のエロなら大歓迎。(神奈川県/タケシ)
 以上の3通が代表的な御意見でした。数も同じくらいかな。引き続き御意見募集します!
 てなことになってきました。この投書欄のスペース(見開き2ページ。11月号のみ2ページ半)からすると、3通紹介というのは結構な分量と思います。
 ちなみにこの号、第2回の『なずなのねいろ』では、購買部で将棋倒しになって伊賀君はなずなのぱんつを目撃してしまいます(つうか、上に乗っかってる)。
 これが2008年1月号になりますと、「エロ」関係の投書が増えまくったのか、こんなコーナーが投書欄に出来てしまいました。
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 クリックすると文字がちゃんと読めるくらいには拡大表示します。
 というわけで、やはり『リュウ』の魅力はそのニッチな? ところにあるのだと小生も思うのですが(漫画の「本流」「正統」をきちんと読んでいるわけでもない小生がこのように書くのもおこがましいとは思いますが・・・)、同じように感じて購入しておられる読者の方も多いのかな、とちょっと嬉しくなりました。
 ちなみにこの号の『なずなのねいろ』では、花梨おねえちゃんが登場していますが、なずなのぱんつが見えるコマは特にありません。

 この投稿欄特集で『リュウ』の「エロ論争」は終結したのかと思ったら、次の2008年2月号の投書欄にはこんな意見が。
◆「リュウ」エロ化には絶対反対。ただでさえHで買いづらいマンガ誌が多いのに、「リュウ」までそうなったら困りますぅ~。(埼玉県/みんみん)
 エロ化問題。今月はみんみんさんのように、女性からの「買いづらくなる」という意見が目立ちました。乙女も買える「リュウ」でいたいと思います♪
 これで一応は「エロ」を巡る論争は打ち止めとなったのか、その後最近の号に至るまで、このテーマに関する投書は無かったはずです。
 もっとも、同じ号の投書欄にはこんなこと書いてきた輩も。
◆『なずなのねいろ』面白くなってきましたね。そこでナヲコ先生にお願いが・・・。勇気を出して、僕等にもっとパンチラを!(広島県/三味線ボーイ)
 前の号の『なずなのねいろ』にぱんつが無かったから書いてきたのかな? ちなみにこの号の『なずなのねいろ』では、沢田センパイがなずなのスカートめくってましたけど・・・でも、投書欄の論争がなりをひそめると同時に?この後ぱんつの見えるシーンは無いはずです。確か。 

 てなわけで、「エロ」な漫画を出したいと『リュウ』編集部は考えたのではないかと、ふと思ったのでした。「30歳以上推奨」の雑誌らしいからいいのかねえ(小生はまだ20代です。まだ)。
 で、この場合、ナヲコ先生の作品というのは、エロにして「こだわり」があって、一方ではそっち方面初めての人にも訴求力ありそうということで、考えてみれば至極合理的な選択だったのかもしれません。そして『からだのきもち』が売れれば、『DIFFERENT VIEW』もリュウコミックスで再版するかも!?

 漫画の「エロ」についてはしかし、実は現在かなり難しい状況にあります。
 詳しくはこちらの「STOP!今そこにある『漫画・アニメ禁止法案』」サイトをご参照ください。児ポ法改正問題は決して終わったわけではありません。この問題に関して、夏コミなどで署名運動も行うとのことですので(こちらの「創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志」サイト参照)、ご関心のある向きは是非。
 こんなご時世に『リュウ』編集部は何を考えているのか、実は何も考えていないのか?

 あれ? 明るく楽しい話題を扱うはずだったのに、また鬱々とした世相の問題になってしまいました。この問題と反対運動については、また機会を改めてご紹介するとして、最後は思いっきり笑えるネタをご紹介して締めくくりとします。

 上掲「創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志」の、賛同人名簿は、なかなか壮観な(左右を超えた)面々が名を連ねていますが、ある方(小生がリアルでお会いした数少ない『リュウ』読者の方)がこの名簿を見て、「徳間系の雑誌に描いてる人多くない?」と仰ってました。小生は『リュウ』以外の徳間の雑誌について存じませんが、なるほど『リュウ』だけでも(以下敬称略)伊藤伸平・西川魯介・速水螺旋人の連載陣が名を連ねてますね(あとあさりよしとおも前に描いてた)。
 というわけで、この運動の宣伝のために、賛同人有志から原稿集めて本を作れば活動資金が稼げるのではないかと阿呆なことを一瞬考えてしまったのですが、このネタを既に「原野商法1997」の yasudayasuhiro 氏がやっておられました
  
毎日のマンガ2

(中略)

この面子で雑誌を作ったら面白そうだ。

表紙:CHOCOと撫荒武吉のコラボ

裏表紙:里中満智子

後書きパロディマンガ:広江礼威

カット:しのざき嶺と村上隆史

発刊の辞:村上知彦
 ここまででも相当ですが、この続きの「内容」のネタで、小生は今年年頭から一番笑わせていただきました。
 必見。

※追記:その後『リュウ』が附録で『リュウH』なる冊子を出しました。
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by bokukoui | 2008-07-09 23:58 | 漫画