歴博企画展&歴博フォーラム「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」

 夏休みに行ってみたい展示と講演会について、自分用の備忘を兼ねてご紹介。

 千葉県佐倉にある国立歴史民俗博物館で、この夏以下のような企画展が行われている由です。

  旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-
■趣旨
現代の観光旅行のルーツは近世に求めることができます。近世の旅は伊勢参宮に代表されますが、各地の都市を中心に多様な旅行地が成立しました。旅は寺社参詣が目的でしたが、街道も楽しみの場であり、旅の行程すべてが壮大なアミューズメントパークでした。

鉄道旅行により、そのアミューズメントパークは崩壊しますが、都市周辺には多くの旅行地が成立し、短時日のうちに、より遠くへの旅行も可能になりました。一方、鉄道の発展は汽車に乗ることも楽しみとなり、鉄道趣味へと発展していきます。鉄道旅行が当然のことになると、旧道回顧も盛んになり、画家を中心に旧道旅行も行われ、現在の旧道歩きに引き継がれています。

今回は旅行案内書などを中心に展示しますが、本展示により、新しい旅行の在り方を模索していただきたいと思います。
 大きく江戸時代と近代以降(鉄道開通以後)との、二部構成の展示のようですね。
 既に展示は始まっていて、8月一杯行っているそうです。

 なかなか面白そうな展示と思いますが、佐倉はちと遠いよなあ、という場合にはこのような企画が。来週土曜日、7月19日に関連した講演会が東京の丸ノ内であるそうです。

  歴博フォーラム「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」
基調講演「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」
山本光正(国立歴史民俗博物館教授)

「日本人の旅文化」
神崎宣武(旅の文化研究所所長)

「道中記に民俗を読む-富士登山を中心にして-」
西海賢二(東京家政学院大学教授)

「鉄道の開通と『旅』の変容」
老川慶喜(立教大学教授)

「近代日本のおみやげと鉄道」
鈴木勇一郎(青山学院大学非常勤講師)

討論
司会:小野寺淳(茨城大学教授)
パネラー:神崎、西海、老川、鈴木、山本
 これも面白そうですね。鉄道趣味者にはお馴染みのお名前である老川先生の講演もありますし、また鈴木勇一郎さんは『近代日本の大都市形成』という著書を出されており、小生思うに日本の大都市での私鉄と郊外の発展についてきちんと知りたいという人には必読の本です。原武史とか読んで済ましている場合ではありません。
 というわけで、なかなか興味を惹かれる講演会ですが、入場無料とはいえ事前申し込み制なので、行きたい方はリンク先の連絡先にメールをされた方が良かろうと思います。560人も定員があるので、多分当日行っても大丈夫そうですが、一応念を入れて。

追記(2008.7.31.):歴博フォーラムに行ってきました。
レポはこちら(前篇)こちら(後篇)

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by bokukoui | 2008-07-11 21:51 | 鉄道(歴史方面) | Trackback | Comments(4)

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Commented by 檸檬児 at 2008-07-13 10:54 x
 江戸から明治に渡る時期の鉄道ネタと言うと反射的に河鍋暁斎の絵を思い出しました。
 狩野派を更に独自に発展させた画家だったのですが、お得意さんの豪商勝田家の一人娘たつが14 歳で亡くなったことを偲んで、残された家族の為に明治2年から5年にかけて描き起こした40枚の連作の絵です。
 菩薩に連れられて、少女たつが冥界を巡り極楽に至る様子を連作で、賽の河原で子供達に小さなダルマのおもちゃを配ったり、亡き家族と再会したり、歌舞伎を観劇したりという楽しげな作品の終盤で、最新の蒸気機関の列車に乗って極楽に到着します。
 この連作を観ているとなんともほのぼのとしながら、涙がにじんできます。

 蒸気車が一般公開されたのが明治5年で、それ以前に河鍋さんが空想をたくましゅうして描いた描かれたこの絵では蒸気車の前後が逆になっています。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/080408/shoukai/02_index.htm
(ここのサイトの絵はクリックで拡大します)

 当時の庶民の蒸気鉄道にかけた夢が偲ばれます。
Commented by 鈴木光太郎 at 2008-07-13 13:54 x
私がこれまで知ってたトンデモ機関車絵は
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kazuya22ai/22/okajiyouki-3.html#国輝
↑のhttp://www5f.biglobe.ne.jp/~kazuya22ai/mousai/y-3.jpg
のコーヒーポット型機関車の程度なんですが、檸檬児様ご紹介のバック運転列車には驚きました。
絵作者は鉄道車両は断面積は広げられないので、豪華化は長さ寸法を拡張する以外ない、という事は知ってたようですね。
絵作者のネタ元(西洋の資料)は当時の王族自家用列車か? 鉄道会社幹部の巡察車か、面白そうです。
Commented at 2008-07-14 17:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bokukoui at 2008-07-14 22:13
>檸檬児さま
興味深い画像をご紹介いただき、ありがとうございます。暁斎の名前ぐらいは知っていましたが、こんな絵があるとは知りませんでした。管見の範囲では(そう網羅してはいないでしょうが)、この絵を資料に使った研究は無かったように思います。

日本に登場したばかりの、多くの人は見たこともない汽車を、このような絵に使おうという暁斎の発想は大変面白いですね。暁斎の画風ということもあるのでしょうが、むしろ、このような新し物好きな心こそ日本の近代化を推進した要因の一つだったのではないか、そんな風に考えたいです。

>鈴木光太郎さま
情報ありがとうございます。
ご紹介の画像は、初期のアメリカ型にあった垂直ボイラーのタイプみたいで、いったいどこからこんな情報を手に入れたのか、興味をそそられますね。

西洋からの鉄道事情の導入がどれくらいあったかは多少研究がありますが、流石に王侯貴族の列車ほどの細かい知識の画像が入ってきていたのかは、ちょっと分かりません。暁斎の絵では、装飾の意匠はむしろ日本的で、それを強引に西洋文明の鉄道に載っけてしまうところが可笑しいですね。
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