講演会『巡洋戦艦「金剛」 技術的視点による再考』ご案内

 来る11月23日(日)、東京大学本郷キャンパスにて、日本海軍の巡洋戦艦・金剛に関する講演会が開催されます。なかなかに濃ゆい方々が集まりそうなイベントです。興味と関心のある方は、連休中の一日、是非お運び下さい。(追記:開催時のレポートはこちら→乾巻坤巻
 このイベントについての案内としては、SNSの mixi 内にコミュニティが設置されており、そちらで質問なども受け付けております。しかし mixi 会員でない方には閲覧できませんので、講演会に関する要旨を以下に同コミュニティから抜粋・編集してご紹介いたします。

【巡洋戦艦「金剛」;技術的視点による再考】

日時:11月23日(日) 13時~17時
場所:東京大学本郷キャンパス 法文1号館1階113号教室
運営団体:金剛艦プロジェクト2008
参加費:無料(寄付金歓迎)

●講演者・内容
小高まさとし
「平賀文書に見る金剛代艦の考察」 (13:05~)
平賀文書公開によって得られた新情報から通説を再検討する。

新見志郎
「金剛と英国の姉妹たち」 (14:15~)
巡洋戦艦「金剛」と、同時代に誕生したイギリス巡洋戦艦「タイガー」とを比較する。

大塚好古
「金剛型建造ドキュメント余話」 (14:50~)
学研「決定版・金剛型戦艦」の「金剛型建造ドキュメント」に対する補足解説を行う。
金剛新造時、第一次改装時、第二次改装時を中心に。

髙木宏之
「『金剛型』機関部詳解・余談」 (15:35~)
学研「決定版・金剛型戦艦」の「『金剛型』機関部詳解」に対する補足解説、その他。
金剛新造時、第二次改装時を中心に。

全体討論(16:20~)
個別の講演後に質疑応答の時間を設けますが、それで足りなかった分や全体に関わるものはこちら。

●参加方法
参加は自由です。当日、会場まで直接お越し下さい。
但し席数に限りがあります。
満席の場合、大変申し訳ありませんが立ち見で我慢して頂くことになります。
 案内に追加事項があれば、この記事も適宜加筆していく予定です。
 また、mixi に加入しておらずこのコミュニティを見ることができないが、しかし運営側に質問がある、という方は、記事のコメント欄若しくは小生のメールアドレスへご連絡いただければ、取り次ぎなどの対応を行います。小生もこの講演会の運営に関わっておりますので。

 なお、大塚氏と髙木氏の講演の参考文献として挙げられているのは、

  歴史群像太平洋戦史シリーズ65
です。いつの間にやらこのシリーズ、65巻も出ていたんですね。確か出始めたのは小生が高校入ったかどうか頃だったような気が。
 小生もいろいろ用事に追われていて、今日買ってきたところで、まだ読んでおりません。講演会までには読んでおかないと。


 というわけで、この講演会は、巡洋戦艦・金剛について「技術的視点」から考えるというもので、戦う話は一つもないという構成になっています。
 特に今回、東大キャンパスでの講演会が実現したのは、「平賀文書」関係の講演があることに起因しております。平賀文書とは、日本海軍の造船技術者として著名な平賀譲が残した文書群で、最近ネット上にアップされて見られるようになっております(→平賀譲デジタルアーカイブ)。平賀は東大の工学部で学び、また教鞭を執り、総長を務めたと東大に縁が深く、文書も東大に寄託されました。それが近年、ネットで見られるようになったわけです。(詳しい経緯は上掲サイトの「平賀文書の受け入れ・整理の経過」参照)
 今回講演される方々は在野の軍艦研究者の方々ですが、こういった資料が一般公開されることで研究の裾野が広がることを期待し、ひとつ平賀と縁の深い東大で開くのも面白かろう、ということで、小生も少々お手伝いし、実現の運びとなりました。・・・いやまあ、軍艦マニアというのは決して昨今の堕落した状況に流される存在ではないはずだ、という個人的な思いが、小生をして本講演会に協力せしめたのでありますが。

 講演自体は巡洋戦艦・金剛を軸に、各時代ごとの様々なトピックを取り上げるという形になります。金剛誕生の系譜(新見講演)、建造と改装(大塚講演、髙木講演)、実現しなかった金剛後の系譜(小高講演)となりましょう。平賀がこれすべてに関わったわけではないですが、このような筋を通す事で、第1次大戦前から1930年代までの日本海軍の軍艦に関する思想や技術の流れがある程度見えてこようかと思います。
 このような大変興味深い企画ですので、ご用とお急ぎでない方は是非、連休の一日、本郷へお運び下さい。

※以下、11月14日追記

 113号教室への行き方を写真でご案内。本郷キャンパスの地図を参照しつつ、ご覧下さい。
 まず、有名で本郷三丁目の駅からも近い赤門ではなくて、安田講堂正面の正門から入ります(赤門からでも行けますが、正門の方が分かりやすいです)。
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東京大学正門

 正門を入って、まっすぐ進みます。左手に「工(学部)列品館」という看板のある建物、右手には「法学部研究室」という看板のある建物を見つつ、その前を通り過ぎます。ちなみに列品館は、安田城攻防戦の折、防衛を任されていた革マル派が組織温存を優先して機動隊突入前日に勝手に撤収してしまい、以後その他の新左翼諸派から忌み嫌われるセクトになったという、現代史上の戦跡です。
 それはともかく、建物の間を抜けて四つ辻のようなところに出ますが、そこで向かって左手の建物が法文一号館です。
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法文一号館

 写真中央の三角屋根の処が入り口です。当日はこの辺に看板を立てられれば、と考えています。
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法文一号館の入り口

 入ってもう一つ扉を通ると正面に階段がありますが、それは上らないで、左に行きます。
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法文一号館の一階 入り口を入ったところ

 左に入った廊下を右に折れると、そこの左手が113号教室です。
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113号教室の前(正面のドアは112号教室)

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113号教室(傾いているのは撮影者の腕のせいです)

 会場はご覧のように割と広い部屋なので、多分席が不足することはないとは思いますが、万一満員の節は立ち見でご容赦下さい。

 なお、講演会の日、東大の総合図書館では、以下のような展示を行っております。
「かわら版・鯰絵に見る江戸・明治の災害情報―石本コレクションから」
 今年度の附属図書館秋の特別展示会は、東京大学地震研究所の所長であった石本巳四(みし)雄(お)先生(1893~1940)のコレクションのうち、 本図書館が所蔵する江戸~明治期の災害かわら版・鯰絵などの出版物を中心に展示します。
・石本先生は関東大震災を挟む3年間フランスに留学、帰国後は地震計測機器を考案するなど、地震学の発展に寄与されました。 留学先で最先端の科学研究に触れた地震学者が自国の一見科学の対極にあるようなかわら版や鯰絵などの出版物に関心を抱いた 理由にはどういうものがあったのでしょうか。近代地震学を担う学者のなかで、早くから災害と社会の関係を文化という次元から捉えてみようとする 懐の深い理解をもった人物のひとりであったのかもしれません。展示品の数々がみなさんを石本先生の興味のおもむくところへいざないます。
 なお、展示で取り上げる災害について最先端の研究成果も併せて紹介いたします。
 土日も開いていて、9時から18時まで展示しているので、ご興味のある方は講演会の前後にでもどうぞ。

※以下、11月19日追記

 講演会終了後、18時より懇親会を予定しております(@炭火焼だん)。事前に関係者で参加者を募りましたが、多少の余裕がありますので、参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。

※以下、11月19日追記

 講演会は無事終了しました。レポートはこちらです→乾巻坤巻
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by bokukoui | 2008-11-10 20:09 | 歴史雑談 | Trackback(1) | Comments(2)

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Tracked from 障害報告@webry at 2008-11-13 06:50
タイトル : ここは酷いテロ想定訓練ですね
JR高山駅でテロ想定訓練 : 岐阜 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20081110-OYT8T00600.htm 誰が高山でテロ起こすんだよ、とも思ったのだが 昨今の硫化水素自殺の流行のように化学テロのコモディティ化が進んでいるので どんな場所でもあながちあり得ないことでもないような気がして鬱 あまりテロって枠組みで考えないほうがいいのかもね 鉄道事故調査報告書 東海...... more
Commented by 無名 at 2008-11-11 09:48 x
バイクや自動車は趣味としては世界的広がりを持っていますが、技術者や運用側(整備など。)の技術的解説が極めて乏しいです。
一応、新車が出るたびに、車名を題名とした「有料カタログ」まがいの本が出版され、座談と思しきことを行っていますが、メーカーサイドの販売促進にすぎず、初代ソアラのように技術者が後年「しゃべったことはうそでした。アウトバーンでは直進すら困難でした。」と告白する始末です。(その意味においてはドキュンの改造屋の方がマシです。)
Commented by bokukoui at 2008-11-12 14:39
軍艦や鉄道のように個人所有がないものと、車やバイクのような個人所有が普通のものとでは、メディアの性格も変わってくるのでしょうね。雑誌の広告の占める割合なんかからも、それは察せられます。
もっとも、考えてみれば、個人が自分で乗るものの方が、技術的評価や報道はよりシビアでないと、実際の問題が発生する気もするのですが……捻れているようでそれが道理なのか。
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