2013年 10月 08日 ( 1 )

近況と放出本について・つづき 或いは、歴史は毒にも薬にもなるということ

 当ブログは先月、「近況報告・放出本のご案内」の記事一本を書いたきりで、またしばらく更新が途絶えておりましたが、それは相変わらず身辺に諸事山積してあっぷあっぷしていたからでして、本の整理こそ一応終わったものの書類や雑貨の整理は今だしで、判子がないインクがないなどと探し回っているような状況に加え、昨日から新たに非常勤ながら講師業を始めたりしたもので、ますます溺れそうになっているような、そんな状況です。
 講義は一般教養的な日本史をやっているのですが、最初くらいは「歴史学とは何か」という話をしておきたいと無い知恵を絞り、直接生活や仕事の役に立たなさそうな歴史について知ることの意義をわかりやすく伝えるために、一晩徹夜して表題の「歴史は毒にも薬にもなる」というフレーズを捻り出しました。歴史を学ぶことで直接日常生活の役に立つわけではないから、歴史はいわば「主食」ではないけれど、日常の経験と常識の範囲を越えて何かを考えるときには、歴史は有用な「薬」であるということ、しかし有用であるがために、扱い方を誤ると「毒」になってしまう、というつもりです。うまく「薬」となれば、視野を広げて想像力を養い、ひいては冷静に物事を見る手助けとなるけれど、「毒」にしてしまうと陰謀論や善悪二元論を振りかざして、無辜の人を傷つけてしまうかもしれない、まあそんな話をしました。
 で、その際に、具体例を出したほうがわかりやすいだろうと、整理された蔵書の中で発掘された、こんな本を持っていきました。
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朝鮮民主主義人民共和国・平壌で製作されたらしい『朝鮮通史(下)』
上中下の三巻本で、すべて日本語で書かれている

 歴史をプロパガンダとして扱ったわかりやすい例、と思いついたときは好例だと思ったのですが、講義を終えて冷静になった今にして思うと、しょっぱなから学生諸君をドン引きさせてしまったのではないかと反省しきりです。そして、講師業のはじめが共和国ネタというのも、我ながらなんだかなあというか、ある意味らしいというか・・・。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2013-10-08 23:47 | 書物 | Trackback | Comments(0)