カテゴリ:鉄道(その他)( 56 )

上信電鉄の看板に偽りあり

 今度の日曜日に、かつての富岡製糸場(現片倉工業富岡工場)の見学会があるということで、一度は見ておきたいと思い参加することにしました。
 富岡製糸場の最寄り駅は、上信電鉄の上州富岡駅です。そこで上信電鉄のサイトにアクセスし、料金など調べておりましたところ、こんなことを書いてあるページがありました。
富岡製糸場の世界遺産登録を応援しています。
上信電鉄では、群馬県及び富岡市が中心となり推進している、富岡製糸場のユネスコ世界遺産登録活動の応援として、200形電車(204号・304号)にレンガ模様と文字(富岡製糸場を世界遺産に)による装飾を社員自身の手によって施した「世界遺産レンガ列車」を、平成17年12月25日より運行しております。
この列車により同運動を盛り上げることが出来ればと考えております。
 へー、なるほど。折角富岡製糸場を見学に行くのだし、もし可能ならこの電車を見てみたい、そのように思いました。
 で、このページに「運行時間等は上信高崎駅にお問い合わせください」とあったので、しばし考えてから電話をかけてみました。

上信電鉄(以下、上)「はい、上信電鉄高崎駅です」
墨東公安委員会(以下、墨)「あの、ホームページで見たのですが、富岡製糸場の世界遺産登録の応援という電車を運行してるそうですね」
上「ああ、社員が塗装を変えた電車ですね」
墨「その電車に乗ってみたいんですが、今度の日曜日の運用はどうなっていますか?」
上「すみませんねえ、当日になって決めるので分からないです」

 ヲイ。
 サイトに書いてあったことは何なんだ。

 余談ですが、当ブログで以前煉瓦の積み方についての記事を書いたりしましたけど、富岡製糸場の技術はフランス輸入なので、富岡の煉瓦は基本的にフランス積みなのであろうと思います(正確なところは日曜日に見てきます)。この装飾電車の煉瓦風目地模様はちゃんとフランス積みのパターンで描かれていて、これは立派だと感心しただけに、斯様な対応は残念でなりません。
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by bokukoui | 2006-06-23 23:57 | 鉄道(その他)

この本を誰が読むのか

 交通博物館閉館記念、ということで鉄道関連の話題。

 先日大学生協書籍部で、ふっと目に付いたので深く考えずにこんな本を買いました。
 野田隆『テツはこう乗る 鉄ちゃん気分の鉄道旅
 積んでおいたのですが、少し積読本を片付けようと思って読みやすそうな本書に手をつけました。読みやすそうという期待は少なくとも決して裏切らない本であったことは確証します。
 本書は鉄道趣味者――この本では一貫して「テツ」と呼称していますが――がどのような鉄道との接し方をしているかを軽妙に綴ったものです。この著者は似たような本をこれまでに出しているそうですが、小生は寡聞にして存じませんでした。

 感想ですが、まあ広く鉄道趣味の各方面について一通り触れてみましたという感じです。それなりに既に浸っている人間が読んでもさほど面白いわけではないようです。よく見たら巻頭に書いてありました。
この本を、日本全国に点在するテツ未満の鉄道好きたちに捧ぐ
 小生はお呼びでなかったようです。

 誰がこの本を読むんだろうなあと思い検索してみました。なるほど、と納得したのは、息子さんが鉄道趣味らしいお母さんが買われたという事例。これなら分かる。
 そして、この著者が想定しているような読者、つまり鉄道趣味を自覚的にしているわけではないけれど興味を持った人々、もいるようです。割と好意的な書評が見られ、へへえと感心しました。ただ、それが鉄道趣味の裾野の広がりに繋がるかどうかは良く分かりませんけど。この著者の書き方は軽妙ですが、それだけに珍獣の生態記録みたいに読まれるのがオチじゃないかという気もします。
 いや、この本を読んで「鉄っちゃんになりたくて」とか書いている人もいるからいいのかな・・・いやどんなもんなんだろ。

 というわけで、あっさり読み終わった割りにはなかなか評価しづらい本で、海外へも目を向けることを提言しているあたりはいいなと思ったりもするのですが、読後になんともいろいろもやもやが残ってしまったのが率直な感想です。何か鉄道趣味をするといいことがある、みたいな現世利益宗教みたいな勧誘もどうかなあと思うし(それは本書の性格上必要なことなのかもしれませんが)、「実は、鉄ちゃんに憧れている――。/そういう話をよく聞くようになった。」とか書かれてもどこで聞いたんだとか思うし(最近の「オタク」ブームと関連しているのでしょうか)、「テツはJRを好む」とか書かれてしまうと民営電鉄史愛好者(和久田康雄派とも言う)は苦笑するより他にないし。
 しかし以上のツッコミは、揚げ足取りのような些事に過ぎません。最大の問題は、この著者がこの著者は、大きく鉄道趣味者を「乗り鉄」「撮り鉄」「収集鉄」「模型鉄」に分類していますが、それだけでは分類しきれない趣味のアプローチがあるのではないかということです。
 以下小生が本書につける苦情については、以前山名沢湖『レモネードBOOKS』について評した時と同じような視点になるのですが、表題からも読み取れるように、この著者は「乗り鉄」中心主義であるということ(「一般人」を勧誘する上では有効な作戦であるのかもしれませんが)、そこが鉄道趣味=旅、みたいに捉えてしまって、鉄道趣味の可能性をかえってスポイルしてしまっている面もあるのではないか、そのように思うのです。
 鉄道趣味者には、いわゆる理系の人も多く、技術的な事柄に関心のある人も多いのです。そもそも鉄道が産業革命を代表する技術の塊であるということを考えれば当然なのですが。鉄道趣味はこういった技術的な分野への関心という側面も持ち合わせている――というかむしろ、歴史的経緯からいけばそっちが発祥だった、という視点が欠落しているのです(難しすぎて初心者の勧誘に使えそうにないと考えたから排除したのでしょうか。だとすれば人をバカにした話だと思います。さらに言えば、難しい話を易しく面白く書いてこそ入門書です)。
 さらに、「乗り鉄」中心主義の状況を所与のものとして受け止め(異なっている海外の事例を紹介しているにも拘らず)ているため、鉄道趣味がどう広がってきたか、そしてそこからどのようにこれから向かっていくか、という経時的変化の視点が抜け落ち、静態的な観察に留まってしまっているという問題も生じているように思います。

 という次第で、交通博物館閉館記念企画と称して、この話題、しばし続けます。
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by bokukoui | 2006-05-16 23:59 | 鉄道(その他)

レイモンド・ローウィーと村田蓮爾、ペンシルヴェニア鉄道と『SoltyRei』

 正月に書いた積ん読本一掃プロジェクトの一環として、小島英俊『流線形列車の時代―世界鉄道外史―』を読了(実は一月くらい前ですが)。「流線形時代」などと呼ばれた1930年代を中心に、世界の様々な流線形の列車を取り上げた本です。話題が豊富でそれなりに面白い本ですが、豊富すぎて詰め込みすぎの結果、全体像が分からないような問題点もあります。
 つまり、本書は表題にあるとおり確かに「世界鉄道外史」なのですが、「正史」が分からないと「外史」の面白さは分からないし、読者にそれを期待するのは日本の現状では無理(日本の鉄道趣味者に国粋主義者が多いのか、日本語による世界の鉄道史の概説書というものは存在しない)である以上、個々のトピックを大きな歴史の流れにどう位置づけるかという記述は一定必要であろうと思うのです。
 そして、アマゾンのレビューにもありますが、文章は上手いとはいえないし、記述に曖昧であやふや箇所も少なからずあります。そりゃ知ったかぶりで書かれるより、「よく分からない」と正直に書くだけマシなのかもしれませんが・・・せめて日本関係の箇所だけでも、もうちょっと何とかできなかったのかな。そうしないと、他の箇所の信憑性にも疑義を挟みたくなってしまいます。実際、読んでて「?」な箇所も散見されましたし。
 文句はつけましたが、それでも世界の鉄道史に関する本が少しでも増えることは、大いに歓迎したいところです。

 さて。
 鉄道趣味者ですら関心を持つか怪しい本の話を書いても、当ブログ読者の大半の方には全く関心が湧かないでしょう。そこで、「オタク」方面の方々の目を惹くべく、無謀なタイトルをぶち上げてみました。
 レイモンド・ローウィーといえば、インダストリアルデザイナーの草分けであり、美しくシンプルなデザインで「口紅から機関車まで」手がけた人です。日本ではタバコのピースのデザインで知られていますが、他にもシェル石油のマークだとか、不二家のロゴなんかを創ったそうです。
 一方、村田蓮爾氏はその筋では有名なイラストレーターですね。雑誌の表紙なんかで見覚えのある方も多いのではないかと思います。
 ペンシルヴェニア鉄道とは、かつてアメリカを代表した鉄道会社です。ニューヨーク~シカゴを結び、看板列車のブロードウェイ・リミテッドは世界中にその名を知られた豪華特急列車でした。
 『SoltyRei』は現在木曜深夜にテレビ朝日で絶賛放映中のアニメ。「美少女SFミッドセンチュリーアクション」だそうです(どういう意味だ)。

 以上の四つのトピックで、三題噺ならぬ四題噺をやろうというのですが、まずは一番分かりやすそうな『SoltyRei』から入りますか。
 小生がこのアニメを見ているのは、そもそも園田健一先生(以下ソノケンと呼称)がメカデザインで参加していると聞いたからでした。『GUN SMITH CATS』で人生の方向がどっか間違った人間としては、これは見てみたいところです。そして、ソノケン同様村田蓮爾氏も「コンセプトデザイン」とやらで名を連ねていたのでした。
 で、村田蓮爾氏がデザインしていたのが、登場キャラクターの一人・女盗賊のローズが乗っているバイクなのです。氏のネームバリューゆえか、コスパがこのバイクをモチーフにTシャツを作っていて、それを見ていただくのが一番わかりやすいでしょう。

 ローズバイクのイメージ
※追記:リンク先消滅に付きローズバイクフィギュアのアマゾンのページにリンクを修正。

 さて、アニメの中でこのバイクを見た小生、なんとなく似たような乗り物を見たことがあるような気がしてならなかったのです。そして思いついたのが、レイモンド・ローウィーのデザインしたペンシルヴェニア鉄道の流線形機関車たちでした。「口紅から機関車まで」の機関車たちです。
 幾つか紹介していきましょう。まず、1914年試作、1917年から1928年までに400両以上も量産され、第2次大戦後まで一線で活躍していた名機K4形を1936年に流線形化したのがこちら
 ニューヨーク~ワシントンの電化区間で活躍し、ペンシルヴェニア鉄道(の後身の会社)が経営破綻して旅客列車がアムトラックに移管されても走り続けた、傑作電気機関車GG-1はこちら
 そして、K4の後継機として蒸気機関車の限界に挑戦すべく開発されたものの、ディーゼル機関車の普及で短命に終わった悲劇の機関車S1T1
 どことなく似てませんか?

 『SoltyRei』に出てくる自動車は、半世紀ばかり前のアメ車そのままのイメージで(ソノケンの影響と思いますが、或いは村田蓮爾氏のせいなのかは分かりませんが)、一般的なSFらしいデザインとは趣を異にしています。となれば、ローズのバイクだって四分の三世紀前のアメリカの機関車を元にしていることも、ありえないことではないように思われるのです。
 ・・・でまあ、この推測が正しいかはともかく、せっかく村田蓮爾氏にデザインしてもらったローズバイクなんですが、あんまり活躍の舞台がなかったような。いや、まだ数回放映があるので分かりませんが、どうなのかなあ?
 現在『SoltyRei』は、ソノケンデザインのパワードスーツ着用四人娘のうち二人があぼーんし、物語はいよいよ緊迫の度を加えておりますが、そんなことそっちのけでローズバイクの再登場を毎週祈念しているバカ視聴者がここに一人。
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by bokukoui | 2006-03-03 23:58 | 鉄道(その他)

『阪神電気鉄道百年史』入手

 馬齢を重ねました。

 自分にプレゼント、なんて訳では全くありませんが、先月27日に買うと宣言した『阪神電気鉄道百年史』が無事到着しました。先月31日に手紙を出して今日着いたので、まず順当に郵便が行き来したというところのようです。修士論文の口頭試問までに、関係あるところには目を通しておきたいですね。・・・自説ひっくり返されてたらどうしよ。

 それにしても、東武の踏切事故の判決は無意味な厳罰主義であり、事故の再発を防ぐという最も重要な視点が軽んじられているように思われてなりません。
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by bokukoui | 2006-02-03 23:48 | 鉄道(その他)

箱根の話(下)

 本日はMaIDERiAプロデューサー渡辺氏邸に赴き、サイトの建設方針などを論じておりました。何故かテレビでやっていた「電車男」総集編を見ながら。小生がこの番組を見たのはこれが最初で、話は既に佳境に入っていました。ちゃねらーが電車男に掲示板に戻ってくるよう秋葉原中あの手この手で呼びかけまくるところは、『1984』のビッグブラザーなんぞを髣髴とさせて面白かったです。

 さて、昨日の続き。
 本日の箱根駅伝は随分と意外な(といっては失礼ですが)結果になって面白かったですね。山下りの6区で区間賞を獲った専修大学の辰巳選手は20.8キロを59分7秒で走っているので、平均時速は21.1キロになります。電車の方は、山下りの場合強羅→小田原は最速42分なので、表定速度は21.4キロ。あ、惜しい。
 ちなみに、電車の平均速度は、比較的平坦な小田原~箱根湯本と勾配の急な箱根湯本~強羅で大きく変わるのが面白いです。
 人と比べると、電車は山登りと山下りのスピードの違いが小さくなっています。安全性の問題でしょうね。箱根登山鉄道は大正時代に、電車が急坂を下っている時に停まれなくなって谷底へダイブ、という事故を一度やっています。その対策のお蔭で、その後は大きな事故はありません。
 去年は大きな鉄道事故がありました。今年は安全運行が達成されますように。

 箱根といえば思い出す話をもう一つ。
 小生が運転免許を取った数年前のことです。免許を取った次の休日、父親がせっかく取ったんだから運転してみろ、というので若葉マークをつけてハンドルを握りました。
 ・・・箱根駅伝の6区は完走しました。あんなぐねぐねカーブを転ばずに駆け下りる選手達はさすがですね。
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by bokukoui | 2006-01-03 22:29 | 鉄道(その他)

箱根の話(上)

 カテゴリをまた一つ増やしましたが、いくらなんでも毎日この調子でやるつもりではありません。
 で、このカテゴリは、鉄道趣味者である筆者がそれに関連して思ったことや気付いたことを述べるものです(昨日のはどうなんだ、というのはさておき)。別段そういう趣味のない人にもわかりやすいネタの提供を目指します。

 さて、正月に「箱根」と言ったら箱根駅伝な訳ですが、何でこんなに人気が出たのかといえば、きっと正月番組があまりに詰まらないものばかりなのでみんなこれを見るようになったため、なんじゃないかと思うのです。で、小生もこれを見ているわけなのですが、上記以外の理由には、神奈川県民に馴染み深い地域を走ること、そして何より、箱根登山鉄道の電車が見られること(笑)があります。箱根登山鉄道は小生の鉄道趣味人生上かなり決定的な影響を与えた電車なので、正月から姿を見られるとなんとなく嬉しいものです。
 ところで駅伝では、小涌谷の駅のそばで箱根登山鉄道の踏切を渡りますが、ここでは選手が電車を待たせているんですよね。なんとまあ(昔は違ったらしいですが。日本テレビの圧力?)人が電車より偉いとは。
 というところでふと、箱根登山の電車は大概のんびり走っているので、もしかしたら駅伝の選手よりスピード遅いんじゃないか、と思ったので調べてみました。

 箱根登山鉄道の電車が小田原→強羅を走るのに、最も速い列車で45分かかるようです。この区間は15キロなので、電車の表定速度(走行距離を停車時間を含む走行時間で割った値)はちょうど時速20キロになります。
 一方、今年の5区で区間賞を獲った順天堂大の今井選手は、23.4キロを1時間18分30秒で走っています。平均時速17.9キロ。
 今年は天気が悪かったので、そのことを勘案し昨年の記録を調べると、コース変更があったので距離は20.9キロ、区間賞は同じく今井選手が新記録の1時間9分12秒。平均時速は18.1キロ。まあ流石に電車の方が速い・・・といってもほんのちょっとで、箱根湯本で少し停車していればひっくり返されそうですね。
 では下りの方はどうなのか、というところで明日へ続く。

 ちなみに何でこんなこと計算しようかと考えたかといえば、JTBがこんなのを発行したからです(笑)。JR時刻表が好きな人も多いのですが、昔からJTBに馴染んでいたので、つい嬉しくなって買い込んでしまったのでした。
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by bokukoui | 2006-01-02 23:55 | 鉄道(その他)