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いまさらですが・極私的オタク論第3回

 表題の記事を23時59分ぎりぎりに、日付が変わるので一旦切る形でアップしたのですが、上の続き記事を載せようとしているうちに作業上の手違いでうっかり削除してしまいました。
 どなたかキャッシュあったらご提供いただけませんか?
 とりあえず記憶に頼って書き直します。面倒だ・・・

 本記事は 「極私的オタク論」の「その1」「その2」で扱ったネコ・パブリッシングの話題をいまさら蒸し返そうというものです。

 ネコ・パブリッシングが発行している鉄道雑誌は『Rail Magazine』といいます(他にも出してますが、これが一番有名)。
 さて、その昔小生が鉄研の先輩と駄弁っていた時、鉄道の冗談ネタ同人誌を作ろう、という話になりました。それはファッション雑誌の煽り文句を鉄道雑誌に当てはめてパロディ化するというもので、早速ネタ出しを始めました。
 ところが、ネタ出しをしているうちにはっとあることに気付いたのです。

「これって、『Rail Magazine』の煽り文句と一緒じゃん」

 かくてこの企画はおじゃんになりました。
 『Rail Magazine』の煽り文句の具体例については、特集の表題などならここの通販屋さんのが見やすいでしょうか。続きもあります。
 「EF65にぞっこん!」とか「いま、「国鉄」が好き!」とか「国鉄王国「山陰」は今が旬!!」とか、どう見てもこれはファッション雑誌のセンスに良く似ていますね。
 しかし、このような煽り文句に乗せられるということは、マニアの沽券に関るように思われるのです。

 ネコP社の特徴というのは、もともと自動車などの趣味誌を発行していた会社が鉄道分野に参入したというところにあります。それまでの鉄道雑誌の多くが、まずその雑誌を発行したいという人がおり、その人を中心に協力者や人・資金が集まって雑誌が発行される例が多かったように思われる(蒸気機関車ブームの頃など、既存の出版社が参入した例もありましたが、現存する雑誌はありません)のとコントラストをなしています。後者の例としては、『鉄道模型趣味』の山崎喜陽氏、『鉄道ピクトリアル』の本島三良氏、『鉄道ジャーナル』の竹島紀元氏などが挙げられましょう。しかし、最近の若いモンは、川島令三は知っていても本島三良を知らないんだよなあ。
 それはともかく、鉄道趣味誌の多くはこのようなマニアの中のマニアのような人材が核になって生まれたわけで、それが雑誌の性格にも反映していました。この点では『Rail Magazine』もまた名取編集長(この方は法政大学の鉄研出身だそうです)の影響力は大きいのではないかと思いますが、しかし、日経の記者が注目したのは社長であって編集者ではありません。ここが小生の感じた違和感の一つの原因であろうと思います。
 「オタクに鍛えられた」云々を話題にするのであれば、読者と直接向き合いコンテンツ作成に関る編集の方が重要であって、それが経営をも動かせば、「(読者である)オタクに鍛えられた」と言えるでしょう。が、どうもネコP社の場合はそうとは言えなさそうです。

 ネコP社は猫の趣味の雑誌を出しています。その名も『NEKO』。
 成程、猫の雑誌を出していたからネコ・パブリッシング・・・ではありません。逆に、「社名がネコなんだから猫の雑誌を出せば」と思いついて創刊したんだって。
 経営上はそれでいいのですが、しかしそれは「オタクに鍛えられた」というより、「供給者が商品を提供して市場を作り出」すというパターンにより類似しているように思われます。

 元の記事より分量が増えた気がしますが、まあ大体こんなこと書きましたっけ。
 そして上に続く。
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by bokukoui | 2006-01-31 23:59 | 思い付き

最終講義

 出先からの書き込みを実験。

 今行っているバイト先の塾は1月いっぱいで年度替わりなので、三年生は今日で最終講義。それで充分感慨深いのですが、この教室自体が今年度一杯で閉鎖ということでいささかの感慨無きにしも非ず。4年やっていたので多分最古参でしょうし。
 別な教室に移籍という話もありますが、大規模な教室になってしまうので、今までのようにのんびりも出来なさそうです。いや、仕事だから楽とかのんびりとか勝手なこというわけにも行かないのですが、女の子から制服情報を聞き出すのが難しくなりそうです(コラ)

 室長が鉄道趣味者で、専任講師が腐女子だったり、居心地のいい職場だったのですが、これにてピリオド。
 小生の最終講義は冷戦とヴェトナム戦争でした。マッカーシーにからめてこの話をしてみたり。受験生諸君へも「グッドラック」。
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by bokukoui | 2006-01-30 22:57 | 身辺些事

MaIDERiA出版局サイト一応開業

 何とか、一月中にMaIDERiA出版局サイト開業の公約を果たすことができそうです。
 とはいえ準備中の場所も多く、まこと日本軍的員数主義を髣髴とさせる状況です。あるいは台湾の鉄道みたいというべきか。
 移転記念にたんび氏(bonniefish氏)入魂の、墨耽キ譚第9回が無事公開となりました。是非ご覧ください。

 そうそう、昨日渡辺プロデューサー宅で先日ネタにした通貨擬人化本『外為まにあっくす』を見せてもらいました。その本は18禁ではなかった(続刊で予定との由)のですが、絵はなかなか良かったですね。ただ、登場通貨が円(これだけ男。他の通貨は女)の他はオーストラリア・ニュージーランド・フランス・アメリカという選択はちょっと寂しいかな。何より人民元ちゃんの不在は惜しまれてなりません。
 あと、豪・NZが円君の家に住み込みって設定、円ブロック(大東亜共栄圏)かいな。ブロック経済反対。
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by bokukoui | 2006-01-29 23:57 | 制服・メイド

MaIDERiA出版局サイト開業間近

 本日は渡辺プロデューサー宅へ。仙地面太郎氏と久しぶりに雑話すると同時に、渡辺プロデューサーにサイト用の様々な画像をスキャニングしてもらいました。久方ぶりに仙地氏と話ができて、愉快な一日でした。スキャニングも渡辺氏のお蔭で随分と進み、予定の幾つかのコンテンツを実現する目処が立ちました。
 もちろんその以前にMaIDERiA出版局サイトを開業せねばならないのでして、「今月中」と言ったからには今週末中に一応公開する予定です。開業記念に墨耽キ譚第9回(たんび氏の熱意により、大変な大作となりました)を同時にアップ致しますので、どうぞご期待ください。

 ところで、昨日映画評論家にして『シベリア超特急』シリーズの監督・脚本・製作・演出・主演として著名な水野晴郎氏が倒れたそうで、驚きました。幸い意識は回復されたようですが。
 渡辺邸にてサイト素材蒐集中、ネットでそのニュースを知って驚きましたが、作業や談話の傍ら流していた競馬放送の後(渡辺氏・仙地氏とも競馬に造詣が深い)つけっぱなしにしていたテレビが間もなくアニメ放映を始めました。『BLOOD+』というアニメです。小生はこれまで見たことがありませんでしたが。
 今週の放送は第16話、「シベリアン・エクスプレス」・・・偶然とはいえ絶句。

 ああ、そうそう、アニメそのものは話が途中でよくわかんないんですが、シベリア鉄道の描写は結構がんばっていたのではないでしょうか。ただ台車がありえない形だったのはちょっと残念でしたが、しかし言われてみればシベリア鉄道の車輌のことなんか小生も知らんわ。鉄道雑誌の旅行記漁って写真を確かめてみるか。降雪対策を重視するならシュリーレン台車かなあ・・・
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by bokukoui | 2006-01-28 23:40 | 出来事

バイトをする

 このところバイトで国立公文書館に通っています。院生仲間で某私鉄の社史編纂の作業の一部をお手伝い。今日も竹橋で古文書をめくってきました。
 認可書類に押してある「五嶋」のハンコをみつけ、「をを、かの強盗五島慶太がその手で押した判子だ~」などと感慨に耽ったりしているので、小生の作業速度は他の人より遅くなってしまいます(苦笑)。すんません某私鉄。

 このバイト代で、これを買う積もりです。
 阪神の社史は、前作『阪神電気鉄道八十年史』が読んで面白く勉強になるし資料性も高い、立派な出来栄えでした。修論書くときも便利に使わせてもらいました。神保町の古本屋で見つけて値段を見たら2万5千円でした。流石に高すぎて買えません。
 それだけに、新品で1万円なら買いでしょう。執筆陣の小川功・老川慶喜といった先生方の名前も、いやがおうにも期待を高めてくれます。

 ちなみに阪神の八十年史の発行は1985年、百年史は2005年です。
 社史を出すとタイガースが優勝するんですね(笑)。次の社史は百二十年史というところか。2025年まで優勝はおあずけ? まあ、2003年の例もあるから、トラキチの皆様も諦めないことが肝心です。
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by bokukoui | 2006-01-27 00:27 | 鉄道(歴史方面)

日曜日の記事へのコメントに返信・および古書市の補足

 日曜の記事にいただいた二件のコメントへの返信です。
 遅くなって済みません。

>ラーゲリ緒方氏
 以前貴殿のブログのコメント欄で話題になっていたことと上手く繋がったとすれば幸いです。
 戦争についての言説の場合に特徴的に現われますが、国家を擬人化した挙句感情移入して自分を見失う方はよくあるものです。安易な擬人化は人の判断力というか理性というか、そのような能力を低下せしめる危険性があるように思います。あと戦争の場合、安易に指導者に擬人化した国家を重ねてしまうということもありそうです。

 なお、先日の「萌えコスカ」では、「各国の通貨擬人化本」(成年向)があったそうです。
 やっぱルーブル総受けなんでしょうか。オタ的にはルーマニア萌えとかでいいんでしょうか。

>憑かれた大学院生氏
 小生のアニミズムへの認識はこの本から多大な影響を受けまくっているのですが、アニミズムは文化の基盤として相当普遍的に存在しており、宗教的世界観も科学的世界観もアニミズム世界観を全く代替したのではなく、その基盤に上積みされただけであるように思っています。
 まあ、限界を分かった上で楽しむのはいいのですが、あくまでデフォルメである/入門用であるということをわきまえておかないといけませんね。高等教育の目的というのは、何か一つの分野をある程度学ぶことで、他の分野のデフォルメ/入門編を見ても「この向こうにはきっとより複雑な世界が存在しているのだろう」と想像する能力を持たせることにあるのだと思います。
 ・・・自分でも書いてて恥ずかしくなってきました(苦笑)

 下の古書市の件に関して、重要なことを書き忘れていました。
 『金ぴか時代のアメリカ』という本、これは学校の図書室の廃棄本なんです。しっかりバーコードと整理番号がつけられ、背表紙の番号はマジックで抹消されています。小口には学校名の印と、それを抹消するための「除籍図書」という赤い判子がくっきりと。
 実はこの古書市に、同じ学校の廃棄本が大量に出展されていました。現代世界文学全集とか(ボルヘスでも買おうかと最初思ったのですが、今日行ったら流石に売れていました)かなりのしっかりした本が廃棄されていて愕然。山川の日本通史全三巻は買おうかどうか真剣に迷いました(院試の時の勉強に使ったなあ・・・)。でもこの本、どっちかといえば個人で買うというより学校の図書室に常備しておくべき本、という気がします。
 しかし、いかにも学校の図書館にあるべきような本をこれほど大量に廃棄してしまって、この学校の図書室には一体どんな本が残されているのでしょう。そもそもどんな基準で廃棄したのでしょうか、異論は出なかったのでしょうか。その学校の生徒の教養水準は維持されるのでしょうか。自分で買っておいて言うのもなんですが、心配でなりません。

 その学校の名は、早稲田中・高等学校です。
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by bokukoui | 2006-01-26 02:05 | 思い付き

古書市行った

 小学生の頃、ニュートン算というのをやらされました。牧場で牛が草を食べたり、水が流れ込んでいる池からポンプで汲み出したりとか、要するに一方で増えつつ一方で減らしていき、最終的にいつなくなるか、ということを求める計算だったと思います。
 つまりこういう問題ですね。
「Bさんは毎週三冊の本を読みます。現在30冊の本があります。Bさんはまた、毎月20冊の本を買います。いつになったら読む本がなくなるでしょうか」
 答え:死んでも無理。

 池袋のバイト先に行くついでに、サンシャインの地下でやってた古書市に行き、数点購入しました。
 年初に一度見に行って、その時は買わなかったのですが、会期も今度の日曜までらしいので、ついつい・・・小金を持って神保町や古書市をうろつくことはやはり危険です。
 以下買った物を大雑把に紹介。

・『鉄道ピクトリアル』誌数点、70年代のもの。
・ジョン・C・ペリー『西へ! アメリカ人の太平洋開拓史』PHP
 出版社がアレなのが少し気にかかるが、アメリカの鉄道ネタが出てくるとなれば。
・H・G・ガットマン『金ぴか時代のアメリカ』平凡社
 これもアメリカ史ということで。
・種村季弘『詐欺師の楽園』学芸書林
 文庫落ちしてたような気もするが、敢えて単行本を。
・村上信彦『服装の歴史 5』理論社
 制服マニア必読の古典。いつか纏め買いと思っていたが、見当たらないのでバラで。
・近藤弘『日本人の食物誌』毎日新聞社
 食い物ネタは結構好き。安かったので。
・『ニュー・フェミニズム・レビュー3 ポルノグラフィー』学陽書房
 そういや、前古本屋で買った『現代思想』のポルノ特集号も積んだっきりだったな(藁)

 軍事本はたまたまありませんでしたが、まあ順当に好みの話題の本を購入したというところですね。特に目新しいことなし。
 あ、も一つおまけに買いました。

・引野利秋/ポチ加藤『大陸の女戦士 ヴェルメラント戦記』フランス書院
 こないだネタにした人と出会ってしまったので。
 続巻のような気もしますが、こういうのは途中の巻から読んでも大丈夫なようでなければいけません(笑)
「自称、軍事統計分析者」の分析っぷりを楽しみにしています。
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by bokukoui | 2006-01-25 23:46 | 書物

びんちょうタンは白人か黒人か

 今『招かれたプロメテウス』という本を読んでいますが、表題からはちょっと想像もつかない程面白い内容です。もっとも統計の方程式の意味はちっとも分かっていません。
 で、初めて知ったのですが、木炭は製法の違いで白炭と黒炭があるのだそうで。
 さて、備長炭はどっちでしょう?

 ちなみに薪の場合、くぬぎの薪がご飯を炊くには最適なのだそうです。
 戦前、三鷹や武蔵野は薪用くぬぎ林があったそうで。

 一昨日の件についてご意見をいただき大変ありがとうございます。コメントはこれから書きますが、日付が変わりそうなのでここで一旦アップ。

追記:すみません。やはりまた明日ということで。
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by bokukoui | 2006-01-24 23:58 | 思い付き

所定の時間調整

 バイトの都合で帰宅が遅れました。
 ので、日付を若干修正(苦笑)

 何か書くつもりはありましたが、某氏から深夜にもかかわらず重要な相談があったりしたので、本日は小休止ということでご勘弁を。コメント返信も明日つけます。

 本日の話題としては、バイト先の塾で女子高生に、彼氏の部屋でエロマンガを見つけたが一体どう思うと聞かれたので、題名・著者・出版社・レーベル名を示してくれれば彼氏のセンスを評価してやると回答しておいたことくらいですかね。ちゃんとエロ劇画から美少女コミックが分化した経緯も説明(塾の現国の課題文に大塚英志の文章があるのだ)。
「でもまあ、箪笥の中に隠しておいた、ってのはいまいちだね」
「でしょぉ~」
「僕はきちんと本棚に収納してあるから、そんな恰好の悪いことはないのだ」
「へぇ~、なるほど」
 人徳ですね(藁)
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by bokukoui | 2006-01-23 23:59 | 出来事

百一年目に思う血の日曜日事件

 思いのほかオタク論でグダグダしてしまいましたが、今日書こうと思っていた本来の話題。

 今日は1月22日日曜日。百一年前の1905年1月22日も日曜日でした。ユリウス暦では1月6日、やはり日曜日です。
 その日、ロシア帝国の首都ペテルブルクでは、僧ガポンに率いられた民衆が、日露戦争の中止と憲法制定などの請願をなすべく宮廷へ行進しておりました。この行進に軍隊が発砲、数百とも数千とも言われる人々が斃れました。この結果、民衆の素朴な皇帝崇拝の念は消え去ってしまい、ロシア第一革命が発生、それは十年余後の大革命への道筋をつけることになるのでした。
 と、いうのは世界史の教科書にも出てくる話です。
 実はこの「血の日曜日事件」が日露戦争に意外な影響を与えていた、というのが本題のお話。この話を小生が聞いたのは、さる日本史のシンポジウムでのことでしたが、今その時のレジュメが見つからないので、その話をされた先生の名前を思い出すことができません(すみません・・・)し、事実関係もあやふやです。後日補足します。

 日露戦争で日本政府が戦費の調達に苦労した、というのは良く聞く話です。高橋是清がロンドンで奮闘したり、黒木第一軍が緒戦の鴨緑江会戦で勝利したため国債の売れ行きが良くなったとか、アメリカのユダヤ系の人々が反露感情から買ってくれたとか、そのような逸話はしばしば取り上げられます。
 では、ロシア帝国の戦費調達はどうだったんでしょうか? 大国ロシア、タマ代なんぞいくらでも・・・というわけには行きません。なにせロシアは専制国家で、経済の発展も決して早くはありませんでした。資本主義が発展していないんです。
 ではどこから資本を調達するか? ロシアはフランス資本を導入していました。これはご存知の方も多いと思いますが、シベリア鉄道はもっぱらフランス資本で建設されました。日英同盟が日本国債販売に役立ったのなら、露仏同盟だって同じような役割を果たすこともあるでしょう。まあ、この借金は革命の時にボリシェヴィキが踏み倒すんですけど。
 というわけで、日本政府がイギリスやアメリカで債券を売っていた頃、ロシア政府はフランスやドイツで債券を売って戦費を調達しておりました。1905年1月にも大規模な募債が予定されていたのです。しかし、その直前に血の日曜日事件発生。
 当然、誰もロシアの国債を買いませんでした。
 かくして、ロシア帝国は戦費不足で継戦能力を喪うことが確定したのでした。

 某有名架空戦記に、ポーツマスの講和会議が決裂して、陸戦が再開されてもはや継戦能力のなかった日本陸軍が敗北、その結果日本海軍の発言力が高まる、という設定のがあったように仄聞しておりますが、実はロシアもヘタっていたのです。
 それも、革命の危険による治安問題だけでなく、力では解決できないところに。

 さて、実は以上の話もさらに枕に過ぎません。
 この話に大変感銘を受けた小生、シンポジウムの後の懇親会にも参加し、その報告をされた先生にさらにお話を伺いました。なんでも毎年、パリに調査に行かれているそうです。しかし、調査はされても本という形でまだ発表されていないので(当時は)、まだこの話は一般に知られていないのです。そのあくなき探究心には襟を正させられました。
 そしてどう話が転んだのか、確か、パリでひたすら古文書を読んで日本に帰ってくると、その文書の世界と日本で語られる日露戦争の言説との落差に戸惑う、という話だったでしょうか。日本で語られるロシア像とパリの文書の中のロシア像。同じ時代の同じ国のはずなのに。
 大体そんな流れだったと思いますが、最後にその先生が言われたことが強く印象に残っています。
「よく我々は『ロシアが~』とか、『フランスが~』『日本が~』などという物言いをしてしまうが、果たしてそんな言い方をしていいのか?」
 言辞が全くこのままという自信はありませんが、こういった趣旨と記憶しています。
 そう、簡単にそんなこと言っていいんでしょうか。一国という複雑怪奇な複合体を、恰も一つの人格のように描いて、それで済ましてしまう。そんなノッペラボーに描いていいのでしょうか。日本の国内情勢を実に緻密に分析する人が、案外無造作に『アメリカが~』などと対照例を語ってしまう様なことは良くあり、聞く方も自然に聞いてしまいます。そのような話し方はついついしてしまうものですが、その手法の限界や危険性は、頭の隅においておくぐらいのことはしておいても決して無駄ではないように思います。

 堅い上に根っこのソースがあやふやで済みません。
 えらそうなこといいつつも、実行の難しさは承知しております(そもそも、この文章の前段だって怪しい)。
 まあ、『あふがにすタン』を無視する、といった辺りから、一歩一歩やっていきましょう。
 オチがそれかよ、と思われるでしょうが、しかし昨今のオタク(に象徴されるような世相)の思考パターンを鑑みるに、安易な擬人化に走るということが、単純で一面的な事実認識に偏りやすいことと、決して無縁では無いように思われるのです。

※追記:コメントへの返信はこちらの記事をご参照ください。

※さらに追記:関連しているかもしれない内容の記事→「『「在日企業」の産業経済史』の著者・韓載香さんのことばにつらつら思う」
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by bokukoui | 2006-01-22 23:55 | 歴史雑談