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小島英俊『文豪たちの大陸横断鉄道』雑感

 暫く前に、友人が読んでいて題名に惹かれたので買った本について一筆。

小島英俊『文豪たちの大陸横断鉄道』(新潮新書)

 題名に惹かれたのは「大陸横断鉄道」であって「文豪」ではありません(笑)。大陸横断鉄道って言ったらやはりアメリカだよなあ、とアメリカ系鉄道好きとしてはあまり深く考えずに購入しました。
 ところで、買ってから気がついたのですが、この本の著者は『流線形列車の時代―世界鉄道外史―』の著者の方だったんですね。同書については当ブログでも以前取り上げたことがありました。もっとも『流線型列車の時代』についての感想はちょっぴりで、そこから何故か当時放映していたアニメ『SoltyRei』の話になっていくんですけど(笑)。

 さて本書は、夏目漱石・永井荷風・里見弴・林芙美子・横光利一・野上弥生子の六人の作家の紀行文を引用しつつ、20世紀前半の鉄道・汽船最盛期の世界の交通の模様を振り返ろうというものです。
 で、「大陸横断鉄道」と表題にうたいつつ、やはり日本の作家の紀行文を元にしていますから、最初の三分の一ぐらいは満州関係で、あんまり大陸横断ではないのでした。また大陸横断はシベリア鉄道がメインで、アメリカの話は最後に二十数ページ程度でした(この本の本文はちょうど200ページくらいです)。ちょっと残念。
 前作は、文章があまり読みやすいとは言えなかったところもあったのですが、本書ではその点は改善されて読みやすくなっていると思われます。扱っている題材は魅力的なものですし、シベリア鉄道経路が道中の不安や設備の貧弱さからあまり利用されていなかったという説明はなかなか興味深いところです。
 また、あまり日本では紹介されていなかったイタリアの昔の鉄道に触れているのも嬉しいですね。ただ、日本の長距離電車に影響を与えたのがイタリアだというのは(pp.185-6)、どうなんでしょうか。「最も影響を受けているのは間違いなくイタリア」とまで言い切っていいのか、やはり素直にアメリカで良いように思われますが。そのアメリカの電車、インターアーバンについても、最後の箇所でちゃんと紹介しています。

 わりと面白く一息にすぐ読める本で、その点『流線型列車の時代』とは対照的です。ただそれを美点と言い切ってしまって良いのか、鉄道に関する説明はあっさりで、ちょっと物足りない読後感もありました。それは趣味の偏った鉄道趣味者のつけた因縁であって、昨今の「鉄道ブーム」にかこつけて、鉄道と昔の話に興味を持った(でも詳しくはない)層に向けて売る新書としては、妥当な方向性なのかも知れません。文学作品に書いてある鉄道ネタを綿密につつき回しすぎて読者を辟易させてしまった松下了平『シャーロック・ホームズの鉄道学』という本もありましたし(小生も以前サイトのネタに使いました)。
 しかし、一方本書は文学評論という性格でもありませんで、この6人の作家を取り上げる理由が何か文学上の意義があるというわけでもなく、その作家の作品に及ぼした影響などを解説しているわけでもないので、どっち付かずな印象をも受けるわけです。文学+鉄道という本を今から書くのが難しいのは、小池滋『英国鉄道物語』の水準の高さというのが一つあるかも知れません。

 読んでいて首を傾げた箇所を一つ挙げれば、表題に銘打っている「大陸横断鉄道」のうち、アメリカのそれについて、「7ルートもあった北米大陸横断列車」という節を設け、その地図を載せています(p.197)。北からカナディアン・ナショナル(CN)、カナディアン・パシフィック(CP)、グレート・ノーザン(GN)、ノーザン・パシフィック(NP)、ユニオン・パシフィック(UP)、サンタフェ(SF)、サザン・パシフィック(SP)というわけです(サンタフェのフルネームはアチソン・トピーカ&サンタフェなので、略称はAT&SFと書く方が多いと思います)。
 ですが、これでは2ルート欠けています。シカゴ・ミルウォーキー・セントポール&パシフィック(CMSTP&P or MILW)のルートと、ウェスタン・パシフィック(WP)およびデンヴァー&リオグランデ・ウェスタン(D&RGW)の連携によるルートです。なるほどこの2ルートは完成したのが遅い分マイナーかも知れませんが、著者の小島氏は前作『流線型列車の時代』でミルウォーキー鉄道やWPの列車を取り上げているので、ご存じなかったはずはないのですが。ミルウォーキー鉄道は流線型の超高速蒸気機関車を造ったり、ロッキー山越えの区間を延べざっと千キロも電化して当時世界最強クラスの電気機関車を走らせたり、そんな投資をしまくったせいでアメリカの鉄道の黄金時代だったはずの両大戦間に三度破産したり、話題も多そうな会社のはずです。

 地図について細かい文句を言えばきりがありませんが、この二つを足して9ルートというのでも、あくまでもそれはメインラインであって、列車の運行経路としてはまだ足りないだろうと思います。あいにく小生は昔のアメリカの鉄道の時刻表を持っていないので詳細は分かりかねますが、こちらのブログ「蒸気機関車拾遺」さんの記事「米大陸横断1」「米大陸横断2」の記事をご参照下さい。特に「2」には、1946年のアメリカ大陸横断鉄道の概念図が掲載されていますので、ご興味のある方は是非ご参照ください。この地図も細かく見れば、ん? な所もないではないですが。
 ちなみに小生が地図云々言っているネタ本は Yenne,Bill Atlas of North American Railroads です。これは西山洋書のセールで見かけて買ったのですが、アメリカの鉄道マニア(多分)が個人的にコレクションしたらしい鉄道路線図(1950年代頃のが多い)を一冊にまとめたものです。会社の選択基準は多分、著者が手に入れられたかどうかなんでしょうが、主要な鉄道会社は一通り集められているようで、カナダのCNとCPも載っています。地図に各社の簡単な歴史が付けられていて、小生のような、それほどディープではないけど一通りのことを知りたい、という程度の人間にはうってつけの本でした。これを読んで、漸くアメリカの鉄道各社のネットワークがどのようなものか、概要が掴めました。あとはこれに時刻表(Official Guide)があれば・・・(各社ごとに無料配布していたような戦後の時刻表なら、古本屋で幾つか見つけて買ったのですが)。

 ところで、文学部卒業のくせにあまり文学を読まない小生ではありますが、荷風の作品は幾つか読んだものでした(小生のHNと荷風作品は無関係です)。ただ『あめりか物語』はちゃんと読んだことがなかったので、荷風がアメリカでインターアーバンの電車に乗ったということは知りませんでした。本書によると、シアトルとセントルイスと、二箇所で乗っているそうです。
 電車についての説明は本書ではそれ以上ありませんでしたので、そこでこれまたネタ本を当たりますと、荷風がシアトルからタコマまで乗ったという電車は、Puget Sound Electric Railway という1902年にシアトル~タコマ間36マイルを結んだ鉄道のようです。この頃としては先進的な鉄道で、第3軌条方式を採用したインターアーバンの早い例だそうです(もちろん第三軌条方式は郊外の専用軌道区間で、市内の路面区間は架空線方式ですが)。荷風が米仏生活を終えて帰国すると、東京にも路面電車が開業していましたが、荷風はその架空線が風致を害すると酷評しています(『日和下駄』)。PSEの第三軌条方式を見ていた影響がもしかするとあったのかも知れません。・・・と、鉄道の情報を一応文学と結びつけてみました。
 ちなみにこの鉄道、シアトルとタコマを最速では70分(表定ほぼ50km/hの計算になります)、30分ヘッドで結んでいたそうです。でも1928年廃止。経営者が鉄道事業に熱意が乏しく、赤字が出るとすぐ見切りを付けたのだとか(だから車輌はゼロ年代・笑 に投入した木造車のままだったらしいです)。
 セントルイスの方は、郊外に延びる路線が複数あって、残念ながらそのどれかは今のところ分かりません。もっともセントルイスの電車は、インターアーバンというよりは、セントルイスと郊外を結ぶ郊外電車という性格だったようです。これらの路線の中には、1891年という極めて早い時期に開業した路線もあったとか。
 この辺のネタは、これ一冊あればとりあえずアメリカのインターアーバンのことは一通り分かるという有難い本、Hilton, George W. & Due, John Fitzgerald The Electric Interurban Railways in Americaでした。英語の不得手な小生が、そんなに英文サイトを漁りまくって記事なんか書くはずがありません(苦笑)。

 気がつけば記事が随分長くなっていました。これだけ話の種になるということは、やはり結構面白い本であったという証左ともいえます。読書ガイド的な性格もある本ですから、本書からこのように話を広げるというのは、案外正しい読み方なのかも知れません。
 さて、マニア的な細かい話ばかり書いていても何ですし、ことのついでに趣向を変え、古本屋でたまたま発掘した、文豪でない人の大陸横断鉄道旅行記を紹介しようとも思ったのですが、諸事多忙に付きまた今度。

※追記:文豪でない人の話はこちら→北米篇欧州篇
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by bokukoui | 2009-02-26 22:57 | 鉄道(歴史方面) | Trackback | Comments(2)

今日の東急デハ5001号の状況(50)

 気がつけばこのシリーズも50回目になりました。ならば節目で何か・・・とも思わないでもありませんが、今はあいにくそのような余裕がありません。
 おおむねいつもと同じですが、心持ち写真を多めに。

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by bokukoui | 2009-02-24 23:59 | [特設]東急デハ5001号問題 | Trackback | Comments(0)

高橋竹山『津軽三味線ひとり旅』を読んで余計なことばかり考える

 今月は何度かナヲコ先生の作品の展開について記事を書きましたが、最新のナヲコ先生のサイト情報に拠りますと、挿絵のお仕事の本が出たそうです。

f0030574_0151839.jpg早見裕司 作/ナヲコ 画

 表紙とか題名だけ見るとライトノベルそのものという感じですが、理論社といえばフォア文庫の一角を担っているくらいで、そこが出すからには「児童書」なのだそうです。ナヲコ先生も児童書の挿絵とは、実にお仕事の幅が広がって喜ばしきことかなと思うのですが、しかしどうして児童書に描くことになったのか、それは興味深くもあります。
 ところで、文章の方を書いている人の名前はさっぱり見覚えがなかったのですが、検索してみたところライトノベルというかジュヴナイルというか、そっちで多くの実績のある方のようでした。してみると、狭義の「児童書」を出していたところも、昨今の時勢に応じてライトノベル的な方向へ寄って行っているということなのでしょうか。
 今月発売の百合アンソロジー『つぼみ』に載る予定だったナヲコ先生の作品は3ヶ月延期のやむなきに至った模様ですが、このような形でナヲコ先生の新作が見られるのでしたら、それはそれで有難いことです。もっとも3ヶ月といえば、今月19日発売の『月刊COMICリュウ』でも3ヶ月続けて「なずなのねいろ」はお休みだったりするわけで、そろそろこちらの再開の方も気になって来ます。
 ので、実はここまでは枕であって、以下に津軽三味線を奏でる少女・なずなを主人公(伊賀君が主人公だったっけ? あれ?)にした「なずなのねいろ」の、連載再開までの暇潰し的話題を以下に。


 小生は大体に於いて極めて偏った知識の持ち主ですが、芸能・芸術方面は特に疎く、その中でも更に音楽についてはろくすっぽ知識がありません。それは小生が稀に見る音痴であるということも大きく影響しておろうかと思います。現在在籍している大学院の研究室が、飲み会こそ好きでもカラオケに行くことがあまりない、稀に行っても軍歌を流しては背景画像の兵器の鑑定ばかりしている(さすがにその部屋から女子学生は姿を消しましたが・・・)、そんな所だったのは勿怪の幸いというべきでした。
 というわけで、小生は三味線のこともちっとも知識がなかったのですが、「なずなのねいろ」連載開始後暫くして、古書店の(確か)安売りの棚で以下の本を見つけ、これはなにがしか津軽三味線についての知識を与えてくれるのではないかと思って買い込んだのでした。

高橋竹山『津軽三味線ひとり旅』(中公文庫)

 三味線や民謡にまるで教養のない小生でしたので、高橋竹山という名前も全く知りませんでした。
 高橋竹山(1910~98)は青森県の東津軽郡に生まれ、幼児に麻疹で半ば失明(後完全に失明)、三味線を習って、門付け芸人として東北や北海道を回って生計を立てていたそうです。戦後になって津軽民謡の名人・成田雲竹の伴奏者となって竹山の名を貰い、次第に三味線奏者としての評価を得、ついにはその名は全国に、更には世界に知られるにいたったのでした。まあ詳しくはリンク先のウィキペディアでも読んで下さい。
 本書は1975年に出された高橋竹山の自伝です(正確には竹山が語った言葉を佐藤貞樹という人が書き留めた聞き書き)。これを元に映画化もされたんだとか。小生が買ったのは1991年の文庫版です。
 で、この本は大変に面白い本なのです。それはもう。面白さに魅せられた人は既に大勢おられまして、ネット上でも力のこもった感想を幾つも拾うことが出来ます。目に付いたものを幾つか以下に挙げてみましょう。

松岡正剛の千夜千冊 第八百八十四夜
マーレルソサエティの読書
BOOKS昭和堂「それ、読みたい!」 追記:サイト消滅につき web archve へリンク
誰か昭和を想わざる「風雪ながれ旅」 追記:サイト消滅につき web archve へリンク

 一番下は本書の感想というより演歌を巡るエピソードですが、本書の影響を知る上では大変ありがたい情報です。
 三味線奏者としての竹山については、それを語る資格も能力も教養も欠如している小生としては、芸についての本書の記述を云々することは出来ません。竹山も「耳がわるい人はまちがっても、それがいい音だと思っている」(p.177)と言ってるし。にもかかわらず小生が本書を頗る面白いと思ったのは、その史料としての価値なのです。本書は、なかなかその生活を後世に伝えることのない、盲目の門付け芸人の生活を一端なりとも教えてくれる点で、まことに珍しいものと思います。しかも竹山の観察は鋭く、記憶も値段などの細部に及んでおり、この人本当に目が見えなかったのか? と思うほどです。
 以下、もうちょっと具体的に見ていきましょう。

(引用が長いので続きは以下に)
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by bokukoui | 2009-02-21 21:41 | 書物 | Trackback(1) | Comments(7)

アパグループ『謀略に!翻弄された近現代 誇れる国、日本。』瞥見

 前回の記事「古澤克大書記長『火力の歴史的発展と現代のRMA』合評会記録」およびその補遺・解説が取り上げていたのは「革命的非モテ同盟」古澤書記長卒業論文ですが、書記長はこれをネット上にアップした理由について、
●田母神「論文」とかで自衛隊の知性が疑われると嫌なので…
○一応私も元ですし
○現役の方の論文も引用しているです。
○つーか、田母神「論文」はひどい。
 と語っておられます。
 ここでいう「田母神『論文』」とは、昨年10月から11月にかけて話題となった、田母神俊雄航空幕僚長(当時)がアパグループの「『真の近現代史観』論文顕彰」に応募した「論文」である「日本は侵略国家であったのか」が賞金300万円の最優秀賞に選ばれたものの、その内容が政府の見解と異なっていたことなどから問題となり、結局田母神氏は空幕長を事実上辞めさせられた、その一件のことですね。当ブログでもちょこっと触れましたが、書記長も指摘する通りのその内容の酷さは、多少なりとも歴史に関心のある向きからは、あるいは論文的な文章を読み書きする経験を有している人々からは、広く認められました。田母神氏が出典とした文献の著者である秦郁彦氏が、この「論文」をこっぴどく批判したことが、その象徴です。

 その後12月に、この顕彰「論文」の入選作を集めた本(ISBNコードも雑誌コードも無いようなので、書籍というよりパンフレット的な扱いのようですが)が出ていました。どこまでがタイトルなのか分かりかねるのですが、多分『謀略に!翻弄された近現代 誇れる国、日本。』(前半がサブタイトルで、後半が本題)だろうと思います。「!」と「。」も題名に入っているようです。
 で、「田母神『論文』」の時はかなり世間を騒がしたものの、出た本については少々検索してみた限りでは、あんまりまとまった検討をしているものは見あたりませんでした(評価するにせよ、批判するにせよ)。タイトルが長く探しにくいという事情もあるかも知れませんが・・・
 さて、その『誇れる国、日本。』ですが、今小生の手許に一冊あるのです。まあ、さるルートから持ち込まれたものなのですが(もちろん一文も払ってません)。ので、ちょっとだけ検討を加えてみたいと思います。もっとも、このブログのここひと月を振り返っただけでも、『西日本鉄道百年史』だとか、橋本寿朗先生の論文集だとか、水洗トイレの歴史だとか、さらにはナヲコ先生の同人誌まで、このアッパッパーな「論文」集より遥かに遥かに小生の人生にとって価値があって一読心を躍らせるに違いないとわかりきっている「積ん読」本がある以上、この本を全部読んで書評するが如きことはしておりません。あくまで「瞥見」です。しかし問題点の指摘としては、それほど無意味でもないと思います。

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by bokukoui | 2009-02-18 23:44 | 歴史雑談 | Trackback(1) | Comments(10)

古澤書記長「火力の歴史的発展と現代のRMA」合評会 補遺と解説

 「古澤克大書記長『火力の歴史的発展と現代のRMA』合評会記録」の続きです。
 ここでは、合評会終了後寄せられた意見と、労働収容所組合氏による解説を収録します。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2009-02-15 22:28 | 出来事 | Trackback | Comments(0)

古澤克大書記長「火力の歴史的発展と現代のRMA」合評会記録

 少し前に当ブログで、久保田正志『日本の軍事革命』(錦正社)の紹介と感想を述べた記事を書きました。詳細はそちらに書いてあるのでご参照いただければ幸いですが、軍事革命 military revolution というのは、近世初期における西欧での軍事技術の革新が、国家の様相や社会のあり方、世界情勢の変化をもたらしたという見方です。その全体像を伝えている書物として著名なのがジェフリー・パーカー(大久保桂子訳)『長篠合戦の世界史 ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500~1800年』(同文舘)ですが、本書で戦国時代の日本に触れた箇所があるものの、その記述は疑問点が多く、そこで日本の戦国時代を西欧の軍事革命と比較して論じたのが『日本の軍事革命』というわけでした。
 さて、軍事革命と似て非なる概念に、「軍事における革命 Revolution in Military Affairs(RMA)」というものがあります(どうもこちらを「軍事革命」と呼ぶ場合もあるようです)。これは近年の情報技術の進歩が軍事に与えた影響を指す言葉で、イラク戦争などを通じて注目が高まっているそうです。

 で、昨日お伝えしたバレンタイン粉砕デモの主催者であるところの「革命的非モテ同盟」古澤克大書記長は、軍事に深い関心を持つ元自衛隊員であり、大学ではRMAを題材にした卒業論文を執筆されました。しかもその論文の前半は、パーカーの著書を大いに活用して書かれています。
 昨年末にそれはネット上に公開されて、それなりの反響を呼んだようです。以下にリンクを張っておきます。

 火力の歴史的発展と現代のRMA―間接アプローチを超えて―1
 火力の歴史的発展と現代のRMA―間接アプローチを超えて―2

 ネット上の反響については、それぞれの記事に付いた「はてなブックマーク」(1のブックマーク2のブックマーク)でも雰囲気は察せられますが、軍事系ブログの大手であるというところの以下の記事が、もっとも目立ったものと思われます。

 週刊オブイェクト「『81式』氏の卒業論文」

 古澤書記長の卒論は、元々2007年度末に提出されたものですが、書記長は提出後から間もなく、小生のような周囲の友人に、論文を読んで感想を聞かせて欲しい、ということをしばしば漏らされていました。そこで昨年4月頃、デモなどで付き合いのある書記長の友人でかつ軍事や戦史に興味を持っている有志を集め、書記長の卒論について合評会を行うこととなりました。
 合評会を行ったメンバーは、東大戦史研関係者が多いですが、その他にも自衛隊時代以来の氏の戦友、革非同の活動を通じて氏と知り合った東大生や予備自衛官(東大と自衛隊は「非モテ」という点でどうも共通点があるようで・・・)の方々が集まり、大変充実した会となりました。(もっともここに集まった戦史研員は4年生以上の連中なので、現在の会員に本件について問い合わせても「?」ですので、その旨ご諒承下さい)
 なお、古澤書記長の卒論ネット公開当時、この合評会において中心的役割を果たした労働収容所組合氏が、ご自分のブログで簡単な感想を記しておられますので、是非そちらもご参照下さい。

 よく食べ、よく部下を罷免し、あまり動じない「野砲の夢」

 この合評会の記録は、書記長の卒論本文と一緒に、東京大学戦史研究会会報第52号に「古澤書記長の『軍事における革命(RMA)』論」と題して収録され、昨年の五月祭・駒場祭並びに夏のコミケットにて一般に頒布されました。しかしその会報は品切れになってしまい、昨年末に書記長が卒論本文をネットにアップした後増刷も検討されたのですが、諸般の事情により中止のやむなきに至ったもので、このままお蔵入りにするのももったいないと、ここで公開するに至ったものです。なお、卒論本文公開から合評会記録公開まで2ヶ月も間が開いたのは、いろいろ事情もありますが、記録の最終原稿を収めたUSBメモリが行方不明になっていたからです(苦笑)。
 当初は、古澤書記長のブログにこの記事をアップすることも検討されましたが、記事そのもののまとめた文責は最終的に墨東公安委員会にあることなどから、当ブログに掲載することとなりました。

 それでは、前口上が長すぎるのも興ざめですので、合評会の記録本文に入ります。

(長文につき続きは以下に)
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by bokukoui | 2009-02-15 22:12 | 出来事 | Trackback | Comments(2)

今日の渋谷駅前~「バレンタイン粉砕闘争」見学記2009

 今年もバレンタインの季節がやって参りました。
 となりますと、今年で三回目になりました定例行事、「革命的非モテ同盟」の古澤克大書記長主催の「バレンタイン粉砕デモ」の季節でもあります。
 実のところ、さすがに3回目ともなりますとややマンネリの感は否めないところで、上のリンク先の書記長のイベント説明も簡素ですし、当日配布したビラは基本的に昨年の使い回しだったとのこと。そんなわけで事前のネットでの評判もさんざんだったのでした。小生もまた、相変わらず場所も渋谷だし、変わり映えしなさそうなので、適当に写真を貼り付けて「前回に同じ」とだけ書いておけばいいや、というつもりでした。
 それがどうなったかといいますと・・・

(写真が多いので続きはこちら)
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by bokukoui | 2009-02-14 22:03 | 出来事 | Trackback | Comments(15)

今日の日経紙面などから鉄道の話題

 小ネタなので下の記事と一本にして書こうと最初思ったのですが、さすがにあまりにも関連がなさ過ぎるので分けました。

 本日、日経新聞の夕刊を見たところ、一面トップが鉄道関連の記事で驚きました。
 ネット版にも同じような記事がありましたので、以下に紹介します。
鉄道投資、世界で加速 日本企業に商機 18兆円市場
 世界各国で鉄道建設に向けた動きが活発になっている。米国では景気対策をにらみ地方で整備計画が浮上。中国は今年の投資額を前年比で倍増させる。世界市場は年間18兆円規模に膨らむ公算が大きい。低迷する経済をテコ入れするため交通インフラ整備に投資するなか、地球温暖化対策にもつながる鉄道に重点を置く流れが鮮明になってきた。日立製作所が英国で大型受注へ前進するなど、技術力で優位な日本の関連企業に追い風が吹いてきた。

 米国ではオバマ大統領の提案を受けて議会の上下両院が7890億ドル(約72兆円)の景気対策法案で基本合意、歳出の一つとして鉄道など交通網の整備が盛り込まれる見通しだ。オハイオ州は景気対策の執行をにらみ州内3大都市を結ぶ旅客路線を40年ぶりに復活させる計画を立てた。
 夕刊の記事はもっと詳しく、各国の鉄道プロジェクトの概要の一覧表なども載っていましたが、趣旨はこのネット版の通りです。紙面では環境問題対策としてのモーダルシフトにも、もうちょっと詳しく触れていた感があります。
 個人的にはオハイオ州の構想も気になります。州内3大都市(コロンバス、シンシナティ、クリーヴランドでしょうか)を結ぶといいますが、かつてのオハイオ州は全米で一番インターアーバン(都市間連絡電車)が発達していた地域だけに、いわばその復活かと思うとわくわくします(実際には貨物鉄道の路線を借りてディーゼル列車でしょうか?)。インターアーバンについては、以前も紹介しましたが、日本語で一番詳しいこちらのサイトを参照して下さい(ここにオハイオの全盛期の電車路線図があります)。巨大な旅客鉄道網を、作って廃止してまた復活、というのもすごい話ですが、その"記憶"があったからこそオハイオ州はこんな構想を立てたのかも知れません。

 で、モーダルシフトなどに関心が向くこと自体は結構なことだろうと小生も思いますが、果たしてそれを「技術力で優位な日本の関連企業に追い風」なんて単純かつ楽観的に言い切っていいものなのか。このブログでも過去にいろいろ書いたことがありますが、鉄道について「技術的優位」を、車輌のみに切り出して議論することは、これは自動車や船舶や航空機と較べて特に、難しいのではないかと思います。

 そんなことを思ったのは、暫く前に

坂上茂樹
 『鉄道車輌工業と自動車工業

 を読んでいたから、ということもあろうかと思います。

 本書は、日本の鉄道車輌工業の発達を、自動車産業と関連・対比させつつ述べたもので、大変興味深い本でした。本書を読むと、鉄道用ディーゼル機関の発展を国鉄が如何に阻害したかが分かります(JR化後、カミンズ社のエンジンへの換装が流行ったものでした)。
 本来きちんと紹介記事を書くだけの書物なのですが、文系にとっては技術的になかなか難しい内容があって(いきなり説明なしに、エンジンについてSVだのOHVだのと言われても普通の人は分からないでしょう。鉄道マニアだって同様でしょう)、今すぐ書評めいた文章をものするには、自らの力不足を感じざるを得ません。あまつさえ、先週まで手許にあったことは確かなのに、今何故か部屋をひっくりかえしても見つからないので、ますます書くわけにはいきません。
 いつかきっと、とは思っていますが・・・

 話を戻しまして、そんな話題が一面を飾る新聞の社会面では、来月の14日のダイヤ改正で廃止される東京~九州間のブルートレインの最終日の指定券が発売になり、わずか10秒で売り切れたという記事がありました。技術だけでは解決できないであろう課題ですね。

 更についでですが、こんなニュースをネットで見つけました。

 違法取水で社長ら処分へ JR東、水利権取り消し

 信濃川水利権といえば、戦前に鉄道省が手をつけたものの、その後実現まで延々と揉め続けたそうですが、国鉄が滅び21世紀にもなってこんな落ちとは・・・。ただ少なくとも、上の記事に引きつけていえば、東京のJR網ほど膨大にして精緻な鉄道システムを運行するとは、こんな所まで影響を及ぼすことなのだ、ということになりましょうか。
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by bokukoui | 2009-02-13 23:59 | 鉄道(時事関係) | Trackback | Comments(1)

おもいがけない幸運・・・だったのか?

 ひょんなことから、ナヲコ先生の同人誌を、段ボールにひと箱ほども譲っていただきました。
 小生はこれまで、ナヲコ先生の商業刊行物こそせっせと追いかけてきたものの、同人誌は探すのが難しいこともあって、特に意識して集めてはいませんでした。もちろん、コミケに出展した際、ナヲコ先生が参加されていることを聞きつけた時は(それは比較的最近のことに過ぎないのですが。小生はカタログを買うことなく売り子のみで参加することが多かったので、そもそもナヲコ先生が出展しているか探すという発想がなかったのでした)、買いに行ったりもしましたが、それはほんの数点に過ぎません。
 で、90年代全体にまたがるナヲコ先生の同人誌を、今回幸いにも一箱譲っていただきました。小生は正直、「これでナヲコ先生の同人誌もほとんど集まっただろうな~」と楽観しておりました。

 しかし、送ってきていただいた箱を開け、もちろん今はまだ読んではいませんが、ざっと検品してみて、小生はどうも間違っていたらしいこと、認識が甘かったらしいことに気がつきました。
 ナヲコ先生の同人歴は、長く深く広く・・・

 譲っていただいたコレクション自体、コピー誌やゲスト参加本も含んでいて、相当にマニアックなものだと思ったのですが、どうもこれでもまだまだ完全というわけではなさそうな感じです。
 そんなわけで、もちろんこれを手に入れて大いに喜んでいるのですが、また同時に「パンドラの箱」を開けてしまったのではないかという予感にかすかな怖れを覚えないでもありません(笑)。もはや商業誌だけの追っかけともいえないわけで・・・
 ナヲコ先生の同人誌がこれだけまとめて手に入ったことは、まぎれもなく「おもいがけない幸運」です。が同時に、今開けてしまった同人誌を詰めた段ボール(パンドラの箱)を前に、少し呆然としていることも事実であります。


 ところで先日書いた百合アンソロジー『つぼみ』についてですが、書店の店頭で見たところ、表紙の作家陣のお名前がお二方ほど差し変わっておりました。・・・「百合な日々」さんの記事が詳しいのでそちらをご参照下さい。『なずなのねいろ』連載のみならず、百合や挿絵とナヲコ先生のご活躍の場が広がることはもとより喜ばしいことですが、ご無理をなさっていないかと心配申し上げます。
 こちらの真・業魔殿書庫さんの記事によると、5月に出る次号にはナヲコ先生の作品が載る予定とあるので、3ヶ月くらい待つことにしましょう。確か『百合姫』の頃にもこんなことが・・・しかし、こちらの記事によると、次回の作家陣(予定)もなかなかすごいことになっていますね。今度は『LO』が出張してきたみたいな。
 というわけで、数日前に書物にかなりの額の資金を突っ込んだこともあり、『つぼみ』は購入を見送ってしまったのですが、一面「百合な日々」さんが仰る「ナヲコ先生が登場されるまでこのアンソロジーが続くか・・・(註:後で記事を加筆修正したせいか、現在この記述は見あたらない。のんびり書いているのは考え物ですな)」という懸念も至極もっともと思え、やはり買うか迷うところです。

 そんなこんなで、先延ばしとなった『つぼみ』や、今月までお休みの『なずなのねいろ』のナヲコ分不足(?)を補うべく、この同人誌をぼつぼつ読んでいくのがいいのでしょうが、忙しいという現況を別にしても一つの問題に気づかざるを得ませんでした。
 ・・・ナヲコ先生の二次創作同人誌の出典がほとんど分かりません(苦笑)。小生はミニ四駆が最も盛んだった世代ではありませんでしたが、子供の頃を思い出せば、それなりに流行っていたかとは思います。でも、模型店に行ってもミニ四駆そっちのけで、田宮のミリタリー系だとか、ウォーターラインシリーズだとかの箱を開けては、中に入っている説明書の「実物解説」を読んでばっかりいたもんで・・・あと、鉄道模型もやってたのはもちろんですが、プラモ系と扱っているお店が違っていることが多いんですよね。規格もメーカーも違っているからか。
 閑話休題、しかし、元の作品を知らぬ徒輩がこれらの同人誌を読んでどんな感想を抱くのか、ということ自体を楽しんでいこうと思います。ナヲコ先生の(小生にとって)新しい絵が見られるだけで十二分な楽しみなわけですから。
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by bokukoui | 2009-02-13 23:16 | 漫画 | Trackback | Comments(0)

東急田園都市線複々線化完成間近 高津駅周辺の状況など

 もう半年以上も前になりますが、当ブログで「東急田園都市線高津駅上り線仮ホーム・仮改札口 切替前の情景」と題しまして、現在田園都市線の複々線化工事・大井町線の延伸工事が進んでいる高津駅付近の状況を写真付きでお届けしました。
 で、その工事がいよいよ完成し、来る7月11日に開業するとの発表が、先日東急からありました(ということを新聞報道で知りました)。当初は6月開業と聞いていましたので、少し延びたようです。そこで久しぶりに、ちょいと寄り道して写真を撮ってきました。前回のレポートと照らし合わせつつご覧いただければ幸いです。

(写真が多いので続きはこちら)
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by bokukoui | 2009-02-11 23:50 | 鉄道(現況実見) | Trackback | Comments(3)