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北杜夫追悼文に加筆 宮脇俊三と阿川弘之について

 先日書いた追悼記事「追悼 北杜夫 『パンツだけは持ち帰った男、ここに眠る』」に一部加筆しました。宮脇俊三と阿川弘之との関係から鉄道について触れました。
 元記事は基本には書物に関する記事ですので、加筆内容が鉄道に及ぶからといって分類替えしたくはなく、そこで本記事をガイドのため「鉄道(その他)」に分類しました。ちょっと煩瑣ですが、カテゴリを重複指定できないのでこうしました。タグとの使い分けが難しいですね。
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by bokukoui | 2011-10-30 23:59 | 鉄道(その他)

追悼 北杜夫 「パンツだけは持ち帰った男、ここに眠る」

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 本来は「日本の電気料金における総括原価方式の導入について」という記事を書こうと思っていたのですが、個人的には大きなニュースだったので、予定を変更して表題の件について。

 作家の北杜夫さん死去 「どくとるマンボウ」シリーズ
 北杜夫さん死去:ユーモアと少年の好奇心 永遠に
 北杜夫さん死去…父への複雑な感情が文学に
 北杜夫さん死去 昆虫通じて県内でも交流

 なだいなださん 北さんを悼む「生きた天才だった」
 作家の佐藤愛子さん 「話し合える相手を失った」
 北杜夫さん ソウとウツ、作品の力に 三浦朱門

 謹んで哀悼の意を表します。
 
 小生が「子供向け」でない本を読み始めた最初が、北杜夫の本でした。小学校4年生のことでしたが、最初に読んだのは『さびしい王様』だったと思います。親が持っていたもので、それから中学生頃までに「どくとるマンボウ」シリーズなども一通り読み、『楡家の人々』も読みました。『高みの見物』『奇病連盟』なんかが結構好きで繰り返し読んでいた覚えもあります。もっとも高校生以降は疎遠になってしまい、比較的近年の斎藤茂吉についての本なども読む機会を逸してしまいました。読んでいない作品も結構あったのですが。
 今にして思い返せば、小生にとって北杜夫作品はいわば、児童文学というかジュブナイルというか、今風にいえばライトノベルのような存在だったのかな、と思います。同様に小生は小学校5年生の頃『坂の上の雲』なんぞ読み、講談社X文庫ティーンズハートなど読んでいたクラスメイトの女の子を内心馬鹿にしておりました。まあ「厨二病」のようなものとご寛恕ください(苦笑)。
 実は小生がマンガを読むようになったのは中学生~高校生頃で、高校生ごろはハヤカワ文庫なんぞ主に読んでいたかな(司馬ではなく吉村昭など読むようにもなりましたが)。いわば年齢相応に読むようになったともいえますな。

 子供の頃一番好きだった北杜夫作品は、やはり『どくとるマンボウ昆虫記』で、当時既にマニア的な心理を抱いていた小生の心を鷲掴みにしました。また年齢から、自分の少し上の年齢の人々を描いている『どくとるマンボウ青春記』なんかも繰り返し読みました(なもんで『新世紀エヴァンゲリオン』は主題歌を聴いて笑いがこみ上げてしまい、見る機を逸しました)。
 小生は鉄道マニアですが、宮脇俊三の名は北作品の中で初めて知ったように思います。それは、北杜夫の結婚式の司会を頼まれたけど、喋り方がぼそぼそしているので適任でなく、得意の皮肉も結婚式では発揮できず、なだいなだに替えられてしまった人として、だったような(笑)。それ以前に『どくとるマンボウ途中下車』の中で北杜夫を新幹線に無理矢理乗せる編集者M氏としても登場していたことには、あとで気がつきました。
 そんなこんなで、結構北杜夫作品には馴染みましたし、読書の楽しさを教えられたのは間違いなく北杜夫のおかげであったと思います。そして、はっきりこうだとはいえませんが、何がなし今でも影響を受けていると思います。国語の素養であるとか、ものの見方であるとか、今後とも小生のどこかに残り続けていると思います。分かりやすいのでは、最近の記事の巻頭で「憤慨のあまり」ではなく「フンガイのあまり」と書いたのは、その影響です。
 一時期、阿川弘之や遠藤周作にも手を出したのも影響でしたが、そっちは実はあんまり読み広がりませんでした。特に阿川作品については、一応小生も戦史マニアで鉄道趣味者なんですがね・・・しかしそれだけ、北杜夫作品と小生の相性がよかったのかもしれません。

※以下2011.10.30.加筆
 ところで今回の北氏の訃報に、上に挙げたように大学の後輩のなだいなだ氏、作家仲間の佐藤愛子氏などからコメントがあるのはまず順当ですが、数日待ってもまだご存命のはずの阿川弘之氏のコメントがネットで見つかりません。ここで考えられるのは、(1)阿川大尉は御年90を越えてコメントを出せる状態でない、(2)もう文筆活動は一切お断りだ、(3)文春以外のメディアにコメントする気がない、(4)コメントする際にネット転載不可を条件にした、などがありますが、どういうことなのか、続報を待ちたいところです。
 さらに余談ではありますが、上で名前が出たついでに故宮脇俊三氏のことを考えてみると、最近よく「三大鉄道文学者」みたいな感じで「内田百閒・阿川弘之・宮脇俊三」みたいに列挙する風潮がありますが、個人的には違和感を覚えます。作家としてそれぞれ作風はかなり異なるように思われますし、何より宮脇俊三は創作というより紀行作家で、だいぶスタンスが異なるように思うのです。
 こう言ってしまえば何ですが、百閒はたとえ鉄道のことを一行も書かなくたって日本文学史に名を残したでしょうし、阿川弘之の作品はどちらかとえいば海軍の方がモチーフとして重要でしょう。しかし宮脇俊三文学マイナス鉄道はほとんどゼロでしょう。念のために書いておきますが、モチーフの幅の広さが作家としてのいい悪いじゃないですよ。でも実態としてそうなるわけで、むしろ「鉄道文学」なる看板を掲げるなら、百閒や阿川氏は「純度」が低いという評価も可能です。

 で、今回訃報を機に北杜夫作品を多少読み返してみて、やはり宮脇文学への影響を語るなら、阿川よりは北杜夫を考えた方がいいんじゃないか、という気が何となくします。もうちょっとちゃんと、宮脇や阿川を含めて読み返す必要はあるのですが(同じ旅を北・阿川両者がそれぞれ旅行記として書いているものがあるので、その相違と宮脇とを比較すればよいでしょう)、そもそも年齢的にも阿川氏より北の方が宮脇に近い(阿川大尉は戦争に行かされた世代ですが、北・宮脇は行き遅れた世代)ですし、何より地方出身の阿川氏に対し、北と宮脇は昭和初期の東京山の手育ちで、これって結構重要なことではないかと思います。
 宮脇も編集者時代、阿川氏の乗り物本を作ったりしていたと思いますが、やはり北杜夫に「どくとるマンボウ」シリーズを世に送り出させた方が編集者の仕事として重要で、かつ私的なつきあいも相当あった(家が隣だし)ようですし、ユーモアのなどのセンスはやはり北杜夫に近いのではないかと思うのです。
(主な加筆は以上、その他にも若干あり

 ですが結局、年が年でしたし、小生はライトノベルとして北杜夫を読むばかりで、読み方を切り替えるべき時にふさわしく読み替えていくことはできませんでした。大学に入ってから読み返すことはほとんどなく、それはそれでもったいないことにも思われますが、しかしまた、同じ作品をもう一度、違う角度から読み返せる機会が残っているということは、幸いなことかもしれません。優れた作品であれば、読むときによってまた新たなる衝撃を読者に与えてくれるでしょうし、それだけの優れた作品群であることはまちがいありません。
 また作品をひもとき、新たな読書の経験を積みたいと思います。実のところ小生、このところ心身の疲労のせいか、文学どころか専門書も、マンガですらもろくに読めていない有様です。わくわくしながら北杜夫の本を読み返していた、そんな頃の心の元気を、一部なりとも取り戻したいと、痛感します。
 最後に、そんな心情にかなう北作品の一節を引用し、締めくくりに代えさせていただきます。
・・・そして私は、読書についてある信念を、ほとんど妄想に近いものを持っている。それは、自分が必要とする書物は、自分が必要とするときに、必ず自分がよむであろうという確信である。それゆえ私は、どんなにすばらしいといわれる古典をまだよんでいなくても、わざわざ急いで読もうとは思わない。それが私にとって必読の書物であるならば、ある偶然――たとえば時間しのぎにはいった古本屋で目につくとか、そういったふうに必ず私の手にはいり、ある日気がむいて私がそれを読みだすことは必然であり確実であるという信念を抱いている。そうして、自分にとってかりそめならぬ本との出会い、それは早すぎても遅すぎてもいけない。それは恋愛にも似ている。運命そのものといってよい。

『どくとるマンボウ途中下車』中央公論社(1966)50-51頁
 この言葉を信じ、読むべき運命の時を待つことにします。なお本記事の表題は、この引用元の『どくとるマンボウ途中下車』の中で、著者がいろいろと墓碑銘を考えるくだりがあり、巻末に記していた墓碑銘案からとりました。『さびしい王様』の次に小学生の小生が読んだのが、本書だったように思います。

 改めて、北杜夫先生の恩恵に感謝し、ご冥福をお祈りします。
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by bokukoui | 2011-10-26 21:51 | 書物

鍋焼うどんの探求(31) 中村屋@本郷(菊坂)

 そろそろ涼しくなって参りまして、鍋焼うどんの恋しくなる季節がやって参りました。
 というわけで、当ブログでも恒例となりました企画・鍋焼うどんの探求の第3季にそろそろ取りかかろうかと思います。例によって誰が読んでいるのか、書いている当人にもよく分からない企画ではありますが。

 さて、海外ドラマ風にいえば 3rd season の最初は、本企画の主なフィールドである本郷周辺で、これまで巡っていなかったお店を探訪したいと思います。今回からは今まで手薄だった、本郷通りよりも西側のあたりを重点的に回っていく予定です。というわけで今回は、本郷通りから北西に分岐する菊坂通りを下ったところにある中村屋で、なべ焼うどん(1200円)をいただきます。
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(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-24 22:23 | [特設]鍋焼うどん探求

東急旧5000系「アオガエル」型目覚まし時計 及び近況など

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東急旧5000系「アオガエル」型目覚まし時計

 しばらく季節の変わり目のせいか調子を落として、ブログの更新も停頓し、先に書きかけだった「日露戦争終結106周年記念企画 PCゲーム『日露戦争』長春・旅順・ウラジオストック最速攻略記」も途中のまま放置しておりましたが、ようやくずるずると不調を引きずりながらも論文に一区切り付け、ブログの方も完成させておきました。誰が読むのか書いた者も謎ですが。

 で、本題? の方ですが、当ブログで追いかけている渋谷駅頭の東急旧5000系デハ5001号の状況に関連して、表題の品をたまたま手に入れました。存在自体は前から知っていましたが、手に入れる機会がなく、てっきり品切れかと思っていたら、たまたまつい先日某所で在庫があるのを目にし、その場で手に入れた次第。 外見はちゃんとデハ5000系ですが、ものの性格上長さを長くできないので、渋谷駅頭のデハ5001号同様の側扉2枚のショーティー仕様になっているのは当然のことです。しかし、ご丁寧に「5001」という車番まで書き込まれているのを見ると、無残に切断短縮された5001号をわざわざモデル化したように思われ、何となく溜息が出るのでした。

 なお、この商品には正面の方向指示幕のパーツ(シール)が別につけられ、好きなものを選ぶことができます。
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5000系目覚まし時計附属のシール

 小生は上の写真のように、5001号の現状と同じ「渋谷←→桜木町」にしましたが、その理由は5001号に倣ったということももちろんありますけれど、他の2つは本来前面窓の内側、運転台に取り付けるタイプなので、外から貼るシールでは違和感がある、という理由もあります。

 目覚まし時計としては、アラーム音として電車のタイフォンが鳴るようになっているのが特徴ですが、タイフォンの音はそんなに甲高くないので、目覚ましの機能としては温和しめなのがやや残念というところです。
 あと、この目覚まし時計はチョロQのようにゼンマイで走らせることができますが、これは目覚まし時計としてはアイデア倒れのようにも思われます。というのも、枕元の適当なところに置くと、そこが傾いていたらたちまちどこかへ走り去ってしまうからで・・・いやまあ、枕元のみならず部屋全体が混沌となっている小生の方が悪いのかもしれませんが。
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by bokukoui | 2011-10-22 23:24 | [特設]東急デハ5001号問題

日露戦争終結106周年記念企画 PCゲーム『日露戦争』長春・旅順・ウラジオストック最速攻略記

 10月14日はいわずと知れた鉄道記念日ですが、実は日露戦争のポーツマス条約の批准された日(ロシアの批准した日で、日本は10日に批准)だそうで、つまり日露戦争が正式に終結した日ともいえます。
 というわけで、それを記念して如上の企画を考えました。まあ、10年近くも前のゲームの攻略法を書いてどうするんだと自分でも思いますが、今でも入手は可能なようですし、日露戦争を扱ったコンピュータゲームはいまだにないようですから、そんな世間とずれているところが当ブログの特質だろうということでひとつ。

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(C)GENERAL SUPPORT
ジェネラル・サポート社のゲーム『日露戦争』の陸戦マップ画面
(この画像はクリックすると拡大表示します)


(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-14 23:59 | 歴史雑談

東大工学部を支えていた巨大コンクリート杭と平賀譲?

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建て替え中の東大本郷キャンパス・工学部の一角(旧3号館跡地)
(この写真はクリックすると拡大表示します)

 今週に入ってまた不調に陥り、いろいろと連絡が滞り済みません。何とか論文作業も大詰めということもあり、近日中に返信すべき方には返信をする所存ですので、何卒もう少しお待ち下さるようお願い申し上げます(と、何ヶ月も言い続けているのですが・・・)
 そんな事情なので、手元の写真から小ネタ一つ更新でご勘弁下さい。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-13 22:12 | 歴史雑談

横浜オクトーバーフェスト2011

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横浜・赤レンガ倉庫で開かれているオクトーバーフェストで呑み食いしたものの一部
ケストリッツァーシュヴァルツビアとウィンナーシュニッツェル、ドイツラビオリ

 あんまり剽窃された云々のような後ろ向きの話題ばかりをブログのトップに据えておくのも何なので、陽気な話題を簡単にご紹介。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-09 21:50 | 食物

当ブログの剽窃被害疑惑 総括篇

 「当ブログの剽窃被害疑惑 個別検証篇 附:日本発送電について補足」の続篇(まとめ)です。フンガイのあまりか検証記事が長くなってしまい、一つの記事に収まらなくなったので分割しました。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-09 12:04 | 身辺些事

当ブログの剽窃被害疑惑 個別検証篇 附:日本発送電について補足

 本記事のタイトルの後段は、当ブログの以前の記事「日本の「計画停電」の歴史を振り返る~真の「無計画停電」とは」について若干の補足説明を行うというものです。しかし、残念ながら本記事の本題は前段にあり、補足説明を行う前にこの剽窃疑惑について述べなければなりません。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-09 12:00 | 身辺些事

分冊百科『歴史でめぐる鉄道全路線』シリーズ全100巻完結

 2年ばかり前、当ブログで、朝日新聞社の出版部門から週刊百科の形式で『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』が創刊されるということを紹介しました。その後同シリーズは順調に刊行を続け、国鉄・JR編全50巻が完結した後には大手私鉄編全20巻が引き続き刊行され、さらには公営鉄道・私鉄編全30巻も刊行されて、日本の鉄道全路線を、切りもよく100巻で網羅するに至りました。その最終巻『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 30号』が今週発売されました。

 朝日新聞社の出版部門は最近、昔鉄道ジャーナル社が出していて廃刊になった雑誌『旅と鉄道』を復刊させており、鉄道ものに力を入れているようです。本シリーズの刊行もその一環でしょうし、またそれが100巻まで続いたことと合わせ考えると、鉄道の歴史に興味のある人がそれなりにいたということで、まずは結構なことと思います。

(続きは以下に)
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by bokukoui | 2011-10-07 21:08 | 鉄道(歴史方面)