タグ:電気事業史関係 ( 39 ) タグの人気記事

「散宿所」についての覚書~電気事業史の忘れられた言葉について

 今月に入ってブログの更新が進んでいないのは、例によって書き手の心身の問題のほかに、機器のこのところの酷い不調もあった(ネットになかなかつながらない)のですが、そんなに引き籠ってばかりいても進展がないと、関西へ史料調査に出かけていたのも一因であります。関西では主として、戦前の電気事業について昔の雑誌などを調べておりました。
 そんな中で、昔の電気関係の資料を見ているとしばしば目に付く「散宿所」という言葉について、ふと思いついてツイートしました。
 散宿所とはこのように、今なら電力会社の営業所とでもいう時、戦前で使われている言葉です。ちなみに電器屋が昔はなかったというのは、もちろん全くなかったわけではないのですが、一昔前によくあった街の電器屋さんのようなのがまだ少なかったということです。都市部ではともかく、郊外では少なかったようで、この調査で出会った池田市の郷土史の本によると、戦後はいっぱい出来た電器屋も、昭和10年ごろの池田(当時は池田町)には一軒もなかったそうです。ちなみに池田には阪急宝塚線が通り、その総帥・小林一三の家がありました。郊外住宅地としては戦前からかなり発展していた地域です。
 さて、小生のこんな呟きに、ありがたいことにご自分で調べて教えてくださった方が二人もおられました。以下にそのツイートを引用します。
 まことにありがとうございます。n=1(@manga_koji)さんとダービー(@darbyz80)さんに、ここで重ねて御礼申し上げます。
 というわけで、なるほど法令に「散宿所」が記されているのか、と小生は、帰宅後手元の資料を調べてみました。以下ツイッターで既に流しましたが、再度まとめて書いておきます。

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by bokukoui | 2016-09-28 23:56 | 歴史雑談 | Trackback | Comments(2)

家庭向け電力自由化雑感~『ウチの会社電気売るんだってよ』感想など

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「東急でんき」の宣伝を車体に掲げた東急バス
東急グループ共通でポイントが有利に溜まるらしい

 4月になって新年度が始まりました。で、この新年度からのトピックといえば、やはり家庭向け電力の全面自由化であろうと思います。小生は東急電鉄沿線に現在居住しておりますが、東急は現在のところ電鉄系としては唯一家庭向け電力供給に取り組んでおり、電車やバスの車体にラッピングして宣伝しているほか、主要駅のコンコースに臨時ブースを設けて勧誘しているのが目に付きます。
 そんな折柄にふさわしい本の存在を知りまして、いつも戦前の電力業の話ばかりしているのも芸がないかと思いまして、購入一読してみました。関西電力の子会社(電力管理のシステムを構築・運用している会社とのこと)が出版したという本です。

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関電システムソリューションズ(株)ビジネスコンサルティング部編
『ウチの会社電気売るんだってよ 電力小売ビジネスを始めるための10のポイント
日本電気協会新聞部
※画像はクリックすると拡大表示します

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by bokukoui | 2016-04-08 21:38 | 時事漫言 | Trackback | Comments(0)

ショッピングモール「ピエリ守山」、モンゴル海軍、政治家の揮毫など文字通り雑彙

※やっと完成ということにしました。

 今年度も下半期に入り、小生の身辺もさらにいっそう慌しくなってきております。あっぷあっぷしているのは相変わらずで、身辺に次々起こるいろいろな事態に振り回されてついていけているかというと微妙、みたいな感じです。ですが、ひとまず前回前々回の記事に書いたように蔵書整理が済んで過去のゴミを大量処分するという進展もあり、講師業も始めて多少は精神も前向きになっているようなので(疲労は溜まっているような気もしますが・・・)、ネット上で見かけて気になったけれどもコメントする余裕の無かったことなどを、ここでまとめておこうと思います。以前にも(これとかこれとか)やったのと同じような企画で、weblog 本来の使い方に近いとはいえ、手抜きの感は否めませんが・・・。まあ、何でも流れ去ってしまうネット上の情報を、しばらくたってからほじくり返すのも趣味が悪くて結構だと我ながら思います。

@yasudayasuhiro さんが語る、超閑散ショッピングモール「ピエリ守山」(togetter)
 滋賀県にあるショッピングモール「ピエリ守山」はほんの数年前、200店近い店舗を擁してオープンしたのですが、数年ならずしてほぼすべての店が撤退してしまい、ゴーストタウンと化すという事態になってしまいました。その経緯はネット上でもいくつかまとめがあり、実際に行ってみた人の記事もありますが、小生が時折ツイートを拝見している @yasudayasuhiro さんのピエリに関するツイートを特にまとめました。@yasudayasuhiro さんは滋賀県のピエリ守山からそう遠くないところにお住まいなのか、実際にこのモールを利用された経験をお持ちだそうで、さらにそのツイートは、単に「行ったことがある」にとどまらない、観察と考察とがめぐらされています。
 一応はまだ人口増の傾向にある守山市で、何でこんなことが起こってしまったのか? 考えようと思えばいろいろと浮かんでくる、その豊富な手がかりを流してしまうのは惜しいと思った次第です。

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by bokukoui | 2013-10-11 23:58 | 出来事 | Trackback | Comments(5)

電産ばなし余滴 ネット上の発送電分離論と図書館で学ぶことの大事さ

 本記事は、今月1日に執筆した当ブログの記事「大原社研『電産中国関係資料』紹介」に本来は含まれる内容でしたが、当日に産経biz が掲載していた記事への批判を急遽盛り込んだりして余裕がなくなり、長くなってしまいそうなので後日回しにしておりました。そうこうしているうちに時間が大分経ってしまいましたが、忘れないうちに書いておこうと思います。

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by bokukoui | 2013-05-20 23:59 | 思い付き | Trackback(1) | Comments(6)

大原社研『電産中国関係資料』紹介

 今日はメーデーですし、また戦時中の電力国家管理体制が解体されて戦後の九電力体制が発足した日でもありますので、それに関係したような話題を。
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法政大学大原社会問題研究所 ワーキング・ペーパー No.49
『電産中国関係資料』

 先日、ちょっとご縁がありまして、法政大学大原社会問題研究所の方から、上掲の資料目録(A4版50ページ)を頂戴しました。せっかくなので、簡単に内容をご紹介したいと思います。

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by bokukoui | 2013-05-01 23:47 | 歴史雑談 | Trackback | Comments(6)

長崎事件記念日 松永安左エ門「官吏は人間のクズ」発言と内務官僚・丸亀秀雄

 当ブログで日曜日深夜に一部をアップしていた記事が、途中心身および機器の不調によって書きかけのまま停頓しておりましたのが、漸く完成しましたので、ご一読いただければ幸いです。

 平山昇『鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った』感想

 まことに面白い本の書評を試みた記事ですが、同書の内容のみならず、平山昇さんが他の機会に報告された内容にも触れ、かついろいろと議論の発展を試みました。その分長文になってしまいましたが、まあそれなりの内容ではないかと自負しております。

 という連絡だけで終わるのも寂しいので、今日の日付に関係した、ちょっとした話題を。
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1937年1月28日付『東京朝日新聞』朝刊に掲載された松永安左エ門の「謝罪広告」
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by bokukoui | 2013-01-23 23:59 | 歴史雑談 | Trackback | Comments(4)

佐高信『電力と国家』を巡って考える 業務編

 本記事は、

 「佐高信『電力と国家』を巡って考える 綜合編」
 「佐高信『電力と国家』を巡って考える 技術編」


の続きです。今回で完結です。
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戦前に出版された電気事業関係の本
左上から時計回りに、三宅晴輝『電力コンツェルン読本 日本コンツェルン全書13』春秋社(1937年)、駒村雄三郎『電力界の功罪史』交通経済社出版部(1934)、吉田啓『電力管理案の側面史』交通経済社出版部(1938)、大和田悌二『電力国家管理論集』交通経済社出版部(1940)

※佐高信『電力と国家』の「主要参考文献」になっているのは最後のだけ

 最初に書いたように、本書には大きく、(1)松永安左エ門と木川田一隆を持ち上げるあまりに妥当性を欠く、(2)松永や木川田の「公(パブリック)の精神」とは何かが曖昧、(3)先行研究や文献を充分読んでいない、といった問題があると考えられます。その具体的な内容については、前回に書いた通りです。今回はそれらを踏まえ、本書から敢えて何を読み取るか、ということについて考えます。

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by bokukoui | 2012-12-17 23:30 | 書物 | Trackback(1) | Comments(2)

佐高信『電力と国家』を巡って考える 技術編

 本記事は、「佐高信『電力と国家』を巡って考える 綜合編」の続きです。
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左:今回のお題=佐高信『電力と国家』集英社(2011)
中:同書のネタ本=大谷健『興亡 電力をめぐる政治と経済』産業能率短期大学出版部(1978)
右:同じ著者だが同書「主要参考文献」にない『激動の昭和電力私史』電力新報社(1991)

 今回は、前回の記事で指摘した佐高信『電力と国家』の問題点、(1)松永安左エ門・木川田一隆を絶対視するための偏り、(2)「公の精神」の曖昧さ、(3)調査研究の不足の点について、それぞれ敷衍して述べていこうと思います。

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by bokukoui | 2012-12-13 23:59 | 歴史雑談 | Trackback(1) | Comments(0)

佐高信『電力と国家』を巡って考える 綜合編

 当ブログでは以前より、日本の電気事業史についていくつかの記事を書いてきました。電気事業はその重要性の割に、あまり注目されてこなかったような印象が小生にはありますが、昨年の大震災と原発事故という大変不幸なきっかけではありますが、ある程度は電気事業の様相についての関心が高まったように思われました。小生としても多少ともそういった関心を持たれた方へのご参考になればと、そして電気事業史研究に手を染めている自分自身の問題意識を確認することにもなろうと、記事を執筆してきた次第です。
 ただ、震災から二年近くを経ても、あまり議論は深まっていない、世界の電気事業の中でも相当に波乱に富んだといえる日本の電気事業の歴史的経験が電気について論ずる人々の間でも共有されていない、そんな印象を小生は持っています。自分の微力を恥ずるばかりではありますが、腐らずに研究と発信を続けていくつもりではあります。

 という前置きで今回書評を試みるのは、

佐高信『電力と国家』(集英社新書)

です。佐高氏の名は夙に有名ですから説明の必要はないでしょうが、その氏が震災と原発事故を受けて、日本電力業の歴史に学ぶべく昨年10月に上梓されたのが本書のようです。小生がしばらく前に手に入れたものの奥付には、昨年11月発行の二刷とあり、また著者名とタイトルで検索してみてもかなりの件数の感想がネット上に見出されるなど、それなりに読まれている本のようです。
 小生は佐高氏の著作にはあまり馴染んでおりませんでしたが、時折目にする氏の企業社会批判には肯うところもありました。また、歴史に着目して電気事業を論じているということは、震災後の、発送電分離と自然エネルギーを無批判に礼賛するばかりで来し方に学ぼうとしない多くの言説に残念な思いを抱かされることの多かった中では、期待を抱かせるものでした。
 本書の帯にはこうあります。
 現在は官僚にも電力会社のトップにも、
 公(パブリック)の精神は失われている。
 凄まじい葛藤の歴史をたどり直すことによって、
 是非とも、その精神を獲得してほしい。
 それを願って、私は本書を発表する――。
 なるほど、なるほど。

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by bokukoui | 2012-12-11 22:04 | 書物 | Trackback(1) | Comments(0)

秩父鉄道三峰口延伸に関する一仮説~奥秩父・中津峡の開発構想と水力発電

 昨日は当ブログらしからぬ甚だ品位に欠ける(え、いつもそうだって?)話題でしたので敢えてここでリンクは張りませんが、本来は以下に書くような話題をする枕のはずだったわけで。
 小生は先月、とある史料を見ることができたことに関連して、秩父のセメント事業の創業経緯につい泥縄的に調べていたのですが、それに関連して秩父鉄道についてもちょっと資料を読んでいて、ふと疑問に思ったことがありましたので、以下備忘までに書いておきます。
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今回の記事の主な舞台となる、三峯神社附近の荒川上流部の地図
発電所も鉄道もまだない、1915年測量の陸地測量部5万分の1地形図「三峰」の一部
「白川村」の役場の辺りに現在の秩父鉄道三峰口駅がある
(この画像はクリックすると拡大表示します)


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by bokukoui | 2012-05-19 21:50 | 鉄道(歴史方面) | Trackback | Comments(0)