東急大井町線溝の口延伸二週間前の状況 高津駅周辺を中心に
当ブログでも、昨年6月と本年2月に、この改良工事の進捗の模様をお伝えして参りましたが、今回はいよいよ開業直前の模様をご紹介しようと思います。もっともこの企画、最初は開業一ヶ月前あたりに・・・と思っていたのですが、所用に追われた上に風邪だなんだで今日にずれ込んでしまいました。
去る6月6日、東急はダイヤ改正を行いました。この時期にダイヤ改正を行ったということは、小生はこれはてっきり、もう工事は完成していて、お客を乗せないでも7月以降の本番のダイヤに準じた形で大井町線を溝の口まで走らせ、乗務員の習熟運転を行うのかと思っておりました。当初は6月延長開業という話だったし、以前相鉄いずみ野線の湘南台延伸直前に乗った時、そのようなことをしていたような記憶がありましたし。
ところが、実際にはまだ工事が残っており、6日の時点では試運転もしていなかったようです。先週の中頃に、延長予定区間の大井町線の線路を見た記憶では、レールが真っ黄色に錆びていて、ほとんど列車が走った形跡がなかったのでした。それが先週末になると、少し錆が取れていて、多少は走った形跡があるな・・・と思ったら、溝の口駅の大井町線の上り線(2番線)に新5000形の試運転電車が停まっていて、しかも車掌が10人くらいホームに降りて訓練?をしている様子でした。その時カメラを持っていなくて、撮影し損ねたのが残念です。
というわけで、その後通るついでにちょこちょこ撮りためた写真を以下にご紹介します。写真はものによってはクリックすると拡大表示します。
○二子玉川駅
長年大井町線の終点だった二子玉川も、来月からは中間駅になります。まあ、田園都市線開業前に戻るといえばそれまでですが。「二子玉川」の行先表示も見られなくなりますね。
上の写真の隅っこに、電気設備の測定車が写っていますが、突然現れたので写真を撮り損ねたのが残念。正しこの車輌は、大井町延長区間の検査をしてきたのではなく、田園都市線の現在使っている線路を走ってきて、二子玉川駅構内の渡り線で大井町線に入ってきました。
(この写真はクリックすると拡大表示します)
(この写真はクリックすると拡大表示します)
二子玉川は、駅の工事はもうずいぶんと前に完了しておりますが、駅周辺では高層マンションの建設とそれに伴う駅東口の整備工事が行われています。これはまだしばらくかかるようですね。
○二子新地駅
2月の記事の写真には、二子新地駅構内の大井町線延長線上に車止めが設置されていた様子が写っていますが、もちろん現在それは撤去されています。
二子新地では、表示のような細かいもの以外は、だいたい工事は完成しているようです。
○高津駅
高津駅は、これまでの当ブログの記事でも割と詳細にお伝えしてきましたので、本記事でも重点的に。
本年2月の頃はまだまだ工事中でしたが、もうすっかり完成している・・・と思ったら、
どうもまだ完了してはいないようです。
東急のニュースリリースにある通り、溝の口まで延長した大井町線は、データイムの1時間8本の各駅停車のうち半分の4本を、二子新地と高津駅に停車させるそうです。朝夕とデータイムの残り半分の各駅停車は、複々線区間の中線を走るので二子新地と高津には停まりません。この二種類の各駅停車を区別するため、二子新地・高津に停まる大井町線電車は列車種別表示を青色に、通過する列車は緑色にする由。田園都市線の準急電車も緑地に白抜きで「準急」と表示してますが、どちらも二子新地・高津通過という点では共通しているから、問題はないのでしょうか。
で、大井町線の延長である複々線の中線には、この両駅のホームはありませんので、大井町線の青色各停は渡り線を通って田園都市線の線路に入り、二子新地と高津に停まって、また渡り線を通って大井町線に戻ることになります。その渡り線がこんな感じ。
(この写真はクリックすると拡大表示します)
上の写真を拡大表示していただけると、「場内」と書かれた看板が線路の間に立っていることがお分かりいただけようかと思います。その附近を拡大してみましょう。
(この写真はクリックすると拡大表示します)
小生はさほど鉄道の信号システムに詳しいわけではありませんが、この「場内」というのは駅の構内がここから始まることを示すものだろうと思います。鉄道の信号で重要なものに場内信号というのがあり、大雑把に言えば駅に入ってもよいかどうかを示すものです。ですので普通の鉄道ならば、この看板の位置に場内信号機が設置されるのですが、田園都市線はCS-ATC方式といって信号が電車の運転台に表示されるシステムを採用しているため、信号そのものは立っていません。「場内」の看板の下に付いている小さな信号は誘導信号機だと思います。
この渡り線は、上で述べたように、下り列車の場合は大井町線の各駅停車が田園都市線(複々線の外側)の二子新地と高津に停まってから、大井町線の線路(複々線の内側)に戻る時、上りの場合は溝の口を発車した大井町線の列車が田園都市線にしかない高津駅ホームに停まるために転線する場合、に使うものです。複々線の効果を少しでも長く発揮するため、このポイントは高津駅ホームのすぐ側に設けられていますが、信号システム上はここから溝の口駅の構内扱いになっているようです。
赤印が「場内」の表示、つまりここから既に溝の口駅?
高津駅を発車した下り列車に対しては、ここの渡り線によって溝の口駅の1番線(田園都市線)か2番線(大井町線)のどちらに進入するかが決まるので、その進路を表示する装置(名前ど忘れ)も設けられています。
電車の前から3輌目のあたりに「場内」の表示がある
(この写真はクリックすると拡大表示します)
さて、複々線化に伴い工事中だった高津駅ですが、さすがにもう工事は大概終わってるだろうと思って降りてみると・・・
まだまだ工事中、という感じですね。
上の、駅構内側を見た写真の奥に、青い看板がちらと写っていますが、そこにはもう一箇所改札が出来る予定だそうです。もっともまだまだ工事中なのですが。
歩いている人はエスカレーターに向かっている
駅を降りたので、その周辺も一回りしました。
工事終了後はもうちょっと広くなるのか
というわけで、工事が未だ続く高津駅でした。駅付近に張ってあった工事予定表によると、7月7日には終わる予定のようですが、あと10日で大丈夫でしょうか。延長開業したら確認することにします。
○溝の口駅
最後に、大井町線の延伸先というか田園都市線複々線化区間の終点というか、溝の口の様子です。
ここからですと工事は完了しているように見えます。3番線の線路は朝ラッシュ時の交互発着に数年前から使われておりますが、2番線の線路は最近整備されたので、バラストの色やレールの錆び具合、レールと枕木の締結方法などが異なっています。
ですが、溝の口もまだ工事が多少は残っているようです。その模様を幾つか。
ホームの縁がまだ完成していない様子
最後に、溝の口から梶が谷にかけての、大井町線の引き上げ線となるあたりを。
引き上げ線は完成、周囲には若干の残工事も
(この写真はクリックすると拡大表示します)
なんだか線路がうねっているようですが・・・用地の関係でしょうか。カーブへの設置を避けたため、大井町線引き上げ線用のシーサスクロスがホームから結構離れている感じですが、それだけ用地のやりくりが大変だったのでしょう。
東横線も日吉まで複々線化し、大井町線が延伸して、東急の工事も一区切りかと思いますが、田園都市線の混雑解消は少子化のこのご時世でもなかなか大変そうです。開通したら、また様子を調査しようと思います。
※追記:試運転電車の様子はこちら。画質は最低ですが・・・
※更に追記:延伸開業初日の模様はこちらをご参照下さい。
※更に更に追記:延長開業から5ヶ月後の高津駅の模様はこちらをご参照下さい。