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筆不精者の雑彙

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外国人参政権・夫婦別姓反対デモに出くわす その他沈鬱な近況

 心身ともにくたびれた感じがぬぐえませんが、といって休んでいる暇もなく、今日も今日とて国会図書館に出かけました。17時の閉館ぎりぎりまで粘って、最後に雑誌カウンターに返却に行きましたら、隣に並んでいたお姉さんが膨大な雑誌の山をカウンターに返却していました。かさばった雑誌の大きさから少女漫画かな? と思って見れば、その表題は『Dear+』・・・やおい雑誌でした。国会図書館は、エロ漫画の収集率は概して低いのですが(例外が旧『ホットミルク』というあたりが面白い)、やおいはそうではないのでしょうか。

 そんな次第でくたびれた体を引きずって、永田町の駅めざして坂を上っておりましたら、なにやらデモをやっています。ずいぶん遅い時間だなあ、もう暗いのにと思いつつ見ていると、どうも近頃話題の? ネット右翼系のデモじゃないかと気がつきました。矢鱈と掲げる日の丸、主張は「外国人参政権反対」がメインのようです。
 以下に写真を、といってもデジカメを持っていなくて携帯電話のそれなので、辺りも暗かったし、画質はお話になりません。まあ気分だけ。



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 結構な人数がいたように思います。百数十人はいようかという梯団が二つありました。
 ビラを配っている人がいたので一枚もらいましたが、内容は民主党を非難し、外国人参政権と夫婦別姓に反対するものでした。露骨なマスコミへや中国・韓国への敵意(外国人参政権がらみで中韓の話をするならまだ分かりますが、何でも夫婦別姓は中国や韓国と同じに日本をする陰謀らしいです)が、彼らをただの右翼でも、ましてや保守でもなく、「ネット右翼」と断定した所以です。ご覧のように日の丸を矢鱈と掲げるのみならず、Z旗を掲げる者もおり、こんなところで使って欲しくないと素朴に思いました。
 このデモはたぶん「在特会」関係であろうと思います。上の写真に、ちょっと惚けてますが、「チャンネル桜」が取材している様子が写ってますが、それも一証左と思います。
 既に日は落ちて辺りは暗くなりつつあった上、永田町界隈は業務地区で商店が少ないので更に暗く、おまけに土曜日ともなれば人通りも少なく、デモとしては効果はあまり高くなさそうです。小生は以前、「革命的非モテ同盟」の渋谷夜間デモの記事を書き、夜のデモは案外いいのかもと思いましたが、やはり人通りが多くネオンサインも明るい繁華街でないと効果は発揮できないようです。

 小生は外国人参政権問題についてあまり知識はありませんが、地方自治体の参政権についてはさしたる問題はなかろうと思います。デモ中、「外国人参政権は憲法違反」とプラカードを掲げた人がいましたが、小生が以前法律に詳しい方に聞いた話では、
・地方の外国人参政権は、与えたとしても憲法違反ではない。(国政は問題あり)
・しかし、与えていないことも憲法違反というわけではない。
 という判例だったかと思います。
 ところで、このデモの参加者のような方々にとっては、日本国憲法はどのような位置づけになるのでしょうか、そんなことがふと気になりました。

 デモ隊は男の方が多かったのですが、ブーツにショートパンツでグラサン茶髪のおねいさんだとか、ベビーカーを押してる主婦っぽい人とかも散見されたのは少々驚きました。年のいった、伝統的「右翼」になりそうな人と、若いネトウヨっぽい(つまりオタクっぽい、秋葉原でよくありそう、くらいの偏見・・・あ、つまり自分と同じってことか?)人とが、二大主力集団を形成していたのは、まあ順当ではありました。
 彼らのシュプレヒコールは「日本の誇りを守れ!」というのが多かったように思います。「民主(党)、解体!」とかも連呼してましたが、その前に「シュプレヒコール!」とかけ声をかけていた調子が、ちょっと左翼っぽくて少しおかしくもありました。

 ところで、「日本の誇り」とは何なのでしょうか。そも、「日本」とは、「誇り」とは。
 小生は、少なくとも、他国を非難することが「誇り」ではないと信じます。
 
 で、外国人参政権については上の如く小生はあまり語る知識を持ちません。ですが、夫婦別姓についてはいささか思うところがあります。小生は個人的事情から夫婦別姓が容認されることを期待しておりますが、そこから社会に及ぼす影響を考えても、デモの人の主張のように家族制度に致命的影響を与えるとは想定しづらいと思うのです。別姓の問題が、「伝統」や「歴史」に照らしてどうなのか、以下に卑見を述べます。「日本」とは何なのか、その一端に触れてみましょう。

 小生が知る限りでは、日本の家の特徴は「家業」にあるといいます。家とは、家業を行うための共同体であり、血縁による共同体をベースにしていますが、同時に奉公人などの非血縁者もその共同体内に含んでいました。そして家共同体の継続とは、家業の継続に他なりませんで、そのためには血縁原理は二の次になります。ですので、昔の日本は養子がそれはそれは多かったわけで。家業を継がせるのに息子ではなく、有望な若者を婿養子にするというのもその一種です。また、「のれん分け」というシステムは、非血縁の奉公人を疑似血縁の分家にしていると考えられます。これらの風習は、社会の各層で各層なりに、家業の継続戦略を採っていたことを意味します。
 このような家業中心の家の中では、家業の一端を担えば女性の地位はそれなりに評価されるでしょう。

 またこのような家族の構成員は、かならずしも生活の総ての局面が、家業の指揮者である家長の支配に服していたというわけでもないといえます。家の若者は同時に若衆組やのような、地域の同年代の集団に属しています。女性もまた、家族の一員であると同時に地域の女性同士の共同体の一員という性格を持っています。
 こういった共同体の力は家長であっても無視できるものではなく、無視すれば夜中に若衆組が家に石でも投げに来るでしょう(笑) 女性の地位を無視できないのは、そういった共同体の存在があった面もあるだろうと思います。
 夜這いの話も、家と別個の繋がりが同時に存在していたから成立したわけでしょう。

 小生は中世以前の歴史はとんと疎いので、近世を想定して上の文章を書きました。で、このような日本の家族の有り様は、明治維新後も急には変わりませんでした。明治になっても養子は多く、若衆組は青年団・娘組は処女会と看板を変えて存続します。つまり政府も、家制度を定める一方で、家と別の共同体も利用しようと保護育成に努めているわけです。
 ところが、近代になると家業によって生活を支える日本人が減少し、永続的出稼ぎ状態の給与所得者が増加します。そうなると、もはやこの日本の伝統的家制度は機能しません。根幹が抜けているのだから。明治維新でも、第2次大戦でも、傾きつつも続いていた日本の家制度と共同体が、昭和30年代=高度経済成長期に滅んだといわれるのは、産業構造の転換により日本の家制度が機能停止し、共同体も解体したことを意味します。

 そんじゃ、日本の家はどうすりゃいいのでしょうか。家の共同体としての成立理由に家業という生産共同体であることは使えません。外で稼いで、生産が共同じゃないから。
 そこで出てくるのが近代家族概念です。愛情(夫婦)と血縁(子供)によって結ばれた生活共同体です。ここでは原則として非血縁者は排除されていきます(住み込み女中の消滅など)。このような家の形は明治以降、まず中流以上の給与所得者から広まってきたと考えられます。その伝播と浸透については、当ブログで阪急を論じた際にかつて書いたことがあるので、そちら(「近代家族幻想と電鉄会社との日本的関係性」)をご参照ください。このような家では、消費活動の共有が家を維持するイベントとなり、一方家の外での地域の人同士の繋がりは希薄化します。

 当ブログの悪癖でつい文章が長くなったのでまとめる方向で。
 デモの人々は「日本の誇りを守る」とシュプレヒコールをあげており、夫婦別姓は「女系社会」で女性の地位高い日本の伝統に反する、中韓の方法と主張していました。しかしそもそも姓なんて日本人の八割以上は明治以前に持っていませんで、屋号(まさに生産共同体的ですね)によって区別していました。その家の伝統も、明治以降の近代化でまかれた種が、高度経済成長で一気に花開いて、解体していきました(高度成長期の日本の内需を支えた「三種の神器」「3C」こそ、消費を中心とした生活共同体の幸福の象徴です)。かくの如き歴史を踏まえると、デモの人たちの「日本」だの「誇り」だの「家庭」だの「社会」だのって、一体何なのでしょうか。
 この「守る」ということについてはもうちょっと考えてみたい、というかデモを見たあとの帰りの電車の車内で既に小生の頭の中で考えは一区切り付いていて、所謂秋葉原系の「オタク」とネット右翼の相性の良さが何となく繋がった気がしたのですが、既に長いのでそれは別稿として次の機会に。

追記:別稿はこちら
追記ここまで

 そして、ますます気分的にへたばって帰宅したところ、出くわしたのが以下のニュース。

<加藤和彦さん自殺>軽井沢のホテルで首つる 部屋に遺書

 音楽に関しては若年寄な小生としては、誠に衝撃的でありました。
 そして先刻見たものを想い出し、気分はますます沈み、そしてしみじみ「イムジン河」を聞くのでした。
 合掌。

 以下追記(2009.10.18.)
 このデモは、おそらくコメント欄で某後輩氏がご指摘くださった、「10・17 日本解体阻止!! 守るぞ日本!国民総決起集会」であろうと思われます。砂防会館から下ってくると場所としても合うし。そういえば「草莽」云々という幟を掲げた人もいましたっけ。
 改めて産経の記事(他はニュースにしてないか・・・)にリンクを張っておきます。

 「日本解体を阻止せよ」保守派議員が総決起集会 政権への批判続出

 あと、取材してた「チャンネル桜」も。

 【草莽崛起】 10.17 日本解体阻止!! 守るぞ日本! 国民総決起集会&デモ
             - 1,500名もの草莽が参集!盛況のうちに終了いたしました!

 デモの参加者はどう多く見積もっても400~500人くらいと思いますが、集会参加者はもっと多かったのでしょうか。
 検索ついでに参加者のブログも引っかかったのでリンク。写真が当ブログより遙かに優れています。

・サラリーマンやってる猫の一匹集会所さん・正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現さん・花うさぎの「世界は腹黒い」さん「日本を守れ!と1500人が集会とデモ」
・なっちょ?さん「日本解体阻止!守るぞ日本!国民総決起集会・デモ」

 しかし、国会議員も参加していたとは・・・自民党の中でもなるほどという面々ではあります。しかし、先日の選挙の結果に鑑みれば、このような中韓への敵対心を露わにして民主党へネガティヴ・キャンペーンをやっても何の役にも立たなかった、ネット上の大勢力に見えて実態はそれほどではなかった層を自民党が相手にした結果、旧来の支持層を失ってしまったために大敗を喫したと考えられます。
 それでも3割ぐらいは自民党も票を集めていたと思いますし、選挙後のアンケートでも、自民党をさらに将来の政権交代の担い手として期待する声はかなり多かったと記憶しています。そのような層、かつて投票してくれていた層を取り戻すことが自民党の今後に大事なことであり、ますます声のでかい少数派に凝り固まっては、保守版共産党しか出来上がりません。だいたい自民党は保守政党というより国民政党だったわけで。

 ところで、自民党大敗のA級戦犯・安倍元首相はこの集会にビデオでコメントを寄せたそうですね。夫婦別姓にはまあ反対しそうな人ですが。
 で、デモ隊が配っていたビラの反対理由の一つに、兄弟で姓が違うのはおかしい、子供に責任を持つなら名字は一つ、とというのがあったんですけど、他の人はともかく、安部氏におかれてはこの論拠は否定されるべきではないかと思います。
 上でも書きましたけど、前世紀初め・・・いや、戦前ぐらいまでは養子はまだまだ多く、兄弟があっちの家とこっちの家とをばらばらに継いで名字が違う、なんて例はざらにありました。そして日本近代史上、そのような「兄弟別姓」という環境で育ちながらも、兄弟とも偉大な名を歴史に残した例は、皆さんもすぐ思い浮かべることができるでしょう。




岸信介と佐藤栄作です。



 更に追記
 国会図書館に通ってたら、彼らにまた出会ってしまいました。
「またも「外国人参政権・夫婦別姓反対デモ」的な何かに出くわす」
永田町でみたび「外国人参政権反対」な「草莽」に出くわす
Commented by 某後輩 at 2009-10-18 04:14 x
もしかしたらこの集会の参加者ですかねぇ?集会後に国会付近をデモ行進したとあるし。
ttp://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091017/stt0910171934004-n1.htm
Commented by bokukoui at 2009-10-18 12:29
ご指摘ありがとうございます。
その通りだと思いますので、本文に追記しておきました。
Commented by 無名 at 2009-10-18 13:51 x
先ず、彼らには、姓(本姓)と名字はまったく異なるという「常識」を宣伝していただきたいと思います(笑)。
その上、江戸期の庶民は名字や本姓を持たなかったのではなく、公称できなかった(武装と同じです。これに対する許可が名字帯刀。)のみで、それらのことは、寄進の際の勧進帳や高野聖の台帳等で確認できます。
ちなみに、名字が夫婦ともに同じくなるのは、地域により異なりますが、江戸時代中期頃と思われます。
本姓ですが、男女別姓は明治期に廃止されるまで続いており、且つ、子供は、父方の本姓を受け継ぐものです。
従って、養子を迎えるたび、本姓がチェンジすることは社家などではよく見られます。
しかし、公家については、江戸時代以降、法度により、同一本姓以外からの養子が禁じられたためほぼ、本姓の変化はないようです。
これらの「常識」を踏まえれば、女帝問題も理解できると(天皇は本姓を与えるのみで自らは保有しない唯一の存在。)思いますが、小生は個人的戦技を保有していないので大きな声では言えません(笑)。
Commented by ?? at 2009-10-18 17:16 x
少々質問が有って、書き込みいたします。

>夫婦同姓は中国や韓国と同じに日本をする陰謀らしいです
同姓?別姓でなく?また、誰がそんな事を言ったのですか?
聞いた事が無いので教えて頂けますか?

また、ネガティブキャンペーンと何度も仰ってますが、外国人参政権、夫婦別姓に反対するとネガキャンになるのでしょうか?

>「在特会」関係であろうと思います。(中略)「チャンネル桜」が取材している様子が写ってますが、それも一証左と思います。
????? 在特会とチャンネル桜は、Blog主様の認識ではどう言う関係なのですか?

何だか、現実と主様の認識が凄くちぐはぐだと思うので、お聞きしました。
Commented by nekopon at 2009-10-18 18:27 x
こちらからのTBが反映されないようですので、その代わりコメント欄にて。

「10・17 日本解体阻止!! 守るぞ日本!国民総決起集会」
ttp://14471.iza.ne.jp/blog/entry/1276659/
Commented by 坂東α at 2009-10-18 18:52 x
どうも、日の丸を振るとデモルートを多少外れても良いようですね(笑
喪男・非モテ系はこちらと親和性が高い、というかミソジニーから反フェミニズムに至る人が多い印象があるんで、左翼ネタに走ったほうが珍しいのかも。
どの程度今回の参加者とかぶっているのか分かりませんが、専業主婦を美化したがるのも、近代家族への憧憬が根底にあるのかもしれません。
Commented by 某後輩 at 2009-10-19 00:06 x
>ますます声のでかい少数派に凝り固まっては、保守版共産党しか出来上がりません。

国民政党たることに失敗し、先鋭化したコアな支持層に引きずられたまま先細った政党としては、共産党よりもむしろ社会党の喩えの方が合っているかと。
某議員・選挙板あたりでは自民党が第2社会党と化し、そのうち党名も変えるんじゃないと言われてます(笑)

>だいたい自民党は保守政党というより国民政党だったわけで。

党の再建を託された穏健派の谷垣総裁ですら、無党派ではなく「良質の保守層に訴えかける」と言っているので、当の本人達が自民党長期政権の秘訣を理解してない可能性が高そうです。
これまた議員・選挙板にあったコメントですが、昔は自民党が現実的で野党がイデオロギー的だったのがいつの間にか逆転してますね。

>岸信介と佐藤栄作

偉大なる祖父と大叔父の例を持ち出すまでもなく、当の安倍晋三本人が兄弟で別姓ですよ。

つ 岸信夫
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E4%BF%A1%E5%A4%AB
Commented by ひで at 2009-10-19 02:23 x
ずいぶん恥ずかしい日記ですね。
恥ずかしい日記は一人でこっそり書くもの。ネット上なんかに公開するのは公害だよ。しかも、トラックバックまで打ってる図々しさ。
オナニーは一人でやるものです。
Commented by もっと勉強しろ。 at 2009-10-19 03:43 x
中国と韓国人の数で地方は乗っ取られるってこと理解しろ。
日本人は大阪や東京しか住んでいないわけではない。
田舎のところは人口2000人ぐらいのところは簡単に住民票移動して乗っ取られるわけよ。憲法違反、違反でない以前に日本にはたくさんある国からの委託業務があってその仕事は全部中国人に渡るってことよ。
Commented by 憑かれた大学隠棲 at 2009-10-19 15:51 x
今時の夫婦別姓と家業とか養子縁組の問題は別ですよね。弟者が一瞬だけ母方の実家の姓をつぐ可能性が検討されたり、大学入学を期に親戚に養子にいった友人はいますが、少なくとも一つ屋根の下に住んでいる未成年が双方の家の養子の都合とかも関係なしに別の名字、というのは違和感がありますので、兄弟首相の話は茶化しすぎでしょうw
ただ人口減少の下での名字の減少というのは非常に気になるところですね
Commented by めかちゅーん at 2009-10-20 16:29 x
横レス失礼します。

>板東αさん
>喪男・非モテ系はこちらと親和性が高い、というかミソジニーから反フェミニズムに至る人が多い印象があるんで、

まあ、右派喪男系の本音が「処女嫁よこせ!」にあるわけですから。
また、そういう右派喪男は「国に忠、親に孝」という価値観に親和性が高いため、なおのこと反フェミニズムに傾倒しやすいのではないかと思います。
多くの右派喪男が伝統を主張する際の基準は、高度成長期近辺の常識的結婚観にあるからでは?
Commented by 憑かれた大学隠棲 at 2009-10-20 19:02 x
十五でねえやは嫁に逝ったり祭りの夜(ry、なんていうのが「懐かしがる昔」だったんでしょうかねw
完全なブレードランナー症候群のように思います。まあそれ以上にフェミニズムがウザいから(ry
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:14
>無名さま
ああ、趣旨から行けば本姓のこと書くべきでしたね。補足ありがとうございます。中韓の姓と日本の名字の成り立ちが大きく異なるわけですね。本姓の観念は明治以降衰えると考えられますが、その要因は考えてみないといけませんね。
ご指摘のように、江戸時代でも名字を巡る状況は初期と中期で変わるし、地域差もあるだろうし、ひとしなみにはなかなか言えなさそうですね。
とりあえずこういう話をするなら、柳田国男『明治大正史世相篇』の「家永続の願い」くらいは読み返しておけばよかったのですが、時間がなく・・・
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:16
>?? 様
コメントありがとうございます。

ご指摘の第一点は、これは全くのタイプミスです。済みません。訂正しておきます。

ネガティヴ・キャンペーン云々は、いろいろ述べましたように夫婦別姓に関して反対論を述べるのに、結論が「日本を解体して、中国朝鮮と同じにしたいのではないのでしょうか」となっているのは、問題点を指摘するというより排外主義的な攻撃と解釈せざるを得ません。これをネガティヴ・キャンペーンと呼ぶ所以です。

在特会とチャンネル桜の関係については、在特会のサイトの桜井会長のプロフィールで、
「チャンネル桜(スカパー241ch)などに出演し主に朝鮮問題について問題提起し続けている。」
とわざわざ名前を挙げているくらいですから、密接な関係があるのだろうと推測するのに無理はないと思います。
http://www.zaitokukai.com/modules/about/staff/sikkou.html
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:20
>nekopon 様
せっかくのトラックバックを受け付けられず申し訳ありません。
当ブログは、リンクのないトラックバックの受付をはねる仕様になっておりますのでその関係かとも思われますが、当方から既に送ってありますから、大丈夫だと思うのですが・・・
トラックバックは何かの加減でうまくいかないこともあるようですので、お手数ですが再度送っていただければ有り難く存じます。
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:25
>坂東α氏
今は(ネット人格としては)亡き「覚悟」閣下を思い出しますね。
専業主婦は中産階級の証で、高度成長期による生活水準の向上と同時に得られたものですので、ご指摘のような憧れはあるのだと思います。だから女性の参加者も散見されたのでしょう。

>某後輩氏
小生がコメント返信を遅らせているうちに、谷垣総裁が靖国参拝しましたね。選挙の敗因をどう分析しているのか、さすがに心配になります。
「保守の終焉」でしたっけ、結構前に御厨貴先生がそんなこと書いていたかと思いますが、「保守」という看板を今更立て直すことに意味はやはりあまりなかろうかと思います。むしろそういう部分は平沼グループにでも押しつけた方が、党の再生にはつながるのではないかと。
まあ、参院選に波乱材料は今のところなさそうですね。

安部家と岸家は今でもそんな関係にあったんですね。ご教示ありがとうございます。
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:33
>ひで様
コメントありがとうございます。
小生思いますに、見えないところで陰口を叩く方がむしろ恥ずかしく、せっかくこのようなメディアがあるのですから活用することが望ましいかと。かといって、コメント欄が泥仕合になるのは面倒ごとですし、メールで喧嘩を売るのはやり過ぎでしょう。となると、トラックバックというのは、労力と効果の点で一つの妥協点としては有効だろうと思います。
実際、nekopon さんもトラックバックを送り返そうとして下さったわけですし。

>もっと勉強しろ。様
コメントありがとうございます。
小生は本文中にも述べましたように外国人参政権問題についてはよく存じませんが、一般的にいって、日本人が既に過疎化するほどの産業基盤もないような土地に、大勢の移民が定着することはそもそも困難であろうかと思います。オウムのサティアンと同列には論じられないでしょう。
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:41
>憑かれた大学隠棲氏
ようやく建設的なご批判を得て欣快の至りです。
で、ご指摘の通り別ですね。別ということが大事で、家業共同体が潰れて近代家族になったけど、いまちょっとそれも迷ってるねえ、という現状で、経緯からして復古を唱えるのは無理だけど(だって別になっちゃってるから)、しかしポスト近代家族の姿も小生にはさっぱり思いつきません。そこがこの論の弱点ですが、まあ夫婦別姓も一つのオプションに加えて、自身いろいろ手探りでやっていくしかなかろうと思っています。おそらく優れた「保守」の作戦としては、家業共同体の何らかの要素を抽出してポスト近代家族に適応する像を描くことになるのでしょう(もっともその像と夫婦別姓が背馳しない可能性もあります)。

あと兄弟の話は、親が子供に責任を持つからこそ、名字を別にする戦略もあり得るのでは、ということです。

(続く)
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:41
(続き)

名字の減少はどうなるのでしょうね。ラディカルに徹すれば、夫婦別姓に加えて「創姓」というのもあり得ますが、さすがにそこまでは・・・いや、過去にここまで増やしてきたんだから大丈夫? 絶家を復活させることはありましたので、家業亡き今でも、名字自体の継続にこだわりが残るとすれば、姓の選択の柔軟さは保守的な価値観から有効な場合もありえますね。

フェミニズム系の研究が、近代家族の成立を明らかにして「伝統の創造」の解体に貢献したという実績もあるのですが・・・分析ツールとしては有効でも、政治的教条にすると弊害が目立つのはマルクスに似ている、というまとめは乱暴ですけど。
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:45
>めかちゅーん様
コメントありがとうございます。横レス城東。

で、ご指摘の筋はまったくもっともだろうと思うのですが、だとすると右派系喪男の困難は余計解決されず、どつぼにはまっていってしまいそうですね。それは彼らにも周囲にもいいことではなさそうですが、といってどうすればいいのかは正直思いつきません。
Commented by bokukoui at 2009-10-21 00:47
↑諸事情により大阪環状線の歴史について記事を書いていたせいで、「上等」となるべきところが「城東」になってます。すみません(苦笑)
Commented by ?? at 2009-10-21 14:57 x
bokukoui様 ご丁寧なレス有り難う御座います。
ただ、どうも伝わってないようですね。私がお聞きしたかったのは「中国や韓国と同じに日本をする陰謀」と誰が言ったかと言う事なんですが。お教え下さい。
悪意で言葉の端を切ってつなげたとしか思えぬ言い回しです。独自性を語る時「~と同じになる」と言う言い方は建設的では有りません。
また、後半の在特会と桜の関係に関しては…余りな情報の古さに、主様がこうした動きにまるで無関心である事を思い知りました。
文句を言うつもりは無いのですが、やはり、こうした記事を書かれるなら、もう少し現状を見回してからの方が良いのではないでしょうか。
Commented by bokukoui at 2009-10-22 11:50
>?? 様
たびたびありがとうございます。

本文中にも書いたつもりですが、その趣旨はデモ隊が配布していたビラに依拠しています。その末尾を引用すれば、「(夫婦別姓の)本当の理由は、日本を解体して中国朝鮮と同じにしたいのではないでしょうか」と書かれています。

「悪意で言葉の~建設的では有りません」につきましては、ご批判の意味を解しかねますので、困惑するよりありません。上記のビラの文章の要約として、中国や韓国と同じに日本をすると書くことは(タイプミスはすみませんが)意味を変質させるものではないと思います。

在特会会長のプロフィールは、きちんと更新されているサイト上に現在掲載されているものですが、何か事情の変化でもあるのでしたら、ご教示いただければ幸いです。確かに小生の問題関心は、このような趣旨のデモに加わりそうな方向性の諸団体の個別動向にはありませんので、関心の軸足が異なる方には至らぬ所があるかも知れません。ただ、それらを解説するのが本稿の趣旨でもありませんので、労力を投入する合理性を感じませんでしたし、その程度に記述にとどめております。
Commented by 無名 at 2009-10-23 15:06 x
本姓の問題は苗字と姓を一本化するように、政府から働きかけがあったように記憶しています。
だからこそ、近衛、細川の繋がりが可能になったのでしょう。(本来であれば近衛家は、家礼関係にない他の藤原氏から養子をとるべきです。)

自民党についてですが、前大樹様(笑)が言っていたように、この二十年間でサブカルが主流となってしまったのでしょう。
Commented by bokukoui at 2009-10-24 23:29
>無名さま
なるほど、本姓が最も重要な場は朝廷であったかと思いますが、それが近代天皇制へ移行する過程で本姓の重要性が薄れた、というところでしょうか。

前大樹様(大御所とは呼ばれそうもない)のことも書きたいのは山々ですが、忙しくてどうにも。
Commented by deliciousicecof at 2009-10-30 04:04 x
今後もデモは続きます
Commented by bokukoui at 2009-11-08 23:39
>deliciousicecof 様
コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありません。
デモといえば、当ブログで長年報じておりますクリスマス・バレンタイン・ホワイトデー粉砕デモも、古澤書記長辞任(http://bokukoui.exblog.jp/12207232/)にもかかわらず今後も続きますので、ご関心がありましたら是非どうぞ。
Commented by hoshinoko at 2010-01-07 15:23 x
> 小生は外国人参政権問題についてあまり知識はありませんが、地方自治体の参政権についてはさしたる問題はなかろうと思います。デモ中、「外国人参政権は憲法違反」とプラカードを掲げた人がいましたが、小生が以前法律に詳しい方に聞いた話では、
・地方の外国人参政権は、与えたとしても憲法違反ではない。(国政は問題あり)

判決は明らかに違憲ですよ。また判決付帯文は裁判官の個人意見として地本参政権を与えるか否かについて検討しても良い言っているようですが、あくまでも個人的な意見です。

夫婦別姓については、在日韓国人などが強く求めていますが、これが可能なると、彼らは帰化して日本と結婚しても金とか李を名乗ることになるでしょうね。

とりあえず、選挙権(地方も含めて)は国民主権といってもいいくらいですから、簡単に「はいどうぞ」といっていい次元のこととは違います。

左翼とか右翼とかではなく、中国・韓国や米国とかでもなく、日本のことは日本人が決めるべきで、非外国人の発言権が強化されることに由々しき問題だと思います。日本海を東海と呼ぶ条例を制定することもできるのですから。
Commented by bokukoui at 2010-01-11 21:09
>hoshinoko様
コメントありがとうございます。

小生は本文にも書きましたとおりこの問題には疎いので、判例につきましては信頼する専門家に問い合わせて確認しております。今回も念のため再度確認を取りました。以下列記します。

で、「検討しても良い」が個人意見なのはご指摘の通りですが、判決そのものについて「違憲」との判例は存在していないそうです。憲法学の一部にそのような学説は存在していても、それが斯界において決定的な支持を得ているわけではなく、法の実務的な運用に影響を与えるものではありません。
従って、「明らかに違憲」と断定するのは、hoshinoko 様個人のお説としては結構ですが、客観的事実のように規定されるものではないと思わ」れます。

在日韓国人が帰化して結婚して本姓を名乗ったところで、帰化しているのであれば特段問題もないと思われます。

(続く)
Commented by bokukoui at 2010-01-11 21:10
(続き)

「日本のことは日本人で」というスローガンはこの問題の周辺で縷々見かけますが、日本や日本人の定義という極めて重大な問題があります。それを措いておくとしても、地方自治の理念からすれば「地域のことは地域の人で」との考えも成り立ちます。国籍より生活の根拠を置いていることを、地域レベルでは重視すべきということですね。

なお、国政は外国人参政権には含まれませんので、問題のある条例が仮に制定されたとしても法律でそれを規制することが出来ます。
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by bokukoui | 2009-10-17 22:53 | 出来事 | Comments(30)