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筆不精者の雑彙

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今日の東急デハ5001号の状況(54) 「渋谷芸術祭」と青ガエル

 前回からおよそ一月と、何とか間を開けすぎずにこの調査を行うことが出来ました(※取材日基準で記事の更新日を設定しておりますので、実際の更新日とは異なります)。
 今回は、何やらイベントがデハ5001号の周辺で行われていました。



 何しろ連休ですので、渋谷の人出はいつにも増して激しく、全体の写真をきれいに撮ることはまことに困難でした。とりあえず例によって全景を一枚。この写真はクリックすると拡大表示します。
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 明らかに、なにやら看板が掲げられているのが分かります。どうもデハ5001が何ぞのイベントのギャラリーとなっているようです。
 そのイベントは「渋谷芸術祭」というもののようで、デハ5001の脇にも看板が掲げられていました。
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 掲示の内容を読めるように拡大しておきます(下の写真はクリックすると拡大表示します)
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 写真の出来がいまいちで、ちょっと読みにくいところもありますが、まあ解読は可能な範囲と思いますので、ご諒承下さい。
 このイベントは、「芸術の街・渋谷」を育てるために「若者とアーティストの交流」を行っていたんだそうです。主催は「渋谷芸術祭実行委員会」で、後援が渋谷区、特別協賛が東京電力渋谷支社(支店ではない)だそうです。まあ最近、中の展示があまり変わっていなかったようなので、なにがしか有効な使い道が増えたと思えばいいことかもしれませんが、ただ気になるのは車輌へ与える影響です。
 東京モード学園制作らしい看板類は、以下のように車体に取り付けられていました。まず車体前面はこんな感じになっています。この写真もクリックすると拡大表示します。
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 周囲の風景が写り込んでいて分かりにくいんですが、運転台にディスプレイが設けられ、なにやら画像を流す仕組みになっているようです。
 ところで、正面向かって左上に張ってある「渋谷芸術祭」のステッカー? みたいのですが、どうやって張ってあるのかよく分かりません。手を伸ばして突っついてみた感触では、マグネットではなくテープの類のような気がしましたが・・・
 正面の窓の内側に張ってある横長の「渋谷芸術祭」のテープ状のは、こんな感じで張ってあります。
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 ・・・セロハンテープですね。うーん。

 車体側面にもでかでかと「渋谷芸術祭」の看板が掲げられています。
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 これの車体への取り付け方法は、マグネットを看板の裏に取り付けているようでした。
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 車輌の周りには、こんな扮装の人々がたむろしておりました。
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 で、車内の展示の様子ですが、こんな感じでした。この写真もクリックすると拡大表示します。
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 ディスプレイが設置されて何かアニメっぽいものが流れていたような記憶があります。また、中吊りに最近のラーメン屋や居酒屋のお品書きによくありそうな書体、つまり「相田みつお」的な書体で何ぞ書いてありました。しかしそれ以外のところは、昔の渋谷の写真という、このイベント以前の展示と変わっていないようです。
 そうそう、ディスプレイといえば運転台の中にも設置されていましたね。車内から見るとこんな感じです。
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 で、この映像展示には音声も附属していたようで、スピーカーも設置されていました。こんな感じです。
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 運転台のステップに見える棒状の白いものはタバコの吸い殻です。まったくもう。
 それはそれとして、このようにスピーカーが設置されていました。しかし、音声が流れていた記憶が小生にはありません。というか、このスピーカーと接続している運転台内部のディスプレイの画像自体、記憶に残っていません。何らかの事情で放映を中断していたのかも知れませんし、上の写真のように、そもそも運転台の窓に画像が映りこむので見にくいこと、雑踏しているハチ公前では多少のスピーカーからの音声などかき消されるであろうこと、など手法自体の問題もあるでしょうが、小生思うに、単に印象に残らなかっただけでしょう。早い話がこの「芸術祭」が大して面白いものとは思えず、デハ5000系のインダストリアル・デザインを超える印象を小生に対し与えるに至らなかったのです。
 もちろん小生は芸術に対する鑑賞眼をまるで持ち合わせておりませんので、意見を異にする方も多かろうとは思いますし、青ガエル以外の会場はもっと何かあったのかもしれませんが、率直な印象として、自治体が何か「それらしい」イベントをやるような場合、よくありそうな「つまらなさ」を感じたのです。ことに開港150周年のイベントの不振で市長が逃げ出した横浜の一市民として。おそらくこの「芸術祭」の「芸術」とは何ぞやという問いには、大野左紀子さんの著書『アーティスト症候群』がきっとよい手がかかりを与えてくれそうな気がします。

 さて、「渋谷芸術祭」関係の話が長くなりましたが、定例の車体の状況を見てみましょう。
 まず最初に、先月酔っぱらいに割られていた妻面のガラスですが、これは修理されていました。
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 これはいつのことなのか確認しておりませんが、今月のはじめには直っていたようです。さすがに安全上も問題があり、比較的迅速な手配が行われたものと思います。或いはこの「渋谷芸術祭」に間に合わせる意図があったのかも知れませんが。
 それではいつも通り、車体の前から要所をいくつか見てみましょう。

 まずは運転台寄りのドア周りを。
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 元々傷が多いところですが、大きな変化はないようです。
 今回はむしろこちらの、ドアそのものの傷に注意を惹かれました。
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 考えてみれば、いつもデハ5001が内部を公開している時にばかり来ているので、ドアそのものの様子を見たことが碌にありません。次回はそのあたりも考慮したいと思います。

 さて、ドアの戸袋窓周辺も傷みが目立つところでしたが、現状はこのような感じです。この写真はクリックすると拡大表示します。
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 錆が流れ出しているところは前回同様ですが、そこから少し離れた赤で印をつけた箇所にも、ひび割れのような傷が少し目立つようになってきた感があります。車体内部の窓枠が、ドアからの浸水などによって錆びているのでしょうか。車端部寄りのドアの戸袋窓については以前からこのような傷がありましたが、こちらのドア戸袋でも段々目立ってくるのでしょう。
 ついで、戸袋窓の次の窓です。
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 相変わらず傷から錆が流れ出しています。周囲にも、いくつか外板が盛り上がっているところがあるのは従前の通りです。もっとも目に見えて酷くなっていることはなさそうです。
 この右隣の窓の、同じ向かって右下の角はこのようになっています。
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 こちらは目立った傷がないのは幸いですが、周囲に外板が盛り上がっている箇所がいくつかあるのは一つ前の写真の窓と同じです。

 車端部寄りのドアに近い窓の下が、このように汚れていました。この写真はクリックすると拡大表示します。
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 何者かが白っぽい飲料か何かをかけたものと思われます(汚れはこの時点では乾燥していました)。「渋谷芸術祭」で人出があるんだから拭き取ればと思うのですが、それはともかく、この汚れに紛れて見にくいのですが、このあたりに元々あった目立つ傷に加えて小さいのが二つ三つあります(赤でマークしました)。小さな傷の数がちょっと増えた気もしますが、ここに寄りかかる人が特に多いのでしょうか。

 車端部寄りのドア周りはこんな感じです。
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 ここもそれほど変わった感じはありません。

 車端部寄りドアの戸袋窓は、以下のような感じです。
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 ここの傷は、錆の周りの塗料が少しはげて、錆がちょっと大きくなったように思われます。他も元々傷の多いところですが、それほどの変化はないと思われます。

 以上、破損が早期に修理され、その他の傷みが酷く悪化はしていないことは、好材料ではあります。また、いつも同じだった展示が、渋谷区のイベントの一環として活用されたことは喜ぶべきこととも思いますが、しかしそのイベントの内容とこのデハ5001との間にはあんまり関連が見いだせなかったのは少々残念ではあります。モニュメントとしてのデハ5001の意味が、このイベントの「若者とアーティストの交流」という目的と元々違っているといえばそれまでですが、思い返せばデハ5001を設置した元々の意味は、青少年健全育成のために「民間交番」なるものを作ることにあったわけで、若年層への教育的配慮だか要らぬお節介だかという点では、通底するものがないわけではない気も致します。
 なお、今「民間交番」という言葉を久しぶりに書いて思い出しましたが、その「民間交番」構想を言い出した、例のNPO「ガーディアン・エンジェルス」ですが、最近姿を見ないなと思っておりましたところ、この日の後刻お会いしたさる方に、この日彼らをデハ5001周辺で見た、という証言をいただきました。全く縁が切れたわけでもないようです。

 また、こんな記事が見つかりました。

「穂のか:『ファザコンだと思う』 渋谷芸術祭で1日駅長」

 車輌なのに駅長とはこれ如何に、というしょうもない茶々はともかく、「NPO」の関与というのは「ガーディアン・エンジェルス」のことなのかもしれません。
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by bokukoui | 2009-11-23 23:59 | [特設]東急デハ5001号問題 | Comments(0)