宗教教育いろいろ
例えば、首都圏の私立中・高校制服を、セーラー・ブレザーでタイプ別に分類すると、
中学:ブレザー59%、セーラー21%、その他20%だそうです。
高校:ブレザー81%、セーラー11%、その他8%
セーラー服は(少なくとも首都圏では)ここまで少数派なんですね。
高校生と比べて中学の方がセーラー率が高いというのも興味深い点です。子どもっぽいとか、着こなしが難しい(やりにくい)といったことから、高校生くらいになると人気が下がるんでしょうか。適当な推測ですが。実際、中高一貫校で中学がセーラー、高校がブレザーという学校はいくつもあります。制服による学校のトータルイメージ形成という点では不利のようにも思われるのですが、それ相応の理由があるのでしょう。
さて、「女の子のための『学校選び』ABC」という記事では、ポイントの一つとして「宗教系にするか、無宗教にするか」ということを挙げています。そして、参考として宗教系の学校を女子校・共学校それぞれ具体的に列挙しているのですが、その分類が以下のようになっています。
・キリスト教系(カトリック・プロテスタント・その他)これを見ると、女子校の数についてカトリックとプロテスタントはだいたい同数で張り合っているものの、共学校になるとプロテスタント14校に対しカトリックは僅か1校(暁星国際)と極端な差がついています。そこらへんがカトリックのカトリックたる所以なんでしょうが。
・仏教系
・その他の宗教
ところで、「その他の宗教」は女子校・共学校それぞれ1校づつしかありません。
女子校(その他の宗教):佼成学園女子・・・立正佼成会も創価学会も、元を辿れば法華宗系統のはずなんですが、まあ「その他の宗教」なんでしょうねえ・・・
共学校(その他の宗教):創価
と、ここで筆者は、この分類と挙げられた学校にふとある疑問を抱きました。
「國學院大學の附属の学校は、『神道系』という宗教系の学校ではないのだろうか」
この本によると、國學院と名のつく学校は、國學院高校・國學院大學久我山(中・高)・國學院大學栃木(中・高)と三校もあるようです。どの学校もはっきり神道とは謳っていませんが、日本の伝統やら道徳やらがどうこうとそれらしいことを標榜しているし(久我山のサイトは書いていませんが・・・)、國學院高校は入学式の翌日に新入生を校長が引率して明治神宮に学業成就を参拝するそうで、神道と縁がないとは言えないようですが、どうなのでしょう。
編集部はもしかして、戦前の政府みたいに「神道ハ宗教ニ非ラズ」とか思ってたのでしょうか(宗教行政一般は文部省が扱っていましたが、神道は内務省神社局が管轄していました。大日本帝国憲法は信仰の自由を一応認めていましたが、神道は宗教ではないのでその埒外と解釈していたのです)。この本の出版社は・・・あ、『ムー』の学研か。
どうでも良いですが、制服はこの三校に全く統一性はありません。久我山だけがセーラーで、しかも中高ともオーソドックスなセーラー服です。渋谷で時折見かけますね、そういえば。スカーフが赤いのが中学、黒いのが高校だそうな。ちなみに共学ではなく「併学」だそうです。
あるいは日本教とは即ち神道であり今さら特筆すべきことでもない、とか。
國學院高校は神道を多少意識しているようですが、國學院久我山(学校としてはこっちの方が馴染みがあるような気もしますが)は余りそういったことを謳っていない感じがします。また、國學院高校は國學院大に卒業生の四分の一近くが入学しているのに対し、久我山は一割以下です。