茨城の鉄道の話題~「メイドトレイン」にローカル鉄道観光化を思う
そんなわけで、何事も思うに任せませんが、前回の記事に引き続き備忘的・・・でもないようなネタに出くわしたので、埋め草に。
茨城県にあったローカル私鉄は近年日立電鉄・鹿島鉄道が相次いで姿を消しましたが、それに続くかと思われた茨城交通は地方自治体の出資を得て、ひたちなか海浜鉄道として再生しました。で、同社と、以前からの茨城の第3セクター鉄道である鹿島臨海鉄道とで、来月以下の如きイベントを行うようです。
うーん。
どういう層を狙ったイベントなんだろう。一般客も当て込んでいるようでもあり、「社長を囲む会」なんてのもあるところを見ると相当濃いめのようでもあり。
「列車を使ったメイド喫茶」とページタイトルにありますが、イベントの細目を見ると、貸し切り列車の運行や、「メイドさん」の車内販売とか、そういったもののようです。
どこともご多分に漏れず3セクは経営状況が厳しいでしょうから、外部から持ち込みのイベントで多少なりとも収入があれば、ということとは思いますが、この組み合わせはどうなのかしらん。休業中とはいえメイド方面にも手を出していた者としては、多少微妙な感なきにしもあらず。自称「正統派」としては、メイドさんと組み合わせるなら蒸気機関車でないと、などとは思います。そういえば、昔作った同人誌に載せた19世紀英国のマンガで、婦人子供向けサービスを展開していたミッドランド鉄道を諷して、女性の車掌兼保母さんもそのうち登場するだろう、というのがありましたが、その絵はメイドさんが車掌の帽子を被った出で立ちでした。
閑話休題、サイトを見ると、BS VISUAL という、鉄道関係の映像作品を制作している会社の、来月限定の企画のようです。本業とどう結びついているのかはよく分かりませんが。ローカル私鉄支援としては、単発ものの企画より、ある程度継続してリピーターを招かないと、手間の割には収入が少ないのが通例ではないかと懸念します。
こういう鉄道イベント自体、地域振興に繋がるかは正直よく分かりません。鉄道趣味者に一大勢力を占める写真撮影派は、自動車で撮影地に乗り付け撮ったら帰ってしまうことが多いので、鉄道どころか地元に一文も落とさないケースも珍しくないと思われます。そこで対策として、海外ではフォト・ラン・バイといって撮影者を先ず列車に乗せ、沿線の撮影好適地で停車して撮影者を降ろし、然る後に列車はバックして撮影用にもう一度走る(蒸気機関車の場合はここぞとばかりに煙を上げる)というのがよくありますが、日本では難しそうですね。保安上の理由が一つ、それから日本の地形上好適撮影地は必ずしも線路沿いではなく、線路から谷を隔てた山の上だったりするので。
乗りに来る連中はもうちょっとマシですが、それにしたって切符代捻出のために食費切り詰めは通例の連中ですので(笑)、地域振興には限りがあるかなあと。理想的には、鉄道自体の維持にグッズを買いあさるマニアを集め、同時に一般観光客も集めて地域の観光振興に繋がればいいのですが。
全く適当な思いつきをついでに書いておくと、鉄道の官公吏用、もとい観光利用(我ながらすごい誤変換だ・・・)を介して地域にお金を効率よく落とさせるには、酒を呑ませるのが良いのではないかと小生は思ったりしています。客単価を簡単に上げる方法だし、何より自家用車利用者に対し鉄道が優位に立つ方法だし(笑)。車内で酒を呑まれるのが嫌さにJR東日本は701系を投入した過去の実例からすると、困難も伴いそうですが。
こんなことを思ったのは、別に「鉄道むすめ」の久慈ありすの好物がホヤだったから、というわけではなくて、内田百閒と宮脇俊三の作品を併読すれば、両者の共通点は車内で呑んでいることだから、です。
例によって話が逸れまくってますが、来月の該当時期までに諸事の目処が付けば、比較的近隣だし、鹿島臨海鉄道の新鉾田以南は乗ってないし、小生も廃線直前に乗った鹿島鉄道の痕跡も最近探訪した知人のブログによれば案外残っているようで、茨城方面に出かけてみようかとも思いますが、大体こう思っても実現した試しはあまりないのが遺憾ながら近年の状況ではあります。