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筆不精者の雑彙

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講演会「第一次世界大戦における海軍と外交」@五月祭 無事終了

 先日来当ブログでも告知に努めておりました、東大の五月祭での講演会「第一次世界大戦における海軍と外交」が昨日無事終了しました。
 正直告知が後手に回ったので、どれほどの来場者があるか心配だったのですが、蓋を開けてみれば満員御礼といっても良いくらいの入りで、まことに嬉しい結果となりました。
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講演会の様子 聴衆で一杯の教室

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受付の様子 大きなポスターが人目を惹き、撮影する人も

 上の写真は肖像権を考慮して、ちょっと小さめのサイズに調整してありますが、会場の入りの具合はお分かりいただけようかと思います。12時半の開始時点ではやや入りが少なく、知り合いの顔が目立つ感じもありましたが、幾ばくもなく会場はご覧の通りになりました。学園祭の一環ということを考慮し、入退場自由なのは勿論、三つの講演毎に長めに休憩を取って出入りしやすくしましたが、かなりの方が全ての講演を聴いて下さったようですし、また講演の途中で中座される方もほとんどいませんでした。それだけ、皆さん講演を面白く聞いて下さったのだと思います。これほど成功と言えることはありません。
 素晴らしい講演をして下さったいぎしさん・新見さん・大塚さんと、企画の黒幕の金剛会諸氏、そして聴衆の皆様に感謝申し上げる次第です。

 さて、もし期待して下さった方がおられましたら申し訳ないのですが、前回の講演会については当ブログでレポを掲載しましたが、今回は諸事多忙につきレポが掲載できませんことをお詫び申し上げます(都条例関係のイベントレポより、講演会のレポを書いた方が、当ブログの読者層にとっては良いのかも知れませんが・・・)。今回はまた、小生が司会や案内などいくつかの業務を講演会中行っておりました関係で、メモを全く取れていないのも理由です。
 司会は成り行きで務めることになってしまった(誰かに押しつけるつもりが忘れていた)のですが、要領の悪さで講演者や聴衆の方々にご迷惑をかけなかったか・・・質疑応答の時、見落とした質問希望の方はいなかったと思いますが。質疑と言えば、今回の講演会でも結構多くのご質問を聴衆の方からいただきましたが、この手の講演会でありがちな(苦笑)自分語りとか始めてしまう困った人がおらず、よく講演を聴いた上で発せられた質問ばかりだったのは、この講演会の成功をもっとも良く表していると思っています。それだけ聴衆の方にも講演の面白さがよく伝わっていたわけで、喜ばしい限りです。・・・余計な話をしたといえば、司会者がついスション提督の敗戦時のエピソードなどついでに紹介してしまったりしましたが、ぶちこわしになっていなければ幸いです。
 講演の内容については、なにがしかの形で纏めて提供することも考えられておりまして(実現するか不明ですが)、気長にお待ちいただければと思います。

 さて、以下ちょっと五月祭関連の余談など。



 29日に「第一次世界大戦における海軍と外交」の講演会が行われましたが、五月祭は翌日も行われ、そこでも船とか外交とかに関係ある講演が行われていました。一つはこんなの。
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 北岡伸一先生による、いわゆる「密約」問題に関する講演会ですね。行きたいのは山々だったのですが、所用山積で思うようにいかず残念でした。個人的にはこの問題は、政府機関の情報公開についての認識を深める意味もあったかと思っていますので、歴史やってる者としては聞いてみたかったのですが・・・
 で、外交に関するこのような講演会があれば、船のこんなポスター(?)を掲げた講演会も30日にやっていました。
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 ・・・あ、船は関係ないか・・・。これが、著名エロゲ―メーカーの代表・メイザーズぬまきち氏の講演会『R-18ゲームは、現実社会といかに共鳴しえるか?』の案内であったことは言うまでもありません。ちなみに会場となったのは工学部の建物で、そこではロボットの実演展示もやっていて、子供達が喜んで操作して遊んでおりました。そのすぐ横を、大きなお友達とかnice boat. なコスプレをしたお姉さん(衣装は同社提供らしい)とかがうろうろしているあたり、社会と共鳴していたのかもしれません。

 理系の展示には結構面白いものがありましたが、小生が面白かったのはマテリアル工学科がやっていた「たたら製鉄」でした。製鉄は軍艦や鉄道と密接な縁がありますね(笑)。で、建物の中庭に炉を築いて、鉄を作っておりました。毎年やっているそうですが、小生は初見でした。
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 最初、「たたら製鉄実演中」と聞いて、運動会のマッチョなお兄さん達がたたらを踏んでいる姿を一瞬妄想しましたが(笑)、送風は電動の送風機で近代化されていました。耐火煉瓦を積んで炭を燃やし、砂鉄を溶かして製鉄しているそうです。もっとも高温の所では1500度にもなり、炎は黄色というより白に近くなっています。耐火煉瓦も溶け出すそうで、炉の上の方に積んである煉瓦に黒っぽいものがあるのは、前日の操業で溶けて黒くなった耐火煉瓦を中(炉の中で溶けた)と外(こっちは溶けてない)を入れ替え、比較的温度の低い上の方に使ったそうです。
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 文字通り、見ていて「燃える」実演でした。ちなみに約15キロの砂鉄に百キロ近い炭を使って、出来る鉄は10キロ弱だそうです。『もののけ姫』でもないですが、そりゃ森もなくなりますね。うろ覚えですが、今の高炉では1トンの鉄を作るのに必要なコークスが、確か0.8トンくらいまでに節約されているそうで、技術の発展の歴史を感じます。

 他にも、「マイクロマシン」の研究をしている研究室もあったりして、
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小生はこれで「青空にとおく酒浸り」の実現も近づいたのかと見当違いな感慨に耽っておりましたが、そういえば早くも2巻の発売が遅れていますが今週には出るそうで、それはともかく、やはり学祭たるものこうでなければとの観を深くしました。
 歴史の方でも、史料編纂所のお宝公開とかできればいいのになあとか、近代史専攻であんまり同所と縁のない小生は気楽に思ってしまいますが、いろいろ手が足りないなどの問題もあるのでしょう。そのように、身近に普通の人に見て貰うことの意義は、決して小さくないとは思うのですが。

 ですから今回の五月祭の場で、ささやかながら戦史研では、講演会という形で歴史の面白さを広く知って貰えたことは、大変有意義なことと思っております。改めて関係各位に御礼申し上げる次第です。
 で、次は・・・?
Commented by かきつばた at 2010-06-01 22:18 x
私は萌えました。
Commented by bokukoui at 2010-06-02 13:54
「ものづくり萌え」な人が増えると、経済成長だのイノベーションだのを抜きにしても、良いことだと思います。
Commented by めかちゅーん at 2010-06-03 12:58 x
体が5体あれば拝聴したかったです。
Commented by bokukoui at 2010-06-04 23:15
>めかちゅーん様
ご多忙な日に重なってしまって残念でした。また機会がありましたら宜しくお願いします。
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by bokukoui | 2010-05-30 23:59 | 歴史雑談 | Comments(4)