小ネタ:白棚線の定期券
先日、小生はある方に「白棚線(はくほうせん)」のごく最近の定期券を見せていただきました。白棚線というのは、検索するなりリンク先でも参照して貰えばいいのですが、むかし福島県の白河と棚倉を結んでいた白棚鉄道という会社が国有化されて白棚線となったものの、戦時中に不要不急として撤去されてしまい、戦後復活を諦めて線路跡をバス専用道路として整備し、国鉄バスを走らせたというものです。ローカル線の珍しいあり方として、国鉄改革時のローカル線廃止問題の際などに注目されましたが、分割民営化後はまた話題に上ることも少なくなり、ただ鉄道・バスのマニア筋では時折、最近は並行道路が整備されて廃線敷転用の専用道路区間は少なくなったらしいとか、そんな噂を聞くばかりでした。
で、たまたま先日、小生はかつての白棚線、現在JRバスが運営しているそれの、定期券を見せていただきました。以下に写真を掲げます。
ウィキペディアの「白棚線」の項目にも「利用者の多くは高校生」とある通り、これは沿線の高校に通っておられた方の通学定期券です。
で、白棚線バスは現在新幹線の新白河駅にも乗り入れているそうなので、同駅発行の定期券があることは当然ですが、自動改札にも通すような素材のカードに、駅名と路線名のハンコを押して定期券を拵えているところが面白いですね。機械で発券した定期券にハンコを押している訳ですが、機械で出力する際はどういう扱いになっているのでしょうか。
それにしても、通学定期で1ヶ月2万円弱とは地方のバス経営の厳しさを反映する数字ですね(それでもJR系だから特に高い方ではないと思いますが・・・)。昨日の記事にかこつけて言えば、交通権を遍く保障することの現実的な難しさを表している数字ともいえるでしょうか。この発券手法も、精一杯の合理化の反映なのかもしれません。
末筆ながら、情報提供者の方に感謝申し上げます。