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筆不精者の雑彙

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さよなら交通博物館(10) 万世橋駅等の遺構と再開発工事

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交通博物館跡の工事現場の囲い越しに望む中央線最後の201系編成
(2010.10.9.撮影)

 前回の報告で交通博物館の建物が完全に撤去されたことをお伝えしました。それから3ヶ月以上の時間が経過しましたが、その間も多少は観察を続けてきましたので、今回まとめてご紹介します。アクセス解析を見ると、今でも「交通博物館 解体」という検索ワードでお越しになる方も結構おられるようで(ちなみに「宇治電ビル 解体」という検索ワードによる該当記事への来訪も結構多いです)、関心を持たれている方も少なくないようですし。





 それでは、時系列に沿ってご紹介していきます。まずは前回の報告の直後の、6月末の様子を。
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南側の交差点から見た全景(2010.6.26.撮影)

 毎度定番の角度ですが、さすがにここから見る様子では、前回の報告との変化はあまりありません。
 しかし、塀の中を見ると、これは明らかな変化が見て取れるのです。
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南東側から塀越しに見る(2010.6.26.撮影)

 前回の報告の、同様に塀越しに撮った写真と比べていただければ分かるのですが、工事用の資材や車輌などが大部分片付けられており、更地の広さが目にしみる情景になっています。撤去工事は終わり、再開発の建設工事に移行しつつあるのでしょう。
 同様の写真で、反対の御茶ノ水側から撮ったものも掲げておきます。
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西側から塀越しに見る(2010.6.26.撮影)

 このように、撤去工事がおおむね完了したお陰で、煉瓦造りの中央線高架橋および万世橋駅の遺構は、比較的撮りやすくなりました(もっとも塀越しに当てずっぽうで撮っているのですが)。こんな感じです。
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南西側から見る 残された機材と煉瓦の構造物(2010.6.26.撮影)

 一部の機材がまだ残されていますが、背景の構造物に注目していただければ、おそらく旧万世橋駅の遺構の一部であろう階段らしきものが見え、また煉瓦アーチの内側がコンクリートで補強されているらしいのが見えます。
 かつての万世橋駅といえば、その遺構は一部交通博物館の倉庫なんかに使われていたわけですが、その様子を神田川の方から見てみます。
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万世橋から望む交通博物館の倉庫だった煉瓦積み高架橋(2010.6.26.撮影)

 この構造物は、前回の報告では中でまだ何か作業が行われていたようで、窓が開けられてその中になにやら機材がある様子が伺えましたが、一週間後には窓はすべて閉じられ、作業も終わってしまったように思われます。


 6月末の状況はこの辺にして、今度はその一ヶ月後、7月末の状況をご紹介します。 
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南側の交差点から見た全景(2010.7.31.撮影)

 まずは定番の位置ですが、特に変化は一見なさそうです。しかし、細かい話ですが現場の塀の高さが少し低くなっているので(上の写真で人が立っているところの、道案内の看板と塀の高さを比べてみて下さい)、内部の様子が比較的撮りやすくなっていました。ので、以下に塀越し撮影の画像を並べてみましょう。
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南側から塀越しに高架橋を望む(2010.7.31.撮影)

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煉瓦の高架橋に万世橋駅や交通博物館の遺構と思われる階段や空間が見える
(2010.7.31.撮影)
※この写真はクリックすると拡大表示します

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辛うじて残る交通博物館入り口の遺構(2010.7.31.撮影)
※この写真はクリックすると拡大表示します

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万世橋駅の階段や交通博物館の遺構らしき箇所を南側から見る
神田川に面した窓が僅かに見える(2010.7.31.撮影)
※この写真はクリックすると拡大表示します

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旧万世橋の階段と思われる箇所をズーム(2010.7.31.撮影)

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同じく交通博物館関係のスペースだったと思われる箇所をズーム
(2010.7.31.撮影)

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同じあたりを角度を変えて南西寄りから見る(2010.7.31.撮影)
※この写真はクリックすると拡大表示します

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南西側から全景を見る(2010.7.31.撮影)

 このように、博物館が撤去されたため煉瓦積み高架橋の周辺はいろいろと伺うことが出来ました。基本的には博物館に隠れていた旧状が陽の目を見たというところですが、煉瓦の高架橋にも一部手が加えられているようです。その模様を、道路から一番近い西側のアーチを対象として、撮影してみました。
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煉瓦の高架橋アーチのコンクリートによる補修具合をズーム
(2010.7.31.撮影)

 今ちょっと出典のサイトがどこだったか思い出せないのですが、確かJR東日本の発表では、この交通博物館跡地に建てるビルには、商業施設(レストランだったっけか?)として煉瓦アーチの下の空間を活用する計画があるそうで、この補強工事はそれに関連したものなのかもしれません。折角なら煉瓦の天井を生かした方が望ましいですが、安全上の問題でしょうか。中央線から201系が引退すれば、高架橋上を走る電車が軽くなる分、煉瓦にかかる負荷は減少しそうですが。まあ、また埋めてしまうのではなく生かそうとすることを前向きに捉えたいと思います。
 なお、前回の6月半ばの報告で触れた胡乱な張り紙は、この7月末の時点では剥がされていました(6月末の時点ではそのままでした)。


 さて、その後の様子も簡単に紹介しておきます。
 まず、7月末の調査の次に、8月上旬に行った際はこのようになっていました。
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南側の交差点から見た全景(2010.8.7.撮影)

 一見あまり変化がないようですが、いかにも工事現場らしいゲートが二カ所に設けられていました。
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南東側のゲート(2010.8.7.撮影)

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南西側のゲート(2010.8.7.撮影)

 この時点では、ゲートこそ出来たものの、まだ大きな変化はありません。


 その後小生はいささか沈滞気味になって足が遠のいておりましたが、その一月後の9月半ばに訪れた際の情景は以下の通りでした。
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南側の交差点から見た全景(2010.9.11.撮影)

 工事現場の囲いに明らかな変化が生じています。囲いの高さが上げられ、周辺への塵埃の飛散を防止しているようですが、ゲートの構造変更もあって、これまでのように塀越しや門の隙間越しに中の様子をうかがうことが、極めて難しくなってしまいました。
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南西側のゲート(2010.9.11.撮影)

 写真では分かりにくいのですが、敷地の西側に飯場だか事務所だかのような仮設の建物が建っているようです。


 そして更に一月後のつい先日は、このような状況でした。
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南側の交差点から見た全景(2010.10.9.撮影)

 たまたま雨模様で、雨滴にフラッシュが反射してしまってお見苦しいところはご容赦下さい。
 塀が相変わらずなので、残念ながら中の状況はなかなか分かりません。
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南東側のゲート越しに工事の模様を望む(2010.10.9.撮影)

 大型の機材が入り、工事が新たな段階に進んだことが伺われます。
 角度を変えてもう一つ。
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南西側から全景を見る(2010.10.9.撮影)

 この角度ですと、敷地内に立てられた工事用建物の存在がおわかりいただけようかと思います。

 この日、たまたま交通博物館跡地に向かっている途中、ちょうど蕎麦の名店「まつや」のあるあたりを折れて、交通博物館跡地と中央線の高架が目に入ったちょうどその時、中央線最後の1編成となり、今度の17日で引退らしい201系電車が走り去っていくのが見えました。残念、あと数分早ければ写真が撮れたのに、と思ったところでハタと気づきました。あれは上り列車だからすぐ東京駅に着いて折り返してくる筈。というわけで待ち構えて撮影したのが、本記事冒頭の写真です。待ち構えていた割には出来映えがあれですが・・・まあ、あと一週間も経たずに見納めとなるところに免じて、ご笑覧下さい。
 そして本記事の締めも、冒頭の写真に引き続いて撮影した写真を掲げ、中央線201系最後の姿と同時に、交通博物館跡地の工事の現況を示すこととします。
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南西側のゲート越しに中央線の201系電車を望む(2010.10.9.撮影)
※この写真はクリックすると拡大表示します

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by bokukoui | 2010-10-11 23:59 | [特設]さよなら交通博物館 | Comments(0)