【自分用メモ】東日本大震災に伴う図書館の開館状況など
そんなことはともかく、作業を平常に戻そうとした時に立ちふさがっている意外な壁が、図書館でした。震災そのもので建物が壊れたといった被害は、東京近辺では液状化した埋立地や天井の崩れた九段会館でこそ伝えられましたが、それ以外にはあまり聞きません。ところが建物の中はそうはいかず、特に図書館は本が散乱して大変なことになったところが少なくなったようです。
聞いた所では、大学でも震災直後、理系は実験装置の電源を入れることをやめ、研究中止の状態になっていたそうです。その点文系は大丈夫かと思ったら図書館が如上の事情で閉まっており、やっぱり中止状態になってしまいました。大学当局が「不要不急の登校や活動は控えるよう」旨をサイトに掲載し、ならば小生の研究なぞ不要不急だから自粛すべきかと引き籠もっておりました。不要不急って言葉はいやですね。
とまれ、新年度が始まり、まもなく震災から一ヶ月、首と背中は痛むけど、もうちょっと活動せねばならぬと自分の行動範囲内での図書館の状況をまとめてみます。
なお、震災による図書館一般の被災状況については、以下のサイトが情報を集約しております。
・SaveMLAK
先月までの情報はsavelibrary @ ウィキが集約していたようですが、こちらも上のサイトに移行しました。
資史料については歴史資料ネットワークをご参照下さい。募金も集めてます。
では、「被災地」ではないけど計画停電だなんだで東京近辺の図書館の機能がどう低下しているか、現状を見ていきましょう。
◆国が運営する図書館・文書館
◇国立国会図書館
いわずと知れた日本の図書館の親玉。しかし地震で結構なダメージを受けてしまったようです。マスメディアもこう伝えています。
・国会図書館の120万冊、震災で落下 復旧作戦が進行中
120万冊とは、気が遠くなりそうな話です。小生が国会図書館の憲政資料室でバイトされている方に伺った話では、国会図書館の書庫はビルになっていて、その上の方の階ほど酷く揺れて本棚から本が飛び出したのだそうです。そのため下の階に仕舞ってあったという雑誌類は問題なく出納できても、上の階の本はダメなのだそうです。
何がどうダメかは以下を参照。
・東日本大震災/サービスの臨時変更・関連情報
・東京本館でご利用いただけない資料について
◎ご利用いただけない資料開館時間は従来の平日19時までが17時までに短縮されています。この状況は先月から変わっておらず、片付けが進んでいないのでしょうか。開館して通常業務と並行しているから大変だろうとは思いますが・・・
図書資料のうち、
・おおむね1988年(昭和63年)~2002年(平成14年)受入の和図書
・1968年(昭和43年)以降受入の洋図書
ちなみに先日行ってみたところでは、節電のために照明の一部を落とし、検索端末も半分休止していたほか、コピーカウンターも新館の方しか開いていないようでした。
◇国立公文書館
震災からしばらくの間閉館していたが、現在は既に通常営業。もとから閉館が早い(17時)。
ただし、展示会を行っているコーナーが、平日20時まで開いていたのが17時半までになっている。
◆公立図書館
◇東京都立中央図書館
平日開館時間を17時半までに短縮。
◇都立多摩図書館
平日開館時間を17時までに短縮。
神奈川県民なものであまり都立図書館とは縁がないのですが、参考までに。
◇神奈川県立図書館
平日開館時間を17時までに短縮。
◇神奈川県立川崎図書館
・計画停電・地震の影響に伴う対応(社史室の運営等)について
●節電のため、当分の間、県立図書館、県立川崎図書館は17時で閉館し、開館時間内も節電のため閲覧に支障のない範囲で照明を絞っています。神奈川県民なのでこっちは行くことがあります。特に経済史をやっていると社史室は有り難く、最近は何度か使っています(その辺の事情は後述)。
●また、県立川崎図書館は計画停電の第4グループに入っておりますので、停電の時間帯は休館いたします。ご不便をおかけいたしますが、ご理解、ご協力をお願いいたします。
●「社史室」は室内の安全維持のため、当分の間、休室いたします。なお、社史室の資料は、職員が出納しますので、通常通り閲覧、貸出ができます。1階、3階の各カウンターにお申込みください。
(以下略)
ところで、神奈川県立図書館の本館は横浜の中心部にあり、計画停電の対象外となっています。東京23区同様、横浜市の中区や西区も停電の対象外なのです。それは何となく判る気もしますが、一方川崎市の中心部、川崎駅至近にある県立川崎図書館は停電対象です。同じ政令指定都市なのに扱いが違ってますね。県庁があるかないかの違い、よりは工業地帯との関係による送電網の違いでしょうか。
◇横浜市立図書館
開館時間を17時までに短縮。
横浜市民なので時折利用してます。
◇埼玉県立図書館
・平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響について
やはり開館時間を17時までとするほか、3館とも計画停電対象地域で、それによりネットからの蔵書検索も止まることがある模様。
◇さいたま市図書館
・計画停電に伴うさいたま市図書館開館予定について
開館時間は短縮しているようだが18時まで。イベントは4月いっぱい中止。
埼玉の図書館は使ったことがありませんが、知友に埼玉人が何人もいるので参考までに。18時までやってるさいたま市図書館は立派。しかし何故「さいたま市立図書館」じゃなくて「さいたま市図書館」なんでしょう?
◇千葉県立図書館
・東北地方太平洋沖地震に伴う県内図書館等の対応状況
↑4月2日現在のもの、pdf ファイル。千葉県内の図書館の状況が網羅されている。
県立図書館の状況は以下の通り。
●千葉県立中央図書館は、東北地方太平洋沖地震により、施設・設備に被害を受けました。このため施設の安全性が確認されるまで当分の間、臨時休館させていただいております。利用者の皆様に大変な御迷惑をお掛けいたしますが、何卒御理解いただきますようお願いいたします。千葉も埼玉同様、小生が行くことはなさそうですが知友がいるので掲載。今回の震災はどうしても被害の深刻な東北方面に目が向きがちですが、千葉県も相当なダメージを受けていることが判ります。
*休館中の資料の利用についてはこちらを御覧ください
なお、開館の見通しにつきましては、4月上旬に専門業者による建物の安全点検を実施することとしており、その結果施設の安全性が確認された段階で開館する予定です。開館については、決定次第4月中旬を目途にホームページにてお知らせいたします。
●西部図書館、東部図書館は、当面の間、安全確保と節電のため、開館時間を9時から17時までといたします。
◆東京大学関係
・休館のお知らせ
全体のお知らせ。ただし3月31日現在。
◇総合図書館
・4月以降の開館について
今月10日までは平日17時閉館、土日祝閉館。それ以降4月は平日は19時、土日祝は16時まで。5月以降は平日は同じ、土日祝17時まで。段々伸びては行くようですが、22時まで平日開いていた従前の体制に戻るのは当分望めないようです。
◇駒場図書館
・4月~6月の開館時間変更のお知らせ
本郷とは微妙に違って、今月7日までは19時閉館、それ以降は平日19時・土日祝17時閉館。
◇経済学部図書館
・4月4日(月)以降のご利用について(図書館・資料室)
■ 開館時間これが小生個人にとって最大の問題。所属は人文社会系でも、やってることが産業史な小生は、大学に行って経済学部図書館に行かないことが滅多にない、大概の経済学部生よりよっぽど通っている、というか入庫許可を取って書庫にしょっちゅう入り込んでいます。研究書や学会誌以外にも、各種統計・要覧類、翻刻された資料類、社史、営業報告書、古い雑誌(『東洋経済新報』と『ダイヤモンド』が殆ど揃っている)、と所蔵しているもので、何をするにもまずここへ足を運び、ない時に他へ行く、というパターンで行動しておりました。それがそれが、経済学の院生じゃないとダメだなんて・・・通った回数と時間なら引けを取らないと思うのですが。
経済学図書館 9:00~17:00
※ 平日のみ。館内整理日・規則に定められた休館日を除く。
経済学部資料室 10:00~16:30
※ 平日のみ。
■ 利用対象者
経済学図書館・経済学部資料室とも以下のとおりです。
* 経済学研究科に所属する教員・大学院生
* 経済学研究科・経済学部で開講される講義等を担当する他部局の教員
※ 経済学部に所属する学部学生、他部局に所属する教員・学生は返却(経済学図書館所蔵分・[経済学部所属学部学生のみ]他キャンパス図書館・室所蔵分)のみ受け付けます。
(以下略)
とはいえ、このような被害状況では当面やむを得ますまい。問題はいつ再開するかですが、経済学部・経済学研究科自体、講義の開始を一月遅らせるそうで、そうすると最悪連休明けなんてことも・・・それでは小生の研究あがったりです。え? どうせ「不要不急」な研究だろうって? うう。
最近神奈川県立川崎図書館に行くことがあるのは、経済学部図書館が使えない代替策の一つです。
◇文学部図書室
・4月以降の開室予定について
7日までは16時半閉館、それ以降は17時閉館。5月以降は未定。普段よりは閉館が早いが、開いてはいます。
◇社会科学研究所図書室
・東北地方太平洋沖地震による被害(書庫の写真)
2011年3月14日(月)~4月28日(金) 臨時閉室します被害が相当に大きいようです。耐震補強工事してたと思ったんですが・・・ここも比較的使うので個人的に衝撃が。
以降の開室予定は未定です。決まり次第掲載します。
地震により書架から落下した図書が多く、また、建物の安全確認も必要ですので、長期に臨時閉室する予定です。ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご了承ください。
◇法学部図書室
地震と関係なく工事で休館中。東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター(なんて長い名前だ)、つまり明治新聞雑誌文庫と原資料部は通常通り開いているので(元々17時までしかやってない)、個人的にはこれは安心。
◇大学院情報学環・学際情報学府図書室
みんな大好き? 情報学環の図書室は平常通り。
とりあえず、小生の行動範囲内で比較的頻繁に行きそうな図書館は学内でこの程度です。しかし一覧を見れば判るように、東大に図書館・図書室はまだまだたくさんありますので、ご関心のある方は各自ご確認下さい。それにしても学内の図書館でも結構対応ばらばらな所がらしいというか。
これだけの図書館、卒業までに全部足を運んだ学生はいるのでしょうか? スタンプラリーでもやってもいいくらいだと思います。全部利用した学生に総長が記念品贈呈していいくらいじゃないかと。
◆おまけ
◇法政大学図書館
・4月1日~5月5日の図書館の対応について
なぜか小生の友人に法政大学の院生とか(元)学生が目立つので(笑)。やはり開館時間が短縮されているようです。市ヶ谷が一番短く4月中は17時までのようで、他のキャンパスはそれぞれのようです。
※Mig28氏のコメントにより追記
◇早稲田大学図書館
・【全館共通】大地震に伴う図書館サービスについて(4月1日18:00時点)
やはりだいたい17時閉館のようです。
以上、大雑把にまとめてみましたが、17時頃を目処に早じまいする、というのが多く見られるもののようです。計画停電の想定されるピークが夕方である現状を反映したものでしょう。調べ物のある方は早めに出かけるべきですね。もっとも、夏はどうなるのか予断を許しません。
そして、一日も早い東大経済学部図書館の再開を・・・社研と共に、小生のよく行く所に限って、学内でもとりわけ大きな被害を被っていたようです。なんだかなあ。正直、募集していれば本を片付けるボランティアをしたいぐらいですが、しかしこの肩や首や膝の状態では、そもそも無理なのかも知れません。
でも、他に出来ることがないではありません。前掲の歴史資料ネットワークに募金をするという形ならば。何を悠長なと思われる方もおられるかも知れませんが、被災した地域の過去を未来に伝えることは、地域の復興にとって大切なことであり、同時に未来の人類に対しての責任を果たすことでもあります。
中央図書館、高田早苗記念図書館、戸山(文学部)図書館、
理工学図書館ともに平日・土曜日は9時~17時開館、
日曜休館である事を書き込んでおきます。
(そのたの図書館については下の通知で)
http://www.wul.waseda.ac.jp/etclibs/doc/alllib201104rinji.pdf
胸張って言えるくらいでないと務まらないのかも知れません。このご時世、予算を引っ張ってくるためには・・・
誰得なんてとんでもない、ご教示ありがとうございます。
最初、早慶やMARCHの残りもやろうかと思ったのですが、首と背中の痛さに断念しまして・・・追加させてもらいました。
やはり17時なんですね。
パソコンも使えぬ野蛮人で申し訳ありません・・・