今日の東急デハ5001号の状況(66) 附:駅頭の「草莽」な人々
さて、今回はいくつか所用や見に行きたかったことなどがあり、その用事の合間に渋谷をたまたま通ったので、思いつきで急遽写真を撮ってきました。で、理由は後述しますが、あんまりたくさん、細かくは写真を撮れなかったので、雑駁ではありますが、これ以上間を開けるのも何ですので、以下に写真を挙げていきます。
まずは例によって全景から。
そんなわけで見づらく撮りづらかったのですが、主だったところを駆け足で見ていきましょう。
まずは前面からですが、ここが人が多くてなかなかいつも通りに見ることが出来ませんでした。その代わりといっては何ですが、普段とちょっと違うところを一枚。
前面からもう一箇所。
続いて運転台扉周りを。
毎度注目ポイントのドアです。運転台寄りの客用ドア周辺を見ます。
ついでここも注目ポイントの戸袋窓を見ます。運転台寄りのドアの戸袋窓の、下辺左右の角のあたりを掲げます。
さらに向かって右手の窓を見ます。
さらに向かって右手を見ます。
窓の下の車体側面を見てみます。今回は人が多かったのであまり細かくは見られなかったのですが・・・
車端部寄りのドア周りを見ます。
ついで、このドアの戸袋窓の下辺を見てみましょう。
また、この窓の下に幾つもある傷も酷くなっているようですが、人が多かったり調子が悪かったりであまりいい写真が撮れませんで、一枚だけ掲げておきます。
最後に、車内を見てみます。
まず、車内の展示は前回と同じ、観光写真コンテスト入選作品の展示で、3ヶ月以上経っていますが、変わっていません。ですので写真は省略します。
代わりにシートの様子を。
で、シートのテープも増えていると思うのですが、明らかに増えているテープがこちら。
車内の展示は前回と同じだったと先に述べましたが、展示以外のところで一つ面白い変化がありました。
関連ある公式グッズを飾るのはいいと思いますが、今となっては入手できなさそうなのが残念。折角ならばここで売れば良かったのに、という気もします。
さて、今日の観察はこんなところで、いつもにまして雑駁ですが、それはこの日あまりこの場に長居したくない気分だったからで、一つには体調の問題もありましたが、この日ハチ公前がこのような状況だったからです。
プラカード類を見ますと、主な主張はNHKに対し「韓流」番組を放映することを批難するもののようですが、そこから派生して韓国のみならず中国をも「反日」とひとくくりにして批難し、日本が「反日」国家の包囲網下にあると危機を煽り、現政権与党を中韓の「手先」であると批難する、そのような主張のもののようです。
こういった主張に対する卑見は当ブログで過去に何度も述べましたので繰り返しませんが、二三リンクを張っておくと以下の通りです。
・「守る」に関しとりとめなく(「外国人参政権・夫婦別姓反対デモ」続き)
・「建国記念の日」に思う 「条件付き愛情」的な「愛国心」
端的に言ってしまえば小生は、人の悪口言ったって「国を愛する」ことにはならん、何を作り出せるか、或いは間接的に作り出しやすい状況をつくりだせるか、ということだと思っています。彼らの営為は、何か面白い物を作り出しやすい状況を現出せしめることにはむしろ逆効果だと思わざるを得ません。
あと、もう彼らが何を言ったかよく聞こえなかったので正確ではないですが(音量がでかすぎてかえって言葉が聞き取りにくかった)、先の大戦について「日本ははめられた」とか何とか主張し、今も当時以上に日本は「ABCD包囲網にKまで加わった反日国家包囲網」に囲まれているとか何とか言っていたように思います。こういったことに関しても以前に当ブログで小生の考えを述べましたのでリンクを張って後は省略します。
・アパグループ『謀略に!翻弄された近現代 誇れる国、日本。』瞥見
・『諸君!』秦郁彦・西尾幹二「『田母神俊雄=真贋論争』を決着する」
それにしても、彼らは無闇と日本の「危機」を煽り立てていましたが、冷戦時代と比べ日本の安全保障を巡る状況が根本的に悪化したとも考えにくいところですし、アメリカはナチスより遥かに信頼できる同盟国だし、ところでBとDはどこへ行ったのか、ロシアの立場は? なんて混ぜっ返してもしょうがないですけど、最近ネットでこんなのを見つけ、昔は軍事マニアが「日本人は平和ボケでいかん!」と一般人(軍事に詳しくない人)を批判していたのに、今じゃ危機を無闇と煽る人々にミリオタが「飛行機は定期イベントだし艦隊は合同訓練だし、なに慌ててんの」と言い出す様相に、些かの感慨を覚えました。
こんなわけで小生はあまり長居をしたい気分ではありませんでしたので、早々にその場を離れた次第でした。実はこの日、用事の関係で昼過ぎと午後5時頃の二回この場を通っており、写真を撮ったのは午後5時頃のことでしたが、どちらも同じような状況でした。一旦集まってNHKまでデモして戻ってきたのか、ずっといたのかは分かりませんが、ずっといたとすればさすがに休日の渋谷でこれは邪魔だったろうとは思います。
それにしても、とこの時、悲惨な産業遺産保存活用の失敗例であるデハ5001の中から、「愛国」を唱える人々を見て思わざるを得なかったことがあります。「愛国」を叫び、「英霊」を引き合いに出して「歴史」に「敬意」を求める人々が、周辺諸国の悪口をいう以上に、資料保存活動というまさしく歴史に敬意を払う営みに参加した実例がどれほどあっただろうか、ということです。上に掲げた西尾幹二氏の言説を参酌するに、彼らの「歴史」についての正統性の根拠は史料(文献でもモノでも)ではないようですので、そのような例をあまり見ないこと自体は訝しいことではありませんが、しかし歴史を伝える史料より自分の思いを優先することほど、歴史に対して礼を失したことはないでしょう。
要らぬ蛇足が長くなりました。なぜ小生はこの日こう思う事情があったのかについても触れたいのですが、それは別記事に譲ります。また渋谷関係についても別記事で補足します。
※追記:渋谷関係の追記はこちらをご参照下さい
※さらに追記:「こう思う事情」についての記事を書きました。こちらをご参照下さい