当ブログの剽窃被害疑惑 総括篇
個別検証篇を総括しますと、問題記事「計画停電の歴史」は、小生のブログの、元記事(1)「日本の「計画停電」の歴史を振り返る~真の「無計画停電」とは」・元記事(2)「電気代と市場経済~計画停電の歴史・続篇」およびWikipedia の「日本発送電」の項目から各要素を剽窃し、年代順に並べてみたものと断定できます。
なるほど完全な丸パクリではなく、三つの記事からパーツを抜き出して再編成をしてはいます。しかし問題記事は出典の存在に全く触れておらず、独自に書き起こしたかのような印象を読者に与えています。これは剽窃、盗作と断じて構いますまい。
何より、問題記事には独自の主張がありません。ピンチの中に将来へのバネがあるというのも、計画停電は戦後までやっていたというのも、これは小生が資料を読んで出した主張です。問題記事中に多少オリジナルな部分があることは指摘した通りですが、知識と調査の不足でとんちんかんなことになっています。電力使用制限の終了年代の引用も間違っていますし、問題記事は先行する三つの記事を再編することで何らの新しい情報価値を生んでいません。
このような記事がある、ということを紹介すること自体には、発信の価値があります。しかし問題記事はリンクを張っていませんから、その価値もありません。
さて、小生がここまで執念深くねちねちと検証しているのは、この問題のブログ「海を往く者」の中の人が、どうも海事関係の研究的な職業の方らしいからです。ブログにも「研究」というカテゴリがありますな。
このようなコピペをやったのがもし小学生なら、むしろよく頑張ってまとめたくらいかもしれませんが(そのあとお説教タイムがつくにしても)、大学生のレポートだったら単位はもらえないでしょう。出典を明示して自分の文章で書き直せばいいんですけど。ましてやこれが、研究的な職の人だったとしたら・・・このような糾弾もやむを得ないものと思います。
この問題のブログはかなり頻繁に更新されているようで、記事も多いのですが、このような剽窃行為は今回だけのたまたまの気の迷いだったのでしょうか。しかし一般的に考えられそうなのは、この手のことをやる奴はきっと何度もやってる、ということです。
で、小生はこのことについても検証を試みたいと思います。ざっと閲覧して目についた、以下の記事を俎上に載せましょう。
・「ロマンスカーの真実」(またも念のために:ウェブ魚拓)
先程のような個別的検証までは行いませんが、この記事については以下の二つのサイトからのコピペが明らかです。
・「水脈」さん:「夢のロマンスカー」
・三菱グループ公式サイト「岩崎小彌太物語」:「vol.18 新規事業への進出」
特に後者からは、「新宿=小田原問の電車運転」というところ、「間」となるべきところを三菱のサイトがうっかり「問」とタイプミスしているのがそのままです。鉄道の区間も、「新宿~小田原」とか「新宿-小田原」なんて書く方が普通で、「=」で結ぶのはちょっと珍しいと思いますが、それもまんまコピペですね。
更に検索してみますと、「頂門の一針」さんの「いっそ小田急で逃げましょか」(「東京行進曲」の歌詞と「東京音頭」のエピソードはここがコピペ元では)や、「緑と清流」さんの「新宿小田急」、さらには2ちゃんの「小田急ロマンスカーを語る。Part15」の688あたりもコピペ元のように思われてきます。
検証はもうこれで十分でしょう。この「海を往く者」というブログは、剽窃行為の常習犯である公算が大変高いと思われます。
そして小生が、更にこのブログのこのような行為に対し複雑な感情を抱かざるを得ないのは、以前こちらのブログから当ブログにトラックバックをいただいたことがありまして。それは以下の記事です。
・「講演会「第一次世界大戦における海軍と外交」@五月祭 無事終了」
昨年の五月祭で行った、小生もその開催に多少のお手伝いをした海軍についての講演会に、「海を往く者」の中の方も訪れて比較的好意的な感想を記しておられたのです。しかもその文面を読むと、どうもこれ、「知り合いの知り合い」くらいの可能性がありそうです。更に寄付口座の先生と知り合いだったり、海事史について「本職」だったり、War Birds(戦鳥)にも出入りしているらしい=ミリオタのようだったり、講演会の関係者に挨拶するつもりがあったようだったり・・・そんな風に「距離の近い」、研究職に従事されている可能性の高そうな方が、このような剽窃行為に手を染めた(それも常習犯の疑い濃厚)ということが、まことに残念でならないのです。
さらに困惑せざるを得ないのが、このような剽窃行為を行った目的です。よくある2ちゃんのまとめブログとかのような、アフィリエイト目的のアクセス乞食とは全く思えません。その割には複数の記事を文章に手も入れつつくっつけて記事をでっち上げてみたり、手間を妙にかけています。それでいて何のリターンがあるのか見えてきません。コメント欄も盛り上がっているわけでもなさそうです。何がしたいのでしょうか。
思いつくのは、マニア気質のひねくれたもの、ということくらいです。小生もそうですからよく分かるのですが、マニアというのは「俺はこんなこと知ってるぞ!」と天下に対して自慢したい心理を抱いているもので、ネットはその自己顕示欲をよく満たしてくれるメディアです。そこでたくさんいろんな記事を書いて自慢したかったのでしょうか。
しかしまた同時に、マニアの世界では半可通なコピペ知識だけでは結局ばれてバカにされてしまうことも多々あります。そうならないためには、自信の持てる質の情報を提供する(そしてマニアであれば、どの程度の情報であればその世界でどれくらい評価されるのか、大体察しがつくもの)ことが大事なわけで・・・研究の世界も、似たような所はあると思うのですが。
最後に、小生としては本件にどう対処すべきか、正直決めかねております。
剽窃は明らかですが、実害はない(こっちが元なのは明らか)ですし、まあうちの記事もパクられる位には知られているのかなとおもしろがる心境もないではありませんが、如上の微妙な関係もありまして、今のところ相手方に対して具体的なアクションは取っていません。
好きな雑文サイト「それだけは聞かんとってくれ」の、盗作された話「剽窃神髄」はまことに読んでいて面白い一篇ですが、小生は残念ながら「とりあえず暖かく見守る」ほど人物が出来ていないので、ついかかる長文糾弾記事を書いてしまいました。今後どうしようかな。トラックバックでも送ってそれとなく警告してみましょうか。
ただ、自分が書いた近頃にない長文記事を見返して、こんなことをねちねちとするから「気持ち悪い」「行間から狂気が滲み出ている」(ツイッターのプロフィール参照)と批難されるのかなあと、何か今、索漠たる感情にとらわれている次第です。
※追記:やはり剽窃行為の常習犯だったようです。→「当ブログの剽窃被害疑惑 発展篇」