さよなら交通博物館(12) 進む再開発
当ブログでは、主に2010年の間、解体されてゆく旧交通博物館の情景を折々紹介して参りましたが、建物もすっかり解体されてしまったため、ほぼ1年前に工事現場の模様をお伝えしたのを最後に、この企画は完結したように思っておりました。しかし先月、ちょっとした用でこの地を通りかかることがあり、その際工事が進捗して大きく変わった様子に些かの感慨を覚え、数枚の写真を撮影してきました。そのまましまい込んでいるのも何なので、簡単にご紹介したいと思います。
冒頭に掲げた写真は、かつて定点観測していた南東の交差点からのものですが、交博よりもずっと高い建物が既にその姿を見せています。すっかり空間の印象が変わっています。
こちらの写真は南東側、かつての交博の正面入り口があった側ですが、建物が高すぎて入り口に面していた道路からではうまく撮れそうになく、昭和通りの東側から撮影しました。かつては高くない交博の建物を従えて、背後のガラス張りのビル(住友不動産のビル)がそびえていたものでしたが、交博跡地の建物はその高さで逆に、背後のビルを押し隠してしまいそうです。
かつての交通博物館の建物は、大体中央線の高架に沿って北西←→南東方向に細長く延びていたと思いますが(もともと万世橋駅跡地の高架下利用だったはずですから)、再開発後のビルはより南東側にまとまった形になるようです。かつて図書室とかがあった側になるであろうあたりには、このようにプレハブの工事事務所らしき建物(飯場?)が建っていますが、ビル完成後このプレハブ跡地にも何か建つのでしょうか。
こちら側から見ると、かつての交通博物館と比べた現在の建物の位置のずれが、より分かりやすかろうかと思います。
最後に、これは今までの交通博物館の建物がまだあった頃には撮っていなかった角度から、一枚。
万世橋のひとつ上流側にある昌平橋のたもとの交差点(交差点名としては神田郵便局前)から、かつての交通博物館方面を望んでみました。かつては周囲のビルの中で目立たない感じでしたが、今ではこれだけ離れても存在感があります。
今回6枚の写真を掲げましたが、ふと気づいたのがすべて縦長の向きの写真だなあ、ということでした。それだけ以前よりも高い建物が建ちつつあるわけで、周囲の状況を考えればそれも宜なるものとは思いますが、大きな変容に一掬の寂しさを覚えぬでもありません。
それにしても、1年前はまるっきり更地だったのに、結構早く形になりつつありますね。今後この企画をどうするかは全く考えていませんが、また折りがあったら忘れたころに続きをするかも知れません。見たがる方がどれだけおられるかは疑問ですが・・・まあそれもまたこのブログの通例。