カストリを超えた悲劇のメチル雑誌『コミックキューガール』の大ポスター

最近のマンガ界での一椿事として、実業之日本社が『コミックキューガール』という漫画雑誌を創刊したものの、創刊号が発売された時点で既に廃刊が決定してしまい、1号こっきりで終わってしまった、という事件があり、ネットでも騒がれていました。創刊号が売れなかったから即休刊、というのなら話は分かりますが、売る前から「やっぱ止めた~」という、まるで意味不明な事件でした。
以下に参考になりそうなリンクを幾つか張っておきます。
・創刊即休刊の「コミックキューガール」、休刊理由は?
・コミックキューガールは1号で終わりです
・創刊した日に廃刊決定「コミックキューガール」まとめ
・コミックキューガール創刊号で廃刊 掲載作家さんの反応まとめ
で、先週のことですが、所用で神保町を通りかかったところ、書泉ブックマートの1階に張られた大きなポスターが、ふと目に留まりました。

(この写真はクリックすると拡大表示します)
撮影者の腕と機材の関係であまり見やすくはないですが、公式サイトの画像と同じ、『コミックキューガール』の創刊告知ポスターでした。
如上の自体を聞き及んではおりましたので、さすがにこれを見て些かの感慨を得、思わず写真を撮った次第でした。
その昔、酒粕から作った粗悪な焼酎のように、三合(三号)で潰れてしまうことから「カストリ雑誌」なんて呼ばれた雑誌たちがありまして、敗戦後の時代なんかを象徴する言葉として今でも伝わっています。しかし、創刊即廃刊(厳密には休刊ですが)とはさすがにあまり聞きませんで、もはやカストリどころかメチルアルコールをそのまま飲んでしまったような事態としか言いようがありません。
カストリ雑誌の時代のように、万事いい加減で急造な時代ならともかく、実業之日本社という立派な出版社の、長年出ている雑誌の増刊というそれなりにしっかりした位置づけで創刊されたようで、何でこんなことになったのか・・・。経営上のみならず、企業統治どうなってんのという疑問すら浮かんできそうで、それこそ社内で派閥抗争でもあったんかい、と陰謀論を捏ね回したくもなります。
執筆作家のラインナップを見ると、小生程度でも結構聞き知っている作家さんが多く、ことに小石川ふに先生は以前、『COMICリュウ』で「ゆるユルにゃー!!」を結構愛読していたこともあっただけに、なんだかなあ感が一層高まりますが、この雑誌の企画がどこかで再度日の目を見ればいいですね。
