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筆不精者の雑彙

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交通博物館跡地の再開発ビル(JR神田万世橋ビル)が竣工

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交通博物館跡地に建てられた「JR神田万世橋ビル」とその脇を過ぎる中央線電車
(2013.2.24. 撮影 以下同様)

 当ブログでは以前、「さよなら交通博物館」と題して、交通博物館の建物が解体される状況をお伝えしておりましたが、やがて完全に撤去されたことを以てこのシリーズも完結のつもりでした。しかし久しぶりに秋葉原を通りかかったところ、跡地に建てられたビル「JR神田万世橋ビル」がほぼ竣工していたので、エピローグとして写真をいくつか掲げておきます。



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南側から眺めたJR神田万世橋ビル

 毎度写真を撮っていた、南側の交差点から撮ってみましたが、ビルが高すぎて全容を見ることは困難です。

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西側から見上げるJR神田万世橋ビル

 御茶ノ水の方から見上げたのがこの写真。以前の建物と対照的な高さですが、近隣にも高いビルが櫛比しているため、地表面は何となく薄暗くなったような気もします。

 全体像をもう一枚。
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万世橋の上からJR神田万世橋ビルを望む

 ビルの北側、万世橋の上から撮ってみたのがこの写真です。今時っぽいガラス張りのビルに、秋葉原のスカイラインが反射しています。

 それでは、もうちょっと寄った情景をば。
 南側は開けた場所になっていて、そこにいくつかレリーフ的なものが設置されています。
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JR神田万世橋ビル南側の広場

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広場に設置された記念碑? 的なもの

 この3つの記念碑のようなものは、幕末・維新の筋違門があった頃、明治末・大正の万世橋駅が栄えていた頃、戦後の交通博物館、それぞれの時代の写真を掲げ、また裏面に当時の説明をしているものです。上は植木鉢になっていて、草を生やすようですが、現在はまだ繁茂するには至ってはいません。
 記念碑のうち、交通博物館時代のものを以下に掲げます。
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交通博物館時代の記念碑(1)

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交通博物館時代の記念碑(2)

 簡単な交通博物館の歴史の説明があります。それはいいのですが、末尾に「さいたま市への移転が決定し、2006(平成18)年5月14日、惜しまれつつ閉館した」と、交通博物館が引っ越したみたいにあるのは微妙です。旧交通博物館と、現在大宮にある「鉄道博物館」は、運営主体も方針も異なっていて、収蔵品の大部分を引き継いだとはいえ、同じ施設の継続ではないからです。この辺については語りづらいのですが、いつか折りもありましたら。

 もう一つのモニュメント的な物がこの広場の床面にあります。3、4枚前に掲げた写真に、広場の街灯の柱を中心として何やら円弧状に描かれたものが写っていますが、その一つを拡大するとこんな感じです。
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ビル前広場のモニュメントの一つ「1872 日本初の営業用鉄道が開業」

 こんな感じで、年代と鉄道関係の出来事がいくつか刻まれています。誰がどういう根拠でこれを選んだのかが多少気になりますが、こういった試みはより広く行われていく方がもちろん望ましいとは思います。

 とまあ、外見的には完成しているような感じのビルでしたが、入り口自体はまだ閉じられているようで、1階のコンビニも工事中という感じで、開店予定の掲示もありませんでした。ただ、地下の駐車場は営業しているようです。このビルの公式のサイトでは「竣工年月 2013年1月」となっていますが、竣工はしたもののまだ全面供用には至っていない、というのが現状でしょうか。
 解体工事の時の当ブログの記録を見ると、当時の計画では「完了予定」が「2012年12月上旬」となっていましたので、完成は少々遅れたもののようです。ただ、この間に東日本大震災があったことなどを考えると、そう遅れたというわけではないでしょうね。
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「空車」を示す表示が点灯している駐車場入り口と、まだガラスが覆われているコンビニ

 ちなみに、駐車場の料金表には「一般:300円(30分) 充電機付車室:350円(30分) 急速充電機:500円(30分)」とあり、電気自動車に対応しているところはさすが最新のビルですが、しかし場所柄結構な料金でもあります。

 さて、ビルの工事が大体終わったようですが、上の写真でも分かるように、ビルの北側の中央線高架橋には、まだ工事用の囲いがされています。この、煉瓦作りの高架橋の辺りも見てみましょう。
 ビルの西側には、煉瓦を積んだようなベンチが設けられています。
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ビル北側の高架橋沿いの通路とベンチのようなもの

 このベンチのあたりは既に一般に開放されており、電車を横目にお茶・・・ということもできますが、ただこの季節ではあまりに寒々しいですね。季節によっては憩いのスポットになるのかも知れません。
 で、開放されている通路の高架橋側はまだ工事の囲いがされていますが、その向こうはどうなっているのでしょうか。ちょっと手を伸ばして写真を撮ってみると、こんな感じです。
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工事中の中央線の高架橋

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コンクリートで内巻きされた煉瓦のアーチ

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旧万世橋駅のホームへ上がる階段?

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中央線の煉瓦アーチの工事用仮囲い

 この高架橋の辺りはかつて、交通博物館の倉庫などとして利用されていたかと思いますが、今回のビル建設に際しては、高架下も改装して商業施設などを設けると以前聞いた覚えがあります。こちらの構想がどうなっているかは寡聞にして存じませんが、まだしばらくは工事が続くようです。万世橋駅跡らしき箇所も含め、保存と活用が両立されるような形になればと思うのですが・・・。

 最後に、万世橋の方から見た写真(さっきビルの全体像を掲げましたが)を挙げておきます。
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万世橋の袂の高架橋終端部

 ここは未だ工事中でした。というか、ビル工事とは直接関係はない場所で、以前はバイクの駐輪場があったかと思うのですが、高架下の商業施設化と関係してなのかどうなのか、こちらでも何やら工事が行われています。

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工事中の旧万世橋駅部分の煉瓦高架橋と、総武緩行線の神田川橋梁
(この写真はクリックすると拡大表示します)

 工事中なのは、万世橋の上から見ても同様でした。かつて交通博物館の倉庫として使われていた高架下が、全面的に覆われて、工事がされています。明治末年建設の高架橋をこれを機会に補修でもするのかそれとも、商業施設建設の関係なのでしょうか。ちなみに画面奥に見える、神田川に架けられた特徴ある形の総武線の橋も、何やら補修が行われているようです。こちらは昭和初期の建設ですが、やはり80年くらいは経っていますので、それなりに手を入れる必要があるのでしょう。震災のこともありますしね。

 さて、このところ引き籠もっていた当ブログですが、久しぶりに今日の世間の状況を見てみました。あんまり引き籠もっても何なので、時にはこういうこともできればと思いますが、今度は出かけてもブログにアップする気力が不足しているような、そんな体たらくではあります。
 まあ、JR万世橋ビルがグランドオープンしたら、一度くらいは見に行こうかなとは思います。

※追記:高架橋の店舗化後の様子を見に行った記事はこちら
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by bokukoui | 2013-02-24 23:59 | [特設]さよなら交通博物館 | Comments(0)