鍋焼うどんの探求(37) 角萬@本郷 復活していた鍋焼うどん
というわけで本企画の中心的フィールドである本郷界隈の制覇を目指し、今回は角萬にて「なべ焼うどん 並」(1300円)をいただきます。
このお店のことは以前、当企画の「鍋焼うどんの探求番外 東日本大震災と鍋焼うどん」でご紹介しました。震災直後の4月に鍋焼を注文したら、震災の影響でかまぼこが入手困難となりやっていない、ということで、思わぬ震災の被害に驚いた一件です。で、その後、同年末の冬だったか年を越していたか、そのシーズンに再訪したのですが、その際にも同様の理由で提供がなく、復興の大変さを伺わせていましたが、このたび震災後二年を期してみたび足を運んだ結果、遂に巡り会うことができたのでした。
お店の外観は4階建ての小さなビルになっています。入り口はガラス張りで店内は明るいですが、内装やテーブルの類は昔の風情を偲ばせます。席数は30くらいでしょうか。入り口に近い卓に陣取ったら、そこに「禁煙席」と札がありましたが、これでは分煙もへったくれもないような。まあ、客層も昔ながらなのでしょうか。
鍋焼うどんは1300円となかなかお値段が張り、さらに「上」1400円というのもあります。他に、天ぷらそば、天とじ、親子南ばん、おかめとじ、天丼、親子丼が1300円と値段では並んでいます。天ぷら系は分かるけど親子丼はちょっと高くないかい? もっとも、もりかけは500円と手頃です。
ちなみにお品書きでは、なべ焼うどんだけなぜかイラストが入り、「別製」と赤で註記されていました。そういえば、鍋の絵の付いたお品書きは、他の店でも見た覚えがあります。なぜ鍋焼うどんはお品書きの中で特別扱いされるのか、今後手がかりが出てくれば考えてみたいところです。
(この写真はクリックすると拡大表示します)
さてさて、本題の具の方を見てみましょう。
・えび天(煮てある)
・卵(煮てある)
・かまぼこ×2
・なると×2
・麩×2
・しいたけ(甘く煮てある)
・鶏肉
・わかめ
・薬味のネギ(別添)
まずは一般的な顔ぶれでしょうか。卵はけっこうよく火を通している方だと思います。薬味以外の、煮てある太ネギがなくて、わかめが入っているのがあえていえば特徴でしょうか。問題のかまぼこですが、残念ながら特段の特徴は感じられませんでした(苦笑)。大きさはともかく、切り方が薄かったような・・・。麩の大きさの方が印象に残っています。
特徴はむしろ麺の方にありまして、写真でも分かると思うのですが、うどんといいながらかなり平べったく、きしめんとうどんの中間のような感じです。麺が少しねじれたような感じがあってよくつゆが馴染み、柔らかな食感です。讃岐うどんブームのせいで良いうどん=腰が強い、みたいな印象が昨今ありますが、鍋焼うどんとしてはむしろこれくらい柔らかく煮えている方が、小生は好みです。つゆはやや辛い目で、表面積の広い麺にしっかりと味をまとわせていました。
つゆの辛さに対応してか、鍋焼うどんにも食後蕎麦湯が提供されました。卓上に鍋敷のようなものが最初から置いてあったのですが、これは蕎麦湯を入れた薬缶を載せるためのものでした。
余談ですが、「角萬」という名前のそば屋さんは何箇所かあって、蕎麦としては太いがっつりした麺が名物なのだそうです。ですがこの本郷の角萬は、他のお店より細めの麺だそうで、最近のお客の嗜好に合わせたものなのだとか。他の角萬も機会があれば見てみたいですね。
というわけで、2年越しの課題を遂に解決し、復興の足取りを感じることができました。他の課題もこうやって解決していければいいのですが・・・。
最後に例によって、お店の外見と場所を掲げておきます。