またも電波が飛ばない・歴史授業案
この分では碌にネットも見られませんが、その方がかえっていいのかもしれません。
祖母が訪れていたせいなのかどうなのか、普段決して見ることのないみのもんたの番組を昼に見てしまいました。人生相談でした。みのもんたが電話をかけてきた人(割と若いようだ)に説教しています。あんた甘いよとか何とか。
確かに甘いと思います。何が甘いといって、みのもんたに電話をすることが。
呆然と画面の前に座っていたら、『ザ・ワイド』なる番組に切り替わり、等身大ひとしくん人形が現れました。ホリエモン保釈どうこうと報じています。みのもんたの毒気にあてられた小生にその内容を理解することはできませんでしたが、ただ脳の一角が、BGMが『MADLAX』のサントラであると主張していました。
教育についての話のまとめは明日にでも書きます。
今日は世界史の授業を塾でやるという実践活動をせねばならず、理論と実践を結びつけることの困難さをただひたすら実感し、すっかり眠りこけている女子高生を起こす気力も湧きませんでした。
今日の授業範囲は魏晋南北朝で、『斉民要術』が出てくるので、そこに載っている水引餅という最古の麺料理の話(文献で作り方が判明する最古の事例)でもしようかと思ったのですが、時間が足りず不完全燃焼に終わってしまいました。この水引餅という麺、作り方が変っていて、うどんやそばのように延ばした生地を切るのではなく、そうめんのように引っ張るのでもなく、スパゲティや冷麺のように押し出すのでもないのです。まず細長くひも状に手で整形し、水に漬けて、指で平たくもんで韮の葉のように伸ばすのだそうです。作り方が原始的なんですね。
詳しくは、石毛直道『文化麺類学ことはじめ』に実際に作った結果が載っているのでご参照ください。この記述もそこからの引き写しです。麺が好きな人なら読んで損はありません。講談社文庫版もあるようですが、どうもどちらも絶版みたいです。残念。
ところで、この本には「北斉(550~577)の高帝は『好んで水引麺を食す』と記録されているという」とありますが(p.27、「水引麺」は「水引餅」と同じ)北斉に「高帝」という皇帝はいないようです。「皇帝」の誤植かもしれませんが、この王朝の姓は「高」なので(初代文宣帝の名は高洋)、或いはそこがごっちゃになったのかもしれません。
実はこの箇所に出典注はついているのですが、中国語文献なので確認できそうにないのです。