最近のネット上で忘れがたい諸事をまとめておく
そんなわけで、節目を記念して何か・・・というほどの心身の余裕もなく、アウトプットの気力が薬を飲んでも概して萎えきって、周囲の諸状況も煮詰まり、ついでにパソコン類も世話をしてくれる憑かれた大学隠棲氏が首を傾げるほどの不調続きで(本記事もある程度書いてアップしようとしたところで、機器のトラブルにより一度吹き飛んでいます)、むしろ「そのうち何かこれに関係して書きたい」と思われるようなトピックが溜まっても片付く見込みがない状況です。で、いろいろ部屋の大掃除をしないといけない(持っているはずの論文のコピーが行方不明など)のですが、ついでにこちらのメモも棚卸しをしておこうかと思います。まあ、weblog の「本来の」使い方としては、それで正しそうですし。
なお今回並べる諸トピックは、鉄道関係「以外」のものに絞っています。

(ハチ公前の東急デハ5001号車体内に掲げられている、「大日本職業別明細地図」(1928)を接写)
・もちもちらーめん頭山満(男の魂に火をつけろ!)
以前より折々読んでいた washburn1975 さんのブログのネタに、小生のツイートが取り上げられていただき、有り難い限りです。これは某日、デハ5001車内の前掲地図を見ていて、頭山満の屋敷はこの辺だったのか、と気づいたので、何か史跡指定でもされていないかと帰宅後「頭山満」でぐぐったら見つけたんですよねぇ・・・。で、
最近驚愕したこと。栃木県に「頭山満」という店名のラーメン屋があるそうな。tabelog.com/gunma/A1002/A1… これはもしかすると、革命運動のせいで日本に亡命してきた孫文か誰かが、世話になった玄洋社の人にラーメン製法の秘術をお礼として伝えたのか!?
— 墨東公安委員会 (@bokukoui) 2013年5月6日
・@m_iwatani 氏によるアニメソング・声優ソング夜話(togetter)
これは自分でまとめたものですが、小生のアニソンに関する知識の95%以上は@m_iwatani 氏の薫陶によるものだったと思っています。そんな氏の、アニソンソムリエぶりが堪能できるツイートでしたので、まとめておきました。
・写真を美味しくする方法。(keijiweb)
当ブログの「鍋焼うどんの探求」記事に関して、「食欲が失せる」「蕎麦屋に入る気がなくなる」などと厳しい評価を各方面からいただきましたので、今後の改善の資料として。・・・写真の問題じゃないだろうって?
・DIVORCE CAKE(google)
ウェディングケーキの反対の離婚式ケーキ。結婚式で「定番」」とされている風習というのも、冷静に考えてみると変なものが多いですが、結局高度な消費社会においては、結婚も離婚もケーキをむさぼる消費の口実に過ぎないのでしょうか。
・驚愕! 英国で行われた調査「どこまでなら持ち帰り可なのか」の回答がスゴイ!!
・生そうめんが美味い(デイリーポータルZ)
蕎麦やうどん、ラーメンに比べて注目されないけれど、歴史は日本で一番古い麺類・素麺はもっと探求されてしかるべき。生そうめんが美味いというのは石毛直道先生の本で以前書かれていましたが(鶏ガラスープで食べると特に美味いそうです)、自作の話が面白いです。そうめんは日本の麺で技術的に一番古いのだから、考えてみれば一番作りやすいのかも。
・鉄塔がご神木みたいになっている(デイリーポータルZ)
「ブラタモリ」的なセンスを感じます。送電線と住宅地をどう共存させるか、インフラと開発の歴史が凝縮されているようで、面白い着眼点ですね。
・Mean Arab Panda: hilarious Arab Dairy series (YouTube)
エジプトの食品会社によるチーズのCM集。パンダが大暴れする、宣伝になってるのかネガティヴ・キャンペーンなのか、そんなこともどうでも良くなります。まあ、パンダって中国語では「大熊猫」と書く、ネコ目のクマ科の動物らしいので、本質的には猛獣に近いからこれでいい・・・のか?
・Bill dance fishing bloopers (YouTube)
@MyoyoShinnyo さんのツイート経由で知った動画。「アメリカの冠番組も持ってる釣り名人のNGシーンらしいんだけど面白い。この不器用さが逆に人気の秘密とか何とか」という説明そのまんまで、Wikipedia にもこの Bill Dance 氏の項目があるくらいの人気のようです。動画は英語ですが、英語が分からなくても全く問題ありません。なんだか、無声映画時代のキートンとかロイドとかの喜劇そのまんまって感じです。それを素でやってるとは・・・三国連太郎もあの世でびっくりする釣りバカですね。
・兵役があるからスウェーデン人男性は家事をする?
・ネットに巣くう戦争ポルノの闇(Newsweek)
「戦争ポルノ」という表現が目新しいですが、本質的にグロテスクな画像も狭義のポルノと通底したことがあるのはきっと確かでしょう。それがエロスに対するタナトスなのか、「悪」が滅ぶカタストロフなのか、その辺はかなり様々な経路があると思われますけれど。
・戦前日本のコカイン産業(身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌)
日本近代史における阿片の話は時折出てきますが、コカインの話は小生も初耳でした。ここで挙げられている論文の日本語版はまだ出ていないのか、気になります。台湾を舞台に日本の行政と企業がコカインの栽培・製造・密輸を行っていたというショッキングな話ですが、台湾総督府が専売の阿片を売るときにこっそりモルヒネの含有量を減らして売る量を増やしていたという話もあるので、驚くべきではないのかも知れません。そしてそこに一枚噛んでいた星製薬。星一の息子・星新一が書いた『人民は弱し官吏は強し』は実のところ、かなり父親を美化していると言えそうです。
・学振&科研費申請書で気をつけたこと(tomomih0115 / Evernote)
今後のためのメモ。本来は論文と並行に進めなければいけないのですが、とても今のところはそんな気力がなく・・・。
・「ネットの天才」の死が問いかけたもの 情報独占との闘争(日本経済新聞)
・米国の罪と罰:行き過ぎた厳罰主義(JBプレス→掲載終了につきかかしのジャンプ)
厳しい罰則を課し、不寛容にそれを適用したところで、果たしてそれが各人の人権への抑圧をより少なくして各人の可能性を伸張しつつ効率的な利害調整が図れるか、つまり「よい社会」が築けるかということを考える先例でしょう。そこで「抑圧」とは、犯罪的行為のみならず、権力によるものや各人相互間の衝突もあるわけですね。そして厳罰が、それほどでもない過ちへの過剰な萎縮も招くわけで・・・しかし我が国も、決して「対岸の火事」とは言えない世相であることを痛感します。
・日本のビジュアル系バンドから発展した農民の“殺馬特”ファッションを森ガールが差別する
・高橋お伝のベッケンタイル(togetter)
これは実のところ品のいい話ではないのですが、明治初年の「毒婦」として名高い高橋お伝が梟首となった際、死体が解剖された挙げ句、女性器周辺が切り取られてアルコール漬けで保存された、という逸話にまつわるもの。ここで取り上げられている大橋義輝『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』(共栄書房)という本は、きっと読んでみようと思います。
ところで、小生もこのお伝の「標本」を見た、という回想を読んだ覚えがあります。お伝の首をはねたのは、かの山田浅右衛門家最後の首斬役となった山田吉亮ですが、彼を主人公にした歴史小説である綱淵謙錠『斬』(直木賞受賞作)に、「筆者(わたくし)は昭和三十七年頃、東京大学法医学教室で見た記憶があるが、現在はどうなっているか?」という一節があります(文春文庫版で374ページ)。とすると、上掲まとめの「昭和31年の事件が私の知る最も新しい出現記録」よりも後になりますが・・・?
・え?メイド喫茶終了のお知らせ?(togetter)
「メイド喫茶」関係の話題もすっかり聞かなくなりましたが、久しぶりに多少ネットを賑わせた記事とそれへの反響。率直に感想を述べれば、これはかつての「メイド」ブームの時代からあまり変わってはいないのですが、「メイド」「メイド喫茶」について、論者によって相当異なったイメージを抱き、しかも往々自分の論が「正しい『メイド』」という信念を抱いているため、異論は「誤解」とされてしまって、話がそもそも噛み合っていない、ということです。小生はそれらを、近代家族論によってメタ的に見られるのではと、これも勝手に異なった立場を主張しておきます。
・日本のクリスマス受容と近代文学の作家たち(togetter)
以前、平山昇『鉄道が変えた社寺参詣』の書評を書いた際、本質的には「イベントの口実」として、クリスマスも初詣も同じことなんじゃないかと仮説を述べましたが、クリスマス受容は先行研究もあるはずなので、確認しておきたいと思います。都市部では戦前に一定の浸透を見ていたようですね。あと、戦後の「教会式」という結婚式スタイルの登場と普及も、関心があります。
・基礎からはじめる大砲のメカニズム(閉鎖機編)(togetter)
これは3Dの図が豊富で大変分かりやすいですね。歴史的な順序を踏まえると、ある時代の技術はどういう課題を抱えていて、それを改良しようとして次に何ができたか、という系譜が把握しやすいのもいいところです。小生も何となく曖昧に思っていたところを明確にできました。
・班目氏が認めた事故対応の失敗
・なぜ丙午の年に乳児死亡率が高いのか(NATROMの日記)
・意外な展開:自然死産率の生データを見てみた(Take a Risk: 林岳彦の研究メモ)
統計データは良くその意味を考えて解釈しなければならないという実例。とはいえ、丙午の年は出生に関する全国的な統計が大変動するほどの事態になってはいたわけで、なぜ戦後のかなり豊かな時代になって迷信がこんな影響を引き起こしたのか、それはそれで考えるべきこととは思われます。
・大正百年と関東大震災をめぐって(白水社)
小生も戦間期を中心とした時代の研究をしておりますので(「戦間期」と「大正時代」と「1920年代」とは、大部分重なっているようでやはりまた違うニュアンスが込められるのですが)、こういった大正時代論にはしかるべく注目していきたいと思っていますが、これは内容が盛りだくさんなだけに、すぐには感想をまとめられそうにありません。
・新作同人誌がまったく売れず死にたい。(togetter)
・『新作同人誌がまったく売れず死にたい』にざわつく人たち(togetter)
・新作同人誌がまったく売れず死にたい(LUNATIC PROPHET)
・研究テーマなんて見つからなかった学科時代(LUNATIC PROPHET)
ネット上のオタク論壇?では一定の知名度を持つ、有村悠氏の近況(というのは結構前ですが)について。氏は東大中退の経歴を持っておられますが、入学年度が小生と同じこともあり、一度お会いしたいと思ってはいるのですが、一度も会ってもいないのにツイッターをブロックされて少し凹みました。それにしても、氏が進学先に日本史も候補に挙げられていたとは、もし研究室で出会っていたらどうなったのかなあとちょっと思った次第です。小生がまあ何とかその後大学院に進めたことからすると、日本史の方がオタクに優しい?のかは分かりませんが、オタク的な関心と研究はむしろつながってくるものではないのかと、軍艦マニアに弟子入りした鉄道趣味者は思うのでした。
・od (@odododod)氏による

学振なんですが、実は今年度の募集から申請資格の年齢要件が廃止されております。
詳しくは学術振興会のサイトをご覧ください。
余計狭き門かもしれませんが、やってみる価値はあるというわけで、小生もこのリンク先を参照に一つ・・・とも思ったのですが、その前にクリアすべき論文でドタバタしているのが現状です。

これのⅡですね。社会人経験後に大学院に進んだ方も受けられるように年齢制限を撤廃する。合わせて、博士号取得を要件とするけど経過措置として満期退学者も三年以内なら可とすると。
いやいや、不勉強で申し訳ないです。
ご参考になりましたら幸いです。
実は小生も、こういった制度や事務ごとにはまったく疎いほうでして(苦笑)、親切な研究室の後輩氏がわざわざ教えてくださったので小生も知ったという次第です。
せっかく制度も変わったので、活用できるように励まねばと思います。

頭山邸周辺の地図 使わせていただきました
それにしても 浪人者って 霞を食って暮らしている
ようにしか 論じられないのは 困ったものだと思う次第です
ご連絡ありがとうございます。こんな適当な写真でも、お役に立てましたら恐縮です。
頭山はじめ「大陸浪人」のような存在は、当人たちが自称していたものか、当時張られたレッテルがそのままみたいなことが多いですが、ぼつぼつ客観的に見ようとする研究も現れてきているように思います。
個人的には、後藤新平との関係で、杉山茂丸についてもうちょっと知りたいなと思っております。