帝国メイド倶楽部直前小ネタ・海軍と女中
ちょっと調べものがあって、戦前の国勢調査の広島県の記録を借りてきました。詳細な職業別人口が載っていて結構面白く、そういや随分前、半藤一利氏か誰かの座談会での放言をきっかけに「海軍メイドさん事件」とか盛り上がってたなあ、と昔を思い出し、呉市の職業別人口を調べてみました。と言うのも、1920(大正9)年の第1回国勢調査の調査基準は今とかなり異なっているので、「海軍軍人の家にいる家事使用人」を調べることが可能なのです。
で、1920年の呉市の海軍軍人の家にいると見られる女性家事使用人数の結果は、226人ですね。
一方、主な雇い主である海軍現役軍人の、おそらく士官かそれに相当する階級と思われる「業主」分類は723人、その扶養家族が1798人、彼らが雇っている女性家事使用人が220人(男の使用人も1人)です。呉の海軍軍人全体の合計は12578人で、うち一般兵と見られる「労務者」分類が8986人(扶養家族・使用人なし・・・当たり前か)、「職員」分類が2869人、扶養家族2826人、使用人6人となっています。
つまり、家に女中のいる海軍軍人は少数派であったと思われます。士官以上(だろう、多分)の世帯三軒半に一軒しか使用人を置いていないことになりますので。あんまり給料が高くなかったんでしょうね。
ちなみに、メイドといえばイギリス、なわけですが、1920年当時の呉市にはイギリス人女性2名が住んでいることが判明しました。さて、ここで問題。彼女たちはいかなる仕事に就いていたのでしょうか?
(解答は後刻コメント欄に)