昨日の続き・余談なのに何故か続く
「兵士」と「主体性」といって、日本軍にまつわる次のような話を思い出しました。
それは旧陸軍の第1師団関係者の座談会(戦前だったか戦後だったか忘れましたが)での発言でした。第1師団とは東京に本拠を置く師団で、東京出身の兵士が多い部隊でした。
一般に、都市部の兵士は弱いという通念があります。それに対し、田舎の兵士、日本なら九州(第6師団とか第12師団とか)や東北(第2師団とか第8師団とか)は強いと言われています。かつての日本軍でもっぱら最弱という説だったのが大阪の第4師団(特に第8連隊)で、「またも負けたか八連隊」と揶揄する俗謡までありましたが(実際には第8連隊はそんなに負けていたわけではないそうです)、やはり大都会の東京の兵士もあんまり強いとは思われていなかったようです。
その座談会の席では、こういった「都会の兵は弱い」という俗説に、次のように反論します。
都会の兵隊は、頭ごなしに命令を下しただけではあまりやる気を出さない。だから一見弱いように思われてしまう。しかし、作戦の意味をきちんと説明し、果たすべき任務をちゃんと認識させれば、むしろ田舎の兵士よりも粘り強く戦う。だから、都会の兵士を戦わせる時は、彼らを指揮する将校の器量が問われるのだ、と、そんなことを言っていたように思います。
もちろん当の第1師団関係者の証言ですから、身びいきというかお国びいきというか、そういったバイアスはあるでしょう。ですから話半分に聞かねばならないのはもちろんですが、それにしたって面白い指摘です。
やっぱ兵士だって、主体性は大事なんだというお話でした。
すっかり話があさっての方向に行ってしまいました。教育論はまたちゃんとやりますので。