保存「『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』シリーズ構成 綾奈ゆにこインタビュー」
で、ついでにアニメも見てみたら、これも原作の良いところを丁寧にアニメ化した、ほっこり楽しい作品で、毎週楽しみにしています。アニメ化のおかげで、魚心くんも実際に製作されたそうで、ぬいぐるみが発売されたら是非一体欲しいと思います。
とまあ、ただいま放送中のアニメなのですが、このアニメについてシリーズ構成と一部の脚本も担当されている、綾奈ゆにこ氏のインタビューが先日ネット上に掲載されていました。これはなかなか面白いインタビューで、小生も読んでほほうと納得したのですが、どういうわけか先日、ネット上からその姿を消してしまいました(上のリンクをクリックしてみてください)。場所が移ったのかと検索を数日続けても見つかりません。
小生としてはこれを大変遺憾に思い、一「流川ガールズ」&「魚心くん」ファンとして、とりあえずグーグルのキャッシュから拾って、以下に保存しておきます。もしネット上のしかるべき場所にこのインタビューが掲載された場合、以下の引用は削除します。
なお、保存に際しては、末尾の放送局情報などを一部削除し、またインタビュー中に紹介されていたアニメのキャプチャー画像とキャプションも削除しました。
2014-07-17保存内容は以上です。
『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』シリーズ構成 綾奈ゆにこインタビュー「『ろこどる』という自分だけのアイドルを見つけて欲しい」
放送中のテレビアニメ『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』。流行りのアイドルアニメとしては少し毛色が違う本作を、今回はフィーチャーする。お応えいただいたのは本作シリーズ構成の綾奈ゆにこ氏。自身もアイドル好きという氏がどのように本作をアニメ化しようとしたのか、お話を伺った。
綾奈ゆにこ(あやな・ゆにこ)
脚本家。シリーズ構成としては『電波女と青春男』、『きんいろモザイク』、『堀さんと宮村くん』、『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』がある。その他各話の脚本家として『青い花』、『世紀末オカルト学院』、『夏色キセキ』、『アイカツ!-アイドルカツドウ!-』、などに参加。シリーズ構成としての最新作は2014年10月より放送の『オレん家のフロ事情』。また、ZERO-SUMコミックスより刊行中の漫画「それが世界のフツーになる」では原作を担当するなど、活動の幅を広げている。
-- まずは本作『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。(以下『ろこどる』)』シリーズ構成決定までの経緯からお伺いできますでしょうか。
綾奈 SKE48などのアイドルが好きで、普段からそういう話ばかりしていたところ、「アイドル好きな綾奈さんに、ぜひやってほしい」とお声掛けをいただきました。
-- 題材がアイドルだからこその綾奈さんだったわけですね。依頼を引き受けて原作を読まれた際の第一印象はいかがでしたか?
綾奈 一番はなんといっても「可愛い」なんですけど、「リアルだ」というのも印象としてありました。イベントの規模や時給、初めてステージに立って、いきなり完璧に歌って踊れないとか。わたしたちと同じ世界で、わたしたちと同じ人間がアイドルをしている感があるんです。
-- 突飛な世界ではなく、地続き感のある身近な作品なんですね。
綾奈 原作の小杉(光太郎)先生にもリアル感を外さないで欲しいということをお話いただきました。お金をもらって(アイドルを)やっているといったことや、市役所でお金を出す時は申請をしてからでないといけないとか。語り口は凄くふんわりしているのですが、世界観がリアルなので、アイドルものと聞いて想像する内容とはまた少し違うなと思いました。
-- リアリティが芯にあるんですね。
綾奈 そうですね。それと、奈々子たちはアイドルを仕事としてやっているんですよ。その仕事感を大事にしているなと。
-- あまり見ない作品ですよね。
綾奈 職業ものかもしれません。アイドル自身を描くのではなく、「アイドルをやるというのはどういうことだろう」というところに焦点を当てた作品なのだと思います。奈々子たちは、自分たちをアイドルだと思ってないんですよ。アイドルはもっと凄くキラキラで、自分たちはまだその域に達してないと……わきまえているというか(笑)。そこが凄くいいなと。アイドルやってても、まだ普通の女子校生なんですね。タイトル通り、そこが本作の大事なポイントなので、アニメでは学校生活をかなり強調しています。アイドルになり過ぎないことを大事にしているんです。
-- なるほど。本作はローカルアイドルに目を向けた作品という意味でも珍しいかと思うのですが、そのあたりでご苦労なさった点などありますか?
綾奈 まず、「ロコドル(ローカルアイドル)」を勉強しないと、と思いました。アイドルでもメジャーどころしか知らなかったので……勝手に目星を付けて青森県に行って。
-- えっ!
綾奈 素朴に活動しているアイドルを見たいと思ったんですよ。
-- 素朴ですか。
綾奈 つまり「あわよくば東京進出しよう……」と思っていない人達がいいなと思って(笑)。見つけたのが青森県の「りんご娘」という二人組だったんです。
-- 二人組ということは流川ガールズと同じですね。
綾奈 そこもちょうどいいなと(笑)。地元のアクターズスクールが、部活代わりにやっているアイドルなんですよ。歌が上手でトークも面白い、スタイルもいい。
-- (サイトを確認しながら)たくさんの関連サイトがありますね。
綾奈 本当に青森に行かないと会えないんです。最初は、その研究生枠である「アルプスおとめ」の動画をネットで見たんです。方言ばりばりの中学生の子たちが、海外で仕事をするために人生初めてのパスポートをどきどきしながら取りに行くという内容で……なんだかグッと来てしまって(笑)。その中でも斉藤さんという子が気になるなと調べたら、今は昇格して「りんご娘」の王林として活動している……ど、どういうことだ!? と。これは見に行かなければと思ってひとりで青森に行ったんです。「はやぶさ」に乗って!
-- 行かなければ脚本が書けなかったのでしょうか。
綾奈 書けない! 想像だけでは書けないことってあると思うんです。特にロコドルは現実に存在するものなので、なるべく嘘は書きたくないと思って。実際に行ってみて本当に良かったです。イベントの空気感が全然違う。なかでも驚いたのが触れ合いイベントです。スーパーでのお菓子の試食販売会だったのですが、至近距離でお菓子をもらえるんですよ。写真撮影もOKで、頼めば「いいですよ~」と一緒に写真を撮ってくれるし、サインもしてくれる。カルチャーショックを受けました。CDに付いている握手券で握手会へ行くのとは違うなと思いました。
-- メジャーアイドルとはやはり違うものなのですね。
綾奈 お金を稼ぐつもりが全く無い(笑)。地元を応援するという、その一点しか無いんですね。ただファンとしては、応援する手段が少なくて困りました。「頑張って」のひとことを伝えるのと同じくらい、お金を落とすことも重要だと考えていて……結果的にりんごパイを買ってしまう(笑)。地元のおみやげ物を買うことで、それは「りんご娘」のおかげだと青森の方に感じてもらう、それがファンに出来ることだと思って。「りんご娘」を通して、青森のことも好きになりました。山と海と温泉とパワースポット、美味しい海の幸とアイドルがいっぺんに楽しめる! 彼女たちを見に行こうってならなかったら、もしかしたら一生行かなかったかもしれない。なので、とても感謝しています。
-- 今の話は「ろこどる」とほぼ同じですよね。流川ガールズが活動することで何かが儲かるというより、その市をアピールしていく。
綾奈 そのまま活かせると思いました。実際のアイドル達を見ていいなと思ったことをフィードバックしようと。アイドルを描く時はなるべく現実にいそうな、頑張っている子達を描きたいなという思いがあります。
-- 伝わってきます。そのあたりは例えば綾奈さんが各話で脚本参加されている『アイカツ!(-アイドルカツドウ!-)』をやっている時とは取り組み方が違うものですか。
綾奈 頑張ってる女の子たちを書きたいという思いは一緒ですが……『アイカツ!』はアイドル学校に入学した時点で、落ちこぼれだろうが何だろうが、もうアイドルなんです。目標となるトップアイドルもいるし、アイドルとしてこういう仕事に対してどうしていけばいいか、具体的に頑張って行ける。でも『ろこどる』の奈々子たちは普通の女子校生で、ロコドルというもの自体を分かっていません。だから、「ロコドルとは何か」見つけていくところから始めなければならない。アイドルとは何かを教えてくれる人もいないので、『アイカツ!』のように、ある目標に向かって頑張るといった話作りは出来ないですね。
-- 修行みたいなこともできませんよね。
綾奈 そう。修行ができない。歌が上手くなるために、こういうことをしなければということが分からない。だから視聴者の方はアイドルものだと思って見始めたらがっかりするかもしれない。個人的には、アイドルをやっている子達の日常アニメだと思っていただけると一番しっくりくると思っています。
-- どちらかというと日常のほうが中心になるということですね。
綾奈 最初に構成を組む時に、監督から普通の女子校生感を大事にしようというお話がありました。それと、必ずしも毎回ステージを出さなくてもいいと。
-- アイドルものは1話に必ずひとつステージがありますよね。
綾奈 初めは驚きました(笑)。でも、ステージにこだわらないのは、ロコドルらしさを出すチャンスだと思いました。なので、先ほどお話した試食販売のお手伝いみたいな小さなことでもいいから毎回入れて……本当に何も無いと、普通の女子校生要素だけになってしまうので(笑)。
-- なるほど。いま少し監督のお話が出ましたが、本作監督の名和(宗則)監督の印象を教えていただいてもよろしいでしょうか。
綾奈 名和監督とは、『聖痕のクェイサー』という作品でご一緒したのが最初でした。名和さんはスーパーバイザーとして入られていて、その時わたしはメディアライターという、あらすじを書いたりといったテキストの仕事をしていたんです。毎回本読み(脚本会議)に参加していたんですが、会議の内容が……女の子をどうエロく見せるかみたいな(笑)。そのあたりが中心だったので、名和さんはエロい人だと思っていたんですよ。
-- (笑)。『クェイサー』のような作品では大事ですよね。
綾奈 でも今回組んでやってみて、必ずしもエロの人ではないのかなと。女の子を可愛く見せることは、ファンサービスとして意識してされている方なんだと思いました。今回『ろこどる』はそういう作品じゃないよね、ということを監督自身がおっしゃったんです。
-- 構成打ちをする際に議論になりやすいところはありましたか?
綾奈 ステージの有無でしょうか。構成はとりあえず好きなようにやっていいよと任せて下さったので、自分なりに構成を切った後、監督たちから意見をいただいて、一緒に考えていきました。
-- 1話は原作から大分構成を変えられていると思うのですが。
綾奈 Aパートまるまる原作に無いオリジナルですね。監督に、奈々子がステージに立ってしまったら、そこからはアイドルをやっている女子校生になってしまう。だからそれまでに普通の女子校生のシーンをきちんとやってほしいと言われたんです。なので日常を描きながら、奈々子のキャラクター性を見せたり、水着でステージに立ってもおかしくないようにステージの場所を市民プールにしたりとフォローを入れて。……本当はもっと、奈々子がアイドルをやる前ふりを散りばめたかったのですが、監督から「ろこどるのろの字」も出さないでくれとお話があって(笑)。
-- Aパートは完全に普通の女子校生で行きたいということですか。
綾奈 そうなんです。高校の友だちが三人いて、奈々子と合計四人の日常アニメだと勘違いさせるぐらいの普通の学校生活を描いてほしいと。Bパートまでアイドルをするアニメであることが分からないので、それまでに切られてしまうのではとかなり不安な作りです……今でも不安です(笑)。2話はロコドルを始めたところからスタートなので、もう少し見やすいお話になっていると思います。
-- 1話は作品の本質を突いているがゆえに、少し特殊なんですね(笑)。
綾奈 キャラの心情としては2話も気をつけて書きました。なるべく早めに、この子達が、どこに向かっているのだろうというのをやっておかないとと思ったんです。とりあえずの目標ですね。アイドルとして成り上がっていくのではなく、ローカルアイドルとはなにかを探していこうというかたちにしました。
-- 今回ライターとしては、村上(桃子)さんと、高橋(龍也)さんが他に入られているんですね。
綾奈 お二人ともアイドルものを書かれている脚本家さんなので、とても安心感がありました。村上さんは『プリリズ(プリティーリズム・オーロラドリーム、プリティーリズム・レインボーライブ)』で、高橋さんは『アイマス(THE IDOLM@STER)』です。
-- そういう意味では非常に豪華ですよね。
綾奈 集結感がありますね(笑)。高橋さんは『夏色キセキ』から『アイカツ!』、『きんいろモザイク』とご一緒させていただいている方で、女の子の「キャッキャウフフ」描写がとても自然で可愛いくて、さらにアイドルのことも分かっていらっしゃるし、わたしの下手な発注でも的確な脚本を書いて下さるので、ぜひお呼びしたかったです。村上さんは文芸制作さんにご紹介いただいて、初めてご一緒しました。アイドルに詳しくて、引き出しを沢山持ってらして、脚本もめちゃくちゃ面白い! お二人が助けて下さったおかげで、脚本作業はスムーズでした。足引っ張っていたのはわたしだけで(笑)。凄くありがたかったです。
-- なるほど。少し視点を変えまして、本作はアイドルを題材にはしていますので、楽曲などもあるかと思うのですが、そのあたり詳しくお聞かせいただけますか?
綾奈 毎回ステージが無くてもいい、という話に付随するのですが、この作品は劇中でかける曲数が少ないんです。「CDを売りたいから劇中で曲をかけてほしい」といったリクエストも無くて……本当に良いのかなと心配になりました(笑)。とはいえ、それはローカルアイドルとしては正しいんです。先ほどの「りんご娘」ではないですが、曲がなかったりすることはよくあるんです。奈々子たちには、自分たちのオリジナル曲が出来ることや衣装やグッズが作られるといったことを当然だと思って欲しくないですね。
-- 通常のアイドルアニメではそこは当然のように通過してしまいますよね。
綾奈 初めてファンレターをもらったとか、市外から誰かが自分達を見に来てくれたといった小さな達成感、喜びもしっかり感じて欲しいと思っていて。そういう描写は少しずつ挟んでいますね。
-- 雲の上の存在を眺めるような感じではない作品になっているんですか。
綾奈 原作の小杉先生によれば、本作におけるアイドルとは虫みたいな存在らしいです。
-- 虫みたい……ですか。
綾奈 すぐ近くに存在するというか……身近にいそうな子達であると。
-- なるほど。だから虫ということですね。
綾奈 だからそこは凄く重要ですね。楽曲の話に戻りますと、曲そのものは少ないですが、まずは流川市のテーマソングである「あぁ流川」と「魚心くんソング」があって、ふたつとも凄くこだわって作っていただいています。徳島で行われているイベントの「マチ★アソビ」で、「あぁ流川」と「魚心くんソング」を流したそうなのですが、2番から合いの手が入ったと聞いて感動しました。
-- それは凄いですね。
綾奈 作中でも、ファンの方の描写はなるべく現実に沿ってやっています。ファンなんか見たくない、アイドルが見たいんだと言われそうですが……「アイドルは応援するファンが一人でもいればアイドルだ」という自論があって。逆に言うと、ファンの存在がなければアイドルではないんです。自分達をアイドルだと思っていない奈々子たちがアイドルでいるためには、彼女たちを応援してくれるファンがいないといけない。だからなるべく出したい、と思っているんです。
-- 今お話を伺っていて思ったのですが、沙織さんはファン側ですよね。そういう意味では凄く重要なキャラといえるのでしょうか。
綾奈 そうですね。おまけにマネージャーですから、彼女が一人いるだけで奈々子たちは紛れも無くアイドルです。沙織さんは、大人として機能しているところも良いですね。女の子たちをきちんとフォローしてくれる、良い大人です。
-- なるほど。脚本にするにあたって押さえないといけないポイントというのは、他にはありましたか?
綾奈 意識的に入れていったのはお金ネタですね。本読みでは、可愛い女の子がお金のことを気にするというのはどうだろうと言われたのですが、外したくないと思いました。原作を読んでいても面白かったんですよ。「(ゆい先輩と)時給に格差がある!」とか。お金のためにアイドルやってるわけじゃないけど、やっていることが時給に見合わないという自覚はちゃんとある。人間ぽいですよね。
-- お話を聞けば聞くほど新境地のアニメという気がします。本作は女の子同士の友情もクローズアップされている作品だと思いますが、そのあたり、この作品で気を遣ったことはありますか。
綾奈 女の子たちの絆というか、距離感を大事に描きたいと思いました。奈々子と縁に関しては、魚心くんが登場してキャラクターが3人になる前に、パートナーとしてある程度ちゃんと成立して欲しいと思い、そういう構成になっています。ちょっと悩んだのは、縁が百合マンガを持っていること。原作を読んだ時、驚いたんです。この世界には百合というものが存在していると(笑)。それが視聴者の方にどう受け止められるのか悩んだのですが……腹をくくって、そのままやることにしました。百合マンガを勉強のために読む縁さん自身は百合じゃないかもしれない、でも他人から見たら百合かもしれないし、百合じゃないかもしれないし、それは視聴者の方の自由だなと。
-- それは……裏の裏の裏みたいな話ですね。
綾奈 作品の受け止め方を強要したくないという思いがあって……百合好きの人が脚本を書いているから百合だろう、と思われるのが怖いんです。原作はそういうつもりでないこともあるので、作品に迷惑をかけないよう細心の注意を払います。
-- 確かに、そういうご苦労はありそうですね。
綾奈 奈々子と縁に関しては大事に書いています。この手の作品で二人組のアイドルが主役って、最近では珍しい気がします。それも年齢差がある。同じ学年同士でキャッキャする作品を書くことが多かったので、先輩と後輩という関係を書くのは面白かったですね。仕事でいつも一緒だけど、先輩の教室に行くのは緊張する……みたいな。そういう描写にこだわりました。
-- 先ほどからお話を伺っていると綾奈さんがいかにアイドル好きかが伺えます。そもそもアイドルと出会ったきっかけはどういうところなのですか?
綾奈 厳密に言うと、『夏色キセキ』ですね。アイドルに憧れて目指している子(花木優香)を書いたり、スフィアの四人を好きになったことで、同性アイドルに対する苦手意識が無くなったんです。そんな時にテレビでSKE48のパフォーマンスを見て、カッコいい! と、好きになって。
-- 実際に見に行ったりもするのですか。
綾奈 行きます。名古屋って近いんですよ。
-- えっ?
綾奈 一番速い新幹線で90分で行けるんです。
-- それはそうかもしれませんが(笑)。ご自身のアイドルに関しての経験で作品に役立ったところはありますか?
綾奈 1話ラストの奈々子ですね。SKE48に大矢(真那)さんという子がいるのですが、彼女は総選挙で名前を呼ばれてステージに立った時、広い会場なんですが、最後にマイクを外して肉声で「ありがとうございました」と言うんです。それがどんなに遠くにいても聞こえるらしいんですよ。わたしも昨年、総選挙を会場に見に行って、ファンに気持ちを伝えたいという彼女の行動に感動しました。それを奈々子にもさせてみたんです。奈々子は1話の最後、ステージが終わってへたってしまうんですが、ある家族が遠くから手を振ってくれて。それに対して縁は声が届かないから手振りだけで感謝するのですが、奈々子は肉声で応える。マイクがないから届かないかもしれないけど、気持ちを伝えたいからそうする……あのシーンは大矢さんを参考にさせてもらったんです。
-- あのシーンは原作にはない生々しい感じのするシーンでしたね。
綾奈 奈々子はアイドルのことが何も分からない。分からないけど、ありがとうを伝えたいというかたちにしたかったんです。……大矢さんの話が出たところで、同じSKE48の中西優香さんの話もしていいですか?(笑) わたしの推してる子なのですが、彼女は奈々子と同じで、自分のことをアイドルだと思っていないんですよ。
-- 「自分のことをアイドルだと思ってない」ですか? 凄い言葉ですね。
綾奈 アイドルとしてちゃんと努力をしていて素晴らしいパフォーマンスをするのに、そんなことを言うんですよ! まあそんなところが好きなんですけど!(笑) ……いや、数年前まではこんなにアイドルにハマると思いませんでした。推しを見つけるって凄い体験ですよ。中西さんには握手会の場で取材をすることがあります。アイドルにしか分からないことって、やっぱりあるので。
-- 他に参考にされたアイドルの方はいらっしゃいますか?
綾奈 『アイカツ!』で(藤堂)ユリカさまの歌を担当していたもえさんに話をうかがいました。どうしてアイドルになったのか、どういう時に嬉しいのかとか……そう、その時「頑張るのは当然だ」とおっしゃっていたのが印象的です。もう……カッコいい!
-- ありがとうございます。今日は『ろこどる』と……アイドルについて色々お伺いできましたが(笑)、最後に読者の方に一言よろしいでしょうか。
綾奈 この作品はアイドルと一緒なんです。見つけて、応援していただけて初めて成立する。もし最後まで追いかけていただけたら、俺達が見守ってきた奈々子達が……! みたいな気持ちになること請け合いです。一見地味で目立たない作品ですが、この子たちいいなというポイントがあると思います。そんなささやかないいところをぜひ見つけてあげて欲しいです。それは「アイドルを見つける」ということとよく似ていますね。ぜひ『ろこどる』を自分だけのアイドルとして見つけていただければ幸いです。
●公式サイト
http://www.tbs.co.jp/anime/locodol/
漫画やアニメの詳細な感想は、またその気になったら書くことにします。
xxvcocovxx@ezweb.ne.jp
熱い日が続いてます。お身体ご自愛ください。
それはともかく、流川市民のお役に立てて嬉しく思います。『ろこどる』は毎回、丁寧に作られた作品だなあと感心して見直したくなる、そんな素晴らしい作品ですね。
ろこどるのインタビューが消えてしまったので
こちらで掲載して頂いて助かりました。
一回読んでまた読みたいと思ったら消えてしまっていて…。
SKE48のファンでブログもやっているのですが
もしよろしければ
こちらのブログとインタビューを紹介させてもらえませんか?