今日の東急デハ5001号の状況(72)

例によって更新の間が開いてしまいましたが、とりあえずこの企画で更新を再開したいと思います。博士論文を出した以上は多少は余裕ができるはずだったのですが、精神的にはすっかり気が抜けて、ようやく最近になって少し動けるようになってきたような感じです。
というわけで、撮影日から更新日まで随分かかっている本記事ですが、なるべくかいつまんでデハ5001号の模様をお伝えしたいと思います。なお写真は、基本的にクリックすると拡大表示します。それでは、先例に従って、前から車体の様子を順番に見て行きましょう。



前面窓下の塗料の剥がれが大きくなり、錆が見えています。また車体前面の下の方にも、写真に赤印をしたように、寄りかかる人でもいたせいか、新たな傷ができています。



運転台扉周りは、若干塗料の剥がれが大きくなったようですが、幸いそれほどの変化はないようです。一方運転台寄りのドアの周辺では、これと比べると塗料の剥がれやゴムの劣化の具合がいささか目に付きます。さらにその2で示した側では、ガムテープの剥がれ跡のようなのが目立ちます。これは、ドアのゴムが以前から劣化していたので、弥縫策として後付でスポンジか何かでもゴムの上にガムテープで貼ったものの、たちまち剥落してしまって、むしろテープの跡が余計目立つようになってしまったものと思われます。きちんとした補修がなされず、姑息な手段がかえって事態を悪化させていると考えられましょう。
戸袋窓とその周辺に移ります。


戸袋窓の隅の大きな傷の方は、幸い以前と変わっていないようですが、その下の車体の方は小さな傷が増えているようです。あと戸袋窓のイラストには、前回とはまた別に悪戯書きが・・・


窓周りの傷が大きくなっています。上から流れてきた汚れも酷くなっているように思われます。また、ナンバーの「5」のそばにある傷が、以前よりも大きく目立つようになっています。



この辺も、さすがに汚れや傷が酷くなっているように思われます。特に一番下の写真の傷は、錆が左右に広がってきているようですね。

ここはもともと傷の多いところですが、やはりより酷くなっているように見受けられます。
引き続き、車端部寄りドアの戸袋窓の下枠と、その下部の車体を見てみましょう。


これらの写真の上にある左右に走っている傷が、戸袋窓下辺のものです。もともと傷の多い所ですが、窓枠周りも車体も傷が増えて大きくなっていますし、車体にはなにやらシールまで貼られています。これをその場で処理するのは、素手では無理でした。


妻面などはそれほどは変わっていないようです。裏側は相変らずゴミが見えますが、一応時々掃除はされているようです。
車内はおおむね以前と同様、観光案内所とNHKの番組宣伝に使われていました。今のところはこの運営形態で安定しているようですが、まだまだ続くであろう渋谷の再開発の中で、この車体がどのように扱われるのか、今後も慎重に見守って行きたいと思います。更新の間が開き過ぎないように、撮影からアップまでの間も開き過ぎないように・・・。

緑の塗料が綺麗で、車ならまだ売れるレベルだと思いますがね。
コメントありがとうございます。記事の完成が遅れてすみません。
このデハ5001号の製造は1954年で、譲渡された上田交通では1993年ごろまで走っていたと思います。同系車は今年はじめまで熊本で走ってましたので、整備さえすれば結構長持ちしますね。
5001号の場合は、1993年の廃車後、保存のために一度綺麗に整備されたので、その状態が残っているのだと思います。しかし、社内抗争の余波で無残に切り刻まれてこの状態にされてしまったので、あとどれだけ持つか心配です。
ここに設置されたのはおよそ10年前で、その間は特に塗り替えられてはいないと思います。