摘録
ちなみにこの学会、技術の歴史についての学会で、今回は40人位参加者がありましたが、受付やコンピュータ操作要員に動員された院生2名を除いて全員男性ばかり・・・いつか「技術(史)とジェンダー」という題で大会を開いては如何、などと考えてしまいました。
・畑野勇 『近代日本の軍産学複合体―海軍・重工業界・大学』創文社 は買って読むべき本である。今後は本書を読まずに平賀譲を語るのはもの知らずと言われよう。戦史研員は須らく買うべし。
・東大に残された平賀譲の文書4万点以上、デジタル化保存計画進行中(でも例によって資金不足)。将来的にはウェブ上で見られる?(現状では一般公開していない)
※追記:予算がついて(呉市も「大和ミュージアム」で協力したとか)、めでたくネット上に一般公開されました。
・「軍産(学)複合体」という言葉は使いどころが難しい。これに限った話ではないが、吟味しない言葉遣いは時として思考停止をもらたしかねない。
・日本の技術発展の節目は1910年代(八幡の鉄生産開始以降)で、半世紀真似てやっと独自のものへ。
・日本の跨線橋のモデルは英国にあり、資材(鋳鉄の柱とか)でも関連性があるが、英国の跨線橋には屋根がないらしい。ターミナル駅のドーム内に設けてあるものが中心だからだとか。
・「匠」という言葉で日本のものづくりを説明しようとするのは面白いけれど、エスノセントリズムの危うさをつい考えてしまう(しかし、Y氏の勤め先的には「使える」話題では?)
・Y氏、メールに返事出してなくて済みません。
他にもいっぱいあるけど細かくなりすぎるので自粛。懇親会~飲み会での話題はもっと面白いものもあるけれど、お相手いただいた先生方に断りもなく書くのはあまり良くないかも(回っていて正確を期せないから)。それでも、紡績機械の歴史で右に出る者はいない方と小生は何故か冤罪やら死刑廃止論やらを論じたりしていたのですが、初対面でもこういった話題をある種の気兼ねをなく(ネット上では遺憾ながら不可欠であるような)論じられる空間というのは大変ありがたいものであり、その末席に連なることができただけでも大きな成果であったのだろうと思います。
さて、出発までにどれだけ寝られるのか、そもそも寝過ごさずに済むのか・・・?
※追記:その後、平賀文書の整理を受けて、駒場キャンパスで「平賀譲とその時代展」と講演会が行われました。その模様はこちら。
※更に追記:本郷キャンパスでは更にその後、自主企画として講演会「巡洋戦『金剛』 技術的視点による再考」が行われ、畑野先生も見に来て下さいました。その模様はこちら。